宿にて
宿に戻った俺たちは食事の後、今後の話をしていた。
「まず冒険者ギルドへの登録と、ダンジョン使用権の購入だろ?あとは…」
「装備の購入よ、忘れたの?」
「わ、忘れてねーよ!」
村で冒険者を早くして引退した戦士のお兄さんが教えてくれたことだ
俺たちが冒険者になりたいと言ったら詳しく教えてくれたのだ
「それにしてもジン君、体はなんともないですか?」
「ああ、特に変わった方はないよ」
聖獣と話をしたことは皆には内緒にしていた。
変に騒がれるのも、心配をかけることも嫌だったからだ
「イール、あんただけランクFよ、うかうかしてられないわね」
「すぐに追いついてみせるさ!」
「緊張して疲れました、今日は早く寝ようと思います」
「そうね、そのほうがいいわ」
「じゃあ俺たちは部屋に戻るわ、また明日な」
そう言ってイールとラメラは部屋に戻って行った
宿は個室を2部屋借りて男同士、女同士で別れると思っていたのだがカップルで分かれるとは思っていなかった
「ジン君、私たちも戻りましょう」
「そうだな」
部屋に戻ってリンにだけは話すべきだと思った
「リン実はさ…」
俺は椅子に座って神殿であったことを全て話した
リンは驚いていたが嬉しそうに話を聞いてくれた
「すごいじゃないですか!なんで2人に話さないのですか?」
「少し不安なんだ、聖獣に会ったとか話したら変に遠慮されたり、距離ができたり関係がギクシャクするんじゃないかって、ずっと皆と一緒に居たいからさ」
「そうですか…その件は私に任せてください、ジン君は気にしなくて大丈夫です」
「ありがとう、そう言ってくれると少し楽になったよ」
あいづちで話を聞いてくれるだけで気は楽になった
1人で抱えるられるほど俺は心が強くない
リンを抱きしめた、いい匂いがする。
「も、もう、明日も忙しいのですから寝ますよ」
俺はリンに手を引かれベッドに腰掛けた
「ジン君、今日も…お願いしていいですか?」
「ああ、いいよ」
大きい一つのベッドに2人で入る
俺は後ろからリンを抱きしめた
「はぅ…ジン君…」
そんな蕩けた声を出されて我慢できるはずもない
手が自然とリンの胸に手が伸びる
「リン…俺…」
「エッチなことはダメですよ?」
手は振りほどかれた
「これじゃ生殺しだよ…」
「聖人したとはいえ子供ができたら冒険もできなくなっちゃうんですから、ラマの葉が手に入るまではダメです」
ラマの葉は煎じて飲めば避妊の効果があると言われている葉だ
値段も高く希少なので簡単には手に入らない代物だ
「でも…いつものお願いしてもいいですか?」
「いいよ」
俺はリンの首筋に噛みついた
「うっ…ジン君…もっと…」
そこそこ強めに噛み続ける、跡がついても血が出ないようにするのがなかなか難しい
吐息が荒くなって気持ちよさそうにしているのがわかる
リンと恋仲になった時に打ち明けられた、俺に支配ことをされたいという願望
噛まれたり、首を絞められたりすると所有物として支配されている感覚になって気持ちがいいと言うのだ
理解はできないが悪いことをしていると思うと俺も少し気分が高揚してしまっている
噛んだ所を舐めてとリンはさらに嬉しそうにする
「ジン君…大好きです」
「俺も大好きだよ、おやすみリン」
そう言ってリンは眠りについた
リンが熟睡しているのを確認してから俺はテラスに出た
夜風は気持ちよく、空に見える二つの月が辺りを照らしていた
「眠れないの?」
隣のテラスにはラメラがいた
「少し夜風にあたりたくてな、イールは寝たのか?」
「あのバカは疲れたたのかスヤスヤ寝てるわよ」
元気そうにしていたが疲れていたんだな
「心なしか嬉しそうじゃないか?」
「顔に出てた?ねえ、そっちに行ってもいい?」
「ああ、でも見られたら逢引してるって勘違いされないか?」
「私とあんたが?ないない、リンは気にするような子じゃないしイールはバカだから大丈夫よ」
かなり気にすると思うが…
そう言ってラメラはこっちのテラスに飛び乗る
「あんたも飲む?紅茶」
「もらうよ」
温かい、夜に外で飲む紅茶もいいものだ
「あんたさ、私たちに隠し事してるでしょ」
「…まぁな」
正直バレていたのが不思議だった
「顔を見ればわかるわ」
「そんなにわかりやすいか?」
「ええ、イールですら「またジンのやつ何か遠慮してる」って言ったたわよ、リンも当然気づいてるでしょうね」
イールにすら感づかれているのか、俺は隠すのが下手みたいだ
「そのうちちゃんと話しなさいよ」
「ああ、そのうちな」
「明日も忙しくなるんだしそろそろ寝なさいよ」
そう言ってラメラは部屋に戻っていった
男女の間柄でなくこのような会話ができるのはうれしい
ハーレムを作りたいとかモテたいとは思わない、リンがいれば俺はそれでいい
部屋に戻るとリンは寝息をたてて眠っていた
「可愛い寝顔してるな」
リンの額に軽くキスをして俺もベッドに入った
後ろから胸に手を当て軽く握る、柔らかい
ゆるんだ顔のまま俺は眠りについた