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磔VS幻真3 絶望を力に

闘技場


磔対幻真の試合もいよいよ正念場、幻真は今自分が限界まで力を引き出した姿、ソウルドライブモード3の状態になっていた。


「このソウルドライブモード3なら磔にも負けねえ、いや誰にも負けねえ!!」


対する磔は服は8割程破れ、全身ボロボロの状態ながらも、右手と左手にそれぞれ刀を持っていて、背後には10本のクナイが浮かんでいた。


「口でならなんとでも言えるぞ幻真、御託はいいからかかってこいよ。」


「上等だ!!」


幻真は地面を強く踏み、音速を越えた神速の速さで磔の懐に潜り込んで神真剣で磔の胴体を切断しようとする。


「流石に速いな!!」


だが磔はかろうじて反応し、左手に持っていた刀で神真剣を受け止め、鍔迫り合いの状態になる。


「んぐぐぐぐ!!」


「んぎぎぎぎ!!『斬脚』!!」


少しの間、磔と幻真は鍔迫り合いの状態になるが、幻真が足をピンと伸ばして前方を蹴る事で斬撃を飛ばす技、斬脚を使った。


「やべっ!!『山』!!」


磔は防御力を底上げする風林火山の山を使い、右手にオレンジ色の闘気を纏い、斬撃を受け止める。


「乱符 スピンシュート!!」


受け止めた後、体を横に2回転させて螺旋状に回転するの巨大レーザーを幻真に放つ。


「喰らうかよ!!凍風 フリーズトルネード!!」


幻真は約3メートル程のトルネードを出現させ、螺旋状に回転する巨大レーザーを誰もいない方へと飛ばす。


「竜巻の中に氷の粒が入ってるのか、けど中に入らなければどうということはない。」


磔はバク転をして竜巻から距離を取り、右手に水色の闘気を纏わせる。


「だったら、力ずくでトルネードの中に入れさせるまでだ!」


幻真は地面を0.1秒間に100回蹴って超高速移動をする技術である『縮地』を使い、磔の後ろに回り込む。


「ちぃ!!」


磔が振り向いた時、目の前に幻真の拳が迫っていた。


「(もらった!!避けられる筈がねえ!!)」


そう思っていた幻真だが、磔は拳に当たる寸前の所で避けた。その後、すぐに左手に持っている刀で幻真を斬り飛ばそうとする。


「このやろ!!」


幻真は自分の前に弾幕を配置し、磔がそれを斬った後に発生する衝撃波を利用して後退する。


「何で避けれた?何も強化の入っていない磔が今の俺のスピードに反応することなんか出来ないはずだろ!?」


「出来るんだなこれが、さっき『風林火山』の超技術については説明したな?実はこれの派生系があんだよ。名は『水雷空無』今のは『水』を使っただけだ。」


初めて聞く超技術に幻真は怪訝な表情になる。


「まあ動体視力を底上げしたんだよ。でも黙って聞いてていいのか幻真?目の前まで弾幕が迫ってるぞ?」


磔にそう指摘され、幻真はハッとして前を見る。そこには青い弾幕が目の前にあった。


「うぐぁ!!あがぁ!!」


しかも弾幕は1つや2つだけでなく、数千個の数が幻真に向かって放たれた。


「い、いつ弾幕を放ったんだ磔!?」


「お前の弾幕を斬った際だ、俺の左手に持っている刀は霊真剣って言ってな、こうやって刀を振るうと。」


磔がそこまで言って霊真剣を幻真に向けて振るう、その時磔の周りに青色の弾幕が配置されていた。


「こんな感じに弾幕が出現する。言っておくが、今は説明する為にこうやって見せているんだ。戦闘の際は弾幕が出現する所なんて見せねえからな?」


「いつまで余裕ぶってるんだよ磔!!本当にムカつくな!!」


幻真はそう言い1つの力を解放しながら磔に向かって斬撃を放つ。磔はそれを霊真剣で受け止めようとする。


「この斬撃は囮、本当の狙いは俺を後ろから吹き飛ばす事。」


磔は斬撃を受け止め、後ろを向こうとした瞬間に幻真の蹴りが顔面に放たれていた。


「がぶっ!!な、何が!?」


「起きてるのかって?自分で考えてみやがれ!!」


吹き飛ぶ磔に向けて弾幕を放つ幻真、その弾幕を体勢が整ってない状態で斬ろうとする磔だが、弾幕に刀が触れた瞬間綺麗に弾幕は消えていった。最初からなかったかのように。


「幻符 春幻冥。」


驚愕する磔に対し、幻真は色が透明な極太レーザーを磔に向けて放つ。


「これも偽物か!?いや本物!?」


考えても埒が開かないと判断した磔は空中を蹴ってレーザーを避けるが、避けた先に磔に掌を向けている幻真がいた。


「終わりだ。」


幻真の掌から先程のレーザーが放たれ、磔は避けることも叫ぶことも出来ずにレーザーに飲み込まれた。


「手応えはあった。流石に超技術の防御技を使っても再起不能だろうぜ。」


幻真はそう呟き、レーザーを放った事で発生した煙を真神剣で振り払う。


「やっぱりな、やっと、やっと勝てたのか。」


幻真の目線の先には、力なくうつ伏せに倒れている磔の姿があった。


幻真が解放した力、それは『幻力』と言われるもので幻を創る力。どれくらいの精度かは使用者によるが、今の幻真の状態で使うと創った物が本物かどうか見分けが付かない程だ。


「最後に磔に勝てて良かった。これで止めが刺せる。」


幻真はそう呟き、磔の首を切り落とそうと斬撃を放とうとする。だがその直前、磔はゆっくりと自分の力で立ち上がった。


「まだだ、まだ、終わらねえ。」


そう言って刀を構えようとする磔だが、力が入らないのか左手に持っていた霊真剣を落としてしまう。


「強がりは止めろよ、もう立つことすら困難だろ?」


幻真はフラフラしている磔に向けて、落ちていた短剣を蹴り飛ばす。それを右手に持っている刀で磔は弾くが、同時に持っていた刀を遠くに弾かれた。


「武器は弾かれてもう無い。それでもまたやるのか磔?」


「このまま、幻真に殺される訳にはいかねえ。」


磔の言葉を聞いた幻真はポケットからスペルカードを取り出す。


「暗明 ダークネスライト。」


幻真がスペルカードに書かれてある文字を宣言すると、闇属性と光属性の混じった弾幕を大量に出現させ、それを磔に飛ばす。威力は弾幕ごっこで使用される威力よりも遥かに上。


当たればその箇所が切り落とされたり、貫通させられたりする。ましてや無防備状態の磔にそんな威力の弾幕が当たったら、どうなるかは想像に難くない。


「これで、俺の世界は救われる。」


自分の勝利を確信した幻真は目を閉じた。眠かった訳ではない、ただほんの数秒間目を閉じた。


「刀とかは回収しといてやる。」


そう言い幻真は目を開く。そこには肉片となった磔は存在、しておらず五体満足の状態だった。


「な、何だよ?これは何かの冗談かよ?」


「…………。」


幻真の問いに磔は答えない。目を閉じ俯いた状態だった。それを見た幻真はもう一度先程のスペルカードを使い弾幕を磔に放つ。


「本当に、たった数秒間の間に何が起こったんだよ?」


幻真は目を凝らして磔を見る。そこで驚愕する、自分の放った弾幕は高威力のもの。しかも大量にあるのだから避けれはしない。


「…………。」


だが磔は目を閉じたまま、幻真の放った弾幕を全て避け切った。しかもその場から動かず体重移動だけで避けてみせた。


「そ、そんな事が有り得るのかよ!?」


不可能ではない、『宵避』という超技術を使えば可能だ。だがあんな状態で宵避なんか使えるのか。


「これは『宵避』なんかじゃない。」


磔が言葉を発した瞬間、磔の体から蒼い闘気が噴出する。ただ、アクセルモードを使用した際に噴出する闘気とは異なり、透明の闘気も混じっていた。


「『終焉の蒼騎士(エンドナイト)』、これは特別な超技術で俺が編み出した。」


幻真は磔から溢れ出る力を受け、冷や汗を流した。こんな力があったのかと、それと同時にその超技術を教えてほしいとも思った。


「言っておくが、俺はこのエンドナイトを習得することは勧めない。」


「どういう、ことだよ磔?」


磔は目を開き、幻真の方を見ながら右手の指を3本立てる。


「このエンドナイトの習得条件は3つある。1つ目は習得しようとする人に、恋人や愛する人がいること。2つ目は習得しようとする人が瀕死の状態であること。」


「意外と簡単じゃねえか、それで3つ目の条件は何だ磔?」


「3つ目は、恋人や愛する人を習得者自身の手で殺すことだ。」


磔がそう言うと幻真は背筋が凍った。二つ目の条件まではいい、だが3つ目の条件は何だ、と。


「じゃあ、磔は、自分が愛する人を、殺したのか(・・・・・)?」


「…………ああ。」


磔が肯定した瞬間、幻真は怒鳴ろうとしたが、磔の悲しい表情を見て、怒鳴るに怒鳴れなかった。


「エンドナイトは望んで手に入れた力じゃない、だから他人に勧めない。」


磔がそこまで言うと、徒手空拳の構えを取り拳を前に突き出した。その瞬間、幻真の真横を拳圧が通った。威力は幻真が前に放った春幻冥よりも上だった。


「まだエンドナイトを習得して日が浅いんだ、手加減は期待するなよ幻真?」

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