アズサ・レイナードの章
ローズストーン国
それは私の産まれ育った土地
女性だけが暮らせた国は形を変え
男女平等に暮らせる豊かな国に変わっていた
国の女王アテナ様が
戦争の終わりと同時期にルールを変え
ディナガードや
レインオラクルの人間でも暮らせる
種別を超えた平和な国としてそうしたそうだ
国のルールが変われば人も変わる、
今まで問題の無かった城下街にも
人同士のイザコザや揉め事なんかも多くなった
国の治安を守るのは機士の仕事
ローズストーン国には四つの部隊が存在する
スミレカラーの軍服の機士がアメジスト隊
レモンカラーの軍服の機士がトパーズ隊
パールカラーの軍服の機士がダイヤモンド隊
そして
ルージュカラーの軍服の機士が
私が隊長を務める部隊 ガーネット隊だ...
隊長と呼ばれる仕事をしているが
正直、隊長なんて私には向いていなかった
私の姉はアズマ・レイナードと呼ばれる
四つの部隊を纏める総隊長と呼ばれた
とても立派な人間だった....
そんな姉に近づこうと私は努力した・・・
思い出のアズサ
『私は隊長になる!!
この国を背負う機士になるんだ!!』
思い出のアズマ
『お前には無理だ、
お前は私の側近として側で私の仕事を支えろ』
姉には反対されていた・・・
いつまで経っても未熟だと思われていた
お前には無理だ 諦めろ
実際その通りだった・・・
隊長に選ばれたのは
クイーン級と呼ばれる
ローズストーン国に4人しかいない魔女だった
アメジスト隊のココ
トパーズ隊のロニー
ダイヤモンド隊のキサラギ
・・・・・そして私...
クイーン級の魔女の中では私は1番弱く
総隊長アズマの妹だと言う
色眼鏡を付け私を皆見ていた.....
その結果が今の情けない私、
アズマ総隊長の御零れ隊長の私・・・
姉はレインオラクルとの戦いで死んだ
死ぬはずだった私の身代わりに
私の目の前で殺された・・・・・
思い出のアズマ
『すまないアズサ、
ローズストーン国は頼んだぞ...
無力な姉を許してくれ』
無力なんかじゃ無い・・・
姉さんが今も生きていれば
この国はもっと豊かな国に成っていた・・・
私が死んでいれば・・・・・
▶︎クレープ屋
レインオラクルの捕虜として捕まえていた
ラッキー・トロピカルと呼ぶ女性
その者の見張り役だった私は
彼女が営業するクレープ屋の屋台に来ていた
ラッキー
『やや!アズサオーナーではありませんか!!
今日はどうしましたか?』
戦争で
多くのローズストーンの機士を殺した彼女も
今は1人のクレープ屋の店主
彼女には
ローズストーン国で暮らすルールが合った
1 この国から出てはいけない
2 魔装機に乗ってはいけない
3 人を傷付けなてはいけない
このルールを破れば牢獄に逆戻り
一緒外の景色を観れないと言う
制約が課せられていた
そして彼女は
私の姉を殺した張本人だった....
私の顔を見ていたラッキーは
「どうしたのですか?
いつもより顔色が悪いですよ?
そんな時は甘いクレープを食べて
元気になってください!!」
そう言って私にクレープを渡した
彼女も戦争の道具に使われた被害者の1人だった
自分の過去や
子供の時の記憶が消されていたらしく
強い魔女だったラッキーを
無理矢理機士として戦わせていたそうだ....
彼女は時代が産んでしまった悪魔だと言われ
ロニーやキサラギ達は
彼女を処分しようとしていた
だけど、私はそれを止め
彼女に生きるチャンスを与えた
誰にでも更生するチャンスは有る
私が隊長として選ばれた用に誰にだって....
ラッキー
『クレープ美味しいですか?』
アズサ
『うん美味しい、また腕を上げたんじゃない?』
照れ臭そうに喜ぶラッキーは
私のお陰ですと言っていた
ラッキー
『アズサオーナーが
私にチャンスを与えてくれたのです、
魔装機で人を殺す事しか知らなかった私に
美味しい料理の作り方や
美味しいクレープを作る場所を
与えてくれました、私の命は
アズサオーナーの命と同じだと
思ってください!!』
私は本を与えただけだったけど
そこまで喜んでくれると悪い気はしないな...
姉を殺した憎むべき相手は、
今は1人のクレープ屋の店主だ
人を恨む価値観を変えたのは姉だった....
レインオラクル国の機士が
ローズストーンの領土に侵入して
民家から食料を盗み食べていた
それを捕まえた私は
敵国の機士を殺そうとした
思い出のレインオラクル国の機士
『ゆっ許してください!!』
思い出のアズサ
『犯罪者が何を!!』
私の手を止めた姉は
その犯罪者に食料を分け与え 見逃す事にした
どうして!?っと私は声を荒げ言った
何故敵国の機士を逃すのか・・・
私には理解できなかった
思い出のアズマ
『奴にも家族が存在する、敵だからと言って
誰でも殺していては戦争は終わらない。
仲間が殺され、その敵討ちとして
誰かが私達の仲間を殺しそれを繰り返す、
負の連鎖を止めるには
誰かが重りを背負うしか無いのだ』
姉の言葉を思い出し
私はラッキーのクレープを食べた
☆
総合司令部の本部には
姉の部屋が今も残されていた
部屋の権利を貰った私だけど、
姉の部屋には入れずにいた.....
過去を振り返る事が怖かった
もし・・・お姉ちゃんが私の事を
何も思ってくれていなかったらと思うと・・・
無理も無い・・・
何の成果を上げなかった私を
姉が好きでいてくれてるハズなんて無かった...
近くを通りがかった
ガーネット隊の機士は
どうしました?っと私に言った
私は正直に話した
姉の部屋に入るのが怖いと・・・
ガーネット隊の機士
『多分入らない方が良いです』
アズサ
『やっぱり?』
ガーネット隊の機士
『いえ、そう言う意味では無く....』
ん?どうして言葉を詰まらせるの?
とにかく
今はこの部屋には入れない
不安そうな顔をしていた私に
ガーネット隊の機士は言った
「時間が有れば来て欲しいと
ロニー隊長が言ってましたよ」
ロニーが?
ロニーは私の姉の代わりに
総隊長の仕事をやってくれていた、
そんなロニーが私に何の用なのだろうか?
トパーズ隊本部にある隊長の部屋に訪れると
ロニーは嬉しそうな顔で私を見ていた
なんだか凄く嫌な予感がする・・・
ロニー
『アズサも皆の上に立つ人間として
相応しい立場になったと思うよ、
どうだい?アズマさんの意思を受け継ぎ
総隊長の席に座ってみないかい?
安心してくれ
私やキサラギもサポートはする、
ココだって
アズサなら出来ると思ってくれている』
・・・やっぱりだ、
キサラギやロニーは何も分かっていない
私に姉の仕事が務まると思ってるの?
隊長角で1番弱い私より
貴方達の誰かが総隊長をやりなさいよ....
私は・・・弱いから・・・
私の顔色を見たロニーは話を止め
ごめんと謝っていた
前回のツアーでの立ち振る舞いで
私になら総隊長が務まると思っていたそうだ
ロニー
『今すぐにと言う話では無いよ...
だけど、アズサなら出来ると私は思っている』
アズサ
『ごめんロニー、
私はそんな立派な人間じゃ無いから....』
無言で部屋を出て行った私は
コロシアムの真ん中にやって来ていた
私が子供の時
この場所で姉と約束をした
この国で1番強い機士に成る
最強の魔女に私が成るんだ!!って...
子供の馬鹿な夢だと今なら分かる、
でもお姉ちゃんは...信じてくれてた...
ココ
『どうしたのアズサ?体調悪い?』
通りがかったココは私の心配をしてくれた
私より四つ歳下のココに
なんで私は心配されてんのよ....
大丈夫と私は言っても
嘘っとココは言葉を返してきた
何か心配事が有るなら
私にも相談して、同じ隊長同士だからと
ココは私に言った
同じ隊長同士・・・か・・
アズサ
『ココは強いね....私は弱いから....』
ココ
『アズサは強いよ』
いつもの無表情で
何を考えているのか分からない子だったけど
その時だけは
感情を感じさせる強い言葉に聞こえた
私が強い?
何言ってるのよ・・・私は・・・
証明すると言い出したココは
私と決闘すると言った
アズサ
『は!?』
ココ
『訓練用の魔装機じゃなく
女帝機同士での本気のバトル』
その話を聞いていたアメジスト隊の機士達は
クイーン級の魔女同士の戦いが
観れると喜んでいた
中には私の部下のガーネット隊の機士も居る
私がココと決闘?
この場で断れば
逃げたと思われ皆から馬鹿にされる、
かと言って
ロニーを倒した事も有るココに
私が勝てるハズなんて無い・・・・・
いや・・・
キサラギやロニーが相手だったとしても
私は絶対に勝てない、
私はこの国で1番弱いクイーン級の魔女だから
小さく返事を返した時の事は覚えていない、
ただ・・・決闘を受けた事は確かだった
隊長同士の決闘と知った機士達は
面白そうだと思いコロシアムに集まり
多くの機士達の中で
私は自分の魔装機エリザベスに乗っていた
他の機士達の声が聞こえてくるけど、
それが
良い風に言われてるのか
悪い風に言われてるのか
今の私じゃ聞き取る事はできなかった
マリーアントワネットに乗ったココは
回線越しに準備は良いかと聞いてきた
アズサ
『本気でやりなさいよ、
手加減されたら私が惨めだから』
ココ
『私はいつも本気、アズサも本気で来て』
私だって・・・いつも本気だった・・・
エリザベスとマリーアントワネットの戦いに
ギャラリーの機士の皆は興奮していた
だけど皆心の中では思ってるハズだ....
どうせ私が負けると....
マリーアントワネットの攻撃を受け止め
エリザベスの調子が悪いと感じていた
どうして?
魔装機には異常が無いのに・・・・・
もしかして・・・私の方に・・・
ココ
『今のアズサは昔のアズサじゃ無い、
昔は誰よりも突き進み
どんなに強い相手でもぶつかってた、
私がアズサを本気にさせる』
マリーアントワネットは
土と雷の魔法で私に攻撃した
エリザベスが使える魔法は
武器を強化させるエンチャントの魔法だけ、
そんな弱い魔法で
他の女帝機に勝てるハズ無い...
攻撃を受け続け
揺れるコックピットの中で
私は下を向いていた
目の前には
ココの乗るマリーアントワネットではなく、
私を弱いと言った人や
お前に隊長は無理だと言った姉や
弱いと思っていた自分自身が立っていた
アズサ
『・・・ふざ・・・けないで・・・・・
私は・・・惨めなままで終わらない!!』
エリザベスの武器に魔法を送ると
感じた事も無い感覚が体の中から溢れ出した
熱い火の感覚でも 冷たい氷の感覚でも
土や雷、光でも闇でも無い感覚・・・・・
無属性の魔法?・・・違う
コレは私の魔法!!
マリーアントワネットの雷撃魔法を跳ね返し
私のエリザベスは魔力の渦を纏っていた
ローズストーン国の機士
『なんだあの魔法!?』
ローズストーン国の機士
『7属性には無い魔法を
アズサ隊長は使ってる!?』
魔力の渦は
私のエリザベスを優しく包んでくれている
清々しく気持ち良い感覚・・・
コレは私だけの魔法・・・
ココ
『見た事も無い力・・・だけど・・・』
光の魔法を使い
マリーアントワネットは攻撃をした
私は魔力の渦を操り
光魔法を受け流し
その勢いでエリザベスを突撃させた
アズサ
『コレが私の新しい力、風の力よ!!』
風の力を使い
私はマリーアントワネットを倒していた・・・
・・・・・勝った?私がココに?
決闘を終えると
機士達から称賛の声が聞こえてきた
ココ
『やっぱりアズサは強い』
私は馬鹿だった
強さだけが全てでは無いって事を
ココに教えられた
ココが本気で私と戦ったのかは分からない、
だけど
私の中の弱さは消えていた
アズサ
『ありがとうココ』
感謝の言葉を惚けた顔でココは聞いていた
今の私なら・・・・・
☆
私は私の姉、
アズマ・レイナードの部屋の前に立っていた
今ならこの部屋にも入れる
例え私の事をお姉ちゃんが嫌っていても
全て受け入れる・・・・・
ガチャリとドアノブを回し扉を開け
お姉ちゃんの部屋に私は足を動かした
1番最初に目に付いたのは
机の上に置かれていた
昔私がプレゼントした時計だった
それ以外にも
私との思い出が詰まった物が
沢山置かれていた
一緒に買ったペンも
隊長祝いにプレゼントしたハンカチも
私とお姉ちゃんの思い出が
全てそこに合った・・・・・
アズサ
『どうして・・・』
涙が堪えられない、
だってお姉ちゃんは
私の事をいつも半人前だと言っていた
私が隊長に成った時も
機士に成った時だって
いつもお姉ちゃんは認めてくれなかった
部屋に入って来た
ガーネット隊の機士は私に言った、
「アズマ総隊長は
いつもアズサ隊長の事を心配してました、
私達機士の皆にアズサ隊長の事を
守ってくれと言われてましたから」
アズサ
『ごめん・・・お姉ちゃん・・・』
部下の前でみっともなく泣いていた私
部下のガーネット隊の機士は
何も言わず部屋を去り 部屋の扉を閉めていた
しばらく泣いた私は
ロニーの部屋に向かい
総隊長の事で話をしていた
ロニー
『・・・そうか』
今の私ではやはり総隊長の席は座れない
だからもっと成長するまで
待って欲しいとロニーに伝えた
いつか私も総隊長として
お姉ちゃんの意思を引き継ぐ!!
だから天国で見守っててね お姉ちゃん
アズサ
『そう言えば
ココに勝った時他の機士が言ってたけど、
1番弱いクイーン級の魔女は
ロニーって事に成ってたわよ』
ロニー
『え?』




