表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/39

元の世界への帰還時のおみやげ特典と、レイナさんの実力と最強装備②

「おっし、それじゃ早速みんなで食べようか!あ、申し訳ないけど、わたしのごはん、明君と同じ『ギガ盛り』海鮮丼と、目の前の牛豚鶏肉が乗ったギガ盛り肉丼に変更して!ローストビーフは食べやすいように切ってね~」


 そう女給さんらにさんらに頼むと、意外なことに次にオーダーしたのはなんと華澄であった。


「じゃぁわたしも、とりあえず明君と同じ『超ギガ盛り』海鮮丼と、あちらのローストビーフをカットしたものと、とんかつにできればウスターソースがたっぷりかかったものを山盛りで、鶏肉にはできればタルタルソースがたっぷりかかったものを。茶わん蒸しは海老とカニが入ったものを4つ、その他の具材はお任せで。味噌汁はできればなめこの入った豆腐のお味噌汁を丼2杯分で。なめこがなければ豆腐とネギのお味噌汁でお願いします」



 !?????????????????????????????????????????


 俺は『超特盛り』どころか『超ギガ盛り』とも言ってない。って、驚くところはそこじゃない。華澄さんのあの『想像を絶する日曜祝日夏休みのトレーニングの日課』の動画は見たからかなり食べるとは思ってたけど、そんなに食えるのか!?????それに聞き間違いじゃなければ、今、「とりあえず」っていったよね・・・


 「明くんのは『超ギガ盛り』じゃなくて『特盛り』海鮮丼です。間違えないでくださいね。わたしはご飯特盛りで」あと、茶わん蒸しは2個適当に見繕ってください」


 さすが美華、助かった。この俺にはもったいないくらいの彼女だ。俺を含めた華澄を除く5人は絶句していたが、対面の6人はわりと平然としていた。それはそれで恐ろしいのだが。



 「やっぱ運動する子はそれくらい食べないと体がもたないよねぇ~。真理さんは置いといて男性陣はもっと食べなきゃここの世界の女子相手にやってけないぞ!もしかして華澄ちゃんも中に水着を着こんでた?一応6人の体形にあった水着を用意してたんだけど」


 礼央と奏風もそれなりに大盛のごはんの上に肉類を乗せて食べようとしていたのだが、一瞬固まったあと、それぞれ自前の肉丼を食べ始めた。・・・それにしても華澄さん、本当に溢れんばかりの笑顔を浮かべて「超ギガ盛り」海鮮丼を食べているな。こんなにも笑顔を浮かべて美味しそうに食べているのを見るのは何年ぶりだろうか・・・うん、中々旨い。ちなみに味は元いた世界の素材や味付けとほとんど変わりなく、腕はじっちゃんばっちゃんの店の古株の従業員に近いレベル。なかなかのものだ。けど、俺が今手にとって食べているのは華澄さんやレイナさんと同じ『超ギガ盛り』海鮮丼、女給さん、これ、絶対にわざとだよね?おまけに丼ぶりの付け合わせ用のすりおろしニンニク入りの「中皿」も持ってきてくれたのは気が利くんだけど(醤油は無論、テーブルの上に置いてある)、量はかなり多すぎるし俺はすりおろし生姜派だし何考えてるんだ?俺と美華は結婚するまでエッチはとっておこうねと誓い合っているのに(実は意外にも礼央と奏風と俺はそっち系は未経験)。


 

 「みんなどんどん食べてね。ここの施設には100m8コースの温水プールが2つあるから。床はもちろん東京の両国にある温水プールみたいに床の高さが調整できるやつ。夜の12時までだったら自由に使えるから。んでもって、心臓が回復するまで筋トレに専念できる個室のウェイトトレーニングルームがすぐそばたくさんあって、大浴場や水着着用の混浴風呂やサウナとかもあるんだから」


 もう驚かない。なんてすさまじい施設なんだ。華澄さんが「えぇえーーーー!」と大きな声で驚いてはいたが、すごい嬉しそうに目をキラキラさせているようだった。その間にもレイナさんと華澄さんの丼ぶりの中身がすさまじいスピードで減っているのだが。・・・それにしても華澄さんがこんなにも嬉しすぎる


 


 

 「ここの施設はね、華澄さんらの情報を一般公開したあとに、6人が召喚されて1年間過ごした記念館兼、エリート養成施設として後世に残すつもりで作られたの。詳しいことは授業で話す予定だけど、これ、数百年以来の国家プロジェクトで、莫大な予算がかかってるの。ガイア界で例えると、オリンピック施設や選手村の数十倍。今は6人の教育がメインで使われるけど、一般公開されたあとはさらに施設が増設されると思う」


 


 俺たちは息を飲んだ。驚愕すべき内容ではあったが、現実的な基準で判断できる内容だったため、精神をすり減らすような驚きではなく、むしろ俺たちの現実的な判断を呼び戻すきっかけにもなった。



 「で、改めて自己紹介をするけど、わたしレイナはみんなの教育の最高責任者で、経歴はさっき女給さんも口にしたけど、オリンピックでいえば、アーティスティックスイミングとか新体操とか、美しさに関連するスポーツ競技の連覇メダリストで、『美神ヴィーナス』の称号を持ってるの。ただのお飾りだけどね。楽器も弦楽器系だったらそれなりに弾きこなせるし。芸術関係にも造詣があるから今日の献立もわたしが企画、構成したの。で、それぞれの担当者はみんなの特技や趣味に合わせて選抜された講師陣なんだけど、このエリス界では『子供が国の最大の宝』という価値観が浸透していて、孤児であっても最低1人の担当講師がついてるし、18歳までの義務教育期間は衣食住は無料、それに加えて最低でも日本でいえば最低10万円が支給されて、購入したものが能力向上に役立つものと判断されれば即座に使った分の金額が支給されるの。ただ、今回のみんなの異世界召喚はアルカナ帝国の最高秘密事項だから、少数精鋭でマンツーマンでの形式にしたの。みんなの担当者はその道の元プロフェッショナルで、この世界ではスポーツに例えると各国の代表クラスなの。でもガイア界の各国代表と比較すると、申し訳ないけどエリス界のレベルのほうが断然高いよ」



 俺たちは再度息を飲んだ。俺たちが召喚されたこの異世界は、向上心がある人にとってはまさに理想郷ではないか。しかも福利厚生が想像をはるかに超えて充実している。ここまできてそんな見え透いた嘘をつく理由がない。なぜなら明日以降に今いる施設の全体像を、早ければ歓迎会後にその施設の一端であるプールを見ることもできるのだから。


 

 「華澄ちゃん、よかったらこのあと一緒に燃え尽きるまで泳ごう!ちなみに今わたしが着ている水着を見たり触ったり揉んだりして確認してみて。エリス界ではバフがつけられない大量生産技術は全然発達してないんだけど、品質に関しては魔物の素材を使って職人さんが手作りしてるからかなり高いと思う」


 そういってレイナさんが立ち上がると、華澄さんも立ち上がり、水着の表面や裏地の肌触りを確認したり、水着の色を凝視したり、水着の上部と下部のつながりの強度や伸縮を確認したり、ハイレグ競泳水着の前面のくり抜かれた部分や乳首が指輪の宝石のようになっている部分や、腹筋や腕や太ももの筋肉の感触を確認したり、全体像を見渡したり、一通り確認したあとに華澄さんが口を開いた。



 「・・・すごすぎるとしか言いようがありません。まず、この競泳水着はわたくしたちのいた世界の技術をもってしても絶対につくることは不可能です。世界の主要水着メーカーの水着の長所を全てつき込むことができたとしても、この水着には足元にも及ばないでしょう。また、このコンパクトディスクのような虹彩色を出すためには光を乱反射させる必要があるのですが、どうしても表面がザラザラに。それをなくすためには表面をコーティングする必要があるのですが、生地の薄さや肌触り、伸縮性や強度、フィット感はわたくしたちのいる世界では考えられないほどの品質の高さです。オーダーメイドであるためか、バストの下の蒸れやすい部分、この部分です(エレナさんのバストを片手で持ち上げてもう片方の手で指さして説明を続ける)。この部分にしっかりとくっつけることによって、心臓からデリケートゾーンギリギリまで、横を含めて大幅に布地を『ダイア型』にくり抜くことを可能としているのです。そのためにエレナさんの腹筋のすばらしさがさらに強調されているのです。腕や太ももの筋肉の質は脂肪がなく、ゴムの太いチューブのような強い弾力と伸縮性が感じられます。また、このおっぱいの先端部分の『虹色のオパール』のような部分を、小さいダイアモンドが置かれたリングで締め付け、その先端部分の感覚を鋭敏にすることによって、体中全体に生命力が行きわたっているように感じます。おしりのTバックの部分も同じような理由でしょう。この水着を着て好きな人の前で力尽きるまで踊れたら・・大自然の湖の中で力尽きるまで泳げたら・・・そう思ってしまうくらい、いや、まさにそういう一品だと断言します」



 華澄さんをのぞいた俺たち5人は真剣に耳を傾け、講師陣6人はうなずきながらその話を真剣に聞いていた。



 「まさにその通りです。でもこれはあくまでもトレーニング用の水着、今わたしがこれを着ているのは、バフがついたものだとトレーニングにならないから。トレーニングするときは、自分のステータスをレベル1に設定して、スキルの恩恵をほぼ全部オフモードにしてるの。この世界のの住民もトレーニングするときはみんな一緒。ちなみに今いる空間や料理、講師陣らはすべてこの状態に設定してるの。もしこれらの設定を解除したら、この世界では『魔素』って呼んでるんだけど、例えると大自然の中にある滝の近くにいるようなすごく清涼な感じの大自然のエネルギー、その何倍ものエネルギーが大量に体の中に入ってきて、みんなが逆に体を壊したり、料理の素材そのものにも魔素が含まれているから胃をおかしくしたりするの。皿や箸からも料理へのバフが伝わってるし、並べられた料理の組み合わせによってはさらに相乗シナジー効果がクラシックの交響曲のように共鳴しあってエネルギーが増大するからさらにみんなに逆効果を与えてしまうの。講師陣の設定を戻したらみんなが彼らに恐怖を感じて痙攣して倒れるだろうし、逆にみんなの設定を解除したら、人間の根源的な魂そのものの力が強いすぎるから、目の前の講師陣はおろか、アルカナ帝国全土にいる全国民にもこの場所のやばさが伝わってしまうの」



 

  固唾を飲んでレイナさんの話に俺たち全員は耳を傾けていた。この世界のしくみや奥の深さ、それがどれほどのものかこの目で確かめてみたい。絶対に今後の俺たちの人生の大きな糧となる。そう思うには十分すぎるくらいの内容であった。


 

 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ