13.私の再生
・・目が覚めた私は自分が泣いていたことに気が付いた。
・・何という展開なのか。映画にしても盛りだくさんすぎる・・。なんでリアとシェインの身にこんな過酷な運命が次から次へと起こるのか。かわいそうすぎる。この数日間でリアたちにすっかり肩入れしている私はこの展開に本気で落胆していた。
昨日見た、大河ドラマ級のリアとシェインの物語も、はっきり私の脳裏に残っていてあまり寝た気はしていないが気分はすっきりしていた。そして、一番衝撃だった場面を思い出す。
あのラドゥとかいう光人間が、「“「来世の結婚」を果たす未来世のリア”について言及した時、リアが思い浮かべたのはこの私、だったのだ。私が、「来世の結婚」をする・・?しかも、私がリアの夢を見ていたように、リアも私の姿を夢で見たという・・。
リアの夢を見る3回目は更に不思議度が増していて、今度はまるで私自身がリアになってしまったかのように、彼女が考えたり思い浮かべたりしたことをそのまま自分のものとして体験し、彼女の目が見たものを私も見ていた。
つまり私はリアだった。リアの人生を夢の中で生きていた。リアとしてシェインにキスされたり抱きしめられたりしたことも、リアの感情に同化しているので全く自然で抵抗はなかった。
だがその中で、リアが“未来の自分”として思い浮かべた映像は、あのせまい部屋のベッドの上で、人生諦めたような顔をした不幸な女性、私の姿。客観的に見た自分の姿にあらためてショックを受けた。
・・やはり、ラドゥが言ったようにリアは私の過去世なのか。私は既にこれをただの夢とは思えなくなっているから、そちらの方がすんなり信じられる。
もともと私はスピ系女子で、輪廻転生も普通にあると思っているし、その方が理にかなっていると思う。もし本当にリアが私の前世なら、夢の中で見た彼女の物の捉え方は、今の私とかなり似ているとも思ったので違和感はない。
何より、あんなに気丈で頑張り屋で美しい女性が過去の私、なんて光栄な気がする。
シェインみたいな素敵な人に愛されていて、あまつさえ魂のかたわれと言われているし、今の私には羨ましくもある。
それにしても、ラドゥが言ったことを信じるなら、シェインは私のかたわれの過去世ということになる。
私の心はにわかにざわついてくる。私は、シェインの魂の生まれ変わりである男性と、今世出会って「来世の結婚」の約束を果たすために生まれてきた・・。そして魂はそれを知っていた・・?そう考えると色々つじつまが合う。
私は小学生くらいの頃から、わけもなく、ずっと「女性に生まれてきてよかった」という強い想いを持っていた。もしかしてそれも、「誰か出会う人がいる」という想いと同じことで、「来世の結婚」の約束から来たものじゃないの・・?
今まではそんなこと考えても、全部妄想だと結局自分で打ち消してきた。そんな夢みたいなことばかり考えているから未だに独身なんだよと自虐して否定して。
でももう否定なんてできない。確かに見たのはそれこそただの夢でしかないけど、私にはわかる。これはただの夢なんかじゃない。私の魂の記憶の一部なんだ。
根拠も無いのに私はそう確信していた。
もし私が本当にリアの未来世なら、リアとシェインの幸せのために、今の私がしてあげられることはないのだろうか・・?何千年も前に生きたもう1人の自分のために、私は今、半ば本気で考えていた。だって何かできることがあるから、こんな夢を見せられているんじゃないの?
久しぶりに自分の中に熱い何かが戻ってくるのを感じていた。こんな感覚は、いつ以来だろう。少なくとも山霧とのことが起きる前のことだと思う。この半年間死んだように生きていた私。でも今再び、生き返ろうとしているのかもしれない。




