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013 裏話〜広い部屋〜


相馬が帰った部屋は、狭いはずなのに広く感じる。

明日も仕事だというのに、いつもより遅くベッドに入り、目を瞑る。

緊張感無く眠りにつくのは、随分と久し振りなような気がする。

今日は情けない姿を見せてしまった。いつも『仕事ができる要領の良い私』を演じているのに。

だが、不思議と後悔も恥ずかしさも無かった。それよりも、肩の荷が下りたというか、理解してくれる仲間ができたことが何よりもありがたい。

人に甘えるのは、昔から苦手だった。

気を遣われるよりは、遣っている方がまだ気が楽だった。

なのに、今日は甘えてしまった気がする。

しかも、あの相馬に。

悪いやつではない。むしろ、おもしろくて良いやつだと思う。ただ、向上心の塊のような営業課の中で、いつも眠そうな目をした彼は、やや異質な雰囲気を纏っている。

今日は、普段のそんな様子が嘘のように、真剣だった。

「大丈夫」と言い切った相馬の顔を思い出す。

真っ直ぐにこちらを見つめるその瞳は、嘘偽りのない言葉に感じた。


「嬉しかったな」


思わずこぼれた独り言に、自分で驚き、恥ずかしくなる。

おまけに、口角が自然と上がっていることに気付き、思わず掛け布団を顔まで被った。

きっと今日は、良い夢が見られる。


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