第7話
夏目漱石先生の「我輩は猫である」の猫さんは、どこで生まれたかわからないってことだけど。ボクは生まれた場所はちゃんと知っているんだ。
いまでこそ野良猫という肩書きだけど、都会で野良という場所が無いのに野良猫というのは変な肩書きだなぁ。自由猫って呼んでくれる人もいるけどね。ただ自由民主党のセイジカとかいう人ほど、野良猫呼ばわりしてくれますが【本当】。党名に自由がついているのに変だなぁ。よほど猫が嫌いなのかな。その昔東条英機という猫好きの政治家(軍人でもあるか)がいたんだけどね【本当】。
それはともかくボクが生まれた場所は、天満の古びた文化住宅の1階。人間のおばあちゃんが一人で住む部屋の押入れの中だったんだ。文化住宅の中でもそのおばあちゃんとこだけは、ボクたちを追い払うことなく一緒に住まわせてくれたんだ。で、追っ払ううちには、しっかりウンチとオシッコと抜け毛で報復していたけどね(ってをいをい)。
ママのはなしだと、ボクが生まれるときは難産だったらしい。おばあちゃんが産婆ではないけど、出産を介添えした・・・つまり引っ張り出してくれたわけ【本当】。
それ以降ママと一緒におばあちゃんにお世話になっていたんだ。おばあちゃんもネンキンとかいうものしか収入無いけど、それでもしっかりご飯をたべさせてくれたんだよ。
でも、今は僕の生まれた場所は誰も住んでいないんだ。おばあちゃんが足腰が悪くなって老人ホームに入ることになって、それ以降おばあちゃんとは会っていない。でも今度あえるときに元気にあいたい・・・と思っているんだ。