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9日目、午前の部2

なんやかんや最終章に突入しました。

佐賀県から始まり佐賀空港に終わる、つまり本作は実質ノベル版ゾンビランドサガ(世迷い言)


話通り佐世保線の線路を進んでいるが、渋滞の酷さに驚愕の一言に尽きる。

炎上した黒こげの残骸や横合いから突っ込んだ残骸も混じってある。

皆泡食って佐世保から逃げようとしていたようだ。

暫く進むと渋滞の原因が分かった、道のど真ん中に列車が脱線して周囲を粉微塵にしたようだ。

進まない訳である、殆どの車両のドアが開いており幾つか渋滞の間にすっぽりと穴が開いている、歩いてか車を切り返して逃げたようだ。


「ヘリコプターだぁ」


灰色の塗装にUS.MARINESと書かれ、機首に赤十字のCH-53Eが線路から離れた畑に転がっている。

派手に機体を滑らせたのか畑がぐちゃぐちゃになった痕跡がある。


「何かあるかも」


秋月がそう言ったが、文月が照準眼鏡で覗いて言った。


「操縦士がまだ残ってます、シートベルト外せないようです。

それに良いものは無さそうですよ」


文月は墜落機の周りに遺体が複数転がってるのを見つけた、罹患者に集られたのだろう。

秋月たちは分かっていても落ち込んだ。


「アメ公もダメか」


更に進むと普通列車が停車している、中は罹患者だらけでドアが開いていない。

たしかここら辺はワンマン運転だ、運転手が殺られると密室の完成だよなあ。

江北のガソリンスタンドを見つけたが漂うガソリンの匂いと真っ黒に焼け焦げた瓦礫が転がっている。

遠目では分からなかったが地下のタンクが吹っ飛んだらしく、天井が真っ黒になっている。


「ダメだなこれじゃ」


肥前山口駅周囲は衝突事故で車が密集しており、幾つかの車内は焦げた死体が詰まっている。

通りにも幾つか焦げた死体が転がっており、焼けた痕跡のある建物が幾つも見受けられる。

しかし罹患者は殆ど見かけない、車内に罹患者が乗ってるのはよく見かけるが外にいる罹患者は少ない。


「まァあるせえ」


彷徨いてる罹患者は駅員や、店員の制服を着ている。

記憶とかが混濁としているのか、或いは哀れな社畜に刷り込まれた記憶のせいか?

反比例するように子供の罹患者はよく近づいてくるが、動きが鈍くなっている。

少し早めに歩いている程度の速度で、文月と全力疾走したときや鉄橋を越えた時みたいなバイタリティーが無さそうに見える。

子供だからだろうか?


「うわぁ」


そんな事を考察していると、墜落したH-6爆撃機が作った惨状が見えた。

周囲を見渡して見るとH-6爆撃機が三機にJH-7が一機落ちている。

辺りの家屋の瓦が散乱してたり矢鱈に崩れている理由は積んでた爆弾が吹っ飛んだからだろう。


線路に沿って武雄市に目前としたとき、車が止まった。

燃料が尽きたのである。



降りるので車内をガサ入れしたところ、信号拳銃とフレア、それに弾薬(22発)を手に入れた。

それと信号拳銃用の照明弾数発。

本当なら短機関銃も有ったらしいが、市内で遺失物になったらしい。

まあ銃火器なんて音で引き寄せそうだから良いか、と言うか文月も小銃しか経験無いらしいし私が撃って当たるわけない。

市内の外側は路上駐車や事故車で視界が悪すぎる為、路地裏と住宅の隙間を通って市内に入る。


「うわっ、病院」


通りを避けてきたが、病院が前に出てしまった。

警察の輸送警備車とパトカー数台が正面入り口を塞ぐように展開しており、パトカーまでたおれた罹患者が続いている。

病院の罹患者を制圧しに来たらしいが、転がってる大盾や警棒を見るに失敗したらしい。

車両には武器弾薬は残ってない、辺りの地面には空薬莢やショットシェルが砂漠の砂のごとき数転がっている。

しかし綺麗な防護バイザーつき88式鉄帽と防刃防弾ベストがあった、貰っておこう。

だが誰も着たがらない、のしろは興味を抱いていたが被って一言「重い!」と言い結局私が着用する。


「静かだ」


数分経過したが殆ど物音が聞こえない。

交差点の様子を伺おうと顔を出したその時、熊野は撃たれた。

突如GA!!と音が聞こえ、衝撃に狼狽えて倒れ、続いて鉄帽が跳ねて転がる音が聞こえた。

そして同時にGAAMと言う銃声が聞こえた。


「ひっ!」

「銃撃だ!」

「撃たれた、撃たれたぞ」


文月が熊野を引きずって戻し、向こうから慌てた声が聞こえた。


「バカっ!生きてる人間だぞ!」

「えっ、マジかよ」

「どっ、どうしよう」


のしろが熊野の頬をペチペチ叩いて「おーい、お名前いえますかー」と尋ねる。

バイザーを斜めにして、横から射入したので傷は負ってないが.308弾を食らった衝撃で熊野は意識がはっきりしていない。


「うーん良い匂いの白い花がいっぱい...真っ赤な花が川向こうに咲き乱れてる...」

「それはケシと彼岸花、しっかりしてくださいよ!」


向こうから「大丈夫か?!」と問い尋ねて来たので、熊野は「クソヤロー何しやがる!」と叫びたいのを抑えて言った。


「生きてるよ、幸い」

「良かった、ちゃんと紐を括ってなかったのが幸いしたんだ」


熊野を誤射したのは64式小銃を吊り下げた自衛官達だった。

しかし着ている迷彩は航空自衛隊や海上自衛隊の物だ、何人かの帽子にはJMSDF-DDG-HIEIと書かれている。

えらくレトロな73式装甲車に乗った彼らは、目的地の佐賀空港の物資捜索隊のようだ。

彼らは熊野達を乗せて、帰投を開始した。




次回辺りで「そもそも法的に全く違反でないゾンビ事態に於いて何故こうも早く自衛隊が展開しているのか?」と言う突っ込み所の解答をします。

ちなみに法的に罹患者を隔離して良い病気と言うのは法定伝染病の区分なんですが、それに並んでるのがそうそうたるレジェンド(医療詳しく知らん奴でも分かるレベル)ですから、

改定を作成して提出して審査する前に東京が破滅しますね。

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