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プロローグ ギャング時代

 きらびやかに光るネオンが、街を彩っている。そんな繁華街に、黄色の服装で統一された若者たちが、縦横無尽に闊歩する。

 彼らが歩くと、街の人々がモーゼの十戒のように道が開かれる。街の中で、彼らを知らないものはいない。仲間が殺られれば、ヤクザであろうが、警察であろうが、報復する集団。そんな彼らを見て、巷ではスズメバチと呼ばれている。

 その中で、先頭を肩で風を切って歩く男は、まだ幼さの残った顔に、似つかわしくない黒いオーラを身に纏う。


 その男の名は、「大河寅次」


 元々は気弱な少年だった大河。なぜギャングになったのか。それは、中学生の頃に遡る。


 ある日、放課後に教室でラノベを読んでいると、学校の不良グループが因縁をつけてきた。


「お前の読んでる本気持ち悪い! これオタクの本じゃん! てか、お前もきもいな!」


 ほんの些細な事で大河への虐めが始まった。大河はサンドバッグにされたり、ライターで体を炙られたり、虐めは徐々にエスカレートしていった。クラスメートも巻き込まれたくないと、見てみぬふりをしたり、不良グループに混じって虐める者までいた。

 屋上に呼び出された大河は、不良グループに羽交い締めにされ、足を持たれた。屋上から落とすふりをして、大河の反応を楽しんでいた。

 その時に、大河は抵抗して、不良グループの一人を蹴ってしまった。屋上から落下、命には別状は無いが全身骨折、学校に警察来る大問題となった。

不良グループは大河が一方的に悪いと口裏を合わせた。大河は落とされそうになったのを、抵抗しただけだった。裁判所は、大河に少年院送致の判決を下した。


 そして、少年院での生活が始まった。いじめられっ子で気弱な大河は周りに馴染めないで、ずっと本を読んでいた。

 そんな大河に声をかけてきた男が同じ部屋の「龍」という名の男であった。


「そのラノベ、面白いよね」

「えっ、知ってるの?」


 強面な外見とは裏腹に、読書好きで、大河は驚いた表情を見せた。大河と龍は、共通の話題と歳も一緒ということで、すぐに意気投合した。お互いの悩みを聞いたり話したり、最高の友達を見つけた大河。


 少年院を退院後、遊ぶようになった二人。街に遊びに行った時に、大河を虐めていた不良グループと出くわしてた。

 過去のトラウマからか体が震えて、涙が止まらない様子。そんな大河を不良グループが取り囲んだ。


「おい大河! 屋上から落としやがってわすれてねぇーぞ! 今からどうなるかわかってるだろーな」


不良グループは大河を連れて行きそうになったが、


「てめぇ、俺のダチに何しようってんだ!」


 龍は不良グループの前に立ち塞がり、睨み合いとなった。険悪な空気が流れる中、耐えきれなくなった不良の一人が拳を振り上げた瞬間、即座に龍が反応して不良の顎に拳を振りぬいた。

 不良は、意識を失い地に伏した。ほかの不良グループは慌てて逃げだした。

 その光景を目の当たりにして、大河は心底思った。


(俺もこんな強い男になりたい)


 中学卒業後、龍は一緒にギャングに入らないかと大河を誘った。大河は龍と一緒に入れるならどこでもよかったのだろう、すぐに了承した。

 龍は持ち前の腕っぷしで、ギャングに入ってすぐに頭角を現した。

 龍の周りには慕う人が増えてきた。そんな光景をみて、大河は憧れよりも嫉妬心が芽生え始めた。龍に負けないように、あるとあらゆる悪事を行った。

 しばらくして、大河も頭角を現すと周りに人が集まりだした。そんな中、ギャングのリーダーが逮捕され、解散になった。

 残ったメンバーたちは、大河と龍のどちらかについた。大河はギャング「YELLOW JACKET」を作り、龍もギャング「BLUE DRAGON」を作った。

 親友が袂を分かち、黄色と青色の集団は、抗争を繰り広げ、多数の死傷者も出た。被害が拡大する中で、大河の携帯に龍から連絡が入った。


「このままやっても、お互い被害が増えるだけだ!」


「俺は一向にかまわない!」


龍は、昔を思い出し笑った。


「おい大河! お前は虐められてたのにずいぶんでかい面するようになったじゃないか? 喧嘩も弱くて泣き虫だったお前が!」


「それは昔の話だ! 何なら、今からタイマン勝負しようか? 負けたらチーム解散ってのはどうだ!」


「お前正気か? 俺に勝てると思ってんのか!」


 暫く沈黙が続いたが、


「お前を超えるために、おれは鍛えてきた!」


 そして今、夜更けの繁華街で、かつての親友と相対した。黄色と青色の集団が円になり、円の中にいる二人を凝視している。大河と龍は一歩また一歩と近づいた。

 周りのボルテージも最高潮に達し、異様な熱気に包まれた。


そして、戦いの火蓋が切られた――


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