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第八話 Q.庶民派ケーキVS高級ケーキ・・・勝者はDOCCHI!?

 今日はあきらクンの誕生日。それはつまり、誕生日会がある日だ。誕生日会があるということはケーキあるということで。つまり、ボクにとって今日という日は絶好のケーキ日和なのだ。ただ、誕生日会ということで必ずプレゼントを用意するのが参加者の務めらしいので、ボクはプレゼントを準備している。意外だって思った?ボクだって面倒だと思ってるけど、母親の顔に泥は塗りたくないからね!父親?知らないよ、そんな奴。


「ゆかりくん!来てくれたんだ!ほんとにありがとう!」

「んー、どういたしまして。プレゼントだよー」

「うわぁ!ありがとう!何が入ってるのかなー」


 プレゼントを貰う時って凄くドキドキするよね。でも、期待していたものとは違ったときのがっかり感は計り知れないよ。きっとあきらクンは自分の好きなものが入っていると思っているんだろうけど、残念。ケーキと違って現実は甘くないんだよ。

 何が入っているのかもわからないボクのプレゼントを嬉しそうに抱きしめるあきらクン。プレゼント開けた時にどんな反応するか楽しみだなー♪


「いっぱい食べていいからね!」


 そう言ってプレゼントを置きに走って行ったあきらクン。あきらクンの向かった先にはプレゼントの山。お金持ちの子ってこんなにプレゼント貰うんだね。親のコネでプレゼント(夢)を得るってボクからしたら滑稽だよ。まあ、前世のボクは誕生日なんてないから祝ってもらえなかったけどね。だから腹いせにボクの敵が誕生日会やっているたびにぶっ壊しに行っていたよ。みんな凄く怒ってたなー。


 あきらクン宛のプレゼントの山を見て、一つ手に取ってみた。なになに…「天平 晶 様」だって?「晶」って書くんだねー。ちょっと力を使って中を透視してみよう。何が入ってるかなー?……おっ、高価な腕時計が入ってるね。相手の腕に合わせてるのかなー?あ、でも結構大人物に近い…かも。大きくなったらつけなよ、ってことかな?その間には時代遅れのデザインになってるかもねー。


 料理が運ばれて来つつも、デザートが何故か出てこないので、他の料理を食べる気がないボクは晶クンのプレゼントの山を透視しながら中身をじっくり見ていた。たまに会場を見回してデザートが出ているか見るけど、大人しか参加していないみたいなんだよね。晶クン友達いないのかなー?晶クンのオッドアイってそんなに気持ち悪いのかな?前会ったときはみんなに「気持ち悪い」って言われたから泣いていたみたいだけど。大人たちはあまり気にしていないような……。気になるから聞いてみよう。


「ねぇーそこのオジサンー」

「ん?なんだね君は」

「ボク、晶クンのオトモダチ。晶クンの目って綺麗だよねー」

「ああ、そうだな。彼の父君もオッドアイでな。あの一家はオッドアイが家を継ぐというしきたりがあるらしい」

「へぇーそうなんだー」


 彼の父親もオッドアイなようだ。もしかして何か受け継がれるのかなー?ボクの世界でも、オッドアイになってしまったある人の子供もオッドアイだったなー。確か、力を受け継いだからオッドアイになったって言ってた気がする。その後二人ともボクにブチ切れていたけど、一体なんだったんだろう。二人がオッドアイになったのってボクに関係ないよね?


 それからオジサンと世間話をしていると、ついに誕生日パーティの儀式をするようだ。運ばれてきたケーキはなんと、ボクよりも大きかった!食べるのが楽しみだよ…じゅるり。それから晶クンがケーキの前に立ち、みんなが「HAPPY BIRTHDAY」コールするのを聞きながらボクはケーキをじっと見つめていた。早く終わらせてよ、ボクはケーキが食べたいんだ!そう思っていると、彼がケーキの上に乗っかったロウソクを吹き消すと、一斉に拍手をする参加者たち。一応ボクも拍手しておく。その後、ケーキが配られると共に、デザートが運ばれてきた。いやっほーい!デザートだ!


「うまうまー♪」

「ゆかりくん、これたんじょうびケーキだよ。とってもおいしいの!」

「ありがとー晶クン♪」


 んにゅー!これは美味!シンプルなショートケーキなのに高級感が抑えられない!さすが金持ち。ケーキ一つにかけるお金が伊達じゃない。他のデザートよりやっぱり手が加えられている。チラッと誕生日ケーキがあった場所を見ると、半分以上のケーキが残っている。そして参加者は全員ケーキの皿を持っている。これはつまり、まだケーキが余っているということかな?


「晶クン、あそこにあるケーキは食べていいの?」

「えっとねー、うん、いいよ!みんなが食べて、あまったらすきにしていいってちちうえが言ってたー」

「じゃあボク食べたーい」

「いいよ!じゃあ、いこっ!」 


 晶クンと共にケーキへと走る。近くから見てみると思っていた以上に大きい。そして何より、美味しそうだ。一つ一つのホイップクリームが丁寧に飾り付けられているし、トッピングの配置も計算されている。そして、晶クンからケーキを分けてもらい、食べる。


「んにゅー!うまうまー♪ここの人達のお料理美味しいね!」

「ほんとに!?ありがとう!みんなに言っておくね!」


 それからボクは会が終わってお手伝いサンが迎えに来るまで誕生日ケーキを晶クンと一緒に頬張っていた。これからも晶クンの誕生日会に参加しようかな。オジサンの庶民派なケーキも美味しいけど、高級な材料を使ったケーキを味わうのも悪くないよね!ごちそうさまでしたー♪


Q.庶民派ケーキVS高級ケーキ…勝者はDOCCHI!?

A.どれも美味しすぎて決められなーい♪

縁くんの送ったプレゼントの中身ってなんでしょうかね。

縁くんはデザートしか食べていないのに、料理が美味しいと言っています。晶くんからしたら、料理全般が美味しかったという風に聞こえているでしょう。

最初にフルネームが判明したのは何と、晶くんでした!

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