表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/39

(幕間)ポンコツカップルのお忍びデート?(礼央・真理 視点)

 「礼央お坊ちゃま、本日はデートに誘っていただき誠にありがとうございます。子供や孫にいい自慢話ができそうです」


 「なんでわざわざ仰々しい言葉を使うんだよ。普段はオレを見るたびどうおちょくってやろうとしか考えてないくせに」



 とある日曜日の19時頃、某喫茶店にて中学生くらいの美少年と美少女が会話に花を咲かせていた。男の子の名前は金沢 礼央、1代で大企業を築き上げた金沢グループの御曹司で、食料産業を中心に、国内だけでなく世界各国にスーパーやレストラン、ホテル等を所有するまでに成長した優良企業である。食にいたっては「まず第一に安全であること」に徹底したこだわりをもち、例えば、畜産や養殖魚の飼料の段階からも「農薬は必要最小限に、無論遺伝子組み換えでないものを」といった具合である。無論、パッケージに色を塗って中身を多く見せるとか、カツ丼弁当のとんかつを超ナナメにスライスし、とんかつの量をごまかすといったトリックアートは一切行わない。価格も可能な限り庶民に手が届くよう抑えられているので、庶民からセレブまで幅広く愛されてる企業である。それに加え金沢礼央は小学6年生のとき、県代表のエースとして全日本U‐12サッカー選手権大会を上位に導いた功労者でもあり、Jリーグスカウト陣も一目置いているという地元ではちょっとした有名人である。そんな彼と会話を楽しんでいる真理という美少女も彼と比肩しうる佇まいであり、万が一彼の熱烈なファンがこの場にいたとしても、この空間には割り込むことはできないだろう。


 「なんせ今をときめく、引く手あまたのスーパーボーイですからね~」


 「あぁ~もう、確かにオレらが出会ったきっかけは大人の事情だったかもしれないけど、出会ったときからオレのとなりにいてほしいのは真理だけだと思ってるし、今でもそう思ってる。夜も遅くなってるからそろそろまとめようぜ」


 「はいダ~リン」


 礼央と真理の出会いのきっかけは、金沢グループの創業者であり現会長である礼央の父親と、社外アドバイザーである真理の母方のおばあちゃんの繋がりが縁となったいきさつがある。礼央はまだ知らないのだが、彼が「仲村のおばちゃん」と呼び親しんでいる真理の祖母の裏の顔は、メディアではほとんど取り上げられないが、政財界ご用達の占い師であり、既存の大企業の発展の裏には彼女の占いの凄まじい的中率があったりするのである。真理はそのことを彼女自身から聞いており、親族の中で唯一、彼女から直々に占いのレクチャーを受けている才能の持ち主である。ただし、その祖母ですら「ありえない。こんな強大な魂の資質を持つ人間が同世代で、しかも市内に6人もいるなんて」と舌を巻き、その6人中、礼央と真理を除いた4人が、今現在、礼央が注目している4人だったため、礼央と真理が持てるコネクションを駆使して調べ上げた4人の調査結果のファイルをテーブルの上に広げたのだった。ちなみに礼央は現在、明と美華が通っている中学の同級生であり、真理は奏風と華澄が通う中学の同級生である。もちろん真理は祖母譲りの直観力で、4人の異質さを一目見たときから気づいていた。



 「やばいなこれ。明を中心としてこんな過去や繋がりがあったなんて。さらにうちの企業で取り扱っているコアの食材にも創業時から明や奏風の親族が深く関わってるし。真理側の調査員、メチャクチャ優秀すぎないかw」


 「わたしもここまで入り組んでるとは思わなかったわ。無自覚チートの星野君(交際歴なし)に対し、互いにしのぎを削っている天音さんと清川さん。少なくとも天音さんは清川さんのことを認識しているでしょうね。それに加え、空野さんと清川さんとの間には浮いた話はなく、むしろ空野さんの初恋だと思われる清川さんのお母さんの意志を継ぎ、陰ながら清川さんを支えている可能性があるとかって。わたしの依頼人の情報源の人って、昔から趣味で追ってたと思うくらいすごいわね」


 

 「余興とはいえ中々興味深い内容だったな。今の段階でオレは明と美華さんとは小学校から一緒だったから顔がきくし、真理は清川さんと同じクラスで案外仲がいいんだろ。中学生活が終わるまでに明と美華さんがつき合うかどうか分かんないけど、清川さんにもチャンスがあってもいいと思う。でなきゃ、世の中あまりにも不公平だ。清川さんの恋に区切りがつくまで空野さんも前に進めないかもしれないな。余計なおせっかいかもしれないが、とりあえず機会があったらお互いに紹介し合おうぜ。向こうも相手方の情報を知りたいだろうしさ。あと、強引に事を運ぶつもりはないけど、もし誰かが誰かの進学先を知りたがっている場合には、ん~これも成り行きか」


 「(おばあちゃんもこの6人だけは強すぎて占えないと言っていたし、この6人は否が応でも惹きつけ合うとも言ってたし)ん~、とりあえず、礼央のお父さんとわたしのおばあちゃんの言う通り、わたしと礼央の関係は高校を卒業するまで単なる友達同士としておけばいいかな。だって礼央が天音さんや清川さんに惹かれないとも限らないし」


 「こうみえてもオレは一途なんだ。真理もオレにもったいないくらいの無自覚チート美少女だって。明のことを無自覚チート野郎とか人のこといえねぇぞ。もし真理が他の誰かを好きになってしまったら、一晩大泣きした後は潔く身を引く覚悟はしてるんだ」


 「礼央、ありがと。本音として受け取っておくね」



 気のせいだったかもしれないが、そのときに笑った真理の目元が少し潤んでて普段よりいっそう綺麗に礼央の瞳に映った。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ