(幕間)創造神(クリエイター)大盤振る舞いでモチベ天元突破のリーダー達のつかの間の休息
リアルチートご一行様が異世界召喚される3日前、アルカナ帝国最高クラスの某高級ホテルにて、各方面のリーダーが一同に集い、完全にリラックスしている状態であった。もちろんセキュリティーがこれでもかというほどの万全な状態であった。無論外側から彼らの様子を見ることも知ることもできない。あるものは軽い運動で汗を流していたり、あるものはプールサイドのパラソルの下でトロピカルジュースを飲み、スマホから流れる音楽を聴きながら昼寝をし、久しぶりの再会で会話に花を咲かせていたり、ホテル内を散策したり、小売店の中にこもりっきりになっていたり、はたから見れば多少だらけてすぎているのではないかと思えるくらい思いのままに過ごしている様子だった。
このホテル内で変わっているところがいくつかあり、第一にこのホテル内にはリーダーたち以外にいるのは1名のコンシェルジュのみであるのと、臨時に併設された日本でいう一般的なコンビニの4倍ぐらいの広さの店舗があるということである。品ぞろえは日本のコンビニの品ぞろえと酷似してはいるが高品質寄りの商品に加え、料理の素材や各リーダたちの嗜好に合わせた商品もこれでもかというくらい取り揃えられていている(この世界にも既成の食品が多数存在する)。商品はすべて無料であり、家族や自分用の持ち帰りも自由である。手料理を希望する場合はコンシェルジュが調理し、キッチンの利用も自由である。
「○○さん、まずはお疲れ様です。○○さんも想像を絶する激務だったと思いますが、人生の中でこんなにも充実した時間はなかったのではないのでしょうか」
「もちろんですよ。この世界、この時代にこのポジションについてて本当に運が良かったと思います。まさか歴史史上、これ以上ない最高の瞬間に立ち会えたうえに、最高のギフトを無条件に何個もいただき、しかもこれから先の希望に満ちた無限の可能性もタダ同然でいただいたようなものですからね。しかもこのまま「期限」まで職務を続けるだけでも、歴史上の偉人として名前を残せる可能性もありますし、家族の幸せも保証されたようなものですしね」
「ほんとそうですよね。わたくしたちの人生を物語風に表現するなら『俺たちただのモブなのに、物語の主人公たちが努力して得られる以上のものを、タダで何個ももらっちゃっていいんですか!?????』ってところですかねw」
「その表現、面白すぎますwwwww。部下や家族とかから、これ以上頑張ると死んでしまうからやめてくれというようなことを何度もいわれましたが、衝動を抑えられませんでしたからね。自分を含め、万が一家族や恋人らが人質にとられたとしても、自動的に【GR】クラスの完全プロテクトが発動するという、期間限定ではありますが安全が完全保証されてますからね。むしろ過労死の一歩手前までの見極めや仕事の効率、休息時間に対応する回復効率とかに神経を使うなんて夢にも思いませんでしたよ。とくにペナルティーはないとはいえ、自己判断ミスでの過労死からの自動復活は何度も使うべきではないと思いましたから」
「ですよね。そこにはきっと、まわりの手本になってほしいというクリエイター(創造神)様の思し召しがあるんでしょうね。あと、この3日間、あえて全ステータス向上を封印することによって、こうして息抜きにのみに徹するように仕向けてだいてるのですから」
「全くその通りですね」
ーこうして穏やかな時の流れが、己の身心の極限まで働き続けた企業戦士達の傷を癒すかのようにゆっくりと過ぎていくのだったー