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第七話 友達を作る理由?それは誕生日会に呼ばれるためさ!

 ボクが奴隷をゲットして早くも1年半が過ぎた。ボクが毎日奴隷クンの元へ行きケーキを食べ続けた日なんて、一々描く必要ないよね?奴隷クンは最初の方は凄く反抗的だったけど、今となっては従順となっているよ。最初はボクが利益を得るだけの一方的な関係だったけど、奴隷クンのアイディアに色々ダメだししてみたらその完成品をオジサンが作ってくれたんだよ。凄く美味しかったんだー!やっぱりオジサンになるだけの年月をケーキにかけているからなのか、味に貫禄あるんだよねー。ボクはオジサン作のケーキも食べたかったから、奴隷クンのアイディアを商品化するのを手伝って、オジサンのケーキも食べるんだー。ボクは奴隷クンの試作品と、オジサンの完成品の両方を食べることができるから一石二鳥なんだよね!


 オジサンと奴隷クンは、最初はボクからスイーツを引き離そうと色々と手を尽くしていたみたいだけど、ボクに死角はないよ!今となっては諦めてボクの専属のパティシェだよ。ボクがスイーツから離れるとでも思ったかい?残念だね!ボクらはキミ達によって引き離されるほど緩い絆で結ばれていないんだよ。運命の赤い糸…ってこの世界では言うのかな?それによって結ばれているボクらを、キミ達如きが引き離せるわけないんだ!


 そういえば、今まで忘れていたことがあったんだよ。ボクの事を気持ち悪いくらい知っている銀髪の女の子いたよね?何か、彼女がボクにしょっちゅう話しかけてくるんだよ。ホント、邪魔なんだけどなー。しかも、この世界独自の携帯電話を見ながら、だよ?気色悪いよねー。話すか、携帯弄るかにしなよーって感じ。しかも、ボクを見て、携帯見て、「選択肢選んでるのにストーリーが進まない…!?」とか言っているんだけど、意味不明だよね。ストーリーってなんだろうね。ボクはキミと物語を紡ぎたいなんて思ったことないんだけど。


 あ、その彼女なんだけど。実はボクの元婚約者だったらしいんだよ。ボクに婚約者いたっけ?わかんないなー。多分、嘘だよね。母親がボクに「縁の婚約者は自分の好きな人にしなさい」って言っていたから、好きじゃない女の子が婚約者になるはずがないんだよ。あの子、ボクの幼稚園時代を知っているみたいなんだけど、ボクは幼稚園で同い年の銀髪の子なんて見たことないんだよ。もしかして、いわゆる思い込みの激しいストーカーなのかな?


「ゆかりくん!」


 まあ、ストーカーなんて相手にするとエスカレートするらしいから無視するに越したことないかな。あ、無視されるとエスカレートする時もあるのか。じゃあ、どうしようかなー。でもボクをどうこうできるわけないから、放置も良いかな。あの子に構うより、ボクはケーキが食べたいんだ。


「ゆかりくん!ひさしぶり!」


 よし、今日も甘味屋に行って奴隷クンに作らせよう。今日はモンブランが食べたい気分だなー。栗って可愛い形しているよね。あんな美味しい中身が食べられるのが嫌だから棘に包まってるって思えば可愛いよ。栗可愛い。


「うぅ…きいてよ…」


 あれ?なんかどこかで聞いたことがある声がするなー。今まで考えに没頭していたから気付かなかったよ。一体誰だろう。


「あきらクン?あきらクンじゃないか!久しぶりー」

「うぅ…やっときづいてくれた」


 あきらクンはボクに気が付いて声をかけ続けていたが、ボクが無視をしていたからボクに嫌われたのかと思っていたようだ。そういえばあきらクンはボクの一つ下だから、今は小学校一年生かー。同じ小学校だったんだね。それにしても、気付かなかっただけで嫌われると思っている辺り、この子結構ネガティブだね。


「どうしたのー?また苛められた?」

「それはもう、だいじょうぶ!あ、そうだ!ゆかりくん、おねがいがあるんだけど」

「やだー」

「言うまえからひていしないでよ!」


 ボクは聖人じゃないからね。人の頼み事は大抵断るんだ。ボクはケーキを食べるのに忙しいんだ。君を構うくらいなら、ケーキを食べるね!


「あのね、ぼくのたんじょうびパーティにでてほしいの。おともだちがいないとばかにされるから」

「ふーん」

「えっと、おいしいごはんいっぱいでるから!たくさんたべていいよ!」

「へぇー」

「デザートもいっぱいだすって言ってたよ!」

「行くよ。ボクは行く。地の果てでも」


 思わず即答しちゃったよ。デザートが沢山出て、食べ放題だって?なんてこった!このボクが盲点を突かれるなんて!ボクは今まで気付かなかったよ。ボクは友達なんてくだらないと思って今までつくってこなかったけど、友達がいっぱいいたら、誕生日会に行く機会が多くなる。それはつまり、ケーキがいっぱい食べれるってこと!これからは友達いっぱいつくろう。そして、誕生日会に招待されてケーキ食べ放題!たまには奴隷クン以外が作ったスイーツを食べるのも良いよね!


「ほんとに!?ありがとう、ゆかりくん!」


 お互いにメリットがあるから行くんだよ。君の為ではないんだけれども。まあ、嬉しそうだから良いかな。キミに不機嫌になってもらったらボクが困るんだ。誕生日会でいっぱいスイーツを食べるためにはキミを懐柔して毎年行けるようにしないとね。


 そして、これからボクは友達をたくさん作るよ。友達を作る理由?それは誕生日会に呼ばれるためさ!友達100人できるかなー?

縁くんは、元婚約者騒動を忘れてしまったようです。

転生主、不憫な子…!

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