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棘のマントは永遠に脱げない非情
他人を避けました
孤独が好きでした
気が付いたら
棘を纏って過ごしていた
それでも良いと思っていた
貴女に出逢うまでは
「僕の事は放っておいて
自分で孤独を選んだんだから」
それでも良いよと貴女は笑った
棘まみれの僕に笑いかけた
僕の孤独も棘のマントも全てが
貴女の愛に包まれた
孤独を愛した僕の身は
いつの間にか貴女を愛していた
僕は貴女に近付こうとして
初めて己の嵌めた枷に気付いた
この脱げない鎧は
僕が愛される事を嫌がった
僕が創りだした孤独の刃は
僕が幸せになることを許さない
「貴女の指先を刺したくないので
僕は黙って身を引きます
愛してくれてありがとう」
僕は孤独を愛するハリネズミ
棘のマントを着込んで今日も独りで生きている