表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/39

いざ、食堂見学へ!

「みなさん、異世界転移後、初の授業お疲れさまでした。そしてレイナ校長も初の授業お疲れさまでした。お疲れのところ申し訳ないのですが、補足として4点ほどお伝えしたいことがございます」


 アスタさんが立ち上がり、そう告げるとレイナさんの隣に移動した。


 「それではまず、わたくしたちが失念していたことなのですが、ペンやノートを渡し忘れてしまいましたので、必要な分だけ担当の講師にお伝えください。これがまず1点。2点目は、各担当者が皆さまと共に行動できる時間帯は、基本は朝の8時から夜の10時までとなります。ただし、緊急の場合や、『夜の12時までハードトレーニングしたいけど、プール内で気絶したりとか、トレーニング機器などに動きを封じられてしまうのが心配だ』という方は、手が空いている講師やアシスタントらが付き添いますので、遠慮なく声をかけてくださいね。3点目は、施設内の見学は自由ですので、その際に担当者に声をかけていただければ喜んで運転手代わりになります。4点目はエリス界のこよみなのですが、現在のエリス歴は298年、ガイア歴だと20ⅩⅩ年、皆さまが転移された年と全く一緒なんです。異例中の異例のケースなので理由は分からないのですが、それはいったん横に置いておきます。1年が365、6日であるのとか1日24時間のところとかはガイア界と一緒です。唯一異なる点は、1年の初めが、エリス界でもガイア界の12星座を298年前から適用しておりまして、牡羊座が始まる日、ガイア界の春分の日を1月1日としているんです。また、ひと月の日数は、かみ砕いて説明すると、次の星座が始まる日の前日までがひと月の日数としているんです。なので、天体の動きによっては、今年の1月と来年の1月の日数が違うというのがけっこうあったりします。ちなみに今年の場合は、皆さまのガイア界での誕生日をエリス界にあてはめると、79日遡った日が誕生日ということになります。後日の『ステータス』の講義の際に確認ができますので、一応お伝えしておきます。説明が長くなってすいませんでした」


 「アスタ先生、フォローありがとうございます。ん~まだ11時にもなってないか。早く終わりすぎちゃったね~。みんな優秀なうえ、スマホが浸透してる年代から来ちゃったからそうなっちゃうよね。ま、いいか。このあとは体を慣らすため、最低でも1日一回、1時間くらいマッサージを受けてくださいね~、できれば今後、昼に1回、夜に1回マッサージを受けてもらえると助かります。あと、中には授業の予習をしたい人もいると思うけど、座学が終わるのは結構早いし、そのあとは体を動かす授業がいやというほどたくさんあるから、今のうちにいっぱい運動して、体にいいものをいっぱい食べて、いっぱい寝ておいたほうが絶対今後のためになるから覚えておいてね~。それじゃあ解散!」



 さてと、俺は食堂のキッチンを見せてもらいに行こうかな。俺は昨日の歓迎会からエリス界の料理や食料事情が気になっていたので一番最初にキッチンを見学したいと決めていたのだが、他のみんなはどうだろう。ラウンジのすぐ隣だし、『みんなで食堂を見学する』というのもいい案かもしれないのでみんなに声をかけてみよう。


 「俺は食堂のキッチンを見せてもらいにいくけど、みんなはどうする?」


 「お、いいね。オレもみてみたい」「俺も行く」「わたしも行く」「わたしも」「わたしも」


 全員一致で食堂に見学しに行くことになった。普段は自分からは団体行動の提案とかはしないのだが、突然降って湧いた自由時間に多少困惑したんじゃないかと思いみんなに提案してみた。思えば高校3年になったばかりのとき、担任の先生が『自由ほど不自由なものはない』という話をしてくれてたな。この言葉には色んな解釈があるとのことだが、今後俺たちに必要になるのは、受験勉強から解放され無事に進学したとき、自由すぎて逆に何をやればいいのか思いつかず不安を感じてしまう。そこであえて『次の目標』という不自由を設定することによってそれが推進力となる、という感じの内容だった。そんなわけで提案してみたのだが結果的によかったと思う。




 そんなわけで食堂へと移動したのだが、キッチン内にはアシスタントさんが3人ほどいたので、講義が早めに終わったのでキッチンを見学したいとお願いしてみたら快諾してくれた。そのあと、アスタさんが「突然お邪魔してしまったので、その分ランチの提供が遅れても大丈夫ですから」とフォローしてくれたので助かりました。ごめん、アシスタントさん。


 まず、改めて内部を一望すると、構造は一流レストランのように中央に大きなステンレス台が設置してあったのだが、床面積が異様に広いという印象を受けた。冷蔵庫や冷凍庫、コンロの数もかなり多いな。しかも中華鍋が乗っているコンロもある。ちなみにコンロは火魔法が封じ込められた魔石が燃料になっているらしい。この世界には、「石油」というものも存在が確認されてないとのことだった。だから工業の発展がガイア界よりかなり遅れをとってしまってるのね。冷凍庫は今現在はモンスター類の肉はないのだが、ここの食堂や、ここよりも広い昨日の大広間の隣のキッチンには地下室があり、そこにも食料が貯蔵されていること、また、アルカナ帝国全体でも食料はかなり潤っており、通常の畜産だけでなく、オークやミノタウロス、コック(鶏のモンスター版)の牧場もあり、品種改良の研究も行われていたり、この敷地内には野菜や果物畑、穀物類も学術やスキル向上のために栽培されているとのことだった。


 次に俺が気になったのが、事前に準備、調理加工してあるカット野菜とか、保存食、和食によくついてくる小鉢の総菜などの種類であった。うん、かなりあるね。にんにく一つとっても、すりおろしとかスライス、粒切りカットとか瓶詰にしてある。一流のスポーツ選手は勝負前の準備もぬかりはないのと同様に、飲食店経営にしても同じである。営業時間外に下準備をどれだけしておくかによって、営業時間の調理のスピードを節約できるからね。


 礼央は、今現在彼が最も関心を寄せている『ラーメン事情』について、奏風はカレーをはじめとした香辛料や調味料、お酒を含めた発酵、醸造製品、穀物の種類について色々と質問していた。ラーメンについては、瓶詰や缶詰にされているインスタント麺は多数販売されており、食堂でも提供できること、ただし本格的なラーメンは食堂で作ることはできないので、帝国内にあるラーメン屋で味を確かめてほしいとのことであった。香辛料と調味料は日本で入手できる主要なものとさほど変わらなく、発酵、醸造食品、品種改良された穀物、野菜、果物類に関しては数はかなり多いが、日本とは環境が違うので何とも言えないこと、また、カレーライスについては、スパイスの調理を勉強中のアシスタントは1人いるが、納得のいくカレールーを完成するまでには至ってないので、業務用のカレー粉(もちろんカレールーを固形にするための油類が入ってないもの。固形ルーの油を分解したいときには、前日に固形ルーを包丁で粉々にし、カロテンを多く含んだ人参をすりおろしたものや、ポリフェノールが入った赤ワインのアルコールを飛ばし、ある程度冷めたものを混ぜて一晩おいてみよう!)をブレンドして作るくらいのレベルのカレーであれば提供できるとのことだった(そのレベルでも日本の高級カレーのレベルに迫るクオリティーのものができるらしいのだが)。



 そんなこんなで12時になったので、俺は小鉢用の総菜がかなり多い和食を注文し、礼央は試食用のインスタントラーメンをいくつかもらったり、奏風はカレーライス(今日のカレールーは、チキンカレー、ポークカレー、ビーフカレー共通だったが、要望があれば専用のカレールーや肉の部位にあったものを用意するとのことだった)、また、キッチンの利用はいつでもOKなのと、利用するときは是非とも見学させてほしいとのことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ