6日目、混戦の部
そろそろ劇中では一週間経つそうです、
あと6日でこの作品も完結です。
熊野は列車が突っ込んできた事を見て、真逆、つまり港の方向に全力で走り出す。
洋上脱出、生き残れる道はそれしかない!
こんな地獄で民間人だからと見逃す連中なら戦争になってないので投降なんて出来るわけねェ!!
無論保護を求める群衆は、既に港湾区域のゲートに殺到していた。
嵐は警官隊で編成された治安維持部隊を差し向け、機動隊装備を着て大盾を装備した警官隊がゲートを抑えにかかる。
幾人かの群衆は強化できずフェンスのままの部分を越えようとして、高圧放水される海水を味わう事となった。
『直ちに屋内に戻りなさい!!』
群衆は様々であり泣きわめく子供や叫び狂う女性等多様であった。
治安維持部隊は何時しか64式小銃や回転式けん銃を構え威嚇を始め、遂にフェンスを越えようとした男性を射殺したものの一層群衆は熱をおびだした。
「まずいな、かと言って他に道はない」
ただのフェンスなのはゲート回りだけで、あとは鉄板と鉄条網が補強に入っている。
回り込むにしても10m間隔でクレーン車やコンテナを使って作った機関銃巣にサーチライトもある。
空でも飛べりゃ良いんだが...生憎地を這って生きる構造ゆえ飛べないし、あ。
熊野は真下にある上水道と書かれたマンホールを見て閃いた。
ー
罹患者たちは鉄道駅スラムに隠れていた女子供や、老人を食い散らかしてその数を増やすと大きく二つの群れを作った。
港と戦場である。
事態を重く観て嵐は防護具を着込んだ隊員2個小隊と73式装甲車にVADSの20ミリを搭載した自走高射機関砲を差し向けた。
だが数百近い罹患者が時速にして20キロと言う人外的速度で突撃し、T/T反応等せずに人海突撃してくるのだ。
破片を撒き散らす手榴弾は致命打にならず20mm砲弾と5.56mm弾、40mmグレネードランチャー等でさえ無力であった。
数分は敵前列をミンチにしたが装填の隙や機関砲の冷却によって敵前列が雪崩の如く突撃。
勢い竹を割るが如しと阻止線はアラモの砦と同義となって、呑まれた。
噛まれても問題ないとして、多数の罹患者に群がられる恐怖は変わらない。
装甲車は後退をするがそれでも肉片を挟んで横転し、その優勢を失った。
ー
「おいおい嘘だろ墓場から大運動会だ」
簡易の鐘楼から群衆を監視していた選抜射手がそう呟き、群衆は罹患者を眼にしてフェンスを一斉に乗り越えようとする。
『射撃開始!射撃開始!無制限で撃て!』と血走った経験浅い士官の焦燥が伝染し、その焦燥は乱射を呼ぶ。
当然この程度では数が足りるわけ無いの隊員をありったけ投入して総力戦となる。
この時点で戦場と後方の司令部そして港湾は既に分断されていた。
嵐はこの時負けたと感じ、撤退を決意した。
ー
熊野が出たのはフェンスが19m程の距離にある管理棟らしき施設の近くであった。
幸い影でありフェンスが大騒ぎで見張りの視線はそっちに回っていた。
更に上水道にも元々二名回されていたが、フェンス防衛の為に投入されたのが幸いした。
「うわぁすげえ」
群衆はその殆どが罹患者に喰われ、罹患者はフェンスを越えようとしていないが押し破ろうとしている。
既に一部破られかかっており、慌てて大盾を装備した隊員で塞ごうとしている。
だが足を食いちぎられ這いずっている罹患者が塞ごうと足掻いてる隊員の脛を噛みつき、フェンスの亀裂が更に広がる。
倒れた隊員はフェンスの外側に罹患者によって引きずられ絶叫を上げ、罹患者に"平らげられた"。
「日本人?」
熊野は前を見ると、以前助けた韓国兵が窓から外に出てきた。
どうやら事情聴取のあと、彼の宿舎がここだったようだ。
何やら韓国語で熊野に小さな声で言っているが、熊野は英語が少ししか分からない。
文月も分からないが、少なくとも手招きしてるのでコイツなりの考えがあるのだろうと中腰でこっそりと進む。
数分して、韓国兵はアレと指差す。
指差す先には、LCACにトラックを乗せている。
どうやら見たところ医薬品が乗っているトラックを乗せているらしく、運転手は一人である。
こっそりと荷台に紛れていけば対馬なりに行けるのではなかろうか?
だが韓国兵が見ていたのは、隅の方にこじんまりと放置された上陸用舟艇であった。
まるで旧軍の大発とかのようで、まったく2000年代の先進国が使う物ではない。
身振り手振りで操縦できる表現し、あれで逃げようと提案した。
「おい」
後ろから声がかかり、恐る恐る振り替えると土居が居た。
土居はどうやって逃げる気か尋ね、舟艇を指差すと土居は「アレ燃料無いよ」と言った。
何でもアレは元々対馬との物資往来に使う奴で、元々アメリカ製なのだとか。
韓国兵に「NO FUEL」と伝えると彼は「哀号」と悲しみ深い顔になった、
すると...。
「おい熊谷、あそこに浮いてる奴って」
「熊野だよ、あれか...」
爆発の炎が、洋上の何かを照らす。
あれは
「潜水艦?」
土居はLCACに韓国兵を連れて向かい、熊野達は二人が気を引いてる隙に潜り込む。
指揮系統が瓦解し、通信は中国軍のECM(彼らは知らないがウラル級電子情報管制艦が游弋していた)が封じている。
嘘の移送命令をでっち上げて土居が乗り込み、潜り込んだトラックもLCACに載った。
唸りを上げるLCACが離岸し出し、炎上する市街地がゆっくりと遠くなる。
だがそれも、沿岸の99式戦車がLCACを吹っ飛ばすまでだった。
ー
遂にフェンスの一部が荷重で崩壊し、慌ててドーザーで封じ込めようとするが罹患者などの死体で横転。
連鎖して崩れるフェンスは機関銃巣さえ倒してしまった。
倒れた際に足を挟んだり、地面に打ち付けら痛みに悶えた見張りは目の前に群がる罹患者たちの津波を目の当たりにした。
「くそくそォッ!!喰われてたまるかァ!!」
足を挟んだ立哨の松士長はパニック状態だったが急いでMINIMIを銃架から外し、半狂乱で引き金を引いた。
乾いた連発音が鳴り響き、数体がバタバタと倒れるがすぐに熱を持って、1分しない間に排莢不良か或いは過熱した銃身が割れた事で撃てなくなった。
機関銃は撃ち続ける用途の物ではない、そう言うのは水冷式機関銃の仕事だ。
そして現代の軍やイスラムゲリラ、内戦中のウクライナでさえそんなもの滅多に見ない。
「舞風!!援護!援護してくれ!」
そうもう一人の立哨である舞風に叫ぶが既に舞風は三体に噛みつかれていた。
泣き叫びながら「やめろ離せ!助け、助けてくれぇ!!」と声を上げており、松は自分の足に別の痛みが現れたことに気付いた。
「は、はははは、もう終わりかぁ...あはははは!!!」
彼は自分の頭を9mm拳銃で撃ち抜いた。
Q:なにしてたのお前
A:AF99ST掘ったりライサンダーF掘ったり、連邦でガンナー狩ってゲリラ民兵装備させてました。
Q:他には
A:ノクターンで趣味全開息抜き作品書いたりしてた、半年でこの作品と同じ御気に入り貰っててLOL生える:)




