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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 9章
83/120

9章 生まれたこの世界は 69話-逃げ場のない薔薇

〈69-1 利口な生き物〉


 ローズストーン国から遠く離れた森の中

 夜の暗闇が辺りを支配するその場所に

 白い服を着た女性2人と

 牢獄から逃亡した山賊達、

 デッドデスターの女達が森の中を歩いていた



▶︎ローズストーン領 森の中


 ローズストーン国は

 魔装機大会で盛り上がる中

 デッドデスターの仲間達は

 リーブラとスコーピオの手を借り

 ローズストーン国から逃げ出す事ができた


 牢獄から脱出でき喜ぶ者や

 美味しい務所の食事が明日から食べられないと

 嘆く者もいた


 デッドデスターのリーダードライゴンは

 リーブラとスコーピオに聞く、

 いつまで歩けばいいんだ!!

 何処に向かってるんだ!!そう強い口調で..



スコーピオ

『黙って付いて来い』



 言われるがままの山賊達


 デッドデスターのバーナビーは

 ママのドライゴンに言う

「良いじゃないかママ!!

 コレでアイツらにリベンジ出来んだからさ!!」


 喜ぶバーナビー達だったが

 ドライゴンは嫌な予感を感じていた



 しばらく森を歩くと 開けた場所に到着した


 そこには

 レインオラクル製の魔装機

 バスタードが3機並べられていた


 バーナビーはその魔装機を見て喜び

 この魔装機をくれるのか?と白い服の女に聞いた



リーブラ

『ハイ、差し上げます』


バーナビー

『よっしゃ!!、魔装機さえ有ればこっちの物だ』


リーブラ

『ただし...』



 リーブラが話し出そうとした時だった

 森の奥から

 見た事も無い白い魔装機が2機現れた


 山賊達はアレは何だと疑問符を浮かべ

 ドライゴンは大量の汗を流していた


 現れた白い魔装機の正体は

 魔業教団のジェミニとタウラスだった


 ジェミニはリーブラに聞いた

 コイツらが駒に使って良い奴らなのかと



リーブラ

『そうです..後はジェミニとタウラスに任せます』


スコーピオ

『コレで私達の仕事は終わりだ』


バーナビー

『は?駒?、何言ってんだテメーら』



 ジェミニはバーナビーの反応を見て

 アハハと笑い始めた


 駒だとか訳の分からない事を言われ

 挙句 そんな自分達を笑い始めた謎の女に

 デッドデスターの仲間達は怒り始めた

「なんだお前ら!!ふざけんな!!」

「私達を利用しようとしてんのかい!?」


 雑魚のうるさい声に

 ジェミニは笑うのを辞め イライラとさせた



ジェミニ

『うるさいな駒の分際で...

 タウラス、全員殺して良い?』


タウラス

『ダメだ、コイツらには利用価値がある』


バーナビー

『気に入らねー野郎だ!!

 ダミリア!!ザシャータ!!魔装機に乗れ!!

 コイツらぶっ倒すぞ!!』



 ダミリアとザシャータは

 返事をしてバスタードに乗った、

 仲間の山賊達も

 バーナビー達の応援をして

 謎の白い魔装機を倒せと思っていた



タウラス

『すんなりと受け入れて貰えるとは思わなかったが

 こうも簡単に

 用意した魔装機に乗って貰えるとは』


ジェミニ

『その魔装機はね、歯向かう者を

 見せしめにする為に用意した魔装機なんだよ。

 こっちの実力を

 貴方達見たいな馬鹿に教えてあげる為にさ』


バーナビー

『その生意気な口を聞けなくしてやるよ!!』



 ジェミニはタウラスに言った

 この子達は私が殺るから手を出すなと


 自分勝手な事を言うジェミニだったが

 タウラスは分かったと返事をして

 自分の乗る魔装機を後ろに下がらせた


 ジェミニの魔装機メルクリウスは

 バーナビー達の乗ったバスタードを前にして

 両手を広げ 掛かってくるように挑発する


 いつまでも生意気でイラつかせられる相手に

 バーナビー ダミリア ザシャータの3名は

 バスタードを動かし

 メルクリウスを倒そうとした


 だが....


 デッドデスターの皆は怯えた、

 圧倒的なメルクリウスの力に

 バーナビー達は何も出来ず倒されていた


 ザシャータの事が好きだったチュイは

 目の前で好きな人が殺され

 地面に膝を付け怯え泣いていた



ジェミニ

『弱いな〜、マナリリアンと戦った後じゃ

 何にも楽しくないや』


タウラス

『終わったな、

 他に何か言いたい者はいるか?』



 デッドデスターのボス

 ドライゴンはふざけるなと白い服の女達に怒った


 最初にやって来たリーブラとスコーピオは

 デッドデスターに有益な情報を与え

 ローズストーン国の機士とぶつけようとした


 次は私達を助け、駒とし使うと言い出した!!

 自分達は

 この者達の手の平で踊らされていたと知り

 ドライゴンの怒りは限界を超えた



ドライゴン

『アンタら、コレが目的で最初から!!』


スコーピオ

『そうだ、お前達はこの世界の駒の1つ

 世界を変革させる味付けに過ぎない』


リーブラ

『貴方も私達と一緒に

 この世界の1つになるのです』



 ドライゴンは魔法を放ち

 リーブラとスコーピオを殺そうとしたが

 謎の壁が2人を守り

 スコーピオは手の平からレーザーを放ち

 ドライゴンの顔を吹き飛ばした


 見た事も無い魔法に

 山賊達は更に怯え始めた


 この者達に逆らえば殺される

 逃げても殺される 戦っても殺される


 その事がわかると

 山賊達は皆動かなくなり

 その者達の言う事をすんなりと受け入れた



ジェミニ

『アハハ、負けると分かったら大人しくしてさ

 可愛いじゃん人間って』


タウラス

『リーブラ、スコーピオ、後は私達に任せ

 この事をアリエスに報告してくれ』


スコーピオ

『分かった、後は任せたぞジェミニ、タウラス』



 デッドデスターのボス ドライゴンを殺され

 メンバの中で1番強かったバーナビー達も

 手も足も出せず白い服の女に敗れた


 絶望するチュイは

 コレから自分達がどうなるのか

 恐怖で何も考えられずにいた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-2 0819〉


 目の前で沢山の仲間

 その仲間達が次々と殺されていく、

 闇の商人として働いていたレイは

 悪夢を見ていた


 レイは

 レインオラクル国で作られた量産魔女と呼ばれる

 親が存在しない人工的に作られた魔女


 量産魔女は沢山の数を作られたが

 多くは実験の失敗として廃棄処分された


 最後に生き残ったのはレイただ1人、

 レイは同じ仲間達が死んでいく姿を

 悪夢の中で永遠と見させられていた



 貴方だけ生きててズルイ


 貴方もコチラに来るべき


 貴方の居場所はそこじゃ無い


 貴方だけどうして 私達を見殺しにした

 逃げた卑怯者 私達は生きてちゃいけない存在

 どうして、貴方は、私達に、・・・・・・・



レイ

『違う!!私は!!』



 暗い部屋の中で目を覚ましたレイは

 またあの夢だと溜め息を吐き

 ベッドから起き上がった


 闇の商人として

 裏のルートで魔装機を売っていた

 量産魔女のレイと魔装機学者のソオジ


 2人はお互いの素性を明かさず

 自分達が生きる為に日々を過ごしていたが

 ある日現れた魔業教団のタウラスとジェミニに

 2人は半ば強引に魔業教団に連れてこられ

 手を貸す事になった


 魔業教団と手を組んでから

 昔見ていた夢の続きを見るようになっていた


 あんな悪夢見たく無いのに...

 そう頭を悩ませていた



魔業教団員

『お目覚めですかレイ様、教主様がお呼びです』


レイ

『・・・・分かったわよ...』



 教主様....魔業教団のリーダー

 ラプラスと名乗る女性


 そんなラプラスに何故呼ばれたのか

 少し気になっていたレイだったが

 逆らえば

 自分とソオジが何をされるのか見当も付かない、

 ここは大人しく

 奴らの言う事を聞くしかなかった...


 教主ラプラスの部屋の前に到着すると

 レイは着ていた衣類を脱ぎ始めた


 教主様の部屋は

 神聖なる空間 衣服の着用を禁じられている

 そう教えられたからだ


 大方

 武器や何かの毒物を持ち込まれるのを

 防ぐ為なのだろうが....そうレイは考えていた


 衣類を脱ごうとすると魔業教団の手下が

「今回はその必要はありません

 そのまま教主様の部屋にお入りください」

 そうレイに頭を下げ言った


 どう言う事だ? いつもと何かが違う...


 言われた通り

 服を着たまま教主ラプラスの部屋に入るレイ


 部屋に入って二つ目の変化に気付いた


 匂いだ...あの悪趣味な感覚を狂わす匂いが無い



ラプラス

『良く来たなレイ』


レイ

『・・・・・』



 衣服を着ている姿を見た事無かったラプラスが

 薄い羽衣を見に纏いレイの前に現れた


 全てが変だ...

 いつもと何もかも違う...

 レイは警戒し続けた、身の危険を感じ


 黙ってラプラスの顔を見るレイに

 ラプラスは警戒を解くように言った

 お主には危害を加えない 安心しろと



レイ

『頭のおかしくなるいつもの薬は使わないのね...』


ラプラス

『あぁ...アレか、神聖水の香りは

 お前が苦手だったからな』



 苦手だったから使ってない?

 何故自分の為にそんな事を....

 レイはますます訳が分からなくっなっていた



ラプラス

『衣服を脱がさないのも

 自分で付けた手首の傷を

 見られるのが嫌そうだったから

 そのままの服装で中に入れただけだ』



 量産魔女のレイは

 自分が人間だと言う価値観を感じるために

 自分で自分の腕を傷つけ血を流していた、

 血を流す事で人間なんだと自我を保つために...


 腕の傷を隠し

 不機嫌そうにレイはラプラスを睨んだ



ラプラス

『そんなに怖い顔をしないでくれ』


レイ

『なんなのよ....』


ラプラス

『お前と私は同じ存在だ、

 だから仲良くしたいと思っただけだ』



 同じ存在?

 レイは鼻で笑った


 コイツと私は何もかも違う

 コイツは人間で 私は作られた量産魔女

 人間かどうかも分からない私と一緒にするなと

 レイは思っていると

 ラプラスは衝撃的な言葉を言った



ラプラス

『レイ...いや、お前には名前も存在しない

 0819番、量産魔女の1人だったな』


レイ

『どうして私の事を!?』



 誰にも自分の素性を明かしていなかったのに

 ラプラスはレイの真実を言い当てた


 レイは驚ろき硬直して

 真実を言い当てたラプラスを見つめていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-3 混じり合う〉


 自分の素性を言い当てたラプラスに

 レイは、どうしてと思い 怯えていた



ラプラス

『どうして分かったのだと

 そのような顔をしているな?』


レイ

『・・・・・』



 ラプラスは手を広げると

 部屋の何処かから

 ヒラヒラと舞う青い蝶が飛んできた


 青い蝶はラプラスの手に触れると

 姿を消し ラプラスの体の中に溶け込んでいった



レイ

『何をしたの!?』



 奇妙な魔術を使うラプラスにレイは驚いた


 青い蝶を取り込んだラプラスは

 この力が何なのかの説明をした



ラプラス

『未来や過去を見通す力だよ、

 この力を使い私は未来や過去を知る事ができる』



 青い蝶を取り込んだラプラスは言った、

 量産魔女の事や

 バドリックと呼ぶ人売りの事や

 その人物を殺した者の事や....


 それは全て

 レイが犯して来た罪や過去の出来事、

 全てを見透かされ言い当てられ

 レイは恐ろしくなった、

 今まで隠していた事が

 こんなにも簡単に....



レイ

『いや!!もう辞めて!!』



 怯え塞ぎ込むレイに

 ラプラスはゆっくりと近づき

 彼女の肩に手を乗せた


 目の前が真っ暗になり

 今まで溜め込んだ物が全て吐き出されたレイは

 下を向きブツブツと同じ言葉を何度も言った



レイ

『私は人間...人間...人間...人間......』


ラプラス

『大丈夫、お主は人間を超えた生物

 私と同じ

 この世界を作り変える創造主なのだから』


レイ

『創造主?』



 レイの衣服を脱がし

 自分を纏っていた羽衣を脱いだラプラス


 ラプラスは優しくレイの体を触った



レイ

『いや...やめて...』



 恥じらいながらレイはそう言うと

 ラプラスは手を止めて言う

「女同士、何も変な事では無い

 汚らしい男との思い出など

 私が忘れさせてやろう」


 もう一度ラプラスがレイを触ると

 レイは抵抗せず 全てを受け入れた


 自分が人間なのかどうなのか

 人売りに良いように使われた事や

 人を殺した事などどうでも良くなった


 今はこの楽しい時間を

 心の奥底から味わっていた




▶︎教主様の部屋


 淡い赤の大きなベッドに

 寝そべるレイとラプラス


 ラプラスは立ち上がり

 脱いだ羽衣を身につけた



レイ

『・・・・貴方と私が同じって理由

 それをまだ聞いて無い....』



 ラプラスの顔を見る事なくレイはそう言った


 確かにまだ自分は

 その事がどう言う意味なのかを

 言っていなかったとラプラスは思い出し

 レイに言った

 自分の過去の話を・・・



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-R ラプラス〉


 水も食事も無い鉄の檻の中で

 私は生きる希望も無く息を吸っていた


 魔力を所持する特別個体の人間

 普通の人間より

 遥かに強い魔法や特別な力を使う事ができるが

 その代価として

 普通の人間とは交われない体になっていた....


 魔力を宿す 我々、神聖種族(シンセイシュゾク)

 マナを宿す人間とは関わりを避けていた、

 魔力とマナは表裏一体 光と影 水と油

 普通の人間が魔力を多く吸収すると

 人は死に魔物化する


 神聖種族の私達は

 人と近く離れずの距離で

 人族の人達と共同していたのだが

 そんな日常はある日を境に消え去った


 人族と他種族の争いが終わり

 人族は同じ人族の神聖種族に目を付けた


 奴らも人では無い化け物だ

 魔力を使う者が居る限り魔物化は終わらない

 奴らは私達よりも強大で恐ろしい力を持っている

 反乱分子は消せ 神聖種族は人間とは違う!!


 そんな身勝手な人間達の存在で

 我々 神聖種族は滅びた


 元々、我々の一族には

 三大魔女 知恵の魔女 青のレインが居た

 彼女の存在は人族に大きな変化をもたらした


 知恵の魔女は

 魔物に対抗する機械の巨人、魔装機を作り

 それを人族に教え普及させた


 しかし

 人族は知恵の魔女の恐ろしい技術力や

 魔王すら倒したその力を

 我が物にして量産し強い魔女を育てた....


 三大魔女達が真にどうなったのか

 誰も知る者はいない....

 歴史に葬り去られたのだ....


 我々 神聖種族も.....



レインオラクル国の兵士

『飯だ..食え..』



 牢に投げ込まれた泥みたいな食事を

 私は口に付けることは無かった


 子供だった私は

 死人のような目で

 遠くの壁を眺める毎日...

 自分が死んでいるのか生きているのかも

 分からなかった...


 産まれ物心付く頃には

 私はこの何も無い牢獄に閉じ込められていた


 最後の神聖種族の生き残りだと言うことで

 レインオラクルの科学者達に良いように使われた


 自分の名前も分からない

 自分の親も姉妹が居るのかも分からない...



レインオラクルの科学者A

『オドマン博士が考えてた実験、

 かなり凄いところまで進んだそうだぞ』


レインオラクルの科学者B

『神聖種族の血を他の人間に組み込むやつだろ?

 DNAや細胞は同じ人間だから

 神聖種族の血を混ぜても

 適合する可能性があるとか』


レインオラクルの科学者A

『魔物化で怯える人間も減ったり

 凄い力を身に付けられる可能性もあるそうだ』



 牢の外で

 私を好き勝手に扱う学者達が

 ペラペラと話している....

 何故彼達はあんなに楽しそうに話しているのか

 私は不思議でならなかった....



レインオラクルの科学者A

『お前の力が俺達人間に役立つかもな、

 沢山の血を分けてくれよ!!』


レインオラクルの科学者B

『おい、またコイツ飯食ってねーぞ

 食事当番の奴は何やってんだ!!』



 男達は無理矢理

 臭い食べ物を私の口に突っ込み食べさせた


 コレが普通なのだ

 こんな生活が私の日常なのだと思っていた



 そんなある日だった


 突如私の前に現れた青い蝶に触れると

 私は未来を見透す力を得た



レインオラクルの科学者

『え?....今なんて言ったんだい?』


神聖種族の子供

『魔業教団と名乗る者達がこの場所に来ています

 貴方達はもう時期死にます....』



 科学者は笑った、

 唐突に被検体がそう言ったのだから


 笑っていた科学者だったが 数秒後

 私の言った通り

 魔業教団を名乗る者達がその場所に現れ

 レインオラクルの科学者達を殺して回った


 1人の男が 私を抱き上げ

 魔業教団の教主がいる場所に連れて行った


 目の前には歳終えた

 今にも死にそうな老婆が...



魔業教団の教主

『この世界を変える神聖種族の悪魔

 この者が世界や魔王復活の鍵となるであろう』


神聖種族の子供

『魔王....鍵....』


魔業教団の教主

『さあ私の心臓を貫き

 魔業教団を導く神になってくださいませ〜』



 老婆は小さな私の手に

 針のような形のナイフを握らせた


 目の前で沢山の大人達が

 老婆が死ぬ姿を今か今かと待ち構えていた


 私は老婆の心臓を突き刺すと

 老婆は喜びながら最後に言った

「コレで世界は変わる....

 ラプラスの悪魔がやってくる....」



 大人達は喜び

 私は次の教主様に選ばれた....




▶︎教主様の部屋


 ラプラスの話しを聞かされたレイは

 何も言わず毛布を握りしめていた



ラプラス

『ラプラスと名乗ったのも

 あの老婆が最後にそう言い残したから、

 ラプラスの悪魔とは

 撃滅戦で人族が戦った

 魔王の幹部の1人だったそうじゃ』


レイ

『・・・・・』


ラプラス

『だから私もお前も

 人から遠く離れた存在、人なのかそうで無いのか

 分からぬ存在....』



 ラプラスは自分の手首を切ると

 神聖種族の青い血が流れ始めた



レイ

『それって!!』


ラプラス

『私は人とは違う生き物

 この世界から切り離された一族と言うこと...』



 青い血をレイに見せつけると

 レイは顔を逸らした



ラプラス

『怖いか・・・この血が?』


レイ

『本当の名前も無いからって

 それだけじゃ私と貴方は違う!!』



 ラプラスは言った


 お前は人とは違う

 私と混ざり合っても魔物化もしない

 私とお前はこの世界の遺物

 だから人とは違う見方で

 世界を変えられる創造主なのだと


 ラプラスはゆっくりと自分の血を近づけると

 レイは顔を赤くしてその血を吸った



ラプラス

『まだ足りぬようだな』



 ラプラスは

 顔を赤らめるレイの頬を撫でるように触り

 口付けをかわしその場に押し倒した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-4 神の力〉


 私は魔業教団のラプラスと

 体を通わす不思議な関係になった


 同性同士で気持ち悪いと思った時期もあったが

 そんな事はもう私達には関係なかった


 私とラプラスには本当の名前がない

 言わば似た物同士なのだ、

 そんなラプラスに私は聞いた

 貴方の目的やコレからどうするのかを....



▶︎ベッドで寄り添い合うレイとラプラス


ラプラス

『この世界のあり方を変える』


レイ

『あり方を?』


ラプラス

『私達にはその力が有る、神から与えられた力が』



 神から与えられた力?

 その言葉の意味を理解できなかった私に

 ラプラスはこう言った

 機械なる獣、獣の神が私達の味方なのだと



ラプラス

『来いレイ、お前にも神の姿を見せよう』


レイ

『ちょっと待って!!、服を着させてよ』



 私は言われるがままラプラスに着いて行った


 広い 大きな空間に着くと

 そこには巨大な魔法陣と

 祈りを捧げる無数の黒服の魔業教団員達が...


 そして、

 その魔法陣には・・・・



レイ

『この大きな機械は....!!』



 巨大な機械の形をした獣が

 私とラプラスを見つめていた


 魔装機でも魔物でも無い化け物を見て

 私は恐怖を感じていた、

 この世の物と思えない機械の魔物


「コレが神の使い手、私達に与えられし守り神」

 そうラプラスは言った


 コレが神の使い手?

 魔業教団に与えられた守り神?


 違う・・・・コイツはそんな物では無い

 そう直感的に私は感じた



 ラプラスが言うには

 既に三体の守り神を地上に送り

 人間達相手に戦わせたと言った


 守り神はいなくなると

 新たにこの魔法陣から現れると言う


 魔業教団のメンバーには

 召喚を得意とする魔法を使う物が多く

 コレもその一部なのだと言った



レイ

『大丈夫なの...』



 震えさせる口調でそう尋ねたが

 ラプラスは何も言う事は無かった


 もう時期 全てが終わる

 その答えがわかるのだと

 ラプラスは何処か遠くを見ながらそう言った



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-5 贖罪〉


 魔業教団には

 戦いから逃げたレインオラクル国の機士を捕え

 不思議な匂いの 催眠ガスに似た何かで

 機士達を操り洗脳していた


 洗脳させられた機士は

 私の顔を見て 嬉しそうにこう言った

「キラ隊長..生きていたのですね、

 私達を救いに来てくださったのですね」


 私はそんな名前では無い

 キラと呼ばれる人物も知らないし

 こんな機士達も勿論知らない



ラプラス

『洗脳が聞いてるようだな、コイツ達は

 レイの言う事ならなんでも聞くだろうな』



 私は洗脳させられ 正気の無い機士の顔を見て

「こんな奴ら必要無い、私は私で戦う」

 とラプラスに言った


 ラプラスは口で手を押さえ笑いながら

「そうか」と言って何処かに歩いて行った


 この機士達は次の戦闘で駒として扱うらしい


 洗脳された機士達は

 魔業教団の言う事ならなんでも聞く

 人を殺せと言われれば殺し

 死ねと命じられれば死ぬ....


 まるで人形だ....



 自分の魔装機に乗り何処かに行っていた

 ジェミニとタウラスが帰ってきた


 ジェミニは喜びながら私に抱きつき

 ただいまと言った



レイ

『アンタ達何処に行ってたのよ?』


ジェミニ

『面白い所だよ、

 もう時期大きな戦いが始まるよレイ』



 大きな戦い? ラプラスもそう言っていた

 いったい何が始まるってのよ


 ジェミニは私の体をクンクンと嗅ぎ

 教主様と同じ匂いがすると言った


 私はジェミニから離れ

 自分の顔を逸らしジェミニに言う

「そんな事無い!!何言ってるのアンタは!!」



ジェミニ

『ふ〜ん、なるほどね』


レイ

『・・・・何よ...』



 なんでも無いと嬉しそうに言ったジェミニは

 タウラスと一緒に歩いて行った


 彼女達が何処かに行くのを確認して

 私は自分の匂いを嗅いだ、

 ラプラスと同じ匂いがするって

 どう言う意味だったのか確認しようと..


 しかしそんな匂いは感じなかった

 私が彼女の匂いに慣れ過ぎて

 感じなくなっただけ?それとも....



レイ

『そう言えばソオジは何してるんだろ?

 確か魔装機格納庫に居るはずよね』



 魔装機格納庫やソオジが居そうな場所に行くが

 ソオジの姿は何処にも無かった


 私は変だと感じ

 教主ラプラスの部屋に行くと・・・



レイ

『ソオジ!?

 ラプラス!!どう言う事なのよコレわ!!』



 ラプラスの部屋で倒れていたソオジは

 洗脳させられ変わり果てた姿になっていた


 私はラプラスを睨み

 ソオジに何をしたのかと激怒した



ラプラス

『その者の役目は終わった、

 必要数の魔装機を作り終えたのだからな』


レイ

『アンタ、

 私達に乱暴しないんじゃ無かったの!!』



 ラプラスは立ち上がり私に言った

「私の力はレイも知ってるであろう?」 と


 ラプラスの力

 それは 過去や未来を見通す能力


 その力で

 私の知られたく無い過去や素性がバレ

 私は....



レイ

『それがどうしたのよ!!』


ラプラス

『見透したのだ、この者の過去を』



 ソオジの過去を?


 ラプラスは言った

 この者はレインオラクル国の科学者で

 オドマンと言われる博士と

 非道な実験や人体解剖をしていたのだと


 ラプラスの血を使い 魔力を付与する薬や

 強化魔女や量産魔女作りをやっていたのだと


 量産魔女作りって.....

 私達量産魔女を作っていたのを

 ソオジは手を貸していたの?そんなのって....



ラプラス

『不要となった量産魔女を処分し

 殺していたのもコヤツじゃ』


レイ

『嘘よ!!そんなの...』



 洗脳させられ虚ろな目をしたソオジは言った

「そうだ、私が量産魔女を作り

 必要で無い者を殺し廃棄した」


 私は怖くなりソオジから離れ

 頭を抱え嘘だと何度も言った


 そんなの聞きたく無いと私は思ったけど、

 だけどソオジは言い続けた


 死にゆく量産魔女達の最後の悲鳴や

 皆がどう叫び死んでいったのかを....



レイ

『ヤメテ!!聞きたくない!!』


ソオジ

『同じ仲間の量産魔女を助けようとする者や

 私達科学者を親だと慕う量産魔女を殺した、

 奴らに自我など必要無い

 レインオラクル国の為に戦い死ぬ機械の魔女』


レイ

『イヤァァァア』


ラプラス

『そうだレイ爆発させろ、

 お主の怒りをこの者に見せるのだ!!』



 私は魔法を使い

 何度も何度もソオジを殺した


 仲間だと思っていた人を....


 やがて

 叫び疲れた私の前には

 血だらけの肉片と

 私を優しく抱きしめるラプラスが...




 ・・・・・・・・

 私はまた・・・・人を殺した・・・・



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-6 後戻りできない〉


 私の目の前には

 私が初めて仲間だと思った者の塊が....

 私はまた....



ラプラス

『それで良い、良いのだレイ』



 私達量産魔女は人でも魔女でも無い

 ただの道具、

 機械と変わらない存在なんだ...


 ソオジも私の事を利用しようと....



▶︎魔業教団のアジト


 集められたデッドデスターの山賊達は

 レインオラクル国の機士と同様

 神聖水の香りで脳を溶かし洗脳し、

 洗脳させられた

 120名の魔装機乗り達は魔装機に乗り込み

 ディナガード国とローズストーン国に向かい

 出撃させられた


 召喚の儀式には大勢の血や魂が必要となる、

 ディナガードやローズストーンの人々を犠牲に

 魔界の門を開き

 大召喚と呼ばれる儀式を行おうとしていた


 初代魔業教団の教主は述べた

「魔物と人・魔力とマナ・闇と光、

 世界の根幹はそのバランスで保たれている。

 欠けたバランスは世界を崩し破滅の未来に進む

 人や多種族の悲惨な争い

 次は人同士で殺し合う時代!!

 我々達で魔王が存在した有るべき姿に戻し

 世界のバランスを取り戻すのだ!!」



 真夜中に出撃した魔業教団の魔装機は

 夜の森を進軍していく


 出撃前のレイも、ソオジが作った新たな魔装機

 レイベルタースに乗り魔装機を起動させた


 レイベルタースのシステムの中に

 録音されたデータを見つけたレイは

 その録音を再生した



録音のソオジ

『私は彼女に語らなければならない事がある

 ・・・・・・・・・・・・

 私はレインオラクル国で残酷な行為をしてきた。

 そんな私は殺されても当然

 国のお偉方も私の事を許さないであろう....

 私は自由を求め逃げ出した臆病な人間だ。

 彼女の・・・

 レイが量産魔女である事は気付いていた、

 彼女も全てから逃げ

 自由を求めたのであろう。』



 物が倒れ 咳き込む音が流れる



録音のソオジ

『生きるのには金が必要だった

 だから私は魔装機を売り金を集め

 レイと2人で自由になろうと思った....

 それが..私なりの彼女への償いだ....。

 しかし 魔業教団に手を貸す事になり

 戦いの道具として使われようとしている。

 ・・・・・このレイベルタースは

 レイの名と

 自由を意味する言葉を合わせた魔装機、

 この魔装機を作った私は

 もう時期処分されるだろう

 だからレイ!!お前だけでも逃げろ!!

 この世界は残酷で酷く悲しい世界だけでは無い!

 広い世界を知る自由がお前にはある!

 録音でしかこんな事を言えず

 済まなかった・・・・・・。』



 録音データの音が消え

 静かさだけがコックピット内に残った


 大粒の涙を流し

 レイは手を震えさせていた


 そんな事も知らず

 ソオジを自らの手で殺し

 後戻りできない所まで来てしまった



レイ

『私には....もう自由なんてないよ....』



 泣きながらレイベルタースを起動させ

 レイはローズストーン領に向け出撃した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-7 襲撃者〉


▶︎???


バリル

『クソ!!自由に歩く事すらままならねぇ!!』



 バリルは

 自分の義手や義足を上手く扱えず苛立っていた


 ハルタンやディナガード国と

 ローズストーン国の機士達と戦ったバリルは

 戦場で敗れ

 乗っていたパンデモニウムから

 命カラガラ助かった


 死にかけていたバリルを助けたプラクトは

 何者かの場所にバリルを運び治療してもらった、

 両手足は失ったが

 バリルは生き延びる事ができていた


 そんなバリルを見て

 プラクトは大丈夫かと尋ねた



プラクト

『大丈夫かいバリル?無理は体に悪い』



 戦場で死にかけていたバリルを助けたのは

 レインオラクル国の

 ナンバーズ2であるプラクトだった


 プラクトは知っていた

 異世界人はネルだけでは無い

 もう1人存在する


 その人物に会えば助かるかも知れないと

 バリルを連れ戦場から逃げ延びたのだ



バリル

『ゼッテエ許さねーぞハルタン!!

 アイツを殺すまで死ぬ訳にはいかねぇ!!』



 ハルタンを恨むバリル


 ハルタンの姉であるアモタンを殺した事で

 ハルタンに恨みを買い 戦場で返り討ちにあった


 雑魚だと馬鹿にしていた相手に負けた

 復讐を果たすまでは死ねない

 バリルの憎悪は肥大に膨れ上がっていった



 プラクトはそんなバリルに言った

 あのお方が持ち帰ったトラッキングミラーを

 二人乗りの魔装機に改造してくれた、

 今のバリルでも

 私と二人ならば魔装機も扱う事ができるハズだと



バリル

『体を動かすまえに

 この体で魔装機に慣れねぇとな』



▶︎ディナガード国


 ネルの訓練用魔装機を盗まれ

 デルクは機士達を集め

 状況の報告を聞いていた矢先


 兵士からの緊急情報が届いた


 ディナガード領の村で

 魔業教団を名乗る者が魔装機に乗り

 人々を攻撃していると


 事の重大さを受け止め

 デルクはディナガード国の機士達に命令をくだす


 隊長のナラ・レイナ・ノノカ・マルの4名は

 城周囲の偵察と防衛、

 ナイト級のサラサ・レベッカ・フタナの3名で

 襲われている村の人々を救出しろ!!



デルク

『レインオラクル国とローズストーン国の

 機士達にもこの事を報告しろ』


ナラ

『分かりました、

 通信が届く距離に行き現状を報告します』



 機士達は急いで出撃の準備を進めた


 デルクは思った、

 こんな時ネルとマナリリアンが

 この場に居ればと...


 弱音を思っていた自分を恥じ

 デルクは今いる現状に向き合った



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-8 力になりたい〉


▶︎ディナガード国 学園


 ディナガードの機士達が

 魔業教団なる者達との戦いに

 出撃したと言う情報は

 生徒達の間で直ぐに広まった


 その事を知ったハルタンはハヤトと一緒に

 レイナ達のサポートをするんだと言い出した


 学園の生徒である2人には出撃命令は出ておらず

 無断で魔装機を使用する事は

 違反行為として重く罰せられる可能性もある


 ハヤトはデルクから

 機士の称号を仮ではあるが貰っている、

 そんなハヤトであれば規則を破っても

 お咎めは少ないとハルタンは考えていた



ハヤト

『こんな時だけ頭の回転が早いんですから、

 勉強の時にその頭の良さを使ってくださいよ』


ハルタン

『そんな事より私達も出撃するぞ!!

 レイナ達を助けるのに私達の力も必要だ!!』


ハヤト

『しかし....』



 困り果てるハヤトの前に

「お前達に出撃の命令は出していない」

 そう言いながら司令のデルクが現れた


 ハルタンはデルクに言う

 私達も出撃させてくれ

 レイナ達や皆んなを守りたいんだ


 感情を込めてそう言うが

 ハルタンとハヤトの2人には

 もしもの時の為にディナガード国に

 残しておきたいとデルクは考えていた


 デルクと一緒にやって来ていたライルは

 その話を聞き、それならと良い提案をした


 新しく作ったエネルギー電波を使った魔装機

 トランスウェルブが使えるかも知れないと

 ライルはデルクに教えた


 トランスウェルブは

 広範囲のマナの電波を拾う事ができ

 電波塔の役割を持つ魔装機、

 その魔装機を使えば

 ディナガード領に散らばった機士達とも

 通信での連携が上手く取れるそうだ



ライル

『今のディナガード国には戦力が少なすぎる

 1番近いレインオラクル国の援軍が来るまで

 彼女達が耐えられるのかも分からない、

 時間稼ぎには丁度良い案だとは思うけど?』


デルク

『・・・・仕方ない』



 ハルタンは笑みを浮かべ

 流石私の旦那様だと言い

 ハヤトの手を取り一緒にバンカーまで走った



ライル

『待ってくれ!!トランスウェルブの

 使い方を2人とも知らないだろ!!

 僕も一緒に行くよ!!』



 残されたデルクは皆の無事を祈り

 通信塔に向かった



▶︎ディナガード国 バンカー


 バンカーに到着したハルタンは

 姉の形見の魔装機、

 ハルタン専用バスタードに乗り込み

 ハヤトとデルクは

 新型機のトランスウェルブに乗り込んだ


 トランスウェルブの中は広く

 最大3人での運用ができる

 司令塔のような構造になっていた


 ハヤトは魔装機に入ると

 先に乗っていた者がいて驚かされた



ハヤト

『ヴァルゴさん!?』


ヴァルゴ

『戦場に出向くそうだな...私も一緒に行く』



 先にトランスウェルブに乗っていたヴァルゴに

 ハヤトは驚き

 何故彼女がこの場所にいるのかと質問をした


 しかしヴァルゴは質問を無視して

「時間が無いのだろ?」っとハヤト達を煽った



ライル

『トランスヴェルブは3人乗りの魔装機だ、

 彼女の力も借りれば

 少しは安全になるかも知れない』


ハルタン

『ヴァルゴも力を貸してくれ!!

 私はレイナ達を助けたいんだ!!』



 ハヤトはどうするか悩んだが

 ヴァルゴを説得する時間が惜しいと考え

 仕方なく彼女を同行させる事にした


 ハルタン専用バスタードとトランスヴェルブは

 バンカーを出て出撃する


 ライルは

 初めて顔を合わせるヴァルゴに

 初めましてと自己紹介をするが、

 ヴァルゴは挨拶を返さず 無言で前を見続けた



ライル

『アハハ、嫌われてるのかな僕?』


ハルタン

『ヴァルゴは照れ屋さんだからな、気にするな』


ヴァルゴ

『・・・・』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-9 誰が為に〉


▶︎ディナガード領 魔業教団が襲う村


 村の人々は悲鳴を上げ

 魔業教団が乗る魔装機から逃げ回っていた


 魔装機の剣や銃で民家を破壊し

 素手や足で村人達を殺す

 魔業教団に洗脳させられた

 レインオラクル国の機士と

 デッドデスターの山賊達



村の男

『嫌だァァァア、死にたくないィィィイ』


洗脳された魔女

『世界を有るべき姿に、

 ラプラス様の名の元に魂の解放を』



 駆けつけて来た

 サラサ レベッカ フタナの3名は

 村を襲うレインオラクル製の魔装機を見て

 平和に成り悪夢から解放された世界に

 本当にこんな事が

 現実で起こっているのかと驚いた



フタナ

『レインオラクル製の魔装機!?』


サラサ

『貴方達は何者なのよ!!』



 サラサは相手に向け檄を飛ばすと

 洗脳された魔女達は口を揃えて言った

「私達は魔業教団、ラプラス様の駒」


 相手の様子が変だと考えたレベッカは

 もしかすると洗脳されているのではと考え

 その事をサラサとフタマに言った



サラサ

『洗脳?、そんな事が可能なの?』


レベッカ

『分かりませんが、

 そう考えても良いと思いますわ』



 逃げる村人達

 村人を襲うレインオラクル製の魔装機


 フタナはその光景を見て、

 レインオラクル国に殺された妹の事を思い出し

 叫びながら

 洗脳された魔女の乗る魔装機を攻撃して破壊した


 サラサとレベッカは驚き

 フタナに何をしているのかと聞いた



フタナ

『洗脳だとか何だとか関係無い!!

 私達でコイツらを倒して

 村の人達を助けないとでしょ!!』


レベッカ

『で...ですが』


サラサ

『フタナの言う通りだよ、

 私達でコイツらを止めないと』



 仕方ないと考えたレベッカは

 サラサと一緒に魔業教団の魔装機と戦った


 洗脳された魔女達はとても弱く

 数で不利だったサラサ達だったが

 簡単に相手を倒す事ができた



サラサ

『弱い....意志を感じさせない動きをしている』



 ディナガードに現れた魔業教団の魔装機は

 とても古い型式や

 整備や点検をされていない用な武器を持っていた


 コレでは国の魔装機と戦うと言うよりは

 魔装機に乗っていない者達を

 殺しているだけだと感じた



洗脳された魔女

『私達は.....私は.....』


フタナ

『コイツで最後』



 様子が変だと思ったレベッカは

 フタナに攻撃を止めるように言う


 相手を倒す寸前でフタナは魔装機を止め

 どうしてとレベッカを見て言うと

 洗脳された魔女が乗る魔装機は動きを止め

 オープン回線で何かを言っていた



洗脳された魔女

『・・・だ・・・い・やだ、

 死にたく無い

 ママ...バーナビー...ザシャータ...ダミリア...』


サラサ

『自我を取り戻そうとしている!?』



 レベッカはルクスナイトを動かし

 相手の魔装機の足を破壊して

 コックピットを取り出し中に乗る者を救出した


 フタナは危険だと思い

 レベッカを止めようと言った

「相手は敵だ、危ない」と



レベッカ

『助かる命が有るのなら

 私は助けたいですわ!!』



 レベッカの言う通りだとサラサも思い

 サラサとレベッカの2人は

 コックピットを無理矢理破壊して

 中で怯える洗脳された魔女を助けた


 洗脳された魔女は

 震えながら死にたく無い

 助けてと仲間であろう者達の名前を呼んでいた



レベッカ

『大丈夫ですわ!!貴方は死にませんわ!!』


サラサ

『こっちの声が届いて無い

 レベッカ!!睡眠魔法で一時的に眠らせて!!』



 レベッカは震える魔女に

 睡眠魔法を使い眠らせる事に成功した


 村を襲った魔業教団の魔装機は全て倒した


 洗脳された魔女も1名助ける事ができた


 敵だろうが

 全力で助ける2人を見て

 フタナは口をつぐんだ


 救出された魔女の名は

 女山賊デッドデスターのチュイだった.....



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-10 私の大切な妹〉


 深く眠りに付く魔女を

 自分の乗るルクスナイトに乗せたレベッカ


 もうこの場所に危険が無い事が分かると

 サラサはデルク司令に報告しに行くと

 レベッカとフタナに言った



レベッカ

『この方を安全な場所に連れて行きたいですわ』


サラサ

『分かった、

 私とレベッカは一度ディナガード国に戻ろう』


フタナ

『じゃあ私はこの辺りの警備と

 亡くなった人達を弔わないとだね』



 この世界では

 死体をそのままに残して置くと

 魔物化して人々を襲う可能性がある


 死体は燃やし灰にして木の下に埋める

 それがこの世界の弔いの仕方


 サラサとレベッカが何処かに行ったのを確認して

 フタナは村人の死体や

 洗脳された魔女達の死体を集め始めた


 しばらくすると

 フタナの前に白い魔装機が2機現れ

 それを見たフタナはとても喜び笑顔になった



フタナ

『フタマ!!』



 片方の白い魔装機から

 妹の姿をしたフタマが現れ、

 死体を集めてくれた事を喜び

 フタナに御礼を言った



フタマ?

『ありがとお姉ちゃん、流石は私のお姉ちゃんだよ

 私達の仕事を手伝ってくれたのね』


フタナ

『私はフタマの為だったら何でもする、

 貴方は絶対に私が守るからね』


フタマ?

『嬉しいよお姉ちゃん』



 もう片方の白い魔装機から降りて来たタウラスは

 喜び合う2人を見て 時間が無いと怒った



フタマ?

『こわ〜いお姉ちゃん』


フタナ

『フタマを怖がらせるなら私が貴方を倒す!!』



 怖い不利をするジェミニと

 怒りを向けるフタナ


 タウラスはヤレヤレと頭を抱え

 フタナを上手く利用するジェミニを哀れに思った



タウラス

『時間が無いのは事実だ、

 この死体を早くラプラスの元に届けるぞ』


ジェミニ

『ハイハイ、それじゃあまたねお姉ちゃん』


フタナ

『今度はいつ会える?

 私・・・フタマが居ないと...』


ジェミニ

『直ぐだよ、そう...

 直ぐに会える未来が待ってるから』



 ジェミニはフタナに抱きつき

 ニヤリと不気味な笑みを浮かべた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-11 友と仲間と復讐と〉


 ディナガード領にある小さな村、

 静かで平和なその村に

 ディナガード国から来た魔装機がやって来ていた



▶︎ディナガード領 静かな村



ハルタン

『オイ!!

 コレはどう言う事なんだハヤト、ライル!!』



 ハルタン・ベルナンデスはとても怒っていた


 怒るハルタンを

 まあまあと優しく宥めるライル博士と

 村人達に

 近くの村で戦闘が起こっている事を伝えるハヤト



 ハルタン達は

 バスタードとトランスウェルブに乗り

 サラサ達が戦うエリアとは別の場所

 安全で平和な村にやって来ていた


 ハルタンは戦うレイナ達の

 手助けをしたいと思っていたのだが

 ライルの考えは

 ハルタンとは真逆の事を考えていた


 安全な場所から

 トランスウェルブの広範囲電波を使い

 他の機士達との連絡を取る事、

 ハルタンのバスタードには

 もしもの時の為に護衛役に着いていて欲しかった



ヴァルゴ

『平和な村....』



 近くの川の流れる音や

 草木の揺れる心地良い音に

 ヴァルゴは耳を傾けその景色に見惚れていた


 村の子供達が

 ヴァルゴの前にやって来て指を向け言った

「機士の人だ!!」

「違うよ、この服は学園の生徒さんだよ」

「学園の生徒さんがどうしてここに?」


 何で何でとヴァルゴを質問攻めする子供達に

 ヴァルゴは無言でその子供達を見ていた



 怒るハルタンを横目に

 ハヤトとライルは

 トランスウェルブの通信システムを使い

 他の機士達と連絡を取ろうと試みていた


 試作段階の魔装機で

 上手く成功するか不安だったライル博士だったが

 通信システムは上手く作動し

 ディナガード国に帰ろうとするサラサとレベッカ

 ディナガード領周辺を警備する

 ナラ達との通信が繋がった



ライル

『成功した!!』


ナラ

『ライル博士!?』


サラサ

『え!?、ディナガード国はまだ遠く離れてるのに

 どうして通信が繋がったの!?』



 ライルは簡単にトランスウェルブが

 広範囲に通信を繋げる魔装機だと言う説明を

 すると、戦闘を終えディナガード国に

 帰ろうとしていたサラサとレベッカは

 何があったのかをナラやライル達に話した


 魔業教団を名乗る洗脳された魔女や

 その内の1人を救出し

 ディナガード国に連れ帰ろうとしていた事や



ナラ

『分かりました、レベッカさんは

 ディナガード国に帰還してください

 私達は引き続き警備を続けます』


ライル

『その子から

 何か情報が聞き出せるかも知れないね。

 皆が帰還したら僕達もディナガード国に帰るよ』



 まだ何もしてないのに

 ディナガード国に帰ると言い出したライルに

 ハルタンはプンスカと怒った


 私はレイナ達と一緒に戦いに来たんだ

 私もレイナ達と一緒に警備をするんだと


 ハルタンの声が通信越しから聴こえたレイナは

 ハルタンに叱るような口調で言った



レイナ

『学生の貴方が無茶苦茶言うんじゃ無いわよ』


ハルタン

『レイナとノノカと一緒に戦うんだ!!

 もう大切な家族を失いたくない!!

 レイナやノノカやデルク達は

 私の家族だから!!』



 恥ずかしい台詞を聞かされ

 ノノカは嬉しくて笑顔になり

 レイナは顔を赤らめバカと小声で言った


 親友のレイナとノノカを取られたと感じたマルは

 ハルタンに嫉妬して

 通信越しに嫉妬のオーラを放っていた



 それでもレイナはハルタンに怒る、

 貴方の役目はライル博士やハヤトの護衛

 私達は私達の仕事があるので

 そっちはそっちの仕事をこなすように言う



ハルタン

『でも....』


レイナ

『ハヤトに何かあったら、

 私は貴方を許さないからね』


ハルタン

『うぅ....』



 でも..だけど..

 そう言っていたハルタンだったが


 レイナに叱られ

 ハルタンは渋々分かったと返事を返した



ノノカ

『レイナさんも私も

 ハルタンさんが好きだから

 危険な場所には来て欲しくないんですよ』


ハルタン

『そうなのかレイナ?』


レイナ

『ぅ!!・・・・そうよ、だから貴方は

 ライル博士やハヤトを守りなさい!!』



 そう言って レイナ達は通信を切った


 ハルタンはやる気を出し

 護衛の仕事を全力で頑張ると張り切っていた



サラサ

『戦闘が合った村にフタナを残して来たので

 私は村の方に戻ります』


ライル

『分かったよ、フタナ君とは通信が繋がらないから

 届く範囲じゃない見たいなんだ、

 サラサ君達がディナガード国に帰る時に

 僕達も一緒に戻るとするね』



 通信を終え ライルはハヤトに言った、

 まだ近くに

 魔業教団を名乗る魔装機がいるかも知れない

 警戒を続けた方が良いだろうと


 ハルタンは張り切って辺りを見渡し

 ハヤトとヴァルゴは村人に

 近くの村で起こっていた

 戦闘が終わった事を伝えた




▶︎ハルタン達の居る村から少し離れた場所



 バリルはプラクトと一緒に

 トラッキングミラーを動かし

 魔装機に今の自分の体を慣らす練習をしていた


 新しい自分の手足に違和感を感じ

 魔装機を思い通りに動かせないバリルは

 イライラとさせながら

 トラッキングミラーを動かしていた



バリル

『雑魚のクロの魔装機なのに

 こんなに操縦が難しいなんて頭にくる』


プラクト

『まだその手足に慣れてないからだろう、

 落ち着いてやれば直ぐに慣れるさ』



 助手席に座っていたプラクトは

 近くに小さな村を見つけ

 しかも

 その場所に魔装機が2機居るのを見つけた


 1機はレインオラクル製のバスタード

 もう1機は見た事もない

 武器を持たない魔装機のトランスウェルブ


 プラクトが何かに気付いた事に勘付き

 バリルもその場所を見つめた


 バリルが

 実戦での戦いをしたいと言い出しそうと

 思ったプラクトは、バリルに言った

「この場所での戦闘は避けてくれよ、

 ディナガード領で揉め事を起こせば

 私達が生きているとバレかねないからね」


 そうバリルに教えたが

 バリルからの返事が返ってこない


 プラクトはバリルに

「聞いてるのかい?」っとバリルの顔を見ると

 バリルの表情は歯を剥き出しにした

 最高の笑みを浮かべ 見つけたぞと笑っていた


 村に合ったバスタードを一目見て

 バリルは気付いた、

 アレはベルナンデス三姉妹の長女

 ブリタン専用バスタード、

 今は妹のアイツが使っている魔装機


 っと言う事は

 あの場所にはアイツが居る!!



バリル

『見つけたぞハルタン・ベルナンデス、

 テメーは俺が絶対に殺してやる!!』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-12 武器になる物〉


 魔業教団も現れず

 何事も無く暇を感じていたハルタンは

 あくびをしながら空を眺めていた



ハルタン

『暇だ....』



 ライル達の護衛を

 レイナから任されたハルタンだったが

 今にも寝そうな顔をムニャムニャとさせていた


 緊張感の無いハルタンに

 ハヤトは全くこの子はと呆れていた


 もう安全だと思った村人達は

 普段の日常を過ごし

 子供達は生の魔装機を見て喜んでいた



村の子供

『ねーねーお姉ちゃん、魔装機に乗せてよ』


村の子供

『いいな〜、私も魔装機に乗りたい!!』


ハヤト

『魔装機は遊び道具じゃありませんよ』


ライル

『そうだよ、

 それにこのトランスウェルブは

 通信機専用の魔装機で武器は何一つ無い、

 実戦では非力な特殊な魔装機で・・』



 ライル博士は

 自分の作った魔装機トランスウェルブの説明を

 ペラペラと長ったらしく子供達に話した


 つまらない話しに

 子供達はウザそうな顔を浮かべ

 ライルを見つめていた



ハヤト

『あはは....ごめんなさいヴァルゴさん

 ディナガード国に帰るのは

 もう少し後になりそうです』


ヴァルゴ

『構わない、それに私から着いて来たんだ

 お前が気にする事は無い』



 子供達は

 ハヤトやヴァルゴと一緒に遊ぼうと言うと

 ヴァルゴは無言の表情でハヤトの顔を見た


 ハヤトにはヴァルゴの顔が困った顔に見え

 子供が嫌いなのかとヴァルゴに聞いてみた



ヴァルゴ

『分からない、考えた事も無かった』


村の子供

『一緒に遊べば楽しいよ!!』


ヴァルゴ

『楽しい?』


村の子供

『じゃあお姉ちゃんが魔物ね、

 僕達は魔物から逃げるから僕達を捕まえて』



 楽しそうに逃げ回る子供達に

 ヴァルゴはキョトンとした顔で子供達を見た


 それを見たハヤトはヴァルゴに言った

「一緒に遊びましょう、

 追いかけっこもやって見ると楽しいですよ」


 そう言って

 ハヤトもヴァルゴから逃げ 走り出した


 仕方なくヴァルゴは

 無表情のままハヤトや子供達を追いかけ回った



 楽しそうに騒いでいるハヤトやヴァルゴを見て

 ハルタンは平和だな〜と感じて空を見ていた


 地面に寝そべるハルタンの前に

 小さな村の女の子がやって来て

 ハルタンの大きな胸を

 ジッと羨ましそうに見ていた



村の子供

『ジーーー』


ハルタン

『なっ、なんだ?』



 女の子はハルタンに聞いた


 どうしたら 大きな胸を手に入れられるのか

 その胸はどのように使うのかと


 唐突な質問に

 ハルタンは悩み考えていた


 どうやったら胸が大きくなるかも

 使い方も分からないと思っていたが、

 昔 姉達に

 胸に付いて聞いた事がある事を思い出した



▶︎3年前



ハルタン

『もう嫌だ!!

 こんな大きな胸要らない!!』



 三女のハルタンが泣きながらそう言いだすと

 姉のブリタンとアモタンはどうしたのだと

 ハルタンの心配をした


 ハルタンは言った、

 同じ子供達の中で 人一倍大きな胸だった自分は

 その事をバカにされ凄く嫌な気分を味わっている

 どうしてこんな大きな物が

 私だけ付いているのだと悩み泣いていたのだった


 13歳のハルタンには

 胸がどうゆう物なのか分からなかった


 長女のブリタンはハルタンの頭を撫で言った

「その胸は男を惑わす道具、いつか

 それの使い方がわかる時がくるさね」



ハルタン

『使い方?』


ブリタン

『そうさね、

 それは男を惑わす最強の武器だからね』



 姉のブリタンにそう言われたが

 それでも意味が分からなかったハルタンは

 次女のアモタンにも

 大きな胸の使い方を聞いてみた


 次女のアモタンは顔を赤らめ

 どうして私に聞くのよと怒っていた



ハルタン

『教えてくれアモ姉!!私知りたいんだ!!』


アモタン

『・・・・・あ、当てるのよ.....、

 ハイおしまい!!、

 これ以上は自分で考えて!!』



 アモタンは今にも爆発しそうな赤い顔で

 そう言い残し 何処かに行ってしまった



▶︎現代のハルタン



 胸を当てる・・・当てる・・・


 昔の記憶を呼び起こし

 ブリタンとアモタンに言われた

 言葉の意味を考えていたハルタンは

 そうだと理解した顔で女の子に言った



ハルタン

『コレは武器なんだ!!』


村の子供

『武器?』


ハルタン

『コレを男に打ち付けると

 男を一撃で倒せる武器だって教えられた!!』


村の子供

『おぉ!!』



 早速ハルタンは

 魔装機の点検をしているライルに

 後ろから大きな胸でライルの顔を殴った


 その瞬間

 ライルの脳頭に大きくて柔らかい物が直撃して

 情けない大声で叫んでしまった


 騒ぎを聞きつけ

 ハヤトとヴァルゴはライル博士の元に走ってきた



ハヤト

『何が合ったのですかライル博士!!

 まさか魔業教団ですか!?』



 メガネを光らせたライルは鼻血を出しながら

 ハルタンにされた事をハヤト達に教えると、

 ハヤトとヴァルゴは

 ライルを幻滅するような目で見ていた


 どうして

 自分が悪いような視線で見られているのかと

 納得のいかないライルと

 一撃でライルを倒せなかった事に

 疑問を浮かべるハルタンだった



 そんな平和な村に 突如

 魔弾が地面に直撃して

 石や砂が辺りに吹き荒れた


 幸いにも怪我人は誰も居なかったが

 村の子供達は泣き叫び

 大人達は魔業教団がやって来たと怯え始めた



ライル

『魔弾!?』


ハヤト

『村の皆さんは安全な場所に!!、

 ヴァルゴさん、私達で子供達を大人の場所に』



 ハヤトとヴァルゴは子供達を

 安全な大人の場所に誘導しようとしていると

 ハルタンはバスタードに乗り込み

 ライルが作ったスマートライフルを構え

 辺りを広く見渡した



ハヤト

『ハルタンさん!?』


ハルタン

『遠距離からの攻撃、相手はスナイパーだ!!

 待っていても撃たれるだけだ

 こっちから反撃する!!』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈69-13 その女の手には・・・〉


▶︎バリルとプラクト


 バリルは

 トラッキングミラーのスナイパーを使い

 ハルタン・ベルナンデスを

 殺そうと魔弾を放ったが!、

 今の体で魔装機の操縦が上手くいかず

 魔弾を別方向に飛ばしてしまった



バリル

『クソが!!外してしまったぜ』


プラクト

『よせバリル、今の私達が見つかっても

 ディナガード国の機士達に敗れるのが落ちだ』



 プラクトの忠告を バリルは聞かなかった


 トラッキングミラーは

 遠距離で戦うステルス型の魔装機、

 そう簡単には見つかるはずは無かった


 それに

 今この場であの女を殺し

 失った手足への復讐をする、

 その事だけがバリルの脳裏に過っていた



バリル

『大丈夫だプラクト、コチラの場所が見つかる前に

 あのハルカスをぶっ殺すからよ』




▶︎バリルに襲撃される村


 トラッキングミラーの放つ魔弾が

 民家や地面で弾け

 村人達は怯え身を低くしていた


 ライルは直ぐに

 機士のナラ達に襲撃を受けた事を報告していた



ハルタン

『ダメだ、全然敵の姿を捉えられない

 どんだけ遠くから攻撃してるんだ!!』


ハヤト

『トランスウェルブに武器は無いんですよね!?』


ライル

『言った通りこの魔装機に武器は無いよ、

 応援が来るのを待つしかない』



 このままでは狙い撃ちされ

 村の人や私達が殺されるかも知れないと

 ハヤトは考えていた


 戦闘に巻き込まれたヴァルゴに

 ハヤトは「ごめんなさい」と謝罪していた



ハルタン

『ハヤトやヴァルゴ

 村の人達を守るのが私の役目なんだ、

 好き勝手やらせるかーー』



 遠くの山の方角から

 キラリと光る何かを見つけたハルタンは

 スマートライフルを構え

 その場所を狙い撃とうと構えた


 あんなに離れた場所に

 もし魔装機が居たとしても

 その武器では大したダメージを与えられないと

 ハヤトとライルはハルタンに言った



ハルタン

『魔装機は倒せなくても、武器は壊せる』


ライル

『あんなに離れた場所に居る

 魔装機の武器を壊すなんて無理だ!!

 バスタードとスマートライフルには

 遠距離高性能スコープが搭載されて無い

 不可能だ!!』



 相手の魔弾が飛んでくると同時に

 ハルタンは

 スマートライフルの引き鉄を引き魔弾を放った


 敵の放った魔弾は

 バスタードの足元を擦り

 地面に直撃した


 ハルタンの放った魔弾は・・・



▶︎バリルとプラクト


 ハルタンの放った魔弾は

 トラッキングミラーのスナイパーに命中

 バリルはスナイパーのトリガーを何度も引いても

 武器が壊され

 魔弾を放つ事ができなくなっていた



バリル

『あの野郎、また俺をコケにしやがって!!』



 今にもトラッキングミラーで

 敵の魔装機に突撃しようとするバリルを

 プラクトは止めた



プラクト

『もう終わりだ、復讐なら次の機会がある

 今はこの命を大切にする事が先決だ』


バリル

『俺に指図すんな!!ここであの女を殺し

 ディナガードの連中も全員殺す!!』


プラクト

『死にかけていた君を救ったのは私だ、

 私まで一緒に見殺しにするつもりなのかい?』



 プラクトの冷徹な目が

 バリルの心を突き刺した


 バリルの義手には

 トラッキングミラーのトリガーを

 固く握り締めていた


 感覚の無いハズの右手から

 冷や汗が流れるような感覚を味わい

 バリルはトリガーから手を離した



 ナラやレイナ達の魔装機がやって来た頃には

 ハルタンが謎の襲撃者を追い返し

 村人達はディナガード国の機士の人達に

 沢山のお礼を言っていた。


 機士の皆がディナガード国に帰還すると

 司令のデルクから

 とんでもない事を聞かされていた


 魔業教団を名乗る大勢の者達が魔装機に乗り

 ローズストーンが襲撃を受けていると


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