表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/176

飛行距離

 ぼんやりとした頭のまま、ロンダークを抱きしめサクラをレイナス王国の王宮へ向かわせる。


 王都の上空についた時には既に辺りは夕闇に染まっている。


 それでも障害物がない空をサクラで一気に飛行して来たため、レイス王国からたった半日足らずで自国へと戻ってこれた。


 サクラは迷うことなくの滑空し、篝火の焚かれた王城内の離着陸に使っている竜舎がある庭園に降り立った。


「サクラが帰ってきた!」


 急に姿をくらませたサクラを探していたのだろう、世話役のトリスタンが飛び出してきた。 


「サクラ、一体どこに……シオル殿下!? 血の匂いが、どこかお怪我でも? すっ、直ぐに医師の手配をしてまいります!」


 どうやら背中に乗っていた私と抱き抱える人影に気が付いたのか、人を呼びに走っていってしまった。  


 無理な動きをしたせいか、全身が鉛のように重い。


 視界がぶれて足取りが乱れる。


 ロンダークだけは落とすまいと抱えたままサクラの上から降りると、真っ直ぐに城内へ続く扉へと必死に足を動かした。


「シオルが戻ってきたとはどう言う事だ!」


 バタバタとこちらへ向かって大理石の廊下を駆けてくる足音と聞き慣れた声に涙が浮かぶ。

 

「父上……」


「シオル! それとロンダークか!?」


 ガクリと膝が支えを失い崩れる。


「危ない!」


 咄嗟に私とロンダークの身体を支える逞しい父の手に安堵し、意識を手放した。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ