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ショートショート 昭和のお浣腸物語1-2

作者: 勇気

昭和の中頃、子どもの頃の家庭医療、姉弟とのお浣腸の思い出について

内容描写に不愉快な部分もあるかと思いますので、ご容赦下さい

ショートショート 昭和のお浣腸物語1-2


もとみちゃんがお漏らしをした日の夕方、ひろくんの家でのお話しです。



お隣のお母さんとの井戸端会議を切り上げ、お母さんが戻ってきました。

「ただいま」

心配したのか、ひろくんも玄関に出てきました。

「どうだった?許してもらえた?」

恐る恐る聞きます。

「許すも何も、なんでもなかったって」

「よかった。てっきりお漏らしさせたかと思った」

「あんたが回覧板を引っ張った時、反射的に踏ん張っておならが出ちゃったんだって」

「それで、ちょっと臭ったんだね…」

「そうよ。だからって、もとみちゃんがおならしたとか、お浣腸したとか、学校で言いふらしたりしたら承知しないからね」

「分かってるよ、そんなの」

「分かっているならいいのよ。それより、あんた、今日はお便出したの?」

「えっ?」

「お便よ、朝、出したのって聞いているのよ?」

「まだだよ」

「じゃあ昨日は?」

「何でそんなこと聞くのさ」

「お隣のもとみちゃん、お腹の調子悪いんだって。だからあんたのことも心配したのよ」

理由が分かって安心したのか、今度は素直に答えます。

「昨日もしてない。そのうち出るから…」

「そう。まぁいいわ。あら、こんな時間。夕食の用意しなきゃ。お父さんとお姉ちゃんはまだ帰ってこないわね。今お風呂沸かすから、先に入っちゃいなさいよ」

「分かったよ」


そう言うや、なんでもないことが分かって安心したのか、すたすたと2階の子供部屋に戻って行きます。その場でひろくんのお母さんは、先ほどもとみちゃんのお母さんに貰ったむき出しの軽便浣腸を、割烹着のポケットの上からなぞって確かめます。

(あら、2つ?)

ポケットを探ると2つ入っていました。今度は取り出してみます。すると、やはり包装から取り出されたむき出しの軽便が2つ。それもご丁寧に、キャップの下の嘴管には軟膏が塗られています。すぐに使える状態です。と言うか、衛生上、むき出しの容器です。せっかく頂いたのですから、すぐに使う必要があります。息子の便秘が分かりました。もとみちゃんへのおいたも理由に、する決心がついたようです。あとはいつするかですが、本人の恥ずかしさもあるでしょうからお姉ちゃんやお父さんが帰ってくる前にと思っています。高学年になりますが、ひろくんは小柄で小さいので組み伏せるのは出来ますが、素早く逃げられると、捕まえるのに一苦労です。であれば、逃げ場のない脱衣場に居る時がチャンスです。うまく行くと、裸になった時であれば、脱がす手間も省けます。そう考えながらお風呂の用意をするため、浴室に向かいます。


「お風呂出来たわよ。お姉ちゃんたちが帰るまでに入っちゃいなさいね」

「はい!」

さっきとは逆にすたすたと階段を下りてくる音がします。

「ガラガラガラ」

脱衣場の引き戸が開く音がします。男の子の服装はせいぜいシャツに半ズボン、パンツくらいしかありません。せいぜい1分位で全裸になってしまします。後を追うように、すぐに浴室に向かいます。

「ガラガラ、ガラ」

入ると、後ろ向きで屈んで白いパンツを脱いでるところです。お誂えの浣腸の姿勢で、すかさず、ポケットから軽便を出してキャップを外します。あとは、肛門部にあてがうだけ。

「なぁに、おか…」

ひろくんが言い終わらないうちに、軽便の嘴管を差し込んでしまいます。既に軟膏が塗られていた嘴管は、肛門を抜けてその先端は直腸に届くくらい深く入れられました。

「いいこと、じっとしてるのよ。すぐ済みますよ」

その通り言葉が言い終わらないうちに、本体を絞り込まれ、ぴゅちゅっと独特の音がして嘴管が抜き取られました。

「おか…あさん。なに?何かした?」

「これよ」

たった今使用したばかりの軽便浣腸の容器を見せます。お姉ちゃんのあの事件以来、ひろくんの家では登場しなくなって久しいですが、それまでは万能薬として使っていましたから、知らないはずはありません。


容器内には薬液が少し残っていますが、ほぼ全量が腸内に入れられたことになります。ひろくんはと言うと、じっとしていろと言われてもあまりにも突然のことで、それにあまりにもすぐに終わったことで、何があったのか分かりません。お尻の違和感が分かったのは少し経ってからのことで、それほど見事な施浣でした。

「お浣腸?」

「そう、浣腸したの。お便出てなかったでしょう。もとみちゃんも、お便出てなかったんですって。みんな、便秘になるときは一緒ね」

「だからって…後でするつもりだったのに…」

そう言うのがやっとです。

「ごめんね。でもこれで出やすくなったでしょ。それにお隣でお浣腸余ったんですって。封開けたんで、使わないと勿体無いでしょう」

「だからって、もとみちゃんと同じようにする必要ないじゃない」

「お浣腸のこと?同じ様にすれば学校行って言いふらさないでしょ。それにあんた、昨日からではなくて、しばらくお便出てないでしょ。お母さん知ってるのよ」

「お姉ちゃんだって、お便出てないって言っていたよ。なんで僕だけ…」

(お姉ちゃんも一緒よ)

声に出さずに、素直にさせないだろうなと今晩の処置に思いめぐらします。


もうお浣腸して1分位経っています。そろそろ効き始めるころです。

「お便所行きたいの?」

体がくねくねもぞもぞしています。見るからに薬が効いている感じです。

「おなかが変」

「がまんよ、そのままで。それに、また服着るの?」

すでに全裸です。そのまま玄関にあるお便所に行って、万一、近所の人やお客さんが来たら大変です。

「さぁ、いいから、お風呂場に入りなさい」

追い立てられるように、お母さんと一緒に浴室内に入ります。この頃のお風呂は、団地などで導入され始めましたバランス釜の風呂沸かし器になるころでした。ですが、郊外の住宅では火起こしして浸かる木桶風呂の家庭がまだまだ残っていました。かく言うこの住宅街も、上がり湯と湯船が涌けられましたこの木桶風呂で、洗い場はコンクリートの打ちっぱなしの上に古めかしい木のすのこが敷かれて、土間のような感じです。

「ちゃんと上がり湯掛けてね」

湯を体に掛け、簡単に陰部も手洗います。そうしてから湯船に入ります。

「湯船に入っていると、少し我慢できるから」

そんなこと言われても、浣腸されての入浴なんて、ゆっくりできません。湯船に入ってもう1分位も経っていません。しかし、そういう傍から、排泄感が高まってきます。

「うんちしたくなってきた」

「まだ、がまんよ」

湯に浸かっているのにもかかわらず、鳥肌が立っています。

「お便所!お便所行く!」

湯船から出ようと、立ち上がります。

「お便所行っている暇ないでしょう。いいわよ、ここで」

田舎のおばあちゃんの家も同じお風呂ですが、お便所は汲み取り式で家の外にあり、それが嫌でお風呂場のすのこの端で、用便を足していたのを思い出しました。その時と同じように、簡単に体を拭いてあげてから木の風呂椅子にお母さんが先に座り、その後ろから両足を抱えられながら、足を広げられます。

「我慢できない!」

本当に我慢できないのでしょう。抱えた足をそれぞれ母親と同じ側の足の上に載せながら、その両腕を添えていますが、さぶいぼが全体に出ています。

「さぁ、いいわよ」


最初に、普通は薬液が出るはずなのですが、全くその気配がありません。体格に応じて薬液は入れたつもりなので足りないと云いうことはないと思いますが、恐らく、水分の無い腸内に吸収されたのでしょう。ただし、抱えていますので肛門は見えませんが、大きく開いてるのが分かります。

「出そう?」

これは思ったより重症でした。これからは嫌がっても早めに処置が必要ねと思い直すとともに、出なければ、お姉ちゃん用に取ってあるもう一本しようと思っています。

「出ないなら、もう1つしようか?」

その途端です。

「ブリッリ」

と、放屁が狭い浴室に響いたかと思うと、

「バッス」

と乾いた音がして、大きなお豆くらい丸めのものが一塊になった、見るからにかなり硬めの便がソーセージ状になって排泄されました。

「ううう、ハァハァハァ」

大分気張ったんでしょう。あとは気張らずとも軟便が出てきます。しばらくして、出切ったのでしょう。

「もう出たの?」

「もう出た」

シャワーはおろか、湯の出る蛇口すらありません。湯桶にお湯を汲み、中腰でお尻をこちらに向けさせてそのまま手でお通じで汚れた愛息の肛門を洗ってあげます。肛門に指を充てると、開ききっているのが分かります。もう一度、洗ってから、

「もういいよ。また体を流してからお風呂入って」

湯船に入れさせながら、排便魂を排水溝に流します。

「大分溜めていたね。すっきりしたでしょ。これからは嫌だけど、お便が出なくなったらちゃんと言うのよ」

「どうするの、お浣腸するの?」

「そうよ、お便が出なくなったらね。その時はちゃんと言うのよ。他に病気になったら大変でしょ。頑張ってお浣腸しようね」



あとはお姉ちゃんだけです。この頃のお風呂は、今のように室外の湯沸かし器を使って入るものではありませんでしたし、先ほどお話ししましたように、家のお風呂は木桶風呂です。沸かし直しが面倒な構造になっていましたので、出来るだけ時間を空けずに家族がまとまってお風呂に入る習慣もありました。普段からお姉ちゃんとお母さんは一緒にお風呂に入っている仲です。それに女だけですから、かえって都合がいいです。

「お姉ちゃん、お風呂入るわよ」

「はいぃ」

何も知らない小柄なお姉ちゃんが脱衣所にやってきます。2人で裸になりながら、

「お姉ちゃん、ちょっと太った?」

「太ってないわよ」

「ほら、ここ」

知っていながら、それとなくお腹周りを触りながらお母さんが言います。

「太ってないけど、ちょっとね」

「ちょっとねって、何よ?」

「…ちょっと、お便が出てないの」

期せずして、お姉ちゃんから自白が取れました。

「ちょっとって、何日くらい?」

「日曜くらいから…」

「日曜って、先週の」

「そう…」

「それじゃ、1週間になるじゃない。出ないの?」

「出ない」

これは重症です。多分、1週間以上でしょう。


「それじゃ、前みたいに病院に行かないと…」

「病院って小児科病院?」

「そうよ」

「小児科病院は嫌よ」

「嫌って言ったって困るじゃない。月曜日に病院行きましょうね」

「嫌!」

「嫌ってこれ以上悪くなったらどうするの?」

「許して!」

「許すも何も、なんで嫌なの?」

「だって…」

「だって、何?」

「だって、お浣腸されるでしょう」

「かもしれないわね」

病院では浣腸決定かと思いますが、今は追い込むようなことは言うべきではないと考えます。でも、今は早く治してあげないと…

「もう今の状況なら、お浣腸しかないわね」

「やよ、あんなに大きい注射器でされて、それにみんな見てるもの」

「注射器じゃないわよ。浣腸器。針付いてないでしょ」

「どっちでも一緒よ。診察室で皆が見ているところでされたくない」

この当時は、診察室に続いて中待ちの部屋がありました。部屋と言っても、薄いカーテンでの仕切があるだけで、双方の声が聞こえる距離にあるのが普通でした。それに、注射などの処置も同じ部屋の端に、小ぶりの診察ベッドが衝立の陰に1・2台あり、そこでしてもらっていました。当然、浣腸もです。大概は、先客がしたであろう、薬液を絞り切った管の付いた浣腸器と使いましたよとかこれから使いますと一目でわかる、琺瑯のオマルが置かれていたものです。ですので、浣腸がされている処を見てしまったり、逆に自分がされている所に、中待ちの人たちの目が刺さります。

「それならお家でする?どうする?」

究極の選択をひろくんにしたばかりのことを思い浮かべながらお母さんが、お姉ちゃんに言います。

「…」

「このままだと、病院で浣腸ね。お家でするならしてあげる。どうする?」

漸く意に決したのでしょう。

「お家でする…」

ぼそっと答えます。

「分かったわ。今用意してあげる」

「今?」

「そうよ、今よ。丁度、お母さんもするつもりで用意していたのよ」

ウソも方便。本当は最初からそうするつもりでしたが、自分から選択させたことで、この後の処置もしやすくなります。そう言うと、脱衣場に行って事前に用意した軽便浣腸を持って来ます。

「これね。病院のより小さいでしょ。怖くないでしょ」

「うん。怖くない。でもちゃんと出るのかしら?」

「ひろしにもしてあげたから大丈夫よ」

「え?したの?」

「してあげた。まったく姉弟揃って便秘症なんだから、苦労するわ」

「それを言うなら、母親譲りでしょう?」

ハハハと笑いが響きます。

「さぁ、お風呂の淵に手をついて」

「うう」

そう言うと、お姉ちゃんの尻臀を開き、素早く嘴管を入れて、送薬して抜去します。

「うんちしたくなるまで、我慢しようね。お腹温めると我慢できるから、お風呂入って我慢しようか」

素直にお風呂に浸かってみますが、肝心なことを思い出しました。

「お便所は?」

弟と同じで、この期に及んで便器に排泄しようと考えています。

「裸でお便所行く気?お洋服着る時間もないでしょう。そこで大丈夫よ。お母さんが流しておいてあげるから」

目で追うと、すのこの切れ目にある排水溝にしろと言っています。そんなところでするのはとも思いますが、いまさら嫌と言えずにいるうちに便意の我慢を重ね、いくつかの排便の波を越えました。

「お姉ちゃん、どう?」

「どうって?」

「どうってって、ウンチ出ないの?」

「何回かしたいなと思ったけど…さっきより弱くなった」

「えっ、出ないの?」

「出ない」

軽便浣腸、失敗です。

「これは、ダメね。おねえちゃん。やっぱり、月曜日に小児科病院行きましょう」

2人で湯船に浸かりながら、事後相談をします。

「ヤダ!だから今、浣腸したのに!」

「そんなこと言っても出てないじゃない」

「小児科は嫌」

「だって、他に病院はないじゃない」

「あの女医さんは嫌なの」

「何でなの?」

「だって、すぐに…」

「ガラスの浣腸をされるから?」

顔を見ると、

(うん)

と頷きます。

「じゃあ、明日、町の薬局店まで行って軽便浣腸買ってくるから、もう一度する?」

(うん)

とまた頷きます。

「それで出なければ病院よ。いい分かった?」

返事のかわりに、首を横に振ります。

「ダメよ。それに充分に出ないようでも、病院よ。いい分かった?じゃないと明後日、病院は決定するからね」

(うん)

とまた身振りで返事します。しばらく沈黙が続き、さて湯船から上がろうという時、お姉ちゃんが思い出したように言います。

「もう一つあるじゃない。病院」

もう一つあるにはありますが、こちらは内科・外科・婦人科等々を揃える総合病院で、お母さんたちが掛かりつけにしている処です。胃腸科もありますからもっと設備は整っています。

「町立診療所のこと?」

「そう」

「あそこも同じよ」

「でも診察室と処置室は分かれてるんでしょ」

「そうだったかしら…」

「前、そう言ったじゃない」

そんなことを言った気もします。別れていますが、処理室も2つあって、外科で包帯や薬を塗ってもらう普通の処置室と、浣腸専門の部屋、浣腸室があります。その浣腸室には、中待ちになっているので、部屋の構造は小児科と一緒です。今更そう詳細を言ったところで、要らぬ問答が増えるので、これ以上言葉を足すのをやめることにします。

「分かったわよ。学校前に寄るのよ。学校には少し遅れていくことは言っておくから」

(うん)

と、また黙って頷きます。軽便を使った結果次第のところはありますが、これで通院はほぼ決まりました。そしてもう一つ決まったことがあります。家庭薬として、軽便浣腸の常備です。それもうちの子供たちは、1人が失敗して、もう一人もぎりぎり出た状況で、子供用の20gの軽便1つでは効きが薄いことが分かりました。だから、子供用を一度に2つ使うか、大人用の軽便浣腸を何回分か用意しようと思います。できたら、面倒でもリスリンも買い求めようかしら。そして何よりも大事なのは便秘は放っておかないで、お便が取れてないとわかり次第すぐに処置をすることにしました。いずれにしても、まずは明日、町の薬局店で買い求めることにします。



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