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3歳年上の部長と俺

俺の提案にすぐ乗ってくる3歳年上の部長と俺の話

作者: Miiiin

晴木は中学2年生、翡瑛は高校2年生の中高一貫校が舞台の話です!

めちゃ登場人物少ないです。

カクヨム様にも投稿してあります!

 ー登場人物ー

 ・主人公  緋根晴木ひねはるき

 ・ヒロイン 丸皿翡瑛まるざらひえ

 ・顧問   門脇かどわき先生


 〈緋根晴木視点〉

 なぜか部長が俺が提案した事に対してすぐに乗ってくる。

 例えば部活中とか。


「部長、この写真多分こっちの配置の方が良いです。」

「おぉぉぉ!!さっすが晴木くん。じゃあこっちに置くね〜」

「あと、この文章はもうちょっと簡潔にしましょ。ちょっと文字量減らさないと下はみ出します。」

「うわ、ほんとだ。じゃあ短くするね〜」


 まだ良い方だ。展示物をより良くする為に提案したことが採用されたと。まぁ、序の口。

 じゃあ次。


「ねぇ、晴木くん。今晴木くん行きたい所、どこかある?」

「そうですね…。強いて言うなら岡山県の美観地区ですかね。きび団子を食べてみたいです。」

「じゃあそうしよう!」

「え?」

「今度家族旅行に行くことになったんだけど、私は兵庫県で希望出そうかなって思ってたんだけど、晴木くんの話聞いたら美観地区良いな〜と思って。」

「え、あ、そうなんですか。」


 完全に家族間の旅行ですよね?俺なんかの行きたい所で親に希望しないで!あなたの兵庫県で希望出して!

 なのにその希望が通って、旅行のお土産として、きび団子を買ってきてくれた。うそやん。

 他にも。


「晴木くん、晴木くん。」

「どうしたんですか?」

「もうすぐとある男の子の誕生日が来るんだけど、どんな誕プレあげたらいいかな?私男の子にあげたことないから、何あげたら良いか分かんなくて。」

「そうなんですか。親しい間柄に入る人なら凝った物の方が喜ぶんじゃないですかね。手作りのお菓子とか。それに何かもう少し、とか。そんなに親しくない人…あまりあげるようには思いませんが、やっぱり文房具が鉄板ですかね。その中でも消耗品のシャー芯、消しゴムとかの詰め合わせとかが良いと思います。女子の友達にあげる感覚で良いと思いますよ。」

「そっか〜なるほどね。因みに晴木くんが誕プレに貰って嬉しいものは?」

「文房具は普通に嬉しいですね。よく使いますし。でも俺は何貰っても嬉しいですよ。そもそも祝ってくれること自体がありがたいので。」

「え〜言うことイケメン〜」

「あ、う、そうですかね…?」

「相談乗ってくれてありがとう!手作りしたお菓子と文房具を何かあげることにした!」

「お役に立てて良かったです。」


 あの〜、俺にあげるわけじゃないのになんでそんな事聞いてきたの?両方を取り入れてるってことは、すんごい仲がいいわけでもないし、全然話さない人でもない、と。というか、男子に誕プレあげたこと無いんだ…。部長から貰う人が羨ましい。

 そういえば、俺も2週間後ぐらいに誕生日だったっけ。てかこの人《部長》俺の提案に乗ってきすぎじゃないか…?


 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 〈丸皿翡瑛視点〉


 私は後輩の晴木くんのことが初めて会った時から大っ好き。でも彼は全く気づいてない。それは私がこの恋心をなんとかして隠してるから。でもバレちゃう時もきっとすぐにやってくれるはず。だって晴木くんが提案してくれたこと全部に乗っちゃってるし…。家族旅行のお土産できび団子を買って、食べさせてあげよう、と思ったり‥。だから私は意を決して晴木くんの誕生日に告白しよう、と決意をした。

 ただ、私には問題があった。そう、チキンだったのだ。晴木くんに直接言うことが出来そうに無かった。(そんなだから男の子の友達が晴木くん以外居ないんだけど)伝えないよりかはマシかと思って誕生日プレゼントに入れるメッセージカードに晴木くんのことが好き、っていうことを書いて入れた。しっかりおめでとうということも。


 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 〈緋根晴木視点〉


「晴木くん、はいこれ。」

 部活に行くと部長から何かを渡された。なぜ渡されたかが全く分からなくて困惑していると部長が、


「今日誕生日でしょ?あれ、もしかして違った?」


 と、言ってきてようやく今日が誕生日だったことを理解した。ついでにクラスメイトから祝ってもらっていなかったことにも気がついた。絶対忘れられてるやつだ。


「いえ、あってますよ。ただ、今日が誕生日だったことを忘れてただけなんで。プレゼントありがとうございます。」

「良かった、喜んでもらえて!受け取ってもらえてよかった〜」

「わざわざ俺なんかに…本当にありがとうございます。」


 部長はニッコニコしながら部室を出て行った。

 にしても部長から貰うとは夢にも思っていなかった。


「家に帰って開けさせてもーらおっと。」


 1人そう呟いた後、部長が戻ってきて、顧問の門脇先生が今日と明日の部活に出れなくなってしまったため、部活はオフで良いと言われた、ということを伝えてくれた。その後に、


「返事は明日の放課後部室で聞かせてね?」


 とか訳わからないことを部長が言っていたが俺は祝ってもらえたこと、そんな日にはやく家に帰れることが嬉しくて仕方が無くて、全く気にも留めていなかった。家に帰ってから部長の言っていたことの意味が分かるのと同時に、半端じゃない喜びが込み上げてくることを知らずに。


 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 〈丸皿翡瑛視点〉


 誕生日プレゼント喜んでくれたみたいで良かった〜!え、要らないです、とか言われたら泣くとこだった。晴木くんならそんなこと言わないだろうけど。自分の誕生日忘れてたみたいだったけど大丈夫かな?


「あ、丸皿さん!」

「なんでしょうか、門脇先生?」

「部活に顔を出せなくなったから、今日と明日は無しでいいよ。部室にいる人に伝えてくれるかな?」

「はい、分かりました。」

「よろしく頼みます。」


 こっちまで歩いてきたのに戻るのかぁ、と思いながら歩いていたらすぐに部室に着いた。

 部室には晴木くんしか居なかった。


「部活に先生が顔出せなくなったらしくて、今日と明日の部活をオフにして良いって!」

「え、マジですか。」

「うん。じゃあまたね!お疲れ様。」

「お疲れ様でした。」

「返事は明日の放課後部室で聞かせてね?」


 うわぁ言っちゃった。引かれてないかな…。

 明日どんな返事をくれるのかドキドキしながら帰宅した。


 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 〈緋根晴木視点〉


 家に帰って開けてみると、手作りのチョコがけクッキーと、消しゴムとシャーペンが入っていた。シャーペンとか高かっただろ絶対。

 メッセージカードも入っていた。開けてみると、

「晴木くん誕生日おめでとう!これからもよろしくね。大事なこと、裏に書いてあるよ。」

 ひっくり返すと、

「私は晴木くんのことが大好きです。」

 と書いてあった。

 俺はそれを見た瞬間、顔が赤くなっていくのを感じた。

 部室で開けなくて良かった〜。部長が俺を好き?え、めちゃくちゃ嬉しい。返事ってこのことか。今までの部長とのやりとりとか色んなことが一瞬で頭を占拠した。でも感情は1つだけ。必然的に明日の放課後の答えは決まった。


 次の日の放課後、俺はいつもより早くに部室へ向かった。するといつもより顔を硬くして待っている部長がいた。あぁこの人すっごく緊張してるんだろうなぁって思った。振られるかもしれないんだもんな。そんなことするつもりはないんだけど。ちなみに俺はもっと緊張していると思うが。1回イチャモンつけるつもりだからな!


「お疲れ様です、部長。」

「お疲れ様、晴木くん。」

「えと、返事なんですけど。」

「う、うん。教えてくれるかな?」

「納得いきませーん!」

「ふぇ?」


 素っ頓狂な声を部長があげていた。そりゃそうだろうよ。


「俺は今まで部長に対してそういう目で見ないように気をつけてました。だって、3歳も年上。今告白して成功して付き合えても、俺は自由でも、来年には部長は受験生で。中々会えなくなっていって。連絡することもはばかられて。段々気持ちが離れていくんじゃないかって。そう思ったから、初めて会ったその日から自分の恋心を必死に隠してました。なのに、あなたはそんな俺の気持ちも知らずに先に告白してきて…納得いかないんですよねぇ。」


 最後の言葉を言った時、部長の顔は真っ赤だった。俺も相当赤いだろうけどな。


「部長が俺のことを想ってくれてることは分かりました。だからもう隠しませんし我慢しませんから。この言葉だけは俺に言わせてください。丸皿翡瑛さん、俺と付き合ってください!」


 手を差し出して深く深くお辞儀した。すると、


「翡瑛さん、か。呼ばれたことないから違和感凄いなぁ。晴木くん、私を好きになってくれてありがとう。よろしくお願いします。」


 と言いつつ温かい手で俺の手を握ってくれた。

 晴れて俺たちはカップルとなった。

ー付き合ったその日の帰り道、手を繋ぎながらー

「晴木くん、3つお願いがあるんだけど聞いてくれる?」

「物によりますけど。」

「1つ目は、私に対して敬語をやめること!」

「うっ。わかった。」

「2つ目は、部長でもなく、翡瑛さんでもなく、翡瑛って呼び捨てすること!」

「まじかぁ。部長って呼びそう…。」

「い〜い?」

「はーい。」

「3つ目は、晴木くんじゃなくて、晴木って呼ばせて?」

「俺の呼び方はご自由に。」

「じゃあはるちゃんでも良い!?」

「流石にダメ。それと俺の妹が晴日だからあいつが反応する。」

「妹いたの!?初耳なんだけど。」

「誰にも言ったことないから。」

「おにぃその人誰!?彼女!?」

「噂をすれば来やがった…」


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。ハッピーエンドで終了です!いつか門脇先生視点、晴日視点もあるのかな?

因みに、主人公の緋根晴木とヒロインの丸皿翡瑛はとある俳優さんと女優さんの役名から取りました。全部で7作品のドラマや映画の役名です。

よかったらその下の星を★★★★★に、そしていいねもお願いします!ブクマもしていただけると嬉しいです!

5/13追記 https://ncode.syosetu.com/n5278if/ 3歳年下の後輩の提案にすぐ乗っている部長と後輩くんを見守る顧問の話 門脇先生視点の話を投稿しました!よろしければ、続けてご覧ください。

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