小学一年生 (2)
ども、テリンでございます。
これからは更新頻度が少し遅くなるかと思いますので、よろしくお願いします。
8/27 サブタイを変更しました。
ざわざわ...
家から歩いて大体十五分。僕は学校の校門に到着した。
学校の玄関に向かって歩いているのだが、昨日と同じかそれ以上の視線を集めている。僕の動きの一つ一つを見られているようで居心地がとても悪い。ついさっきマリアと別れたので、遠慮が無くなったのだろう。
こんな視線を集めてる状態で転んだら笑い者だな、なんてちょっと頭の中で余裕ぶって、だけど転ばないように足元に気をつけて歩いていると、僕の後ろにいるひそひそ声で話している二人の女の子の会話が聞こえてきた。
この僕に集まる視線には男に対する興味だけではなく、僕の容姿にちょっと惹かれるものがあるから、というのもあるのだろう。僕が何故そう思うかというと、マリアが言ってくれた誉め言葉で自信がついた、というのも少しはあるのだが、昨日から聞いているイケメンっていう言葉が二人の会話から聞こえてきているからだ。
周りに男は居ないし、ちょろっと僕の名字も聞こえた。
まあ、だからと言って調子乗ったりはしないよ。
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「おはよー...」
ガラリと一年三組の扉を開けながら言う。なんだか昨日の自己紹介を思い出していまい、なるべく気付かれたくないなぁ、と思いながら中に入る。まぁ男だから無理だろうけど。
「古月くんおはよー!」
僕を目ざとく見つけた、廊下側にいる肩にかからないくらいに髪の毛を切り揃えた女の子が元気に挨拶を返してくれた。胸につけている名札には「たちばな」と書いてある。
「おっ、おはよう。橘さん」
少し厄介な事をされちゃった感はあるが、挨拶を返してくるのは非常に嬉しいことであり、ついつい笑顔になってしまう。すると、僕の笑顔を向けられた橘さんは顔を赤くしてしまう。
そんな光景を見た女の子達は、私も私も!と、僕に対して次々と挨拶を返してくる。
席に着きながら挨拶を返していると、いつの間にか僕の周りは女の子だらけになっており、そして昨日の自己紹介をする前の時のような感じで質問攻めになっていた。
僕の登校時間が遅かったため、五分ほど経つと朝の挨拶を始める時間。担任の中田先生が入ってきて全員に席に着くよう言った。朝の挨拶、先生からの話を終え、五分程の休憩を挟むとそのまま一限目に入る。
一限目は学校生活の説明についてだった。特に印象に残ったことは無かったが、この小学校は他の所と比べるとだいぶ広いらしいので、迷子にならないようにと言われた。確かに一目見たときは前世に通っていた小中学校よりデカイと感じはしたが、迷子になるのは有り得ないだろう。
二限目は学年集会。二階にある多目的ルームという広場的な場所で一から五組、全員が集まって先生や学年主任からの話を聞くらしい。勿論というか、男子は女子の列から外れて。
話の内容は先生の自己紹介だったりで、そこまで長く話されず十五分で終わった。
三限目は数学...ではなく算数。三限目からは普通の授業が続くようで、今回初の算数の授業は数字に慣れよう!みたいな感じのテーマで、正直面白くはなかった。
四限目は国語。前半は平仮名の練習。後半は給食についての説明だった。既に決定されている三つの班で協力して仕事をこなそう、というのと、仕事のやり方、給食の配り方の説明。
理解出来ていなさそうな子がちらほらいたが、そこは先生に任せよう。大丈夫。僕も手伝いますんで。




