またまた迷惑人登場
今回は終作先生の終始終作が登場します。残りの人は次話以降出します。
「くっ!この!」
「はっはっは!そんなノロマな攻撃受け止めるまでもないな。」
ここは幻想郷、妖怪達の最後の楽園。ではなく外の世界、つまり現代の技術や暮し等を取り込み本来の幻想郷とは違う形になっている世界。
「なんで!当たらないのよ!」
「経験が違うんだよ。お前みたいな幼女、いや少女なんかとはな。」
現想郷、この世界を作った人物はそう名付けた。この世界を作った人物の一人は人里から離れた所にあるかなり広めの道場で目の前にいる少女と組み手をしていた。
「誰が幼女よ!?殺される覚悟があるんでしょうね?私は人の命なんかなんとも思ってないのよ?」
「いや、そんな奴らなんてかなり見てきたし、脅しとしてはまだまだ弱いぞ?」
そう言い少女は目の前にいる青年の顔面に右ストレートを放つが、青年は首を横に傾けて回避した。だが回避されることは分かっていたのか、少女は右ストレートを放った勢いで青年の腹に膝蹴りを放つ。
「いい膝蹴りだ、だが当たらねえよ。」
青年は体を半回転させ、少女の軸足に足払いをして少女を転ばせる。
「うぐぅ、何で妖怪である私の攻撃をひょいひょい避けれるのよ!?本当に人間?」
「人間だ、まだまだ俺を殺すには技術や色々な部分が足りないぞ、夢月ちゃん?」
「誰が夢月ちゃんよ!?」
倒れている少女、外見は金髪金眼、エプロンの前掛けが前方で2枚重なる特徴的な青いメイド服に身を包んでいて、スカート丈は膝上辺りのを着ている少女、夢月が怒った表情で青年に青い弾幕を数十個放ったが、青年は必要最低限の動きで弾幕を避ける。
「当たらねえ当たらねえ、まだまだだな。どうした夢月ちゃん?俺に一泡吹かせるんじゃないのか?」
「本っ当にむかつくわね磔!!」
青年、短めの黒髪で顔は少年に近い顔をしており白色のジャンバーとその中に白色の半袖の服を着て、黒色のズボンを履いて靴は蒼色のスニーカーを履いている青年、白谷磔が笑いながら夢月に挑発する。
「よう磔、修行の調子はどうだ?」
磔が夢月のパンチを受け止めると、後ろの空間からいきなり人が現れた。
「まあまあかな、でも妖怪だから素の身体能力が人間より違うから教えがいがないな霊斗。」
磔は後ろから現れた青年、黒髪で顔は爽やかなイケメン系、服装は赤色の長袖のガーディアンを肘辺りまで捲り、中の服は白色の半袖の服を着て、ズボンは黒色のパンツを着て靴は黒のショートブーツを履いている青年、博麗霊斗は苦笑いしながら夢月を見る。
「だろうな、にしても何でこの嘘っ子メイドをこの世界に連れてきたんだ?」
霊斗は夢月を見ながらそう言う。夢月は霊斗をジト目で睨み付ける。
「ん?夢月には世話になってるからな。今の俺の状況は知ってるだろ霊斗?」
「ああ、磔がいる幻想郷はお前じゃない偽者がいるんだよな。それともう二人。龍神が偽者の磔ら三人を創り出し、それらが本物という風に幻想郷の住人の記憶を塗り替えたんだよな。」
霊斗はそう言いながら腕を組む。なので、今霊斗の目の前にいる磔が幻想郷の住人に話し掛けてもお前誰?な状況になる。
「だけど、全員じゃなかったんだよな。例えば夢月、幻想郷にいなかったから記憶は塗り替えられなかったんだ。」
そう言い磔は夢月を見る。夢月は磔と目が合うとそっぽを向いた。夢月が住んでいる所は幻想郷ではなく、夢幻世界という所の夢幻館に住んでいた為、記憶は塗り替えられなかった。
「更に能力や力などが封印されて普通の人間と変わらない戦闘力になったんだ。それに不老不死の体になった。」
「けど、身体能力や裏技でなんとかなったんだろ?」
霊斗がそう言うと、磔は頷きながら置いてあったタオルを使って汗を拭く。
「まあな、あと別世界に行けば能力とか力は戻るんだよ。」
「ふーん、なるほどな。」
「それで、姉と喧嘩をした夢月は幻想郷に来てさ迷っていた所を俺が保護したんだ。」
「別にさ迷ってなんかないわよ。ただ散歩していただけよ。」
「家出したって言えばいいのにな。まあ、そう言うことにしておいてやるよ。それで、龍神に勝つために俺の修行相手になってもらってた。」
「なるほど、残りの二人は?」
霊斗がそう言うと磔はポケットからスマホを取り出して電話を掛けた。本来携帯電話やスマホは幻想郷にはなく、もしあったとしても電波がないため使うことが出来ないが、この現想郷は電波が繋がっている為、通話や通信が可能だ。
「もしもし絢斗?」
「どしたん?何か話でもあるのか?」
「ああ、だから俺の所に来てくれないか?」
「はいは~い、まあ、もう来てるんですけどね!」
「え?」
磔がスマホを持ちながら後ろを向くと、青色のジャージの上着に紺色のジーンズを履いて黒色の靴を履いている青年、相沢絢斗と白色のYシャツみたいな服に、所々にお札が張られた赤色のモンペを着ている少女、藤原妹紅がいた。
「相沢絢斗、華麗に参上!」
「出口はあっちだぞ。」
「ちょ!?俺の扱いひどくな~い?もこたん、磔が俺の事を虐めてくるよ~ん。」
「知るか!?ってかもこたん言うな!!」
絢斗は妹紅に慰めてもらおうと妹紅に抱き付こうとするが、妹紅はもこたんと呼ばれた恥ずかしさからか、顔を赤くしながら絢斗の体を燃やして灰にした。
「憐れなり絢斗、今日の晩御飯まで忘れないぞ。」
「って死んでないわ!!勝手に殺すな!!」
「生きてたのね、そのまま死ねばいいのに。」
「むげっちゃんが今日も酷いぜ~。」
灰から何事もなかったかのように復活した絢斗だったが、磔と夢月の罵倒に耐えられなかったのか、体育座りをして地面をイジイジし始めた。
「お邪魔します。あれ、絢斗?いい歳していじけてるなんて、みっともないよ?」
「ロリコンには言われたくないね~!!」
「僕はロ、ロリコンではないですよ!!」
道場に入ってきた青年、オレンジ色の道着を着てその中に青色のタンクトップを着て靴も青色のブーツを履いている青年、佐藤快は右隣に紅魔館の主人のレミリア・スカーレットの妹であるフランドール・スカーレット、左隣には地底にある地霊殿の主人の古明地さとりの妹である古明地こいしがいた。
「快、今のお前の姿を見れば立派なロリコンに見える。」
「た、磔までそう言うの!?」
「快、犯罪には走るなよ?子供が可愛いのは分かるけどな。」
「霊斗まで、酷いよぉ。」
快はガックリと項垂れる。それをフランとこいしが快の頭を撫でて慰める。
「大丈夫だよ!快お兄さまはロリコンじゃないもんね!」
「そうそう!フランちゃんの言う通りだよ。」
「子供に慰められる大人ワロス!」
その光景を見た絢斗が腹を抱えてのたうち回っていた。ちなみに磔、絢斗、快は全員既婚者であり、子供もいる。だが、記憶が塗り替えられたせいで妻からも子供からも三人は忘れられてしまっていた。
「うう、ありがとう二人とも。あっ、もう1つお願いしてもいいかな?」
「うん!快お兄ちゃんの言いたい事は分かるよ!ねえフランちゃん?」
「分かるよこいしちゃん!それじゃあせーので行こう!」
「「せーの!!衝撃粉砕!!」」
こいしとフランが顔を見合わせて、快の後ろの空間に正拳突きをした。その瞬間に悲鳴と同時に一人の男が現れた。
「ちょちょ!?何でばれたの!?ていうか、何でこの二人が超技術使えちゃってるの!?」
「終作、隠れて何やってたんだ?」
磔は悲鳴を上げながら出てきた人物、終始終作にそう聞くが、終作はカメラを持ちながらヘラヘラと笑い始める。
「いやぁ、何か面白い写真とか撮れないかなと思ってな。収穫としてはもこたんが顔を真っ赤にしている写真やそこの金髪メイドがジト目で睨み付ける写真が撮れたぜ!」
「け、消せ!!今すぐ消せ!!あともこたん言うな!!」
「もこたん落ち着いてね~!それと、何でフランとこいしが超技術使えてるの~?」
「幻想郷にもしもの事があった時の為の戦力として、修行をさせているからだ。フランとこいしは快が、妹紅は絢斗が、夢月は俺が色々な技術を教えているんだよ。」
磔はそう言いながら夢月の頭をぽんぽんと叩くが、夢月はほんの少し顔を赤くして磔の腕をへし折った。
「腕折るなよ夢月。」
磔は夢月にそう言いながら折られた腕を霊力で治療する。対する夢月は何の悪そびれもないような表情をしていた。
「うっさいわね。人がいる前で頭を撫でるんじゃないわよ。それに私の頭の上に腕があったのがいけないのよ。」
「磔よ、このメイドの子はツンデレなのか!?磔は奥さんがいながら他の子に手を出すなんてな~!!ふ「誰がツンデレよ!?」ぎゃあ~~強烈ゥ!!」
夢月はメイドのポケットにしまっていた銃を取り出して、からかってきた終作の頭に銃弾を放った。
「落ち着け夢月、あの変人はそんなんで死にはしないからな。「やったね!変態から変人にランクアップしたぜ!」はいはい、それでその為だけに来た訳じゃないんだろ終作?」
頭に銃弾が貫通した終作だったが、一瞬目を離せば銃弾の後が無くなっていた。
「そのとーり!俺がこの世界に来た理由は、磔の世界の人達VS別世界の人達だ!!」
終作は取り出したクラッカーを鳴らすが、全員無反応だった。
「全員シカト!?俺泣いちゃうぞ?泣きわめくぞ?うわぁぁぁぁぁん!!」
「それ泣くじゃない、悲鳴を上げてるだけだ終作。でも何でそれを企画したんだ?前にもしただろ?」
磔が終作に向かってそう言うと、終作はやれやれと首を横に振った。
「前は中途半端に終わったじゃん?今回はやりきりたいんだよ。」
「まあそうだな、それで今やるのか?」
「そうだな、今からやるか!というわけで準備の方をよろしくな!」
「いや、もう出来てるから。舞台はあるし泊まれる建物もある。後は人を呼んでくるだけだ。」
磔はそう言いながら快から渡された水を飲む。それを聞いた終作は不満顔で項垂れた。
「えぇ~、せっかく磔達を困らせようとしたのにな~。まあいいや、人呼んでくるからな~。」
そう言い終作は次元の狭間に入っていった。それを見た磔と快はため息をつき、霊斗は何処かに消え、絢斗はガッツポーズをして喜んでいた。