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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 9章
88/120

9章 生まれたこの世界は 74話-豪邸と海と水着とドキドキと

〈74-1 グレット邸の家族〉


アケミ

『何よこの豪邸・・・・・』


ナナミ

『うわぁ〜、とても大きなお家ですね〜』



 口を開けて驚く2人に

 まだまだこんな物じゃないと俺は2人に教えた



▶︎グレット邸 ネル視点


 ヲルフに機士として雇われた俺は

 事実上このグレット邸の主になった


 まだこの屋敷は俺の所有物では無いが

 毎日機士の役目をキッチリと果たし

 ヲルフの財産を給料として少しずつ貰い

 貯まったお金でこの屋敷を買い取る事になった


 具体的には

 メイドのルーチアにお金を渡し

 屋敷と土地を国から買い

 ルーチアを屋敷のメイドとして雇う事になる



ネル

『ルーチアはそれで良いのか?』


ルーチア

『構いません、私は主人様の

 お世話をする事を生き甲斐と考えています

 金銭での取引は私には不要ですので』


ネル

『それじゃあ俺が困るんだが、

 給料払うからお金を貯めときな?

 いつか必要になるかも知れないから』


ルーチア

『主人様がそう言うのでアレばそれに従います』



 何だかお堅い人だ・・・

 この人と一緒に生活するのが

 少し不安になってきたな


 アケミは俺に質問をしてきた

 機士の仕事とは具体的に何をするのかと


 そんなの決まってる

 この屋敷や近くの村を魔の手から守る!!

 それが役目って事だ!!



アケミ

『つまり、ダラダラ生活してお金を貰い

 この大きな屋敷でグータラ暮らすって訳ね....』


ネル

『そんな事言って無いだろ!!』


ナナミ

『私達は何をしたら良いのですか?』



 そうだった

 2人にはルーチアのサポートをして欲しい

 屋敷の掃除や庭の手入れ

 できれば調理の方も・・・・そう俺は説明したが

「大丈夫です、それぐらいは私1人で熟こなせます」

 そうルーチアは言っていた



アケミ

『それじゃあ私達もこの馬鹿と同じになる』


ナナミ

『そうです!!私達にも仕事をください!!』



 この馬鹿とは誰の事だ!!

 とにかく、2人にも仕事を

 分けてあげて欲しいと俺はルーチアに頼んだ



ルーチア

『後命令とアレば』


ネル

『命令とかじゃ無いんだけどな...』



 そうですねと言いながらルーチアは考えていた


 何かを思い付いたのか

 それならと言って 俺達を外にと案内した


 屋敷から少し離れた場所に

 手入れされていない畑があった


 井戸や貯蔵庫も近くにあるな、

 少し綺麗にすれば

 今すぐにでも使えそうだ



ルーチア

『お屋敷の仕事で

 コチラには手が回せていませんでした、

 前の主人様は作物が好きで

 家族と一緒に野菜を育てていたのです。

 良ければコチラの畑に

 沢山の作物を実らせてくれませんか?』


アケミ

『そう言う事なら任せて』


ナナミ

『美味しいお野菜さんをいっぱい作りますね!』



 アケミとナナミ、2人のココでの役割も決まった

 後は

 屋敷の中をルーチアに案内してもらうだけだな


 まずは魔装機を格納できる倉庫

 最大4機の魔装機を格納できるその場所に

 俺はマナリリアンを置いていた


 倉庫の中を見てみると

 使われていないボロボロの魔装機

 ディナガード製のタレントがあった


 ルーチアが言うには、前に雇っていた機士が

 使っていた魔装機だと教えてくれた



ルーチア

『アケミ様とネル様は

 魔装機を動かせると聞き及んでいます

 良ければコチラの魔装機もお使いください』


ネル

『それなんだけど・・・』



 俺とアケミは

 機士が乗る普通の魔装機には乗れない、

 マナが無い俺はマナリリアンしか乗れないし

 魔力を体に宿すアケミは

 魔力を扱う魔装機にしか乗れない


 マナを持たないと知ったルーチアは

 少し驚いた表情をしていた


 ルーチアのマナ量は

 どのくらいかと俺は聞いてみると

 46と言った



ルーチア

『女性のマナ量を気安くお聞きになるのは

 少しハレンチな事ですよ』


ネル

『え!?そうなの!!』



 アケミの奴が軽蔑する目で見ている

 そんな事知らなかったんだと俺は必死に訴えた


 そんな慌てる俺を見て

 ルーチアは「冗談です」と真顔で言った


 ・・・・・冗談とか言う人なんだな

 本当かと思い少し焦った



ナナミ

『でもコチラの魔装機壊れている見たいです、

 修理が必要なんじゃ無いですか?』



 ボロボロのタレントを調べていたナナミは

 この魔装機が壊れていると教えてくれた


 ナナミはライルのアシスタントで

 魔装機の開発を手伝っていたと聞いた

 直せないのかと聞いてみたが

 私1人じゃ直せないのだと言った



ナナミ

『ちゃんとした整備士さんが必要ですね』


ルーチア

『ごめんなさい、魔装機には詳しくなく....』


アケミ

『ルーチアさんが謝る必要なんて無いわよ』



 いつかこのタレントも

 修理して動かせられるといいな。

 俺はそう思った


 次に案内してくれたのは

 1階の食事を食べる応接間と

 ルーチアが調理をするキッチンと大きな食糧庫


 暖炉やテラス 客間が2部屋

 トイレが数箇所と大きな浴室が2つ

 それ以外にも部屋が有ると言っていた



アケミ

『1階だけで目が回りそうね』


ナナミ

『はい...迷子になっちゃいそうです...』



 ロボットが迷子になるのか?


 ルーチアは次に

 屋敷の2階を案内してくれた


 客室が2部屋と使われていない部屋が20部屋

 それとヲルフさんが使っていた寝室だが

 ルーチアの頼みで

 この部屋はルーチアの寝室になった、

 ヲルフさんを感じていたいのだろう....


 ルーチアはアケミとナナミの部屋を案内し

 2人はとても喜んでいた



ナナミ

『私、自分だけの部屋を持つなんて初めてです』


アケミ

『こんな大きな部屋を使っていいの?』


ルーチア

『はい、構いません』



 広い屋敷を案内していたら

 窓の外は暗くなり夜になっていた


 食事の準備をするので

 皆様で食事を食べましょうとルーチアは言った


 ルーチアの作ってくれた料理

 ローズストーン国で食べられる

 美味しい食事と変わらないレベルに美味しい


 俺達は美味しいよとルーチアに言うと

 とても嬉しそうに喜んでいた



ルーチア

『前の主人様は体が悪く

 お食事は寝室で食べていたので

 私はいつも1人でした.....

 皆様と食べる食事がこんなに楽しいなんて.....』



 ルーチアは少し涙ぐんでいると

 アケミは席を立ち ルーチアに抱きついた

 それを見たナナミも 席を立ち抱きついた


 突然の出来事にルーチアは驚いていたが

 その表情は直ぐに喜びに変わっていた


 俺もと思い 席を立ち上がると....



アケミ

『アンタはダメ!!』


ネル

『何でだよ!!』


アケミ

『どうせ

 イヤらしい事考えてるに決まってんだから』


ネル

『考えるかぁ!!』



 ウフフと笑ったルーチアは

 自分達が家族の様だと言った


 グレット邸を託され、俺やアケミにナナミ

 メイドのルーチアとの生活が始まった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-2 死のサウナ室〉


▶︎グレット邸 ネル視点


 とある夜中での出来事

 俺はその日

 生きるか死ぬかの選択を選ばされる事になった



ネル

『寝付けない・・・水でも飲むか』



 深夜の時間帯、俺は寝るに寝れず

 台所で水を飲み心を落ち着かせていた


 フラフラと自分の部屋に戻ろうとすると

 近くから嗅いだことのある

 木材の温まったアノ匂いが・・・


 俺は匂いに誘われ

 その場所にと足を運ぶと・・

 1階階段奥になんとサウナ室が合った!!


 異世界にサウナ室!?なんで!!

 そう俺は思ったが

 こんな素晴らしい部屋使わない方が勿体無い!!


 俺は脱衣場で服を脱ぎ

 右上の棚に服をしまいサウナ室に入った


 脱衣場にタオルが合ったが

 どうせ夜中で俺1人なんだ、必要無いと考え

 スッポンポンのまま サウナを楽しんだ



ネル

『ごくらく〜』



 久々のサウナに体の芯から疲れが癒やされていく

 ヲルフさん、アンタの屋敷は最高だよ


 2分が過ぎ 5分が過ぎ 10分が過ぎた


 ん? そう言えば

 どうしてこのサウナ室は温かいままだったんだ?

 ・・・・・もしかすると

 ルーチアか誰かが部屋のスイッチを入れ

 部屋を温めていたのか?


 ・・・・・・・・・・!?

 ヤバイ!!早くこの場所から離れなければ!!


 そう気付いた頃にはもう既に遅かった

 脱衣場から女性の声が!

 やはりそうだ!!この展開はヤバイ!!


 脱衣場から

 ルーチアにアケミにナナミ達の声が

 聞こえてきた



ルーチア

『蒸し部屋と呼ばれる特殊な部屋がありまして、

 前の主人様が好きで使われていたのです』


アケミ

『サウナじゃない!!凄い』


ルーチア

『部屋の中を温めていましたので

 直ぐにでもお使えできますよ』


ナナミ

『私も一緒に入りたいです!!』


アケミ

『服を脱いで入るのよ

 ルーチアさんも入ろうよ』


ルーチア

『ではご一緒に』



 服を脱ぎアケミ達がサウナ室に入ってくる!!

 俺は咄嗟に

 椅子の下に隠れ 息を潜めていた


 しまった・・・

 服を脱ぎ散らかしておくかタオルでも巻いてたら

 そのまま飛び出しても大丈夫だったのに.....


 アケミ達がサウナに入り

 3人は俺が隠れている椅子の上に座った


 よりによってそこに座るのかよ!!

 目の前に3人の生足が・・・

 なんか良い香りがするし・・・・・


 イカン!! このままじゃ変態だ!!

 無心だ、無心で3人が

 サウナから出るのを待つんだ



アケミ

『ルーチアさんスタイル良いですね』


ルーチア

『そうでしょうか?

 アケミ様もナナミ様も、

 2人とも良い物をお持ちですよ』


ナナミ

『恥ずかしいです...』


アケミ

『ルーチアさんには負けるけどねぇ』



 良い物? 良い物ってなんだ!?

 って馬鹿か俺は!!

 サウナ室で妄想を膨らませてたら

 直ぐに気を失ってしまうぞ!!無心を貫け!!


 目を開け3人の太ももを見てみると

 ナナミが1番スラッとしていて

 次にルーチアが細い、

 アケミの足は..少し太って見えるな

 お腹周りも太ってんじゃ無いのか?

 そう馬鹿な事を考えていた


 てかアンドロイドのナナミが

 サウナなんか入って大丈夫なのか?

 海から落ちた時は壊れてたよな....



アケミ

『そう言えばナナミはサウナ入って大丈夫なの?

 ナナミがロボットだって事忘れてた』


ナナミ

『冷却機能がある見たいなので大丈夫です』


ルーチア

『ナナミ様は凄いのですね』



 そうか 大丈夫なのか・・・・・

 そもそもサウナなんかに入ってんじゃねぇ!!

 いや・・・

 コレはアンドロイド差別になるな ごめん


 アレから5分が過ぎ

 俺の体は限界へと近付いていた....

 3人の会話なんてもう耳に入らない

 このままだと俺は死んでしまう


 そうだ!!

 アイツらはタオルを巻いている、

 俺はスッポンポンだが見られてもこの際平気だ


 女子高生のアケミに

 俺の裸を見せるのは倫理観的に良くないが

 向こうの裸を見なければそれでOKだ!!


 そうと決まれば

 俺はこの場から飛び出そうと考えていると



ナナミ

『そう言えば、脱衣場にタオルがありましたよね?

 アレで汗を拭くのですか?』


ルーチア

『その用途にも使いますが、

 体を隠すのに使ったりもするのですよ』


アケミ

『私達だけなんだし、裸でも大丈夫よ』


ナナミ

『へ〜・・・でもネルさんが

 入って来たら少し恥ずかしいですね』


アケミ

『アイツの部屋ノックしたけど

 返事が無かったから寝てんじゃ無い?』


ナナミ

『そうですね』



 寝てなーーーーーーい、

 いや・・・もうすぐ深い眠りにつきそうだ・・・


 どうしてお前らもスッポンポンなんだよ!!

 タオルで体を隠していろよ!!


 コレじゃあ飛び出しても

 アイツらの裸を見てしまう可能性がある、

 例え目を瞑っていても

 アケミは俺を殺すかも知れない・・・・・


 飛び出して死ぬか この場で死ぬか

 死ぬか死ぬかの2択を選ばせられるのか....



ネル

『・・・・・』



 死のう・・・・死んで楽になろう・・・

 そう考えていた時だった


 アケミの言った言葉で俺の考えは変わった



ルーチア

『ネル様とはどう言うご関係なのですか?

 アケミ様とネル様がお付き合いをしている様な

 ご関係にも見えませんし?』


アケミ

『アイツは私の心を救ってくれたの、

 アイツが居なかったら私は死んでた..

 こんな不気味な世界

 全部壊しても良いとも考えた...

 私にとってアイツは

 私を私にさせてくれた存在なの』


ナナミ

『アケミさん・・・・・』


アケミ

『だからアイツ1人にコレ以上無茶させたくない

 私だってアイツの役に立つ事だってできる!

 私やナナミだって

 役に立つんだって言わせてたい...

 生きる楽しさを教えてくれたから

 私はその恩を返してるだけ....それだけの関係』


ルーチア

『素敵です』



 アイツ・・・・・そんな事を・・・・・


 こんな所で死んでなんかイラレねぇ!!

 俺の醜態をアケミに見せる訳にもいかない!!

 俺も生きる!!

 お前が信じてくれた俺は死なんかに負けない!!

 生きてお前らの幸せを守る!!


 アケミ達がサウナに入って10分後

 3人はサウナを出て

 ルーチアはサウナ室の電源を落とした


 暗くなったサウナ室から

 フラフラと歩きながら俺は外に出た



ネル

『・・・・・勝った...』



 俺は冷たい床に倒れ 気を失った


 翌朝

 脱衣場で倒れていた俺が発見され

 俺は無事 サウナ室から生還した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-3 騒がしい客人〉


 うぅぅっ・・・・・ここは何処だ?

 確か俺はサウナに入って...アケミ達が来て...


 目を覚ますと

 部屋のベッドに横たわっていた


 どうやら俺は脱衣場で気を失い

 誰かが俺の部屋に運んでくれたらしい


 体が重い・・・風邪をひいた感覚のように

 目の前がグルグルとしている・・・・・、

 チラリと横を見ると

 俺を看病してくれているルーチアの姿が....



ルーチア

『お目覚めになりましたか』


ネル

『ありがとうルーチア、もう大丈夫そうだ』



 全然大丈夫じゃない返事をすると

 もう少し眠るようルーチアは言った


 なるほど、

 ルーチアが俺を運んでくれたのか...

 屋敷の機士なのに

 こんな情け無い姿を見せてしまうとは...



ルーチア

『蒸し部屋で何をしてたのですか?

 もしかして・・・私達を覗こうと?

 言ってくれれば、

 私がネル様の性処理をしましたのに』


ネル

『・・・・・え?』


ルーチア

『性欲の処理もメイドの仕事、

 ヲルフ様はご老人だったので

 その必要はございませんでしたが、

 ネル様はとてもお若いです..

 大丈夫です!!本で経験は積んでいますので』



 ツッコム気力も無い

 多分また冗談なのだろうが・・・・・

 冗談だよな?


 ルーチアは席を立ち

 ゆっくり休んでくださいと言って

 優しく扉を閉めた


 くそ〜、体が重く視界も悪い

 アケミやナナミ達は畑に行ってるのか?

 俺も手伝いたかった....


 スヤスヤと眠り

 静かな時間だけが過ぎていった


 屋敷の扉を叩く者が居る・・・客か?


 聞き覚えのある騒がしい声に

 俺は目を開け嫌な予感を感じていた



▶︎ディナガード国 学園


 テスト期間を終え

 学生達は少し長めの休みを過ごしていた


 なんとか赤点を回避したハルタンは

 ハヤトとヴァルゴと一緒に休みを過ごしていた



ハルタン

『もうテストは懲り懲りだぁぁぁ』


ハヤト

『お疲れ様ですハルタンさん、ヴァルゴさんも』


ヴァルゴ

『あぁ』



 休みで遊びに行く学生や

 故郷の村に帰る学生達も居た


 ハルタンも

 何処かに遊びに行こうと提案するが、

 お金の問題で

 そこまで遠くまで遊びに行けないとハヤトは言う



ハルタン

『う〜ん、そうだな〜』


ヴァルゴ

『そう言えば、機士の人達が言っていた

 ネルが何処かの豪邸を手に入れ

 そこに住んでいると』


ハヤト

『言ってましたね。

 亡くなられた貴族の方に雇われ

 屋敷を守っていると聞きましたが?』



 色々考えていたハルタンは

 それだと2人に言った


 ネルの屋敷に遊びに行こう

 それならお金も使わないしご馳走も食べられると


 食べ物の事を真っ先に考えるハルタンを見て

 ハヤトは少し呆れながら笑っていた



ハルタン

『ヴァルゴも行きたいだろ!!』



 コクリと頷くヴァルゴ

 ハルタンは早速2人を連れ

 バンカーに向かい 自分達の魔装機に乗った


 自分専用の魔装機を持っていないヴァルゴは

 ハヤトと一緒にテイムライトに乗せてもらった



ハヤト

『狭くないですか?』


ヴァルゴ

『大丈夫だ....』


ハルタン

『ネルの屋敷に出発だぁぁあ!!』




▶︎ディナガード領 グレット邸


 ディナガード国から南に移動して数時間

 ネルの住む屋敷にやって来た3人は

 メイドのルーチアさんに言われ

 魔装機を倉庫にしまい 屋敷の中に入った


 とても大きな屋敷の中を見て

 ハルタンとハヤトは口を開け驚いていた


 主人のネルは体調を崩し

 部屋で眠っている事をメイドから聞くと

 お調子者のハルタンは、

 見舞いに行こうと言い出した



ハヤト

『ご迷惑になるかもですから

 私達はアケミさん達と一緒に

 裏山の畑に行った方が....』


ハルタン

『アイツの顔を少し見るだけだって、

 ハヤトも心配なんだろ?』



 ハルタンだけをネルの元に向かわせると

 何かしでかすと考えたハヤトは、

 仕方ないと思い

 ハルタンと一緒にネルが眠る部屋に向かった


 部屋を開けると

 ネルは横たわりながら「やっぱりお前達か」と

 元気の無い口調で喋っていた



ハルタン

『様子を見に来たぞぉぉ!!』


ネル

『うるさい・・・頭に響く・・・』


ハヤト

『ごめんなさい、直ぐに帰りますので』



 ネルはハルタン達の顔を見た


 部屋の中には

 ニコニコのハルタンと困り顔のハヤト

 それにメイドのルーチア


 もう1人

 ハヤト達の友達らしき女性が立っているが

 視界がボヤけて良く顔が見えない・・・


 病気で苦しいのにハルタンは

 ガヤガヤと騒がしく何かを言っていた


 ネルはメイドのルーチアに

 コイツらを追い出せと命令すると

 ルーチアは頭を下げ

 クッキーがあるので食べますかと

 ハルタン達に言った



ハルタン

『お菓子!!食べたい!!』


ルーチア

『では下の階に行きましょう』



 食卓で楽しくお菓子を食べる3人

 アケミとナナミが屋敷に帰って来ると

 下では騒がしい声がネルの部屋まで聞こえてきた


 少しの小さな声でも耳うるさく聞こえ

 ネルは毛布にくるまり耳を塞いだ



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-4 愚かな生き物とチョコレートケーキ〉


 夜食を食べ終え

 ハヤトやハルタン達はとても満足した顔で

 幸せな時間だと感じていた


 お風呂の後は

 蒸し部屋と呼ばれる面白い物があると

 ルーチアは3人に教えた



ハヤト

『噂で聞いた事はありますが

 実物を見るのは楽しみです』


ハルタン

『なんか良く分かんないけど、

 お風呂上がりは蒸し部屋で楽しんで

 夜のデザートだ!!』


ハヤト

『まだ食べるのですか?』


ルーチア

『甘いチョコレートケーキを作っておきます』


ハルタン

『やった!!、ヴァルゴも嬉しいよな!!』


ヴァルゴ

『あぁ.....』



 3人はお風呂に入り

 蒸し部屋を楽しんでいると


 ルーチアはネル用の食事

 体に優しい料理を作りアケミに渡した


 何コレ?っとアケミは質問すると

 今からケーキを作るので

 アケミ様がネル様に食事を届けてください

 そうお願いをしてきた


 少しめんどくさいと思いながら

 アケミはネルの部屋に向かった


 コンコンと2回ノックをする

 返事が返ってこなかったので

 入るわよと言ってアケミは扉を開けた



ネル

『なんだアケミか・・・・アイツら帰ったのか?』


アケミ

『明日の朝帰るそうよ、

 食事やサウナを楽しんでた』


ネル

『・・・・・そっか』



 凄くグッタリとしたネルを見て

 アケミは心の中から心配になった


 とても重い病気なのではとアケミは心配して

 本当に大丈夫なのかとネルに聞いてみた


 ネルは目を開け 天井を眺めていた


 昨日サウナで

 あんな事があったなんて死んでも言えない、

 心配するアケミの顔を見るのは心が痛む

 そうネルは考え苦しんでいた



アケミ

『本当に大丈夫!?』


ネル

『平気だって・・・

 1日休めば治るってルーチアも言ってた』


アケミ

『・・・・・そう...』



 アケミは少し考え

 言うか言わないか悩んでいた事を今言う事にした


 ネルが私を救ってくれたから

 私は今のこの世界を楽しめている、

 元の世界に帰っても

 お母さんもお父さんも死に

 私の居場所は何処にも無い・・・、

 でも・・・

 今はここが私の居場所だと思ってる

 ・・・・・ありがとう...


 照れ臭くなりアケミの顔は真っ赤になっていた


 一方のネルは

 頭がフワフワとする眠気で

 アケミの言葉を何一つ聞けていなかった



ネル

『・・・・え?・・・何か言った?』


アケミ

『・・・・・』



 馬鹿!!と怒り

 食事を机の上に置きアケミは部屋を出て行った


 どうしてあんなに怒っているのか分からず

 最近の女子高生の考えは分からんと

 ネルは思っていた



 蒸し部屋を堪能して

 ハヤト達はリビングに向かった


 ルーチアが作ってくれた

 チョコレートケーキを見て

 ハルタンは大喜びしていた



ヴァルゴ

『・・・・・少し夜風を浴びてくる』


ハルタン

『ケーキ食べないのか?』


ヴァルゴ

『もう食欲は無い』


ハヤト

『じゃあ私も一緒に行きます、

 食べ過ぎで太ってしまいそうなので...』


ヴァルゴ

『1人にしてくれ』



 そう言ってヴァルゴは外に出た


 心配そうにヴァルゴを見ていたハヤト

 ハルタンはハヤトに、

 本当に食べないのか?っと聞いていた



▶︎グレット邸の外


 海が流れる音 風が空気を泳ぐ音

 夜の星が空を照らし

 目には見えない空気を吸い込む


 そんな何でもない空間を

 ヴァルゴは楽しいと感じていた


 もう時期

 この空間が無くなると言うのに・・・・・



 海を見ていたヴァルゴの側に

 ハヤトは近づき「綺麗ですね」っと言った



ヴァルゴ

『1人にさせてくれと言っただろ』


ハヤト

『何か思い悩んでいるんですか?

 良ければ友達の私に教えてくださいよ』



 友達・・・・・

 ハヤトやハルタンはそう言うが

 ヴァルゴは2人の事をそう思った事はなかった


 友達など生きる意味で不必要な物、

 義理人情で助け合う無意味な集まり


 しかし


 2人と居ると

 何処か楽しく感じる自分もいた・・・

 敵になるかも知れない存在なのに・・・



ヴァルゴ

『・・・・・この景色を見てどう思う』


ハヤト

『え?』



 無数に輝く星々 止まる事の無い海の音

 何も無い空気も...外で揺れ続ける草花も...

 今のこの世界を見てどう思うのだと

 ヴァルゴはハヤトに問うてみた


 この世界には

 エルフやドワーフ フェアリーに竜人

 魔族に魔物といった多様な種族が存在していた


 しかし、人の身勝手で

 魔族も魔物も滅ぼし 他種族すら滅ぼした


 無数の血を流し続けた今の景色を

 人は綺麗などと言えるのか?

 そうヴァルゴは言った


 ハヤトは少し考え

 分からないと答えた



ヴァルゴ

『分からないだと?』


ハヤト

『はい・・・、私達人間に

 その答えを言える人なんて居ないと思います。

 魔物と戦い、他種族とも戦い、人同士でも争い

 私達は不完全な生き物なのですから』


ヴァルゴ

『・・・・・今までの罪を

 人は何も感じず生きていく、

 そう言いたいのか?』


ハヤト

『違いますよ。過ちを繰り返させない

 だから私達は今を生きているんです、

 怖い世界も 悲しい世界も

 背負いながら生き続けるのが

 今残された私達に出来る事だと思います。』



 ヴァルゴは空を見上げ

「理解できないな」っと言った


 ハヤトはそれ以上何も言わず

 一緒に何も無い空間を楽しんだ


 グレット邸に戻ると

 チョコレートケーキを残していたハルタンは

 ヨダレを流しながら言った、3人で食べようと



ハヤト

『仕方ないですね...

 一緒に食べましょうヴァルゴさん』


ハルタン

『ヴァルゴも食べよう!!』


ヴァルゴ

『・・・・・あぁ』



 人は過ちを繰り返す愚かな生き物

 しかし

 そんな人間のハヤトとハルタンを

 ヴァルゴは愚かな生き物だとは思わなかった



▶︎ネルの部屋 ネル視点


 翌朝

 俺は完全に回復してベットから飛び上がっていた


 そう言えば

 ハヤトとハルタンが遊びに来てるんだったな

 後1人、顔は分からんが誰か居たようだが

 もう帰ったのか?


 入り口に行くと

 もう帰るところだったハヤト達の姿が


 別れの挨拶ぐらいしようと

 俺は3人に声を掛けようとした


 ハヤトの隣には

 前に極秘調査の時に出会った学園の生徒が!!

 この子がハヤトとハルタンの友達だったのか...


 俺はその子に挨拶をして

 名前を聞くとヴァルゴと彼女は名乗ってくれた



ネル

『初めまして、俺はネル

 ハヤトとハルタン、2人の友達なのかな?』


ヴァルゴ

『・・・・・』



 ヴァルゴが黙っていると

 ハヤトとハルタンは そうですと答えた


 恥ずかしがり屋なのか

 ヴァルゴは顔を伏せ 2人の目を見ていなかった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-5 わらしべ〉


▶︎グレット邸 ネル視点


アケミ

『アンタが買いに行きなさいよ!!

 全部飲んじゃったんだから!!』


ネル

『お前も飲んでただろ!!

 人の事は言うのに自分には甘いのか!!』


アケミ

『最後に飲んだのはアンタでしょ!!

 最後に飲んだ奴が

 買いに行くのが普通でしょ!!』



 朝から喧嘩する俺とアケミ


 喧嘩の理由は5分前に遡る


 朝食を食べ終えた俺は

 食糧庫にあったウモウシのミルクを飲んだ


 因みに

 食糧庫は魔石の力で冷凍保存ができる

 この世界の電力と同じ原理な訳だが

 今はそんな事どうだっていい!!


 俺が飲んだのは最後のミルクだったらしく

 次に行商人が来るのは1週間後と

 ルーチアは俺達に教えてくれた


 それを聞いたアケミは大激怒

 今すぐミルクを買って来いと俺に怒ってきた


 ミルクの1つでグチグチと...

 そんな風に言われたら

 俺だって我慢の限界だ!!


 あーだこーだと言い争う俺達に

 ナナミは心配しながら

 ルーチアは無表情で俺とアケミの喧嘩を見ていた


 少し歩けば村はあるが

 そこには

 ウモウシのミルクが売ってはいないそうだ



アケミ

『私達じゃ魔装機が動かせないんだから

 遠くの街まで買い物なんていけないでしょ!!』


ネル

『あぁわかったわかった、

 買いに行くよ!!買いに行ってやるよ!!』


アケミ

『アンタのそう言う態度がムカつく!!』


ネル

『お前もだろ!!』


ナナミ

『まあまあアケミさん、

 買いに行ってくれるとネルさんも言ってますし』


ルーチア

『ネル様、買い物に行くのなら

 ミルクの他にコレも買ってきてください』



 買い物リストが書かれた紙を受け取り

 俺は魔装機を動かし 隣街まで向かった



▶︎グレット邸から隣街に


ネル

『え!!ウモウシのミルク無いの!?』



 どうやらこの街にもミルクが無いらしい

 仕方ない 他の大きな街を探すか


 そうこう移動をしていたら

 俺はディナガード国にやって来ていた


 ここならミルクぐらい買えるだろう

 そう思っていたが・・・



ネル

『嘘だろ・・・・・』



 ウモウシのミルクが何処の店にも無い....

 何が起こっているのか分からないが

 俺はルーチアに頼まれていた

 買い物リストの食材だけを買い

 マナリリアンに乗った


 ローズストーン国まで行けば

 ミルクぐらい買えるのだろうが

 食材を買ってしまったし、もう屋敷に帰るか・・


 アケミに怒られるんだろうなと

 自分がアケミに叱られる妄想を膨らませ

 俺は屋敷の倉庫にマナリリアンを閉まった


 ガサガサと下で音がする

 何だと思い 俺は倉庫の中を見ると

 小さな男の子が

 ボロボロのタレントを触っていた


 何だ? まさか強盗か!?


 男の子は俺のマナリリアンを見て

「コレが噂のマナリリアン....凄い....」

 と言葉にできない声を出しながら

 マナリリアンを触り始めた


 ちょっとちょっとと言いながら

 俺はマナリリアンを降り その子に近づいた



ノイリス

『ごっごめんなさい、魔装機を見て

 テンションが上がってしまいまして。

 僕はノイリスと言います、

 世界を救った英雄にお会いできて光栄です』


ネル

『は・・・はぁ・・・』



 名前はノイリスと分かったが

 何処の誰なんだよ?


 その答えを教えてくれたのは

 俺が帰って来たのを知り

 倉庫にやって来たルーチアだった


 近くの村に

 親を亡くした孤児達が住む施設がある、

 その場所から彼はやって来たそうだ


 どうやら

 彼はこの場所に魔装機がある事を知り

 1人でこの場所まで来たそうだが・・・



ネル

『それで?君は何がしたいんだ?

 魔装機を観に来ただけって雰囲気じゃ

 無さそうだ』



 ノイリスは照れ臭さそうに

 言葉を濁し何かを喋っていた


 ミルクを買えなかった俺は

 アケミに怒られるのではとヒヤヒヤしていて

 こんな子供の相手を

 してる場合じゃないと考えていた


 買い物袋をルーチアに手渡すと

 何かに気付いた顔でルーチアは言った



ルーチア

『ウモウシのミルクは買われなかったのですか?』


ネル

『それが売ってなくてさ、

 ディナガード国まで行ったんだけどダメだった』



 それを聞いていたノイリスは

 ハッとした顔で俺に言った

「ミルクを孤児院から持ってくるので

 僕にこのタレントを好きに使わせて欲しい」


 タレントを?

 マナが使える男性なのかと考えたが

 見たところウィザードでも無さそうだし

 何に使うんだ?



ノイリス

『この魔装機を修理したいんです!!』


ネル

『え?』



 ノイリスは魔装機の勉強を独学でしていたそうだ


 夢は魔装機整備士になり

 自分の魔装機を作る事なのだと教えてくれた


 実際に魔装機を触れるのが今回が初めて

 屋敷のタレントを壊す可能性だってある


 機械には詳しく無いが

 子供の彼に何かあったら俺は責任を取れない、

 だから断ろうと俺は思ったが・・・



ルーチア

『壊れたタレントも修理してもらい

 ミルクまで手に入るのなら

 良いではありませんか?』


ネル

『だけどなぁ』


ルーチア

『まだ怒ってましたよアケミ様』


ネル

『う〜ん』



 タダで孤児院のミルクを貰うのは申し訳ないと

 ルーチアは大きなパイを作り

「皆さんで食べてください」

 そう言ってノイリスに手渡した


 俺はノイリスをマナリリアンに乗せ

 孤児院に行った、

 初めて乗る魔装機にノイリスはとても喜んでいた


 孤児院の人達はとても優しく

 ルーチアが作ったパイと交換で

 ウモウシのミルクを貰える事ができた


 その後

 約束通り俺は壊れたタレントの修理を

 ノイリスに任せる事にした



ネル

『本当に大丈夫か?

 無理なら無理で俺は構わないからな?』



 修理道具を握るとノイリスの目の色は変わり

 もう俺の言葉など届いてはいなかった


 何かの本を読みながら

 魔装機をゆっくり解体して行く


 子供の力だけでは足りていない場所も

 ナナミやルーチアの手を借り

 タレントを修理していく


 半分無理だと思っていたが

 時間が進むとそんな考えは忘れていた



ノイリス

『武器や液晶はパーツが無くて直せませんでしたが

 それ以外の動作は問題無く動くと思います』


ネル

『マジかよ・・・』



 ナナミもノイリスの技術には驚いていた

 ここまで魔装機に詳しいのなら

 マナリリアンの修理もできますよと言った


 ルーチアも

 魔装機を直せる人が居ると

 凄く便利ですねと俺に言う


 オイオイ待てよ

 まさかこの子を雇えって言うのか?



ノイリス

『施設のシスターも、お金にはとても困っています

 僕が施設の皆んなを助けられるなら

 助けたいです。

 ネルさんが良ければ僕を雇ってくれませんか?

 お金なら少なくても構いません!!

 シスター達の手助けができるならそれで!!』


ネル

『確かに整備士は欲しかったけど・・・』



 仕方ない、コレも何かの縁か...

 ウモウシのミルクも手に入ったんだ

 アケミと孤児院の子供達が幸せになって

 それで良いじゃないか


 分かったと俺は返事をすると

 ノイリスも

 勿論ナナミとルーチアも喜んでいた


 俺は疲れを感じ

 飲み物でも飲もうと台所に行くと

 アケミの姿がそこには合った


 まだ怒ってるのか?そう俺は少し警戒していると

 顔を少し赤らめたアケミは

 ごめんと素直に俺の顔を見て謝ってきた



アケミ

『悪かったわよ今朝はあんな態度して

 ・・・・・ごめん...、それだけだから!!』



 キョトンとした俺を通り抜け

 アケミは自分の部屋に戻って行った


 ・・・・・

 何だか無駄に疲れた1日だ....



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-6 アケミの魔装機〉


▶︎グレット邸 ネル視点


 俺の住む屋敷にディナガード国からと

 レインオラクル国からの客がやって来た


 機士のサラサとフタナは

 アケミが乗る魔装機、フィルプス四号機を

 俺達の場所まで運んできてくれた



サラサ

『疲れた〜』


フタナ

『だね〜』



 フィルプス四号機を見ていた俺とアケミは

 空いた口が閉じられなくなっていた


 本当にアケミの魔装機がやってきた

 コレでアケミも

 俺と一緒に戦える力を手にした事になる


 サラサ達と一緒に来ていた

 オノマト博士はアケミとナナミに言った

「サポートスペースを用意した

 その場所にアンドロイドの君が乗って

 彼女をサポートしてね」




ナナミ

『がっ頑張ります!!』


アケミ

『ナナミが1番緊張してるじゃん』


オノマト

『早速だけど少し練習しよう』



 疲れたサラサとフタナに

 ルーチアは屋敷のサウナに案内した


 ハヤトやハルタンから

 サウナの事を聞いていたサラサ達は

 凄く楽しみと喜んでいた


 サラサは何かに気が付き

 俺の顔を睨むように見てきた・・・

 何を言われるのかは予想できるが・・・



サラサ

『覗かないでよ』


ネル

『見ねぇよ』



 アケミ達と少し手合わせして欲しいと

 オノマト博士に頼まれたので

 俺はマナリリアンに乗り屋敷の外に出た



▶︎グレット邸 外 ネル視点


 魔装機戦が観られると

 ノイリスは少しワクワクとさせていた



オノマト

『まずはモニターを操作して

 敵との距離や座標を確認してくれたまえ』


ナナミ

『えっと・・・このボタンですよね?アワワ!!

 何か変なボタン押しちゃいました!!』


アケミ

『落ち着いてナナミ!!貴方なら大丈夫だから』



 大丈夫かあの2人?

 アケミは魔装機に乗るのがまだ4回目だし

 ナナミは今回が初めてだ

 こんなのでフィルプスを動かせるのか?


 武器を取り出したりしまったり

 変な動きをするフィルプス四号機、

 どうやら相当慌ててる見たいだ



ナナミ

『えっとえっと!、コレは剣を取り出すボタンで

 こっちは

 魔力炉のガスを吐き出させるボタンだし....』


アケミ

『モニターのボタンは右にあるから』


ナナミ

『コレですかね?』



 通信用のモニターが映ると

 アケミの胸がドアップに写され

 俺は唾を吐き出してしまった


 それを知ったアケミはイライラとさせ

 フィルプス四号機を操り

 魔力の粉塵を辺りにばら撒いた



ネル

『オイ!!それは!!』


アケミ

『ヘンタァァァイ!!』



 粉塵爆発を起こし

 フィルプス四号機は倒れていた


 今の衝撃で

 少し壊れてしまったらしい



オノマト

『ありゃりゃ』


アケミ&ナナミ

『ごめんなさい』


オノマト

『少し触り過ぎちゃって

 耐久力が疎かだったのかな?

 大丈夫大丈夫、コレぐらいなら直ぐ治せるから』


ノイリス

『僕も手伝わせてください』


オノマト

『おっ!君も整備士かい?助かるね〜』



 やれやれ

 アケミ達の特訓は骨が折れそうだ


 少し汗を掻いた俺は

 何も考えずサウナ室に向かった


 服を脱ごうとして思い出した

 そう言えば今、サラサとフタナが

 サウナを使っていたような・・・


 サウナ室から出てきたサラサとフタナは

 俺が居るのを見て驚いていた


 俺も驚いたが

 ちゃんと2人がタオルを巻いていて

 俺は良かったと安心した



ネル

『良かった、裸を見てないからセーフだ』


サラサ

『セーフであるかぁぁぁあ!!!!』



 サラサの叫び声は

 昼食のお菓子を作っていた

 ルーチアの耳にまで届いていた



ルーチア

『あら?、何かあったのでしょうか?』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-7 意味のない発明〉


▶︎グレット邸 ネル視点


 フィルプスの修理が終わったと

 オノマト博士は俺に報告をした


 修理を手伝った

 ノイリスの技術にオノマトは驚いたと言っていた



オノマト

『君が良ければ、レインオラクル国で

 本格的に魔装機を触ってみるのも良いかもね』


ノイリス

『ネルさん達にはお世話になっているので

 僕はもう少しこの場所で勉強を積んでいきます』



 ノイリスならば

 フィルプス四号機やマナリリアンの

 軽い修繕ならできるとオノマトは言った


 ノイリスはこんな場所で勉強するより

 魔装機技術の高いレインオラクル国に行った方が

 良いのかも知れないと俺は思ったが、

 ノイリスが選んだ事を口だしするのは

 少し違うと感じ 何も言わないでおいた


 面白い物が有ると

 オノマトは何かを取り出し

 俺達に見せた


 アケミやナナミは不思議な機械を見て

「何ですかコレ?」っと言った



オノマト

『コレは僕が発明した

 その人の年齢を判別できるマシンなのだよ』


アケミ

『へっ....へぇー』


ネル

『それって必要なのか?

 自分の年齢なんて調べても意味無いだろ』



 そうなのだとオノマト博士は笑いながら言った


 年齢を偽っていそうな人に

 コレを使い年齢を言い当てると

 皆怒るのだと嬉しそうに言っていた、

 この人 少し変だ


 試しにと

 アケミやナナミにその機械を使ってみると

 18歳のアケミと

 作られてまだ1年も経たない

 ナナミの年齢も見事に的中させた



アケミ

『ちょっと凄いかも』


ナナミ

『ですね』



 確かにアンドロイドのナナミまで

 年齢を言い当てられるなら凄い発明だ


 その時俺は思った

 待てよ?

 俺はこの体の年齢を15歳だと思っていたが

 本当の年齢を分かってはいない・・・

 だとすると

 この体を調べるチャンスなんじゃないのか?



ネル

『オノマト博士!!

 俺にもそいつを使ってくれよ!!』


オノマト

『いいよ〜』



 機械を俺の体に向け

 オノマトは俺の年齢を確認した



オノマト

『アレ?変だな?』


ネル

『どうしたんですか?』


オノマト

『年齢は分かったんだけど

 不思議な数字が残ったんだよ』



 年齢が分かった!? それだけで十分だ!!

 何歳だったんだと俺は聞くと

 オノマトは俺達に言った


 18歳だったと・・・


 え?18?

 ・・・・・・・・へ?


 それを聞いたアケミやナナミも驚いていた


 どう見ても子供の体なのに18歳?

 15歳より下だと思っていたのに



アケミ

『あんた・・・普通に成人じゃない・・・』


ナナミ

『もう少し下だと思っていました』


アケミ

『18歳のアンタが

 14歳の姫様と付き合ってるの?普通にキモイ』


ノイリス

『年下の女性に手を出すのはちょっと』


ネル

『仕方ないだろ!!

 この体の年齢なんて知らなかったんだから!!

 それに、俺はエレノアが大人になるまで

 手を出さず待つって決めてるからな!!』



 ギャーギャー騒がしい俺達を横に

 オノマト博士は言った、

 マナの高い男性で 体の成長が極端に遅い人も

 過去には居た歴史があるらしい


 自分の身長がコレ以上伸びないのではと

 俺は少し不安に思っていたが

 その心配は無さそうだ


 多分だが 俺のこの体は

 死んだ誰かの体を使い 今を生きている

 前の体の持ち主は

 マナの高い男性だった事になるな



ネル

『それで不思議な数字って何だったんだ?』


オノマト

『うーん全く分からない....年齢を表す数字の隣に

 0と1の不規則な羅列が並んでいる、

 壊れてしまったのかも知れない....

 もしかするとこの機械は

 当てにならないかもね〜』


アケミ

『何なのよそれ...』



 本当に18歳なのか そうでないのか

 答えは誰にも分からず終いだった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-8 ロマンチスト〉


 ある日の朝

 俺はディナガード国まで行き、デルク司令に

 魔族や俺の訓練用魔装機を盗んだ奴の

 情報がないのかディナガード城で話を聞いていた


 魔業教団を倒してから

 魔族や魔装獣は姿を見せなくなっていた・・・

 俺の訓練用魔装機が

 何処に行ったのか行方不明のままだ


 情報を聞き終え俺は屋敷に帰ろうとすると

 とある人が俺が住む屋敷に行きたいと言った


 俺はその客人をマナリリアンに乗せ

 アケミ達が待つ屋敷に戻った



▶︎グレット邸 ネル視点


 アケミとナナミは

 フィルプスを動かす練習をしていた


 俺は屋敷の前にマナリリアンを停め

 ディナガード国からの客人を降ろした



アケミ

『その人って確か・・・』


エレノア

『お久しぶりですアケミさんとナナミさん』


ナナミ

『ディナガード国のお姫様がどうして!?』



 デルク司令に会いに

 ディナガード城まで行った帰り道

 バッタリ廊下で出会した


 どうしても

 俺が住んでいる屋敷に遊びに行きたいと言われ

 デルクやナラに許可を取って連れてきたのだった


 俺はエレノアに屋敷の中を案内する事にした


 整備士のノイリスや

 メイドのルーチアを紹介したり

 蒸し部屋と呼ばれるサウナを教えたり・・・、

 サウナを見たエレノアは

「一緒に入りましょうね♪」っと言ってきたので

「大人になったらな!!」っと言い返した


 屋敷の案内を終え

 食卓で

 ルーチアが作ってくれたオヤツを食べながら

 皆でワイワイと話しをしていた


 エレノアは

 メイドのルーチアに趣味を聞いてみると

 ルーチアは言った、裁縫が趣味だと・・・

 それを聞いたアケミは

 とても興味がありそうにルーチアに質問した



アケミ

『もしかして

 私が簡単に言った服とかも作れちゃう感じ?!』


ルーチア

『材料と道具さえ有れば作れると思います』


エレノア

『私も作りたい物があります、

 皆様で何か作りませんか?』


ナナミ

『楽しそうで良いですね』



 女性達が楽しそうにしてる


 ノイリスは魔装機の勉強をしているので

 倉庫に戻ると言って行ってしまった


 女性達も裁縫道具を取り出し何か作っているし

 俺はどうしようかな・・・・・



 砂浜に行き

 海を眺めボーッとする事にした


 地球の海も この世界の海も変わらず綺麗だ

 見ているだけで時間が過ぎ去っていく・・・


 黄昏ている俺の隣に

 背の高いフードを被った男が現れた


 誰だ? 近くの村の人か?

 何だか怪しい人物に警戒していると

 男は海を眺め言った



怪しい男

『海は美しいな・・・

 全ての魂は空に帰ると言うが、

 残された魂は海を彷徨さまよているのかも知れないな』


ネル

『・・・・そうですね』



 なんてロマンチストに溢れた人なんだ

 ポエムを呟くのが好きなのかな?


 この人の空間を邪魔しては申し訳ない

 何も言わず話しを聞いてあげよう



ロマンチストな男

『空気はマナを取り込み空中を漂う、

 海は何を取り込み漂うのだろうか・・・

 海に住む生き物がマナを取り込んでいるのなら

 地上の生物達と変わらない・・・』


ネル

『・・・・・なるほど』


ロマンチストな男

『世界に流された多くの血を

 この海が流しているのかも知れないな』


ネル

『・・・・・』



 無言の空間が過ぎていく・・・

 何だコレ? この人いつまで喋り続けるんだ?


 連れらしき女性が2人現れ

 男は女性達と一緒に何処かに行ってしまった


 ロマンチストな男は最後に言った

「また会おうネル」・・・と


 俺の名前を知ってる!?

 ・・・少し焦ったが

 そう言えば俺は有名人だから

 名前を知られてても不思議ではない


 俺は一安心して屋敷に戻った



▶︎ロマンチストな男?


 俺は英雄のネルと接触した


 異世界人と呼ばれる特別な人間だと思ったが

 どうやら普通の人間と変わらない様子だった...


 奴は俺の考える計画を妨げる存在・・・

 だが奴は信念を持って

 俺を阻止できるのか確かめる必要がある・・・


 奴はコチラの人間では無い

 純粋な感情だけで

 歴史そのものを否定する事はできない・・・


 リーネア・・・お前が愛した人間と呼ぶ生き物が

 どれほど

 脆く弱い生き物なのか俺が証明してやる..



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-9 ドキドキ!海と水着と謎の瓶〉


▶︎グレット邸 ネル視点


 屋敷に戻ると俺は驚かされた


 地球で良く見る服装の

 アケミやナナミが目の前に立っていた


 ルーチアが作ったのか?

 何処にこんな材料があったんだ...



エレノア

『どうですかネルさん』


ネル

『エレノア!?』



 白いワンピースを着たエレノアに

 俺の脳は爆発寸前になっていた


 可愛い服装でモジモジとするエレノア

 どうしたのだろうか?何か言いたそうだが?



アケミ

『アンタにプレゼントが有るらしいわよ』


ルーチア

『エレノア様はネル様にと

 プレゼントをお作りになったのです』


ネル

『え?俺に?』


エレノア

『喜んで貰えると嬉しいのですが・・・』



 エレノアはとても可愛らしい

 マナリリアンのぬいぐるみを見せてきた


 なんだコレ!!本当にエレノアが作ったのか!?



エレノア

『ルーチアさんに少し手伝ってもらいました』


ネル

『とても嬉しいよエレノア!!

 ずっと大切にする!!』



 喜ぶ俺の顔を見てエレノアも喜んでくれた、

 嬉しそうな俺とエレノアに

 明日はもっと楽しい事を用意してると

 アケミは俺に言った


 楽しい事? 何だろう?


 その夜は

 デルク司令に許可を取り

 エレノアを屋敷に泊める事にした


 そして次の日

 寝起きの俺が応接間に向かうと

 とんでもない光景を見て驚かされた



ネル

『なんじゃこりゃ!!??』



 そこに居たのは

 水着を着たアケミやエレノア達だった!!

 どうして水着なんかを着てるんだ!?

 まさか・・・!!



アケミ

『泳ぎに行くわよ!!』


ネル

『へ?』



 俺は用意された男用の水着を着用して

 外のビーチに向かった


 どうやら

 ルーチアに水着を作らせていたようだ、

 あの人なんでも作れるんだな・・・


 ノイリスは魔装機の勉強をしたいと

 屋敷の中に閉じこもっていた、

 せっかくだからノイリスも楽しめば良かったのに


 俺がビーチに到着すると

 そこにはディナガード国の機士

 ナラ サラサ レベッカ フタナ

 レイナ ノノカ マルの7名が・・・

 更にローズストーン国の隊長達と

 レインオラクル国のナインも来ていた


 しかも皆

 ルーチアが作った水着を着ている・・・



ロニー

『アケミ君に呼ばれて遊びに来たんだ』


キサラギ

『タナミアに偶には休めと言われたから

 せっかくだから遊びに来たの』


アズサ

『この水着って呼ばれる服は

 下着みたいで恥ずかしいわね』


ココ

『ねーねーネル見て見て、可愛いい?』



 状況が読み込めないが

 どうやらアケミやエレノアが

 皆を呼び集めたらしい


 全員分の水着を作ってたなんて・・・


 ん? ディナガード国の機士が

 皆この場所に来てて大丈夫なのか?

 ディナガード国の機士の多くが

 オタエと呼ぶ女に殺され

 残ったのはナラ達を含め7人だけだ...

 機士の全員がこの場所に居て良いのか?


 どうやらココのアメジスト隊が

 ディナガード国の防衛をしてくれてるらしい。

 いつも忙しいディナガード国の機士に

 休暇を取らせる為にと



ネル

『ナインも来たのか』


ナイン

『キサラギに無理矢理な・・・』


キサラギ

『偶には良いじゃない』


ノノカ

『皆さんで休暇を取れるなんて凄く嬉しいです』


フタナ

『食材も沢山買って来たから

 夜はバーベキューパーティーだよ』


ナラ

『なんだか変な気分ですね』


レイナ

『機士の皆さんが

 勢揃いする事なんて滅多にありませんからね』



 確かに皆が揃うのは珍しいな


 そう言えばリオンとアランは来てないのか?、

 俺がその事をロニーに聞くと

 2人はローズストーン国に残るので

 休暇を楽しんでと言ってくれたそうだ


 何だよ アイツらも来たら良かったのに、

 男が俺だけで少し居心地が悪い・・・


 それにしても・・・

 俺はレベッカやキサラギの水着を見た、

 彼女達はとても大きく

 漫画やアニメでしか見ない

 特大のメロンを実らせていた


 俺は少し鼻の下を伸ばすと

 左右からエレノアとココが俺の頬をつねった



エレノア

『ネルさん!!』


ココ

『こっちも見て』


ネル

『痛い痛い、ごめんなさい』



 男の生理現象で見てしまったが

 俺の愛してるのはエレノアだけなんだ

 信じてくれと謝ったが、

 エレノアは凄く不機嫌そうな顔をしていた


 俺がバカな事をしていたら

 女性陣達は皆海の中に入っていた


 泳げないココとナナミは砂の城を作り

 俺とエレノアは2人で

 遊ぶ皆を砂浜から眺めていた


 飲み物や軽い食事をルーチアが運んできてくれ

 俺は最高のひと時を過ごしていた



エレノア

『皆さん楽しそうですね』


ネル

『だな』



 白い空に青い海

 まるで楽園みたいだ


 3人で水を掛け合うレイナにノノカとマル、

 ノノカは足元に流れて来た瓶を拾い

 レイナとマルにそれを見せた



ノノカ

『何でしょうかコレ?

 不思議な文字が書かれていますね?』


マル

『蓋が閉まってるから開けてみたら?』


レイナ

『こんな危険そうな蓋開ける訳無いでしょ』


ノノカ

『そうですよ』



 笑う3人、

 ノノカが持っていた瓶は黒いオーラで輝き始め

 それに気付いた機士達はノノカ達を観た


 俺やエレノアも

 その光景を砂浜から観ていた



ネル

『何だ!?』


ナイン

『何だこの光は!!』


ロニー

『この感じ何処かで・・・』


レイナ

『ノノカ!!直ぐにそれを捨てて!!』


ノノカ

『はっはい』



 だが

 もう遅かった


 ノノカが持っていた瓶は真っ二つに割れ

 中から怪しい煙が吹き荒れた


 皆は目を閉じ

 数秒後、煙は何処かに消えていた



ナラ

『皆さん大丈夫ですか!?』


レベッカ

『大丈夫そうですわ』


マル

『ふぅー、何だったの今の?』


レイナ

『ノノカもマルも大丈夫!?・・・ノノカ?』



 瓶を持っていたノノカの眼の色は変わり

 自分の手や足を眺めていた


 ノノカの様子が変だとレイナは気がつき

 マルと一緒にノノカの名を呼んだ



ノノカ?

『ノノカ?・・・そうか、

 それがこの子の名か・・・』


マル

『ノノカどうしたんだよ、変だよ』



 この光景何処かで見覚えがある!!

 それを知っていた俺とロニーは

 今のノノカから離れるよう叫んだ!!



ネル

『レイナ!!マル!!逃げろ!!』


ロニー

『今のノノカ君はノノカ君では無い!!』


レイナ

『そんな....』



 ノノカは周りの機士達を眺め

 不気味な笑みを浮かべ 自分の正体を明かした



デュワラード

『私の名前はデュワラード、

 長きの封印から目覚めし魔神、

 初めまして人類種の者達よ』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-10 神に作られし美の体〉


▶︎グレット邸 ビーチ


 魔神と名乗ったデュワラードを見て

 ネルとロニーの顔色は悪くなっていた



ネル

『最悪だ・・・

 まさかまた魔神が現れるなんて・・・』


ロニー

『私達は魔装機を持って来ていない・・・

 前の時だって私は

 魔神を倒す事はできなかった・・・』



 ネルとロニーが戦った魔神ディムロスは

 アメジスト隊のウェルチの体を乗っ取り

 ロニーの女帝機クレオパトラを奪い

 ネルのマナリリアンと戦った


 ネルとマナリリアンの力で

 ウェルチの体を取り戻す事には成功したが

 ウェルチは

 意識不明の寝たきりの状態になってしまった


 ノノカの親友であるレイナとマルは

 泣きながらデュワラードに叫んだ

 私達の親友を返してと..



レイナ

『ノノカの体を返して!!』


マル

『ノノカ!!返事してよノノカ!!』



 ナインは、御信用で持ってきた剣を構え

 キサラギは魔法を使い魔神に攻撃した


 キサラギの魔法を避けた魔神は

 ナインの剣を受け止め言った

「よせ、お前達の仲間を傷付ける事になるぞ」



ナラ

『なんて事を・・・』


デュワラード

『私の目的は君達人類種と戦う事では無い

 ある目的を果たせばこの者の体を解放しよう』


ネル

『目的だと...?』



 デュワラードはノノカの体を弄り

 駄目だなと呟いた


 デュワラードはノノカの水着を脱ぎ捨て

 ハズレの肉体を手に入れてしまったと嘆いた


 ネルはノノカの裸を見てしまい

 エレノアに力強くビンタをされた


 顔に直撃したビンタに

 ネルはその場で気絶してしまった



サラサ

『アンタ何してんのよ!!』


デュワラード

『私の目的・・・それは!!

 神が作られし美の肉体!

 人族の体を堪能する事だ!』


フタナ

『はい?』



 デュワラードは

 胸の大きいレベッカとキサラギを指差し

「とても素晴らしい 正しく美の肉体」と言った


 逆に 胸の小さい者達を見たデュワラードは

「嘆かわしい肉体よ」っと言っていた



ナラ

『な!?』


アズサ

『舐めやがって!!』


ナイン

『皆で一斉に攻撃するぞ』



 デュワラードは手を広げ

 自分に攻撃をしようとした者達を

 魔法で動きを止めた



レベッカ

『かっ体が...』


キサラギ

『強い魔力で動きを封じられている...』


デュワラード

『君達の力では私を倒すのは不可能だ』



 とても強力な力に

 機士達は手も足も出せず 歯を噛み締めていた


 ディナガード国の姫エレノアは

 ゆっくりと魔神に近づいた


 ディナガード国の隊長ナラは

 エレノア姫を呼び止めようと声を張った


 大丈夫ですとエレノアは言い

 ノノカの体を乗っ取った魔神の目を見て言った



デュワラード

『嘆かわしい肉体の者よ、私に何用だ?』


エレノア

『貴方の目的が叶ったのなら

 ノノカさんの体を返してください!!』


デュワラード

『無論そのつもりだ

 願いが叶ったのなら私は人に危害を加えん』


サラサ

『それで具体的に何がしたいのよ?』


デュワラード

『神が作りし美の肉体を私は堪能したい!!

 お前達は服を脱ぎ捨て

 本来有るべき姿を私に見せ!

 その体を自由に触らせるがよい!!』


ロニー

『・・・何て事だ...』


アズサ

『サイテー』


アケミ

『女の敵だ』


レベッカ

『下品ですわ』



 女性達はブーブーと魔神に文句を言い始めた


 メイドのルーチアは

 自分の体で良ければと肌を見せようとしたが

 アケミとナナミがそれを阻止した


 変態 痴漢 欲望丸出し魔神と罵声を聞かされ

 デュワラードは仕方なく次の案を出した



 今この場には

 デュワラードが操るノノカを除き

 15名の女性達が居る


 5名に別れ 3つのチームを作り

 今から行う種目に負けたチームが

 デュワラードに体を好きにされるゲームをすると

 全員に言った


 コレなら

 恥ずかしい思いをする者は15人中5人

 半分以下だとデュワラードは話した



ナイン

『なるほど、それならフェアだな』


アズサ

『納得するな!!』


ロニー

『しかし、奴の力は本物だ。

 奴を怒らせて戦うより

 言う通りゲームをした方が良いかも知れないよ』


ナラ

『それはそうですが・・・・』


サラサ

『絶対嫌なんだけど...』



 しかし

 どうする事も出来なかった皆は

 3つのチームに別れ ゲームをする事にした


 エレノア姫やアケミ達が集まるチーム

 チーム名は海辺のティアラ

 エレノア、ナラ

 アケミ、ナナミ、ルーチアの5名のチーム


 チーム名はエレノア姫が考えた



ナラ

『エレノア様は私が護ります!』


アケミ

『アイツに好き勝手されるなんて嫌だから』


エレノア

『皆さん頑張りましょう』


ナナミ

『私も頑張ります!!』


ルーチア

『屋敷のメイドとして全力を尽くします』



 続いてのチームはサラサやレベッカ

 ディナガード国の機士で結成されたチーム

 チーム名はプリティーガール

 サラサ、レベッカ

 フタナ、レイナ、マルの5名のチーム


 チーム名はサラサが考えたそうだ...



レベッカ

『プリティーガールって....』


マル

『うわ〜』


フタナ

『サラサってネーミングセンス無いよね』


サラサ

『考えてって言われたから

 仕方なく考えたのに何よその態度!!』


レイナ

『わっ私は好きですよサラサさん!』



 最後のチームはローズストーン国と

 レインオラクル国の隊長達で組まれたチーム

 チーム名はストロングファイア

 キサラギ、ナイン

 ロニー、アズサ、ココの5名のチーム


 チーム名はナインが考えた



アズサ

『マナの高いチームなんだから

 負ける心配は無さそうね』


ロニー

『油断してると私達が裸になる羽目になるよ』


ナイン

『まさかキサラギと共に戦う事になるとは』


キサラギ

『私達の全力を見せましょう』


ココ

『・・・・・』



 無言のココに

 ロニーはどうしたのかと尋ねた


 ココはキサラギにロニー

 それとナインの胸を見て、

 キサラギ達が胸を見せれば

 あの魔神は満足して帰るのではと言った


 ココの言葉を無視して

 キサラギ達は魔神デュワラードを観ていた


 3つのチームに別れ

 いよいよ 海辺のゲームが始まろうとしていた


 勝負に負けるのはどのチームなのか

 女性達による真剣勝負の幕が開かれる!!



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-11 海の運動会〉


 海から流れてきた瓶を拾ったノノカ、

 しかしその瓶は

 魔神が封印されていた瓶だったのだ....


 魔神の封印は解き放たれ

 デュワラードと呼ぶ魔神はノノカの体を乗っ取り

 機士達の前に現れた・・・


 魔神デュワラードの力は

 機士達の魔法を軽々しく跳ね除け

 実力の差を見せつけた


 デュワラードは機士達に言った

「ゲームをしようと」


 デュワラードの目的は

 神が作りし美の体、

 女性の裸体を堪能する事だった


 3つのチームに別れ

 負けたチームが

 デュワラードに裸体を好きにされる、

 そんなゲームが今始まる!!


 女性として負けられない

 女の意地の戦いが始まるのだ!!




▶︎第1種目 砂の城


 最初の種目は

 ビーチの砂を使い砂の城を作る競技、

 より凄い砂の城を作ったチームに

 1ポイントが加算される


 最初の種目に挑戦するのは


 エレノア姫のチーム

 海辺のティアラからルーチア


 ディナガード国の機士達で組まれたチーム

 プリティーガールからはフタナ


 レインオラクルと

 ローズストーンの機士達で組まれたチーム

 ストロングファイアからはココ


 以上3名が挑戦する事に...



フタナ

『遊びの類なら得意なんだよね』



 負けたくないと思っていた

 サラサやレイナ達は

 チームのフタナの応援をしていた


 3名の準備が完了したので

 競技開始の号令をデュワラードが仕切った



 競技が始まると

 手慣れた手付きで砂のお城を作るフタナ、

 フタナは砂の城を作りながら

 任務中の暇な時間で

 こう言った遊びをしていたと皆に教えた


 それを聞いた隊長のナラは

 少し不機嫌そうな顔をしていた



サラサ

『任務中に遊んでたのは褒められないけど、

 この際だから関係無い!!頑張れフタナ!!』


レイナ

『ナラ隊長怒ってますけど・・・』



 制限時間が来て

 手を止めろ!と、砂の城を作っていた者達に

 デュワラードは言った


 フタナの作った砂の城は

 一般的な人が作る物とは明らかにレベルが違い

 芸術品とも呼べるレベルの代物だった



 自信満々だったフタナだったが

 隣で砂の城を作っていた

 ローズストーン国のアメジスト隊隊長の

 ココが作った砂の城は、

 フタナの作った物よりレベルが高く

 誰が見てもココの作った砂の城の方が

 凄いと思えるレベルの物を作っていた


 更に

 その隣で作っていたルーチアの砂の城は、

 もはや砂の城と呼ぶレベルの物では無く

 砂の王国と呼べるレベルの

 芸術品を超えた物を作っていた・・・



ココ

『おぉー、凄い』


フタナ

『う....嘘でしょ....』



 最初の種目に勝利したのは

 ルーチアのチーム 海辺のティアラだった


 絶対に勝利を確信していたフタナは

 その場に跪いてしまった



▶︎第2種目 ビーチフラッグ


 次の種目はビーチフラッグ、

 砂の山に立てられた旗を

 先に掴んだ者が勝利するゲーム


 このゲームには

 アケミ レベッカ ナインの3名が挑戦する事に


 スタート合図まで

 3人は砂浜の上に寝そべり顔を伏せていた


 その光景を見ていたデュワラードは、

 女性陣の素晴らしいボールが

 砂の上に乗っかり

 膨らみを感じさせる曲線美に

「おぉ」っと言う声を出していた



アケミ

『あの変態魔神絶対に許さない』


レベッカ

『イヤらしい目付きが気持ち悪いですわ』


ナイン

『・・・・・』



 ナインは魔神の動きに注目していた


 隙を見せれば攻撃して

 倒そうかとも考えていたが


 デュワラードは隙を見せる所か

 自分の身すら護っていない様子だった、

 不意打ちの攻撃にも

 倒されないと思える気迫を感じた


 スタートの合図を

 デュワラードが3人に言うと、

 アケミ達は一斉に立ち上がり

 フラッグを取りに砂の上を走った



 この種目、アケミには自信があった


 学生時代

 部活の走り込みをやり続けていたアケミは

 走る事には自信が有り

 負ける事は無いと思っていたが


 アケミの後ろから

 猛スピードで駆け抜けるナインは

 ビーチフラッグを2人より先に手に掴んだ



ナイン

『簡単なゲームだな』



 ナインに負けた事がアケミは悔しかった、

 誰に負けてもいい、だけど

 この女にだけは負けたく無かったと思っていた


 レベッカは大きな胸を揺らせながら

 ヒィヒィと息を切らしながら走っていた、

 もう試合が終わった事に気付かず


 足の遅いレベッカを見て

 サラサとフタナは無言でレベッカを見ていた



デュワラード

『素晴らしい』



 その光景を見て 魔神は感激していた



▶︎第3種目 宝石探し


 次の種目は宝石探し、

 水面に投げられたオモチャの宝石を

 より多く集めた者が勝者と成るゲーム


 この種目には

 ナラとエレノア

 レイナとマル

 ロニーとアズサの6名が挑戦する事になった


 最年少のエレノアや

 レイナにマル、アズサの体を見た魔神は

「悲しき肉体達が多いな」っと言い

 レイナ達を少し怒らせた



ナラ

『お任せくださいエレノア様、

 このゲーム私が多くの宝石を集めます』


アズサ

『ディナガードの人達に負けてられない、

 ロニー!!、全力で行くわよ!!』


ロニー

『波に流された宝石を集めるのは大変だよ?』



 ロニーの言った通り

 投げられた場所だけを記憶しても

 水中では何が起こるか分からない


 より多くの範囲を探すスピード力と

 洞察力が必要となる


 スタートの合図を聞き

 レイナは相棒のマルに言う


 スピードを上げる魔法を使い

 浅瀬の宝石を全て集める用にと



アズサ

『あ!?ズルイ!!、

 私達もスピードを上げるわよ!!』


ロニー

『本気だねアズサ君は』


ナラ

『私だって...』



 アズサやロニーに

 ナラもスピードアップの魔法を使い

 宝石を探すが


 マルのスピードにはついて行けず

 宝石を次々と取られていく


 レイナは分かっていた

 クイーン級の魔女やナイト級の魔女にも負けない

 マルの速さを


 更にレイナは海の流れを見て

 流れてくる宝石を集めていった


 この種目は

 レイナとマルのコンビが圧勝した、

 レイナの計算とマルの速さが勝利を掴んだ



ナラ

『すみませんエレノア様』


エレノア

『大丈夫ですよナラ、

 勝負はまだ終わってないのですから!!』


アズサ

『何なのよアイツら...』


ロニー

『完全敗北だね』



 こうして

 女性達の勝負は続いて行くのだった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-12 全ての肉体に意味がある〉


 美の肉体を持つマーメイド(女性)達が

 砂浜の上で勝負を重ねる事数時間が経過


 ビーチバレーや水泳

 砂浜崩しと言った何個もの種目を重ね

 遂に最後の種目がやって来たのだった



▶︎最終種目 バランスゲーム


 バランスゲームとは、

 水面の上に置かれた揺れる小さな丸い足場に

 片足だけでより長い時間

 立っていられた者が勝者と成るゲーム


 アンドロイドのナナミは

 海に落ちると壊れてしまうので

 ナナミ以外の全員が参加する事になった


 コレまでの成績は全チーム同得点

 このゲームに最初に負けたチームが

 罰ゲームを受ける事になった


 ブーブーと女性達が文句を言う中

 メイドのルーチアは

 ゲームに参加しないナナミに頼み事をしていた



ルーチア

『屋敷の中に、昔旦那様が用意していた

 世界一強力な魔物避けの聖水瓶が有ります、

 もしかするとその聖水で

 あの魔神を倒せるかも知れません』


ナナミ

『分かりました

 私がその聖水瓶を持ってきますね』



 全員は小さくてユラユラと揺れる足場に乗った


 バランスを保つだけで一苦労なのに

 片足だけでバランスを守るのは困難だと思った


 しかし

 この勝負に負けると

 魔神にどんな辱めを受けるのか分からない

 下手をすれば

 お嫁に行けなく成るかもと思っていた



エレノア

『もし負けたら、私はどうなるのでしょうか...』



 不安に思うディナガード国の姫エレノアに

 機士隊長のナラは大丈夫ですと安心付けた


 小さな少女が不安に成っているのを見て

 魔神は安心する様に皆に言った


 安心しろ

 私の目的は大きく実った豊満な肉体

 小さく何も無い者達には手を出さ無いと


 それを聞いた貧乳の女性達は

 少し安心したが、

 時間と共にドンドンと腹が立ってきた



デュワラード

『それでは最後の種目を開始する、

 バランスゲームスタートだ!!』



 片足でバランスを取る女性達、

 運動が苦手なレベッカやエレノアは

 早々とバランスを崩し海に落ちて行く


 レベッカと同じチームの

 サラサとフタナはレベッカにヤジを飛ばす



サラサ

『ちょっと!!何してんのよレベッカ!!』


フタナ

『大きなオッパイでバランス崩したんじゃ無い?』



 顔を赤らめ悔しそうなレベッカは

 エレノア姫を連れ砂浜に戻って行く


 数分、数十分が過ぎ

 女性達は何とかバランスを保てていた


 そんな時だった

 屋敷に行っていたナナミが

 効力の強い聖水の入った瓶を手に持ち戻ってきた


 機士達は

 ナナミが持っている物が聖水だと気が付き

 ナナミが何をしようとしてるのかを理解した



キサラギ

『アレは!?、

 伝説と呼ばれる魔物避けの聖水!!』


ナイン

『なるほど、アレを使い魔神を倒すのだな』


ルーチア

『ナナミ様、瓶を魔神にお投げください!!』



 エイ!!っと掛け声を出し

 ナナミは聖水の入った瓶を天高く投げた


 しかし魔神は

 ナナミが何をしようとしていたのかを

 見透かしていたのだった


 魔法の力を使いながら手の平を握り潰すと

 空中を飛ぶ瓶は破裂して

 瓶の中に入っていた聖水は

 辺り一面に飛び散ってしまった


 多少の聖水を受けた魔神だったが

 強い魔物避けの聖水を受けても

 平然と前を向いていた



サラサ

『そっそんな...』


レイナ

『全く効果が無いなんて...』


ロニー

『アイツは無敵なのか・・・』



 女性達の絶望の顔を見て

 魔神は空高く笑い出した



デュワラード

『ハッハッハ、

 この程度で私を倒そうと考えていたのか、

 数百年と言う時の中で

 人間はこうも弱い生き物になったのだな、

 もう諦めて私に・・・ッ!!??』



 デュワラードが前を見ると

 聖水を浴びた女性達の水着が

 次々と溶け始めていった


 効力の高い聖水は

 衣服を溶かす性質を持っていたのだった


 目の前に広がる神が作りし美の数々...

 それを見たデュワラードは気付かされた、

 美しさに 大も小も存在しない

 全ての肉体が等しく同じ

 1人1人の肉体に美が存在するのだと...


 魔神は鼻血を吹き出しながら倒れた

「美しきオッパイ...」と言いながら



 水面に倒れるノノカをレイナとマルが助けた



レイナ

『大丈夫ノノカ!!返事して!!』


マル

『もう勝手にお菓子食べないから

 帰って来てよ!!お願いだよ!!』



 レイナとマルの呼び掛けに

 ノノカはゆっくりと目を開け

 2人の名を呼んだ



ノノカ

『レイナさん...マルさん...、

 どうして裸なんですか?』



 魔神の洗脳が解かれ戻って来たノノカに

 レイナとマルは抱き付きながら泣いて喜んだ


 変な形にはなったが、

 女性達は魔神デュワラードを倒したのだった



 この騒動に巻き込まれていたネルは

 殴られて気絶していたので

 どうやって魔神を倒したのかを知らず

 誰からも詳細を教えてもらえなかったのだった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈74-13 復活のエロ魔神〉


▶︎グレット邸 ネル視点


 魔神デュワラードを倒した俺達は

 屋敷の庭でバーベキューをする事になった


 屋敷の中には

 サウナ室や大きい風呂もあるので

 体を休めるには最適だ


 だったのだが.....、

 どうやって魔神デュワラードを倒したのか

 誰も俺には教えてくれなかった


 なぜだ?

 魔神の倒し方が魔族の奴らにも

 有効かも知れないのに・・・・・


 無駄に疲れてしまった俺は

 自分の部屋で

 エレノアが作ってくれたマナリリアン人形を

 抱きしめながら横になっていた



ネル

『本当に良くできたぬいぐるみだ、

 完璧にマナリリアンをデフォルメ化出来てる』



 マナリリアン人形を見つめていたら

 ぬいぐるみの目が光

 マナリリアン人形は俺の脳に直接話しかけてきた



マナリリアン人形

『魂の拠り所を探していたら

 まさかこの様な形で復活するとはな』


ネル

『この声はまさか!?』



 間違いない、コイツはさっきの魔神

 デュワラードの声だ!!


 デュワラードは倒したハズじゃ無かったのか?

 まさか

 魂をこのマナリリアン人形に宿したってのか!?


 俺の考えは当たっていた、

 デュワラードはマナリリアン人形を乗っ取り

 復活してしまったのだった



デュワラード

『この体では身動きが取れない

 ネルと言ったな?、どうだ私と協力して

 美の世界を覗き見ないか?』


ネル

『どう言う意味だよ・・・』



 屋敷内のサウナ室や大浴場の

 存在を知っていたデュワラードは

 マナリリアン人形をその場所に置き

 女性達の裸体を堪能しようと言ってきた


 今のぬいぐるみの体では

 手も足も動かす事が出来ない、

 俺の力を借りたいそうだ



デュワラード

『時が経てば私の魔力が戻る、その時

 私の力を使い好きな女性と好きな事を

 沢山させてお前の願いを叶えてやろう。

 どうだ?魅力的だろ?』


ネル

『ふざけやがって!!

 誰がそんな事許すかよ!!』


デュワラード

『男なら男の欲望に正直になれ、

 女性との快楽はこの世の全ての理ことわりより

 優先される感情だと知っているのだ』


ネル

『誰もが変態だと思うなよエロ魔神が!!

 俺はお前を倒しエレノアやアケミ達を護る!!』



 俺はマナリリアン人形を殴ると

 デュワラードは痛いと叫んだ


 どうやら

 痛みは直接魔神に届いているようだな


 今は魔力が無いと言っていた

 このまま殴り続ければ

 この魔神を倒せるのではないのか?



デュワラード

『無駄な事は止めろ!!

 諦めて私と一緒に快楽に溺れよう!!』


ネル

『お前の変態パワーが勝つか

 俺の正義パワーが勝つか勝負だ!!』


デュワラード

『この程度で私は倒れん.....

 絶対にもう一度、美の肉体を見尽くすのだ!!』




▶︎グレット邸


 外でバーベキューを楽しんでいた女性達


 1人部屋にこもるネルに

 一緒に食事を食べようと

 呼びに来たサラサとレイナだったが


 ネルの部屋を開けると

 とんでもない光景を目にするのだった



サラサ

『入るわよ』


レイナ

『ネルさんも一緒に食事を食べませんか?

 ロニーさんが用意してくれたお肉が絶品ですよ』



 部屋の中に入ると

 ネルはマナリリアンのぬいぐるみを

 ひたすらに殴り

 独り言を言いながら暴れていた



ネル

『どうだ!!参ったか!!

 俺の攻撃はまだ終わっちゃイネェゾ!!』



 ぬいぐるみ相手にそう言いながら

 何度もパンチを繰り出すネル


 ネルは必死だったのか

 部屋に入って来たサラサ達には気付かず

 一心不乱にぬいぐるみをパンチする



サラサ

『何やってんのよコイツ...』


レイナ

『屋敷のお風呂とサウナ借りますよ、

 皆さん疲れてますから...』



 返事が返って来ないネルを無視して

 サラサ達は部屋の扉をそっと閉めた



▶︎グレット邸 ネル視点



デュワラード

『まさかこの私が、この程度で消滅するとは....

 私は・・・私の美の肉体は・・・・・』



 魔神デュワラードは

 悲鳴を上げマナリリアン人形の中で消滅した


 ・・・・・俺は魔神を倒したのだ


 女性達の平和を護れたのだ....


 俺と魔神の激闘を誰も知るよしは無く

 俺は疲れ果てベットで眠ってしまった


 その夜 夢を見た


 水着のアケミやエレノア

 機士の皆がビーチで何かをやっている・・・

 砂の城を作ったりビーチフラッグをやったり


 ナナミが持って来た聖水を浴び

 女性達の水着が溶け哀れもない姿に・・・・


 コレは魔神の呪いだ、

 奴は俺に呪いをかけて

 俺の心を揺さぶろうとしてるんだ


 モンモンとさせながら

 俺は夜を過ごすのだった


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