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刺身のツマ、汝の名は千六本
もったいないお化け、撲滅作戦であります!
千六本。
なんて中途半端なんだ、なぜ六本だ、と思うこともある。
かと言って大根の細切りと片付けてしまうと、色気も何もありゃしない。
家庭で作るのは難しいが、出来合いの刺身には良く付いている。
安く派手に見せられるので多用されるのだろうか。
とにかくそんなで、刺身の後に千六本が残ったりする。それも結構大量に。
千六本だけ食べるか? なかなかそうはいくまい。
しかし捨てるのも勿体ない。
そんなときは、味噌汁の具にしてしまおう。
千六本を刺身から分け、良く水洗いする。なに、刺身と同居する前に十分水にさらされているのだ、今更遠慮はいらない。
長すぎない程度に切って、出汁で煮て、味噌汁にする。
淋しければ、豆腐を加えてもいい。焼き麩を浮かべるだけでも気分が違う。
豪華なんだかせせこましいんだか、などと悩んではいけない。
食材は無駄にしない。
基本中の基本である。