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冒険者ギルド

目が覚めるとリンはすでに着替えていた


「・・・おはよう」

「おはよう、また胸触りながらながら寝たでしょ」

「だって柔らかいんだもん・・・」


リンの胸は世界一、だと思っている

他は知らないだけではあるが

服の上からでもラメラの三倍はあるように思う

ラメラが小さいだけかもしれないが言ったら殺されそうだ


「目が覚めたらいつもジン君の手が胸にあってドキッとするんだからね」


俺は感触を思い出して顔がニヘーっとなる


「もう、エッチなんだから、先に下に降りてますよ」

「へーい」


俺も着替えて下に行くとしよう

動くと何やら固い感触がふとももに当たる


「ん、なんだこれ」

掛け布団をめくると20センチくらいの卵が四つ固まって置いてある


「・・・これが聖獣様の子供たち・・・なのか?」


それ以外に考えられないしそうなのだろう。

自然と集うとは言っていたが不自然すぎるだろこの状況

とりあえず温めなきゃいけないだろうしこのままベッドの上に置いていこう。

着替えて鍵を閉めて下の階に降りる


「ジン遅いぞー」


すでに全員が揃っていて俺が最後だった


「あー悪い、ちょっとな・・・」

「遅くまでいちゃいちゃしてたんじゃないだろうなぁ」


ラメラがすかさずイールの頭をたたく


「バカ、そういうことは聞くもんじゃないの」

「いてっ悪かったよ」

「朝食はもう出されているので先に食べていますよ」


軽く返事をして俺も席に座り食べ始める


「遅くなった理由は寝坊なんだがもう一つ理由があってな・・・二人とも食後に部屋に来てくれるか?」

「ん?ああわかった」


食事を続けてしばらくしてラメラが


「今日はギルド!楽しみね!」

「登録して説明を受けて、買い物に行って、やることは多いですね」

「俺はそれに追加のタスクがあるんだよ…」


みんな「?」とした顔をしている

食事も済んだしこのままみんなで部屋に行こうと誘い部屋に戻る

鍵をあけてベッドの方を指さす

部屋を出た時と同じ、卵が四つ


「…起きた時はなかったですよね?」

「お前らもう子供を…あ、いや冗談、冗談です!」


となりでラメラが握り拳を作り息を吹きかけながら準備をしていた

そのまま1発殴ってくれてもいい


「実は…」


俺はイールとラメラにも昨日のことを話した


「ってことがあったんだ、信じられないかもしれないけど事実、おそらくこの卵は聖獣様の子供だと思う」

「なるほどな、でもすごいじゃないか!聖獣様に認められてるってことだろ!?」


イールは妬むわけでもなく、蔑むわけでもなく、素直に喜んでくれた。


「ビーストテイマーだって言われた時はみんなの足を引っ張るんじゃないかって不安だったし、才能があるって言われた時は妬まれるんじゃないかって思ったし、聖獣様の子供の世話をするってなった時はどう思われるかわからなくて言葉にできなかったんだ」


俺は気持ちを全て話した。


「バカだなぁ、俺たち親友パーティだろ?辛い時は助け合う!嬉しい時は分かち合う!もう家族みたいなもんじゃないか!」

「ジンは気にしすぎよ、いくら才能があったもすぐに追いついて見せるんだから!」

「2人にはそれとなく伝えようと思ったましたけど大丈夫でしたね、私たちはずっと一緒です」


泣きそうになるのを堪えて一言を搾り出した


「ありがとう」


「よーしじゃあギルドに行くかぁ!」

「たまごは置いておけないし、私のポーチにも入らないし…どうしましょうか」


なんてことを言っていると卵はみるみるうちに小さくなっていき、手のひらサイズになった


「聞こえてるのかな…?ありがとう」


リンにポーチを借り、布で卵を包み中に入れ、冒険者ギルドに向かった。

ギルドのドアを開けると色々な人がいた。

壁の紙を見ているひとだかり、強面のおっさん、なかなか過激な服を着ている女性、フードをかぶって顔を隠しているように見える人

受付のカウンターは3つあるがたくさんの人が並んでいた

ひとつは若いお兄さん、女性が並んでいる

ひとつは若いお姉さん、男性が並んでいる

ひとつは老紳士、誰も並んでいない


「あの、いいですか?」


誰も並んでいないのだからいいだろう


「おや、わしでいいのかい?」

「空いていると思ったのですが間違ってましたか?」

「いや、間違ったないぞぃ、見ない顔だが新人かい?」

「先日聖人しまして、今日が初めてなんです」

「若いっていいのぉ、ギルドの新人研修もかねて説明をしたいのじゃが良いか?」


後ろを振り返るとみんながうなづいていた


「はい、大丈夫です」

「ならあの部屋で待っていてくれ、1人連れて行く」


俺たちは指さされた部屋に入り老紳士を待つ

すぐに人が入ってきた


「よっこらしょっと、わしはカムン、こっちが新人のメルルじゃ、ちなみにわしの孫」

「メルルです!よろしくお願いします!」


若い、というか若すぎる

どこから見ても10歳くらいの女の子だ


「子供?」


ラメラはイールの頭を叩く


「失礼」

「すいません…」

「気にしていませんよ!私15歳になったばっかりで先日職員になったのです!」

「メルル、頼んだぞぃ」

「はい、おじいちゃん!みなさんはこのカードを持ってください」


俺たちはメルルにカードを渡される

手に取ると名前、職業、ランク、レベルが浮き出てきた

ちなみに俺は

【ジン】【ビーストテイマー】

【ランクC】【レベル22】

と、書かれている。


「それでは説明をさせていただきます、皆さんの職業は、戦士、魔術師、僧侶、ビーストテイマーですね」


メルルは手元にあるリストを見ながら話す

ギルドカードに浮かび上がった文字はリストにも書かれているようだ


「皆さんはパーティを組まれているようなので、このまま全員一緒にお話を聞いてもらいます、皆さん頭の中で【スキルオープン】と思い浮かべてください」


思い浮かべると目の前に青白いボードが出てきて使用できるであろうスキルの羅列が書かれている


「使用できるスキルはそれぞれ職に応じて異なるのでパーティで話し合う方が大事です、息のあった連携は戦略の幅も広がりますしね」


あとでみんなでスキルの確認をしてみよう。


「次に皆さんの職業について簡単にご説明します」


隣でカムンが頷いている

うまく説明できている孫娘が嬉しいようだ


「まずはイールさん、戦士は基本的にパーティの前衛になります、剣と盾で相手の注意を引いて後衛が襲われないようにすることが大事です、相手を威圧する【ハウリング】や相手の注意を引く【ヘイトオール】と言ったスキルも存在するので覚えることができれば戦略の幅も広がるでしょう、また適性次第では上位職と呼ばれる【大盾】【魔法剣士】【アックスウォーリア】などに転向ができる可能性が精進してください」


「次にラメラさん、魔術師は攻撃魔法が得意で、スキルの中に【炎魔法】や【水魔法】と言った適性のある属性の魔法があります、その名の通りの魔法ですが魔法は自由自在です、例えば火の玉を出そうと思い浮かべれば火の玉が出ます、火の壁を作ろうと思えば火の壁が出ます、冒険者の中では魔法に名前をつけて言葉にすることで威力が上がると言われており、主に後衛攻撃職としての役割を求められます、魔術師はとても珍しく数多から手を引く存在です、上位職というものが見つかっていないのも、特徴の一つですね」


「次にリンさん、僧侶は支援魔法や回復魔法が得意とされています、魔術師と同じく適性があればスキルの中にあります、僧侶も珍しい職業なのですが、薬師という職業が回復魔法や支援魔法と同じ効果のポーションを販売していることもあり、必ずしもパーティに必要というわけではありません、ですが戦闘においてポーションを飲む一手間が命取りになるため僧侶がパーティを守る要になることは事実です、僧侶は【賢者】や【聖女】といった上位職も確認されていますが、現在この国には存在していないようなので、相当な努力と研鑽が必要なのでしょう」


「最後にジンさん、ビーストテイマーですが…辛辣に聞こえるかもしれませんが、冒険者を辞めてください」

「理由を」


間髪入れずにリンが口を開く


「理由をお聞かせください」


真剣な眼差しでメルルを見る

たじろく様子もなくメルルも真剣な表情で続ける

カムンの顔が少し歪んだ気がした。


「ビーストテイマーは魔物や動物をテイムすることが出来ます、ですがテイムには条件があります、それは屈服させること、対象をテイムしようとする時はスキル【調教】を使用しながら殺さない程度に痛めつけ屈服させます、屈服した対象は一生涯、命令であれば主人には逆らえません、それには人間も含まれます」


ビーストテイマーがパーティに所属できない大きな理由はこれか


「ビーストテイマーは人間も支配下に置くことが出来ます、だからこそパーティに所属することは難しく、1人で冒険することも難しいため、違法な奴隷商人や闇ギルドに所属する人が多いです、すでに神殿でジンさんが優秀なビーストテイマーであることは周知されていますので国、ギルドの監視対象になっています、何か悪さをすればすぐに王国騎士たちが動くでしょう」


前からビーストテイマーが嫌われているのは話に聞いていたが、人間もテイムできることができるのは初耳だった、そりゃ嫌われるよな


「少しいいか?」

「何でしょうか」


イールはいつになく真剣な顔をしている


「戦士や魔術師が人を殺したり、僧侶が悪人に支援魔法をかけることはないのか?」

「…ありますね」

「そうだよな、無いわけがないんだ、だとしたらビーストテイマーだけを非難するのは間違っていると思わないか?」

「ですが」

「はい、そこまで、水掛け論にしかならないわ」


ラメラが間に入る


「私たちは幼い頃からジンを知っているし家族と同じくらい信用している、だからこれからもずっと一緒にいるわ、他人に何を言われてもね」

「ですが!寝込みにイールさんを殺してラメラさんとリンさんを調教して屈服させて性奴隷にすることだってでき」

「メルル」


カムンがメルルの発言を止める


「メルル、頭を冷やしてきなさい」

「…」


メルルは目に涙を溜めたまま立ち上がり部屋を出ていく


「皆様、孫娘が失礼な態度をとって大変申し訳ありませんでした」

「…何か過去にあったんですか?」


あんまりな発言すぎる


「私の娘はメルアと言います、メルアは同じパーティの戦士、アルトと結ばれあの子を妊娠しました、その後パーティは解散されたのですが、同じパーティにいたビーストテイマーも娘に好意を抱いていたらしく嫉妬によってアルトは殺され、メルアは攫われ性奴隷となり、長期に渡って嬲られました、王国騎士が行方を掴んで部屋に突入した時にはメルアとビーストテイマーは首を吊って心中、メルルはベッドの上で衰弱していたと聞いています」

「…」


俺は言葉を発することが出来なかった。


「私は割り切りましたがテイマーを恨む気持ちはわかります、だからと言ってメルルの態度と発言は許してはいけない、私の方から注意しておきます、大変申し訳ありませんでした」

「俺は気にしていません、むしろ過去にそんなことがあれば警戒するのも当然です」

「続きは私からご説明致します」


カムンはギルドでの依頼の仕方、ランク、レベルのシステムについて教えてくれた。

また何か聞きたいことや知りたいことがあれば遠慮なく言って欲しいと言われ、俺たちは宿に戻った


「遅くなったし冒険の打ち合わせは明日にしよう」


俺はそう提案し、皆で食事をとってリンと部屋に戻った。


「ジン君」

「ん?」

「私に調教のスキル使ってみてください」


リンは笑顔をとんでもないことを言い出した。


「何言ってるんだ、嫌だよ」

「スキル使用中に痛めつけなきゃ大丈夫ですよ、私に考えがあるんです」


リンのことだから何か理由があるんだろう

俺はリンを信じて調教のスキルを使ってみた


「あ、やっぱり、私屈服しちゃいました」

「はぁ!?だって痛めつけたりしてないし…」

「痛めつけるのは屈服させる手段ですよ、普段からジン君に支配されたいって思ってるからですかね?」


嬉しいけど複雑ではある


「スキルの確認がてらに何か命令してみてください」


たくさんある、俺も男だ

一言で言えば「やらせてほしい」だが、リンの意思を捻じ曲げたくない


「いや、解除する」


自由に命令ができるという感覚が無くなる

リンは面白くなさそうな顔をする


「ぶー」

「リンの気持ちは十分伝わってる、俺も愛しているよ、でもスキルによる強制は違うんだ、リンを支配するならスキルを使わず俺の手で支配したい」


リン少し考えたあと、俺に言った


「…ジン君、私、支援魔法使えるんです」

「スキルの中に支援魔法があったのか、良かったじゃないか」

「バーサーク」


突如として俺の理性が消えていくのがわかる

体が昂って鼓動が早くなる

今すぐに大声を出して暴れたい衝動に駆られるのを必死で押さえ込む


「ジン君」

「何を…したんだ、魔法を…解いてくれ」


リンは服を脱ぎ、着替え、キャミソール姿になって俺にこう言った


「私、避妊魔法も覚えたんですよ?」

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