1/7
奪われた空を歎いても 涙は海にとけるだけ
あの時は
身の程知らずなペンギンでした
空を翔んで
醜い地上から飛び出して
空の上の綺麗な君に会いに行きました
幸せな時間でした
しかし幸せとは長く続かないものなのでした
君は居なくなり
僕は落下していきました
今の自分には
空を翔べる翼を失い
空と君の記憶が残されました
君を失って
海を切り裂く翼を手に入れました
仕方がないので君を探して水の中に飛び込んでみました
君のいた世界とは違うけど
同じ青色のなかで少し涙をこぼしました
頭上に広がる青と
目下に広がる青
そのどちらの青もこの瞳に収めた僕は贅沢なのでしょうか