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0.プロローグ
(・・なぜ、こんなことになってしまったの・・)
リアは天を仰いでため息をついた。空を見上げる。
(私はどうすればよかったの。私にはあの方を拒絶する余地などなかった。
でも、それがまさかこんなことになるなんて・・)
夜空に広がる星を見つめて、再びため息をつく。
けれど、今はただ嘆いているわけにはいかなかった。
折れそうな心を奮い立たせ、今のリアにできる唯一のことをしなければ。
祈るのだ。あの人たちに言われたように。
「どうか私に力を・・。自分を、自分の愛を、魂を信じる強さをお与えください。そして、どうか、どうか、彼をお守りください。私の魂の片割れを・・」
震える声でリアは祈りを捧げた。
眠れる気はしなかったが、部屋に戻り、とにかく横になった。
しびれたように重い頭を休めるため、とにかく目をつむる。
眠れるはずもないと思っていたのに、リアはあっという間に眠りに引き込まれていた・・。