集まる人達
「呼んできたぜい!」
磔が闘技場の掃除をしていると磔の前から終作が次元の狭間から降りてくる。
「はいはい、お疲れさん。それで、呼んできた人達は何処にいるんだ?」
「待っててな~、今出すから。」
「出すって表現よ、まあ気にしたら負けか。」
終作が磔にそう言うと、パチンと指を鳴らした。すると、次元の狭間から人がどさどさと落下してきた。
「おいおい、組体操でもしてるのか?」
「じゃ、自己紹介よろしくね~。」
終作がそう言うと、落ちてきた人達はのそりのそりと立ち上がった。
「終作、またあんたの仕業なのね。私は阿部桜よ。よろしくね。」
桜色の髪に脇が空いている巫女服を着ていて、白い狐耳と細めの尻尾が10本ある女性が終作を睨みながら言う。
「次は俺だな、俺は黒崎終夜だ。ところで桜、胸大きくなっ「何処見てんの!?」ふげっ!」
桜の胸をガン見して言った終夜は桜のエルボーを顔面に喰らってうずくまった。
「確かに、いつもより大きくなってるよな。」
「磔まで何処見て言ってんの!?」
顔を若干赤くした桜が磔に右フックを喰らわすが、磔は左手でフックを受け止めた。
「っち、よく受け止めたわね。」
「修行してるからな。ところで桜、いつもと違う感じがするんだが?」
「いつもとは別の人格で来てるからよ。」
そう言い桜は懐から饅頭を取り出して食べ始める。
「俺は桐月アルマ、よろしく~。」
「私はアルマの世界の水橋パルスィよ。」
アルマとパルスィは自己紹介しながらも手を繋ぎ合っていた。
「私ですね、私はハリスマリー・吸と言います。よろしくお願いします。」
黒色のワンピースを着ている女性がペコリと頭を下げた。だが絢斗がハリスマリーの下から現れてワンピースの中を覗き込んでいた。
「うっほ!ハリスマリーちゃん最高だね!」
「何処を見てるんですか!?」
ハリスマリーは天叢雲剣を絢斗の頭に突き刺そうとしたが、絢斗は地面から飛び出て白刃取りで受け止める。
「はっは~!顔を赤くしているハリスマリーちゃん可愛いね!」
「絢斗、あんたも懲りないのね。」
桜はため息を付きながら絢斗の後ろに回り込んで首を締める。
「うぐぐぐ!!ぐるじい!!だが桜ちゃんの柔らかい感触がつた「ふんっ!!」あぎゃ!」
桜は絢斗の言葉を聞いた時、絢斗の首をへし折った。
「さ、桜さん!!殺すことはないんじゃないですか!?」
「いいのよハリスマリー、こいつなんか殺しても直ぐに復活するから。」
桜が呆れたように言うと絢斗が、首を回しながら磔の横に立っていた。
「桜ちゃんのあの感触は俺の脳内メモリーに保存だね~!」
「羨ましいぞ絢斗!!」
「終夜、話が進まないから少し黙っててくれ。次いいぞ。」
「あらあら、大変ねぇ。私は九重尾都よ。よろしくね。」
金髪で猫耳で黒に真っ赤な花柄の着物を着た女性ににこやかに頭を下げた。それを見た絢斗と終夜は鼻息を荒くしてかなり興奮していた。
「むほー!!着物の上からでもわかるだいなまいとぼでー!!」
「尾都には男の夢と希望が詰まってるぜ!」
「あらあら、私は安くないわよ?」
絢斗と終夜のいやらしい目線を浴びても尾都はさほど気にしていなかった。
「俺だな、俺は日向大和だ。久し振りだな霊斗。」
「ああ、久し振りだな。」
大和が霊斗にそう言うと、霊斗はにこやかに笑って返事をした。
「大和と霊斗はどんな関係なんだ?」
「まあ色々ある。気にするな。」
「俺か、俺は刀哉だ。よろしく頼む。」
短めの黒髪の少年はそう言い礼をした。それを見た磔は古風な雰囲気を持ち合わせてるなと感じた。
「最後は俺かな?俺は幻真だ、よろしく!」
ジーパンに青色の半袖の服を着た少年が元気よく挨拶する。
「じゃあこっちも自己紹介しないとな。俺は白谷磔だ。まあ知らない人の方が多いだろうな。」
「いや!ほぼ全員知ってるだろ磔!!知らない人って言ったらハリスマリーと尾都くらいしかいなくない!?」
磔の言った言葉に幻真が反応して磔にツッコミを入れた。
「磔と幻真はどんな関係なのかしら?」
「ん?幻真は俺の弟子みたいなもんだ尾都。」
「ふむ、磔は相当な剣術の腕前があると見受ける。機会があれば一度手合わせを願いたい。」
「俺なんかまだまだだ。俺よりも凄い剣術の腕前を持ってる人がいるからそいつに頼んでくれ刀哉。」
刀哉は磔に手合わせを申し込んだが、磔は絢斗の方を指差してやんわりと断った。
「次は俺だね~。俺は相沢絢斗だよ~。よろしくね~!」
「ハリスマリー、尾都、絢斗に変なことされたら遠慮なく攻撃していいからな。」
絢斗が自己紹介した後、磔がハリスマリーと尾都にそう忠告した。
「ふっふっふ、警戒しても無駄だぜハリスマリーちゃん、尾都ちゃん、君達は俺のターゲットにされたからね~。」
「さ、桜さん!!どうすればいいんですか!?」
「こうするのよ。ハリスマリー、絢斗なんかに遠慮は本当にしなくていいんだからね?」
おどおどしているハリスマリーに桜は絢斗の顔面を殴り付けて陥没させながら言った。それを尾都はニコニコ笑いながら見ていた。
「さ、桜ちゃん何時にも増して容赦がないね~。だが!それがまたいい!!」
「磔、本当に絢斗が磔よりも剣術が上なのか?」
「言いたい事はわかるぞ刀哉。あんな変態だけど実力は本物だからな。」
「困ったものだな。」
磔と刀哉は先程までの絢斗の行動を見てため息を付いた。
「僕ですね、僕は佐藤快です。よよ、よろしくおおお願いします!!」
快はあわあわしながらもペコリとお辞儀をする。それを見た霊斗はやれやれとため息を付く。
「その性格は直らないんだな快。仮にも俺の弟子なんだからもうちょい堂々としてろよ。」
「霊斗、別世界に弟子なんかいたのか?」
「ああ、磔、絢斗、快、幻真は俺の弟子だぞ大和。じゃ次の人挨拶頼むな。」
霊斗がそう言うと、フランとこいしが一歩前に出てくる。
「私はフランドール・スカーレットだよ!!そして、隣の子が古明地こいしちゃんだよ!!」
「よろしくねお兄ちゃん、お姉ちゃん達!!」
フランとこいしがニコッと笑うと、桜が二人の頭を撫でた。
「よく挨拶出来たわね、偉い偉い!!」
「桜、ひょっとしてロリ好きな「違うわよ!!」どぉぉぉあ!!」
終夜にからかわれた桜は終夜に回し蹴りをして吹き飛ばした。それを刀哉はポカンとした表情で見ていた。
「磔、これは日常茶飯事に起こるのか?」
「まあな、どの世界にも変態は一人はいるからな。コントみたいなもんだ。これで気後れしてたら身が持たないぞ刀哉?」
「う、うむ。俺の世界にはそんな人がいないからな。慣れるよう努力しよう。」
「あー、自己紹介していいか?」
妹紅は複雑そうな表情をしながら手を上げていた。それを見た磔はジェスチャーでOKというサインを妹紅に送った。
「私は藤原妹紅。まあよろしくな。」
「愛称はもこたんと呼ばれているからね~。皆も妹紅ちゃんの事をもこたんと呼ぼうね~!!」
「やめろ絢斗!!」
妹紅は顔を真っ赤にしながら絢斗を燃やそうとするが、絢斗は全力疾走で妹紅から逃げていた。
「私ね、私は夢月よ。」
夢月はそれだけ言うとこの場から去ろうとするが、逃げていた絢斗が夢月の後ろのスカートを捲って写真を撮っていた。
「おほっ!むげっちゃんのスカートの中は可愛らしいね~!!もうちょっと素直になればいいのにね~!!」
「ッ!!この変態が!!」
「ただ緊張を解そうとしただけなのに~!!」
夢月は顔を真っ赤にして涙目になりながら絢斗を追い掛け回す。絢斗は夢月と妹紅に追い掛け回されながら撮った写真を保存していた。
「あと一人来るはずなんだ「すみません!!遅れました!!」来たか霊愛。」
磔が辺りをきょろきょろ見渡すと、霊斗の隣の空間から容姿が霊夢そっくりの少女が現れた。
「あと一人って霊夢か?」
「違います!!私は博麗霊愛と申します。霊斗様の孫娘です。」
『霊斗の孫娘!?』
霊斗と磔と絢斗と快と刀哉と終作以外の人達は霊愛の言葉を聞いた瞬間に叫び声をあげながら驚いていた。
「驚き過ぎだろ皆、霊斗に孫くらいいてもおかしくないでしょうよ。」
「終作が知ってるのはわかるけど、何で磔と絢斗と快と刀哉は驚かないんだ!?」
「前に会ってるし、つーか終夜も幻真も桜もアルマも会ったことあるだろ。」
磔が四人にそう訊ねると、四人は思い出せないのか首を傾げていた。
「うう、そんなに私は影が薄いんでしょうか?」
「あーららほらら、霊愛ちゃんを泣ーかせた、霊斗に言ってやろ~!!」
「これ以上放置すると話が進まなそうだな。皆、早速来て悪いがバトルしてもらうぞ。でも人が少ないな。」
霊斗はそう言い指を鳴らす。すると観客席に現想郷の住人がたくさん出現した。
「本当にいきなりだな。それで、誰と誰が戦うんだ?」
幻真がそう言うと、霊斗は指を鳴らした。すると終夜以外の人達は観客席に転移し、終夜は広い空間に転移していた。
「おっ!最初は俺からか。誰かな?出来れば女性がいいな!」
「安心しろ終夜、相手は女性だからな!」
「おっしゃーー!!」
終夜がガッツポーズをしていると、終夜の前の空間から妹紅が現れた。
「じゃ、最初は妹紅対終夜だ。全員のバトルが終わったら宴会をやるから張り切っていけよ!!」
「もこたん、よろしくな!」
「だから私はもこたんじゃないわよ!!」
「じゃ、バトル開始!!」
磔のかけ声と同時に妹紅が終夜にお札の弾幕を放つが、終夜は軽やかなステップでお札を避ける。
「もこたん、どうしたどうした?そんなんじゃ当たらないぞ?」
「もういい、その口を開かなくしてやる!」
妹紅は怒った表情でお札弾幕を放つが、終夜はひょいひょいと避けまくる。
「あーもう!!時効 月のいはかさの呪い!!」
妹紅はスペルカードを取り出し、唱えると全方位の弾幕とナイフ弾幕が放たれた。
「本領発揮って奴だな。じゃ俺も、進化 生命の頂点!」
終夜はナイフ弾幕を避けながら唱えるが、何も変化は起きなかった。
「そのスペルの効果はなに?」
「あー、分かりやすく言えばな、身体能力の強化だ。生命力を増加させて、取り合えず強くなれる!」
終夜はそう言いながらナイフ弾幕を避けるが、妹紅がニヤッとしたのを見た瞬間横に飛んだ。すると、さっきまで終夜がいた所にナイフ弾幕が後ろから向かって来ていた。
「危な、あのまま居たら背中にグサリだったな。じゃあこちらも反撃するか、魔剣 ダーインスレイブ!」
「どんなスペル「隙ありだな!」うっ!」
終夜は剣を取り出して妹紅の首を跳ねた。その瞬間に妹紅のスペルはブレイクされた。
「ちょ!ちょっと終夜さん!?いくらなんでも対戦相手の首を跳ねる事はないんじゃないですか!?」
ハリスマリーがギョッとした顔で終夜にそう叫ぶが、終夜はダーインスレイブを肩に担いでニヤリと笑った。
「焦ってるハリスマリーって可愛いな!でも大丈夫だ、妹紅は死なねえからよ。」
「死なないってどういう「おい終夜、首を跳ねる必要はないんじゃないのか!?」うわっ!生きてる!?」
炎が舞い上がるのと同時に妹紅が現れて終夜に飛び蹴りをするが、終夜はダーインスレイブの剣の腹で妹紅の飛び蹴りを受け止めた。
「悪い悪い、つい跳ねたくなった!」
「た、磔さん!!何故対戦相手の人は首を跳ねられても生きてるんですか!?」
「あっ、そういえばハリスマリーは妹紅を知らないんだったな。対戦相手の人は藤原妹紅と言って、老いることも死ぬこともない程度の能力を持ってるんだ。」
磔がハリスマリーにそう説明すると、ハリスマリーは驚愕の表情を浮かべていた。
「でもどうして不老不死になったんですか?」
「おとぎ話のかぐや姫ってあるだろ?その話の最後に爺がかぐや姫からもらった蓬莱の薬を富士山の頂上で燃やしたって話になってるだろ?」
「はい、その話は有名です。でもその話を知ってるって事は磔さんも外の世界の出身者ですか?」
「ああそうだ、ちなみに絢斗も快もそうだぞ。」
磔は霊斗が持ってきた緑茶を飲みながらハリスマリーに説明する。
「俺もあまり覚えてないんだが、妹紅の父親がかぐや姫に大恥をかかされたから仕返ししてやろうとした時に、かぐや姫が月に帰えってしまったと思っていたんだ。」
「その、かぐや姫は月に帰ったんでしょうか?」
「いや、帰ってない。というか幻想郷にいる。」
磔がそう言うと、緑茶を飲んでいたハリスマリーがびっくりしたのかゴホゴホとむせた。
「そ、そうなんですか!?」
「そうだ、それでせめてかぐや姫に何か困る事をしてやろうと考えて蓬莱の薬を強奪しようとして、富士山に向かっていた一団を追い掛けたけど、富士山の女神らしき奴にある人以外の人達が殺されて、蓬莱の薬を違うところで燃やせと言われて、その残った一人が富士山を下山している時にそいつを殺して蓬莱の薬を飲んだんだ。」
「そんな話があったんですね。」
ハリスマリーは磔の説明に感心しながら聞いていた。妹紅は赤と紫のお札弾幕を終夜に放つが、終夜はダーインスレイブでお札を切り裂きながら妹紅に斬撃を放っていた。
「磔、この勝負どっちが勝つと思う?」
幻真が団子を食べながら磔に訪ねる。
「分からねえな、アルマはどう思うんだ?」
「俺に振るなよ~。俺は今パルスィと食べさせ合いしてんだからさ~。」
「磔、私とアルマの時間を邪魔しないでくれるかしら?」
アルマとパルスィは磔を睨み付けながら三色団子の食べさせ合いをしていた。
「すげぇディスられた。泣きそう。」
「いや泣くなよ磔!?磔ってそんなにメンタル弱かったか!?」
「俺だって妻とイチャイチャしてえんだよぉ!!近くでイチャイチャすんなよぉ!!まあ、終夜が勝つかな。」
「切り替え早!!」
幻真が磔のメンタルの切り替えの早さに驚いていると、妹紅が磔の近くの壁に吹き飛ばされてきた。
「ゲホッゲホッ、ちくしょう強いな。けど負けるわけにはいかないんだ!不滅 フェニックスの尾!!」
妹紅は壁から抜け出すと、終夜の前方に赤色の火の玉弾幕を大量に放つが、終夜はダーインスレイブで火の玉弾幕を吹き飛ばした。
「効かないね!!どうしたもこたん?もこたんの実力はその程度なのか?」
「ならこれならどうだ!!滅罪 正直者の死!!」
妹紅は次に終夜の回りに小さい弾幕を大量に放って動きを制限し、終夜の右側からレーザーを放った。
「攻略法は分かってるけど、そのまま避けたら面白くないよな。なら弾幕 タッチ・ザ・ハンド!!」
終夜はそう言い小型弾幕に当たりに行った。それを見た妹紅は首を傾げていたが、小型弾幕が終夜の体に当たった瞬間に消えたのを見て驚いていた。
「嘘だろ!?何でダメージが入っていないんだ!?」
「タッチ・ザ・ハンドは弾幕を消すスペルだからだ。その効果を全身に纏ったのさ。勝てないと思ったらギブアップしてもいいんだぜ?」
終夜や妹紅にそう言うが、妹紅は絢斗の方を見ていた。
「いいよ~、あれを解禁するから思いっきりやっちゃいな!」
「分かった絢斗!!」
「戦闘中余所見か?それはいけな「どっちの事を言ってるんだ?」何っ!?」
終夜は突然横からハイキックをしてきた妹紅に驚き、数メートル吹き飛ばされた。
「おい磔!!今の妹紅の動き!!」
「ああ、超技術の縮地だ。けどまだ未完成だな。余計な動きが有りすぎて体力を消耗している。」
終夜を蹴飛ばした妹紅は肩で息をしていた。それを立ち上がりながら見た終夜はダーインスレイブをしまった。
「剣術のスペルで最後決めるのもいいけど、ついでだからとっておきをおみまいしてやるよ!!行くぞ!!魔砲 アルティメイトデーモンアタッチメント・シルブャ!!」
「な、なんなんだ?」
早口で終夜はスペルを唱えていたが、途中で舌を噛んだらしく地面をゴロゴロ転がっていた。
「や、やるなもこたん。俺のスペルを途中で遮るとはな!!」
「いや終夜が勝手に自滅しただけでしょ?」
「だが次で決める!!食らえ!魔砲 アルティメイトデーモンアタッチメント・シルバーナイフキャノン・ラストシューティングレイ!!」
終夜がスペルを唱えると、銀色の刀の形をしたレーザーが妹紅に向かって放たれる。
「このスペルはまだ未完成だけど、一瞬ならなんとか持つ!!想符 アクセルモード4!!」
妹紅はそう言い銀色のオーラを纏い、同色の髪の色と目の色になり、額も銀色の炎が出現した。
「更に直伝 サモンフェニックス!!」
妹紅は右掌を上に掲げ、銀色の巨大不死鳥弾幕を出現させ、終夜が放ったレーザーに向けて投げ付けた。
「磔!!妹紅にもアクセルモードを教えたのか!?」
「妹紅に技術を教えたのは絢斗だ幻真。だけど、俺の世界の幻想郷の実力者は大体アクセルモードは使えるぞ?」
磔が幻真にそう説明した時、終夜が放ったレーザーが妹紅の不死鳥弾幕を呑み込み、妹紅に直撃した。
「これ以上は無理だな。勝者 黒崎終夜!!」
霊斗がそう言うと歓声が沸き上がった。それを聞いた終夜はその場に座り込み、それを見た磔は終夜に駆け寄った。
「終夜、副作用は大丈夫か?」
「ああ、だひひょうふはぜ!!」
終夜は過呼吸になりながらも磔の問いに答えた。それを見た磔は終夜の隣の空間を切り裂いて終夜をその中に入れた。
「磔、あんた何してるのよ?」
「ん?終夜を医務室に送り込んだ。終夜のスペルの生命の頂点は副作用があんだよ。過呼吸に熱中症に下痢の3つの副作用があるんだ。前みたいな惨劇が起きたら困るからな。」
「そ、そうね。あれは酷かったわね。2度と思い出したくもないわ。」
磔が桜の問いに答えると、桜は思い出したのか顔を真っ青にしながら立ち去った。
「磔の世界の妹紅は強いんだな。」
大和が救急箱を持ってきながら磔にそう言った。磔は大和から救急箱を受け取り、切り裂いた空間に投げ入れて空間を閉じた。
「まあ絢斗が鍛え上げてるからな大和。でもまだまだ成長途中だな。」
「なるほど、ところで俺は誰と戦うんだ磔?」
「それは教えられないな大和。でも、かなり強い人と戦わせるから楽しみにしておけよ。」
磔がそう言うと、大和は観客席に戻っていった。それと入れ替わりに絢斗が磔の所にやって来る。
「妹紅ちゃんも医務室に送っといたからね~!!」
「サンキューな絢斗、じゃあ次のバトルを開始する!!」
磔と絢斗は縮地を使って観客席に移動すると、ハリスマリーと霊愛が決戦フィールドに出現した。
「次はハリスマリー・吸VS博麗霊愛。それじゃあスタート!!」