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激戦が終わり、宴へ

今回で試合は終わりです!

闘技場


会場には赤と金の混じったオーラを身に纏い、赤と金の混じった炎を額に宿した姿、ソウルドライブモード3になった幻真。


それと蒼色の闘気と透明の闘気、それぞれ8対2の割合で体から噴出している姿、『終焉の蒼騎士(エンドナイト)』状態の白谷磔が向かい合っていた。


「なっ、何だよ、今のは?」


幻真は磔が放った攻撃に反応出来なかった。いや、したくても出来なかった。


「何って、ただ拳を前に突きだして攻撃しただけだが?」


磔はあっけらかんとした表情で言うが、幻真は納得出来なかった。本当に拳を前に突きだしただけなのかと。


「くそ、何を怯えているんだ俺は!やらなきゃ何も始まらねえだろ!!」


幻真は自分にそう言い聞かし、両頬を叩く。


「行くぜ磔!!」


幻真は真神剣を構えて磔に向かって突撃する。対する磔は黙って幻真の様子を見ていた。


「随分と余裕そうだなおい!後悔しても知らねえからな!!」


突撃しながら幻真は居合いの構えを取り、磔の数メートル前で真神剣を抜く、と見せかけて『縮地』を使い磔の後ろに回り込む。


「『抜刀術・瞬』!!」


鞘から抜き放つ動作によって相手を八つ裂きにするように切り刻む技。幻真は真神剣を鞘から抜き、磔の体を八つ裂きにしようとする。


「そんなもんか?」


幻真の今の力は会場にいる人達の中でも上位に匹敵する。だが磔は幻真の技を見ないで全てを避けた。しかもその場からほぼ動かずに。


「こんなのありなのかよ!?」


続けて水平斬り、斬り上げ、斬り下し、突きを磔に放つが今度は腕で全て受け流された。


「舐めてんのかおい!反撃もしてこねえなんて!」


「別に舐めている訳じゃねえよ幻真、『終焉の蒼騎士(エンドナイト)』状態で霊斗以外の人とあまり戦ってねえからな。どう攻撃すればいいか考えてた。」


「それを舐めてるっていうんだぜ磔!!ムカツクったらありゃしないな!!『衝撃玉砕(インパクト)』!!」


真神剣を持っていない方の腕を使い、掌底を相手に打ち付け、その衝撃を相手の体の内部に与えるという攻撃の超技術『衝撃粉砕インパクト』を幻真は放つ。


「即時使用可能か。」


磔は『衝撃粉砕』を放とうとしている方の腕を下へ受け流す。受け流された幻真はそのまま体勢を崩し、てはなくいつの間にか真神剣を手から離していた。


「読み通りだぜ!!お前は絶対に受け流すと思ったからな!!」


もう片方の腕で『衝撃粉砕』を放つ。先程の腕の方はフェイク、本来の狙いはこっちの腕の方の掌底を磔に打ち付ける事だった。


「喰らえ!!」


「よく考えたな、けどまだまだ甘い。」


磔は横にステップして掌底を避ける。避けられたバランスを取るために一瞬だけ無防備状態になった。


「うおっとと!!」


体勢を整え、磔の方を向こうとした瞬間、幻真の腹に体験したことのない衝撃が走り後方に吹き飛ばされていく。


「ご、ほ、何が?」


吹き飛ばさながら幻真は考える。だが痛みが酷すぎて何も考えられなかった。だが気付く、内側から何かに体が破壊されそうになっていることを。


「う、うおおおおおおお!!!」


何かを霊力を使って必死に抑え込む。数秒経った時、何かは収まっていた。


「はぁ、はぁ、一体何だったんだよ今のは?」


「余所見とは感心しないぞ幻真。」


磔の声を聞いて幻真はハッとする。磔は最初に拳を前に突きだす動作に入っていた。


「今から避けるんじゃ間に合わない、だったら幻重結界!!」


回避は無理と判断した幻真は目の前に透明な結界を張った。この結界は物理攻撃も魔法攻撃も防げ、かなり頑丈な結界。


「よし、これで「安心出来たと思ったか?」嘘だろ!?」


磔の拳圧によって幻重結界は一発で粉々になった。頑丈さにはかなり自信があった。それをたった一撃で磔は壊した。














「なるほどな、磔も中々エグい事をするもんだ。」


「どういう事でしょうか霊斗様?」


戦闘の様子を見ていた霊斗がそうぽつりと呟き、それを聞いた霊愛が何故かを聞く。


「磔が幻真に放った技、あれは『転衝』と言って人体のパルスを回転によって増幅&収束させて、 打撃と共に振動によって対象を破壊する超技術だ。」


幻真が何かを必死に抑え込んでいたのは振動によって体が木端微塵になることを防いでいた。


「それなら『衝撃粉砕』とあまり変わらないのではないのでしょうか?」


「そうでもないんだぜ霊愛、『衝撃粉砕』と『転衝』は似ているが、前者は攻撃、後者は破壊だな。対象の物体、人間も含むそれを硬さ柔さかさ関係なく問答無用で内側からボガンと破壊するのが『転衝』さ。」


「そ、それを聞いたら確かにエグいですね。」


霊愛は若干引き気味で霊斗の話を聞いていた。


「それに、何て言うか磔は恐らく枷を外してるな。」


「枷?どういう意味です?」


「まあ聞いた話なんだが強くなっていくとあるラインで成長が止まるんだよな。これ以上強くなってはいないと警告されてるみたいにな。」


霊斗は説明しながら今の磔の様子を見る。


「恐らく何かから押さえ付けられてるらしい。ほとんどの人はそこで成長を諦める。けど、あることをきっかけに押さえ付けられてるのを振り切ると、今の磔みたいになる。振り切った後の強さは、えーと5段階だったか?いやそれ以上あるか。」


「霊斗様はその何かを振り切ったのですか?」


「大分前にな、じゃなきゃ師匠なんて名乗れねえさ。ちなみに今の磔は5段階の内のギリギリ1段階目だな。」


「あれでギリギリ1段階目なんですか。」


霊斗は枝豆を食べながら説明する。実際に言うと快も磔と同じ領域に経っており、絢斗は1段階目の最後まで来ていた。















「ぜぇ、ぜぇ。」


幻真は息も絶え絶えになっており、真神剣を地面に刺して体を支えていた。強すぎる、今の磔は強すぎると。


「くそが!!こんな、所で諦めてたまるかよ!!俺は、俺は、あいつらに恩返しをしねえといけねえんだぁぁぁぁぁぁ!!」


幻真がそう叫ぶと纏っていたオーラ、額の炎が激しく点滅し、大きくなっていた。


「全ての力を使い果たすつもりか。」


絶叫しながらオーラを大きくしていく幻真の姿を見て、磔はニヤリと笑った。何故なら幻真の額にあった炎は消え去り、代わりに赤と金の混じったオーラではなく、赤と金と水色の混じったオーラ、『エンドエボルバー』を発動していたからだ。


「こうなったら俺の全てをお前にぶつけてやる!!終域 ファイナル光線!!」


大量の細い光線を幻真は磔に向けて放つ。それを見た磔は光線を避けながら幻真に近付くが、避け切れず背中に浮いていたクナイで受け流そうとした時、クナイが真っ二つになった。


「これは、喰らったら終わりだな。」


磔は大量の光線避け続け、避け切れない時はクナイを犠牲にして直撃を避けながら幻真に近付く。


「これでも駄目なら、終唱 真霊蝶砲!!」


光線も放ちながら霊力による砲弾も追加で放つ。その中でも避ける磔だが、ついに10本目のクナイが犠牲になり、盾にするものが無くなった。その代わり幻真まであと数メートルの所まで来た。


「これでもう盾にするものはねえぞ磔!!こいつで終いだ、終域 ラストインフェルノ!!!」


幻真は光線と砲弾を放つのを止め、ありったけの魔力を手に込め、炎の極太レーザーを磔に放った。避けようにも巨大すぎて避けるスペースがない。耐えようにも威力を見て磔は耐えられないと判断した。


「(このまま終わる、訳にはいかねえよな!!あいつらに会うために、また一緒に暮らすために、こんなところで、くたばるわけにはいかねえんだよ!!)」


磔が無意識の内に闘気を限界まで噴出した時、脳裏にある姿が見えた。


それは自分自身、誰かと対峙している。その誰かは腹を抱えうずくまっている。自分は今と同じ姿、いや透明の闘気を多く噴出している。


「(何でこんなのを見てんだよ、俺は未来の自分がどうであれ、俺のやり方で限界なんて越えてやる。そして、もう一度あの場所を取り戻す!!)」


カチッ


自分の中で何かが外れた、それを確信した磔は両手に螺旋状に回転する丸いレーザーを幻真が放ったレーザーの縁に当て、上の方に進みながら幻真のレーザーを避けた。


「なっ!!」


「終わりだ!!乱符 月華砲!!」


磔は至近距離で回転する黄色の巨大レーザーを幻真に喰らわす。当然幻真は避ける事は出来ず直撃し、消滅した。


「あれ?闘気が消えた?」


一瞬だけ『エンドナイト』以上の力を身に纏った磔だが、もう既に消え去っていた。


「勝者、白谷磔!!」


霊斗がそう叫ぶと観客席から歓声が沸き上がる。それに磔が答えようとした時、急に爆発音が鳴り、消滅した筈の幻真の姿があった。


「何度も、何度も我の邪魔をしおって!!そんなに我が気に入らないか!!」


どうやらガブリエルが消滅した幻真を復活させ、その体を使って叫んでいる。


「ああ、てめえは気に入らねえよガブリエル。」


「生意気だなエウロペの子孫(・・・・・・)!!」


幻真に憑依したガブリエルは磔に向けてそう叫ぶが、磔は?マークを浮かべていた。


「……えっと、すまん、エウロペって誰?もしかして凄い神?マジでわかんねぇ、誰か教えて~。」


磔のこの台詞に霊斗と桜がずっこけ、ガブリエルはワナワナと体を震わせていた。


「貴様はどこまで我を舐めている!?いいだろう、次会う時は貴様の全てを破壊してやる!!」


そう言い残すと幻真は倒れ込んだ。恐らくガブリエルは逃げたのだろう。


「気不味くなったからって帰るんじゃねえよ。」


「磔、あんた自分の先祖も知らないの!?」


桜が磔の頭に蹴りを放つが、磔はそれをスウェーで回避する。


「知らん!!」


「ドヤ顔で言うんじゃないわよ。エウロペって言うのはゼウスの彼女なの。まあゼウスがエウロペを誘惑して拉致したから彼女と言えるか知らないけど凄い神というわけよ。」


「なるほどなぁ、だから俺の世界のゼウスに会っても親密にしてくれたのか。」


磔は前に自分の世界のゼウスに会いに行っており、短い間ではあったが色々と教えてもらっていた。


「あんたねぇ、どんな人生送ってんのよ。」


桜が呆れた様子で磔を見る。どうやら真実を告げられても精神は取り乱してないらしい。


「さて、皆試合お疲れさん!!戦った後は宴!!これに限る!!」


「楽しみにしておけよ!!」


磔と霊斗は皆にそう伝え、宴会場へと飛んでいった。

おまけ2


磔「桜、少し気になったんだが神話はまともな恋愛をした奴等が少ないのか?」


桜「そうよ、気になるなら調べれば?」


磔「何か嫌だな。只でさえ依姫は豊姫の前の旦那の子供に手を出した位だし、豊姫も自分の子供に手を出そうとしてたらしいからな。」


ア「大変だね~磔も。」


桜「それと、エウロペの孫はあのミノタウロスらしいわよ?」


磔「……もう腹一杯だよ。」


ア「現実って本当に残酷なんだね~。」


ハ「……聞かなかったことにします。」


桜「それが懸命だと思うわよ?」

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