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快VS大和

「霊斗の弟子なんだよな?それなりの実力を持ってるって事だよな?見せてくれよ?」


「徐々に見せてあげるよ!!」


快は大和にそう言って炎のレーザー弾幕を放つが、大和は自分の前に見えない霊力の壁を作り出して快のレーザーを防いだ。


「そういえば磔、大和の能力は何だ?」


「そうだな刀哉、大和は『運命に弄ばれる程度の能力』を持ってる。まあ、レミリアみたいな能力じゃなくてある1つの条件を満たさない限りは絶対に死なない能力みたいなもんだな。」


「では、快の能力は?」


「『本気になれる程度の能力』だ。つまり体のリミッターを限界まで解除出来るんだ。どれくらい解除出来るかは本人次第だけどな。」


磔は試合を見ながら刀哉に説明する。


「むぐぐぐ!!やっぱり防がれるか!!」


「そんなんじゃ俺は倒せねえよ。」


大和にそう言われ、快はレーザーの出力を上げるが微動だにしなかった。


「なら気符 超本気モード!」


快はそう叫ぶと金色のオーラを出現させ、髪の色も金色になった。


「でやぁぁ!!」


快はレーザーを消して大和に近付きパンチの連打を喰らわすが、見えない壁に阻まれて攻撃は届かなかった。


「それくらいの力なのか?せいぜいレミリアといい勝負が出来るくらいの力で俺と戦おうってのか?」


「だから、徐々に上げていくんですよ!!気符 超本気モード2!!」


快は大和から少し距離を取り、雷を纏って再びパンチの連打を喰らわす。


「おっ!少しは上がったみたいだな。」


「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!」


快はパンチの他にキックや弾幕を大和に放つが、全て見えない壁に阻まれた。


「くそ、気符 超本気モード3!!」


快は更に額からオレンジの炎を出現させて見えない壁を殴った。すると壁にヒビが入って粉々に砕け散った。


「少しは楽しめる力になったな!!」


大和はそう言い快に弾幕を放つ。それを快は手に着けているグローブから炎を出現させ、大和が放った弾幕を溶かした。


「弾幕を溶かす、面白いな!」


「行くよ!!火符 メテオアロー!!」


快はスペルを唱えると空高く飛び上がり、そこで赤色の弾幕を作り出して大和に向けて殴り飛ばす。


「おりゃりゃりゃりゃりゃ!!」


「威力もある。スピードも中々。けど俺には届かねえよ。」


大和はそう言うと、大量の土塊を出現させて快が放った赤色の弾幕にぶつけて相殺する。


「えっ!?僕のスペルの弾幕が!!」


「ほら、もういっちょ行くぞ?」


大和は再び土塊を出現させて快に向けて放つ。快は土塊を当たるギリギリの所で避け続けて大和に殴りかかった。


「よく避けた、と言いてえ所だが甘いな。」


大和は快の拳を受け止めるのと同時に地面から鎖を出現させて快を拘束した。


「うっ、くっ!取れない!」


「逆にすぐ解かれたらショックだな。まだまだ本気じゃないだろ?見せてみろよ、それか本気を出す前にぶちのめされるか?」


大和はそう言いながら快に近付き、両手で快の顔面と腹に拳底を放って快を吹き飛ばした。


「うへぇ、容赦のないことで。」


「あれが大和だからな。あれでもまだまだ手加減してるからな。」


磔が苦笑いしながら試合を見ていると隣にいた霊斗が顔に笑みを浮かべながら磔に言った。


「そういえば霊斗って弟子は何人くらい見てきたんだ?」


「そうだな。」


霊斗は磔にそう言われしばし考え込んだが、首を横に振った。


「わからねえ、数えるのを止めたからな。」


「まあ霊斗ならそんくらいいてもおかしくはないわね。あ、その和菓子貰うわよ。」


「数えるのを止めたって、おい桜?ここにあった今川焼は?」


「んぐんぐ、美味しかったわよ?」


桜は満面の笑みを浮かべながら磔に向かってそう言った。それを見た磔はため息をつきながら近くにあった鞄をごそごそと漁る。


「食いたいなら言えよ、持ってきてやるから。」


「あら、ありがたいわね。」


桜は磔から今川焼を数個貰った後、ルンルンと口笛を吹きながら何処かへ向かった。


「磔~、俺にも今川焼くれ!!」


「はいはい。」


磔の後ろに突然現れた終夜に動揺せずに磔は今川焼を渡す。


「どれどれ、おお!うまぎゃぁぁぁぁ!!」


「あっ、悪い終夜。イタズラ用の激辛山葵入りの今川焼渡しちまった。」


「口の中がいてえよ~!!みみみみみみず~!!」


「ほら終夜、持ってきてやったぞ。」


「ありがとう~終作!!ってこれミミズじゃねえか!!」


終作から渡されたミミズを終夜は口に放り込もうとし、ミミズに気付いたのか地面に叩き付けた。


「ちゃんと水を渡したんだけど~?この終作様の行いに感謝しろよ~?」


「ミミズな!!これミミズな!!」


逃げる終作を終夜が涙目になりながら追っていくのを見届けた磔は試合の続きを見る。


「乱符 ラッシュストーム!!」


「縦横無尽に動き回って攻撃するスペルか。けど俺には効かないぞ?」


快は超本気モード5の状態で大和に殴打のラッシュを喰らわすが、大和は盾を作り出し快の殴打を防いでいたが、防ぎ切れなくなっていく。


「っ!!予想以上だな!!」


「貰った!!」


快は大和の防御が追い付かないのを見計らってかかとおとしを喰らわすが、大和は一枚のスペルを持って笑みを浮かべていた。


「炎悪 炎の巨悪スルト!!」


大和がそう叫ぶと大和の体に鎧が纏い、手には高熱を帯びている大剣を持っていた。


「ふっ!!」


大和は持っていた大剣を振り回し、快を切り裂こうとする。


「ヤバイ!!」


快はかかとおとしの軌道を変えて、大剣の側面に当たるようにし、かかとおとしをした足に力を込めて大和から距離を取った。


「あっつい!なんだよそれは!?」


「これは霊衣って奴だ。簡単に説明してやると『幻想郷の住民達の力が世界に認められた時、新たな法則となって彼らの力が具体的な形を伴って抽出されたもの』だ。」


大和は大剣を肩に担ぎながら説明する。それを見た快は大和に炎の弾幕を放つが、大和が着ている鎧に弾かれる。


「この霊衣は使うつもりはなかったんだがな、だが使わせたからには覚悟しておけよ?」


大和はそう言うと地面を蹴って快に大剣を横凪ぎに振るうが、快は地面に倒れるようにして避け、そこから大和の腹を蹴り飛ばそうとする。


「いい反応だな、けど甘え!!」


「効かない事は分かってるんですよ!!気符 フリーズインパクト!!」


快は足に氷を纏わせて大和を蹴り飛ばそうとしたが、大和の大剣に阻まれて逆に吹き飛ばされる。


「磔、あの大和という男は何者だ?」


「ん?霊斗の弟子らしいぞ刀哉。詳しくはしらないけどな。」


「ふむ、これは快はまずいのではないのか?」


刀哉が心配そうな声色で磔に訊ねるが、磔は心配していなさそうな表情をした。


「大丈夫だ、快はまだまだやられねえよ刀哉。潜在能力なら俺らの世界の中でも1番だからな。」


「磔ではないのか?」


「残念ながらな。」


磔は刀哉に苦笑いしながら返事をすると、試合会場から爆発音が発生した。


「もう温存とかいってる場合ではないね!!気符 超本気モード6!!」


快はオレンジ色と金色のオーラを纏い、目はオレンジ色で髪色は金色、額の炎も金色になった。


「まだパワーが上がるのか。いいぜ、全力でかかってきな!!」


「言われなくても!!」


そう言い快は縮地を使って大和に接近しながら弾幕を放つが、大和は大剣を振り回して出た余波で快の弾幕を消滅させる。


「まだまだ!!」


「いいぜ、もっと来いよ!!」


快は弾幕が消滅したのを気にせず大和に接近して左フックを放つ、それを大和は大剣の腹で受け止める。


「っち、これだと少々不利だな!!」


大和はパンチ、キック、弾幕と連続で休みなく放ってくる快の攻撃を捌きながらスペルカードを取り出した。


「発動させないよ!!」


快は大和の手に持っているスペルカード目掛けて弾幕を放つ。それを見た大和は慌てて弾幕を弾くが、その隙を狙って快は大和にボディブローを放った。


「ぐっ!!やるじゃねえか快!!だがな、魔王『魔の天王(五郎左衛門)』」


大和がスペルを宣言した瞬間に快は嫌な気配を感じて大和から距離を取った。すると大和が装備していた大剣と鎧は消え、額から二本の巨大な角が生えた。


「何か嫌な気配を感じますね、何する気ですか大和?」


「見ていれば分かるさ。」


大和がそう言うと大和の周囲から妖怪が出現した。その数は1体とか2体とかではなく、数えきれないくらいいた。


「本格的にまずいんじゃないですか!!」


「落ち着けハリスマリー、あれは大和が生み出した妖怪だ。」


「うう、不気味で怖いです。」


「確かに悪寒が走るな。」


磔の近くにいたハリスマリーは恐怖で体を震わせ、刀哉は脂汗をかいていた。


「でもどうして磔さんは平気なんですか!?」


「慣れてるからなハリスマリー。まあ幻想郷で暮らしていればあんなのは嫌でも慣れるさ。」


「一体どんな生活をしてきたんですか磔さんは。」


ハリスマリーがそう言うと、大和から生み出された妖怪は一斉に快に向かって突進していく。


「これは大和の勝利か。」


「いーや、そうとは限らねえぜ刀哉?まあ見てな、滅多に体験出来ないことが体験できるからよ。」


刀哉が呟いた言葉を磔は否定して試合を見るように促す。


「一体何をする気なんですか!?」


ハリスマリーは目を閉じて動かない快を見て磔に質問する。


「そうだな、滅多に見られない超技術を発動させる気だなハリスマリー、気絶するなよ?」


磔がハリスマリーにそう言った瞬間に快は目を開けて見えない衝撃波を妖怪達や会場にいる人に浴びせる。


「何をする気っ!?何だよこれは!?」


快の衝撃波を浴びた妖怪達が次々と倒れていき、会場にいる人の8割が意識が飛んだように倒れていった。


「何したんだ快!?」


「超技術『魂圧』を使ったんだよ。」


そう言い快は動揺している大和に接近して顔を殴り飛ばす。それを磔は笑みを浮かべて見ていた。


「やっぱり発動させたか、にしても会場全体まで広げなくてもいいはずなんだけどな。」


「磔!!快は一体何をしたんだ!?」


「それはな刀哉、あっ、ハリスマリーが気絶してる。」


刀哉は辛うじて意識を保っている状態だが、ハリスマリーは目を回して気絶していた。


「刀哉、ハリスマリーを起こしてやってくれ。」


「すまないが出来そうにもない。体がまだ満足に動かせない。」


「マジか、ほら起きろハリスマリー。」


「はうっ!!」


磔のチョップを喰らったハリスマリーは飛び上がるように起きて辺りを見渡した。


「うう、何か気持ち悪い。」


「まあ魂圧を喰らえばそうなるな。「その魂圧というのは何だ磔?」教えてやるから落ち着け刀哉。」


磔は近くに来ていた尾都を呼んでハリスマリーの介護を頼んだ。


「魂圧はな、超技術の中では少し特殊な部類で、相手を威圧するだけという物なんだ。」


「でもそれだけではないんでしょ?私も危うく意識を失う所だったわ。」


「それでよく笑顔でいられるな尾都。まあその威圧力は見た目には比例せず、実際に持つ戦闘能力によって受けるイメージが大きく変わるんだ。」


磔は刀哉とハリスマリーと尾都に説明しながら3人を魔力で治療していく。


「でも私はイメージは浮かんで来なかったですよ?」


「イメージが浮かぶ前に脳が意識をシャットダウンしたのさハリスマリー。もしあのまま起きてたらとんでもないことになってたな。」


「とんでもないことって何だ磔?」


刀哉がそう言うと磔は鞄から林檎を取り出し、林檎に力を入れて粉々にした。


「ハリスマリーの脳が今見せた林檎のようになっていた。」


「じょ、冗談ですよね磔さん?」


「残念だが冗談じゃない、魂圧は戦闘能力に差があればあるほど威圧力は絶大になり、恐怖で相手の脳を破壊することも可能になるんだ。」


磔がハリスマリーにそう説明すると、ハリスマリーは顔を青くしてガタガタと震え出す。それを尾都がハリスマリーの頭を優しく撫でて落ち着かせる。


「その魂圧は誰でも使えるのか?」


「これは才能が必要になるんだ。無理矢理使う事も出来るけど、それだと威力は大幅に落ちるぞ。」


「なるほど、ご教授感謝する。」


「そんなにかしこまった感じで話さなくていいぞ刀哉。」


刀哉は磔に頭を下げたが、それを見た磔が困った表情で頭をかく。


「どうやらこの霊衣は使えないようだな。快、お前中々やるじゃねえか。」


試合は大和は快に向かって首を回しながらそう言うが、快は不満そうな表情をしていた。


「お世辞はよしてください。まだ大和が本気じゃないのは知ってるんです。」


「なら大サービスだ、見せてやるよ。幻想郷の権化!!」


大和はスペルを発動させると身に纏う炎の鎧が現れ、黒く巨大な翼が背中に出現した。


「な、力がどんどん上がっていく!!」


「まだまだこんなもんじゃねえぞ。」


更に手首の数珠玉を鳴らすと、巨大な第三の眼が術者の周囲をふわふわと漂い、白い氷でできたマフラーが出現した。口や手足からは鋭い爪牙や毛皮が覗き、尾骶から9つの尾が生えていた。


「さて、行くぜ。」


大和はそう言い快に人さし指を向けた。すると人さし指から弾幕が大量に放たれた。


「快!!避けろ!!」


「えっ!?わああああ!!」


気付いていない快に向けて磔が叫んだが、既に遅く快は弾幕に呑まれて壁に激突した。


「み、見えなかった。磔は見えたのか?」


「辛うじてな刀哉、けどこいつはヤバイぜ。」


磔が刀哉にそう言うと快が大和に向かって突進していく。


「攻撃が見えなかった。でも負けるわけにはいかない!!」


「今のでもくたばらないか。けど今のはほんの挨拶だぞ?」


大和がそう言うと大和の背後から武器が大量に出現し、快に向かって放たれる。


「う、避けられない!!」


快は武器を避け続けるが、避け切れなくなり上空に避難したがそこには大和が待ち受けていた。


「終わりだな快。」


大和は持っていた槍で快を地面に叩き付け、更に武器を大量に投下した。


「快さん!!」


「うおっ!!いきなり叫ぶなよ霊愛。」


「あ、すみません霊斗様。でも快さんが。」


大和の攻撃を見て霊愛は心配そうな表情をするが、霊斗は霊愛の頭をぽんぽんと撫でる。


「死にはしないぞ霊愛、けどこれで快の負けかもな。まあ大和相手によくやった方だぞ。」


霊斗がそう言うと倒れていた快が起き上がってスペルカードを取り出した。


「もう、これにかけるしかない!!」


「まだ力が残ってたか。いいぞ、来い!!」


「大炎符 ダブルフレアバーナー!!」


快は両手から巨大なオレンジ色のレーザーを大和に放った。それを見た大和はスペルカードを取り出す。


「折角だ、レーザー対決といくとするか!!幻想郷奥義 幻想波動砲!!」


大和も巨大なレーザーを出現させて快に向けて放った。2つのレーザーは拮抗したがすぐに快のレーザーが押され始める。


「く、うぐぐぐ、やっぱり押されるのか!!でも負けない!!」


「さあ、どこまで抗えるか試させてもらおうか!!」


そう言い大和は更にレーザーの出力を上げる。それを感じた快もレーザーの出力を上げるが、押し返す事は出来ずに徐々に大和が放ったレーザーに呑まれていく。


「僕が、僕が負けるわけにはいかないんだぁぁ!!」


快は更にレーザーの出力を上げて対抗するが、やはり押し返す事は出来なかった。


「終わりだ!!」


「ぐ、うわああああああ!!」


快のレーザーが完全に呑まれ、大和の放ったレーザーが快にぶつかって大爆発を起こした。












全て出し切った。それでも大和には勝てなかった。もう充分かな。











いくら修行しても、いくら強くなっても勝てない敵はいるんだ。努力だけじゃ敵わないものもあるんだ。













だから、諦めるのは仕方ないじゃないか。























黙れよ僕の心、そんなんで諦めきれるかよ!!こんなところで諦めたら僕から全てを奪ったあいつに勝てねえじゃねえか!!












こんなところで諦める訳にはいかない!!こんなところでくたばる訳にはいかない!!














もう一度あの場所を取り戻す為に!!もう一度あの人に会うために!!もう一度あの空間に行くために!!


















もう一度、僕がこの世で最も愛した女の人、アリス・マーガトロイドに会うために!!














そして、愛する人との間で出来た娘に会うために!!














限界なんざくそ食らえだ!!もう一度アリスと娘に会うためになら、何度地面に叩き付けられようとも、何度吹き飛ばされようとも、何度力の差を見せつけられようとも!!













僕は、何度だって限界を超えてやる!!



















「これで大和の勝ちか。とんでもない奴もいるんだな。」


「そうね幻真、幻真は大和と戦いたいのかしら?」


桜の問いに幻真は首を横に振って否定する。


「流石に遠慮しておく。下手したら殺されかねないからな。」


「まっ、それが賢明な判断でしょうね。」


桜が幻真にそう言ってる時、刀哉が唖然した表情でフィールドを見つめていた。


「これが、他の世界の者の実力。」


「大和が化け物なだけだけどね~。ん?磔はそれほど驚いてないのか?」


「まあな、にしても凄いなぁ大和は。」


磔は感心したようにうんうん頷いているが、終作は腑に落ちない表情をしていた。


「なあ磔、何やら不穏な空気を感じるんだが知らないか?」


「感じるぞ、まあ見てなって。」


「そうねぇ、もしかしたら凄いものが見られるかもしれないわね。」


「凄いものってなんでしょうか尾都さん?」


「静かにハリスマリー、来るぞ。」


磔がそう言うと快が倒れているらしき所からオレンジの光が現想郷の上空まで膨れ上がっていき、その光の中から快がゆっくりと起き上がっていった。


「どうやら快も発動出来たみたいだな。超技術 『エンドナイト』を。」


磔は皆に聞き取れないくらいの声で呟いた。その一方で大和は快に向かって歩いていく。


「何やら壮大な事になってるが、何かスペルでも使ったのか?」


「…………。」


大和の問いかけに快は答えず、その代わりに閉じていた目を開けた。今の快はオレンジ色の目とオーラだけを纏ってあるが、今までのオーラとは違い色は澄んでいて、炎のように出ているのではなく、静かにそして神々しい感じでオーラが出ていた。


「どうしたんでしょうか快さんは?」


「分からないわね、でも今まで感じていた力が全く感じなくなったわ。」


「感じないのも無理はないさ尾都。俺は感じれるけど、今の快の力は恐ろしく静かなんだよ。」


「あんな感じの快は見たことがない。何かするみたいだからしっかりと見ておけよ?」


磔がそう言うと快は黙ったまま一歩踏み出した。その瞬間、いつの間にか大和に蹴りを放っていた。だが大和はそれに反応してしゃがんで避けていた。


「えっ?」


「おいおいマジかよ。」


磔と終作と霊斗と絢斗以外の人は何が起きているのか分からなく、後から来た衝撃波で反応した。


「根性だけは俺よりも上だな。けど、それだけじゃ勝てねえぞ!!」


大和はそう言い後ろの空間から大量の武器を出現させて快に向けて放ったが、快はそれらを最小限の動きだけで避けていった。


「霊愛ちゃん、今の快の動き読めた~?」


「急に現れないでくださいよ絢斗さん。そうですね、全く読めませんでした。」


「読むこと事態無駄なんだろうな。今の快は、頭で考えて動いていない。神経が、いや細胞が勝手に反応して攻撃を避けているんだ。」


霊斗はそう言いパンチの連打を浴びせる快と大和を見ながら呟いた。


「いきなり強くなったな!!けど、これならどうだ?」


大和は空間を埋め尽くす程の弾幕を出現させて快に向かって放った。


「俺は快の心が読める。だから避けようとしても無っ!?」


大和はそう言いかけた時、驚愕の表情を浮かべる。何故なら快の心を読んでも何も分からないからだ。


「無駄だよ大和。」


快は弾幕を歩いて避けていき、大和を蹴り上げて上空に飛ばし、一瞬で大和の背後に回って背中を叩き付けて地面に落とし、その後、拳圧で大和を壁に激突させる。


「力の差を飛び越えやがった!?」


大和が唾を吐き捨てると快が目の前にいて大和の腹にエルボーを喰らわせる。


「がっ!!」


更に快は怯んだ大和に両手で拳底を放ち、大和の体を粉砕した。だがすぐに大和の体は元に戻っていた。


「両手での衝撃粉砕か、この幻想郷の権化を使っても苦戦するなんてな。他のスペルを使っても無駄だなこりゃ。」


「……。」


「だったらもう1つの能力を使うしかな、あれ?」


大和がそう宣言した時、快がドサッと倒れ込んだ。


「これ以上は無理だな。勝者 日向大和!!」


「恐ろしい程の潜在的能力を秘めているな快。それらが全て発揮された時、やべ、俺勝てるかな?」


大和は幻想郷の権化を解き、快を抱えて磔の所に向かった。


「終作、次終作の番だけど試合したいか?」


「んー、面倒だからパスかな~。俺の力はこういう試合には向いてないんだよ。(それに、面倒な事が起きそうだからな。あーやだやだ。)」


「まあ終作ならそう言うと思った。それじゃ次だな!!」


磔が指を鳴らすと霊斗と尾都がフィールドに現れる。


「残り2試合だ!!博麗霊斗VS九重尾都、スタート!!」


「ということは俺は磔と戦うのか!?」


「そうだぞ幻真、ボコボコにしてやるから準備しておけよ?」


「その怖い笑みを止めてくれ。」

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