シンクロ(アーティスティックスイミングデュエット)のシンクロ率がやばすぎる②
プールに飛び込み、水面上に顔を出したあと、全身でプールの水の感触を確かめてみた。うん。想像以上に冷たい。だが水質は恐ろしいほど純度が高い。まるで山奥で湧き出る天然水のようだ。塩素の臭いもない。湧き水特有のクリアな冷たさと思えばこの水温の低さも納得がいく。これ、明らかに日本の水道水の水より体にいいわ。美味しく飲めそう。心の疲れも洗い流されてクリアになっていく。水面上の空気もうまく感じる。まるで大自然の中の滝の近くで息をしているみたいだ。マイナスイオンっていうんだっけか。まぁいいや。っておまけに水中の100m先の壁まで見える。すごいわこれ。華澄さんだけでなく、他のみんなも驚いているわ。
とりあえず往復で200m泳いでみた。うん。すごい。身体の疲れがすぐ回復する感じだ。小型酸素ボンベの使い心地はどれどれ・・おぉ!空中で息してるのと変わらない!!これがあれば水面上での呼吸のタイミングを気にせずにクロールやバタフライができるわ・・・
「華澄ちゃ~ん!準備ができたらプールの真ん中まで来て~!見学したい人は南側のプールサイドで見てね~」
「はい!今行きます!」
今この場にいる人間で、この機会を見逃す人間なんていないだろう。なんせエリス界の金メダリストとガイア界で壮絶な訓練を積んできた【GR:大聖女】持ちの異世界転移初のデュエットの演技である。俺たち全員、急ぎ気味でプールサイドに移動した。
「それじゃ今から演技を始めるね。この『動画』は記録するから興味があれば何回でも見れるからリラックスして見てね。あと華澄ちゃん、初めてのデュエットだから、ソロの演技の振り付けでOKだからね!それじゃぁカウントダウンよろしく!」
「はい!それでは10秒まえー!9、8、7、6、、、」
どこからともなく音楽が流れてきた・・・。やはりレイナさんの演技はすごい。金メダリスト保持者だけあって、動きの無駄のなさや技の切れ味が素晴らしい。審査員の視点でみれば『減点要素がない』そんな演技だった。レイナさんと比較するとどうしても華澄さんの粗さがほんのわずかながら目立ってしまうが、それでも持ち前のパワーと表現力、加えて水との親和性という素質を生まれながら持ち合わせているような印象を観衆の心に残すような演技力は、稀代のアスリートと感じさせるには十分の能力を備えているといっていいほど素晴らしかった。ただし、そういった違いはあれど、この2人のコンビネーションは完璧である。すべてのタイミングや振り付けの角度やお互いの距離感、即興とはいえこれほど完璧なペアは地球のどこを探しても見つからないであろう・・・ま、まて、これはあまりにもおかしすぎる。華澄さんとレイナさん、会ってまだ数時間しかたってないんだぞ!お互いの演技や振り付けを知らないはずなのに、なんで振り付けやタイミングがほとんど同じなんだ!?美華たちもさすがに気づいたか。講師陣やアシスタントさんたちの様子は・・俺たち以上に卒倒している。「え、何で!?、どうして!?、ウソ・・、ありえない・・」などと口にしていた。




