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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 9章
82/120

9章 生まれたこの世界は 68話-狂いだす歯車

〈68-1 魔装獣の調査〉


▶︎ディナガード領 街道


 ローズストーン国では

 魔装機大会で盛り上がっている最中、

 ディナガード国の人々は

 各々の時間を過ごしていたのだった


 ディナガード国の機士レイナは

 仲間のノノカとマルの3人で

 魔装獣の調査をしていた



レイナ

『魔装獣の目撃情報は

 レインオラクルとローズストーンにしか無い、

 ディナガードに現れても

 不思議じゃないと思うけど....』



 レイナは少し不安に思っていた、

 もしディナガード領に魔装獣が現れたら

 ネルのマナリリアン抜きで

 魔装獣に勝てるのか分からない


 ナイト級の

 ナラ、サラサ、レベッカ、フタナ

 ビショップ級の

 レイナ、ノノカ、マル

 ディナガード国の機士はこの7名しか今は居らず

 残りの機士はオタエ・マンカイバラと呼ぶ

 レインオラクル国の機士に全て殺されてしまった


 魔装獣と呼ぶ敵が現れたら

 今のディナガード国の戦力では

 勝つ事が出来るのか分からない、

 レインオラクル国の戦いに参加した

 ハルタン、ハヤトの

 機士で無い者達の力を合わせても

 魔装獣を倒せるのか怪しいと考えていた


 不安な顔をするレイナに

 マルはいつものまったりとした表情で言った



マル

『どうしたのレイナ、そんな怖い顔して?』


レイナ

『・・・・・不安なのよ....

 魔装獣がディナガードに現れたら

 本当に私達だけで対処できるのか....』



 マルは少しビックリした

 臆病でビビリのノノカならともかく、

 いつも前を見て努力を続けるレイナが

 そんな事を言うなんて思いもしなかった


 マルは近くに居たノノカを呼び2人に言った

「大丈夫、私達には強い味方のネルが居るじゃん」



ノノカ

『どうしたんですかマルさん?』


レイナ

『そう言って、魔装獣と戦いたく無いだけでしょ』


マル

『えへへ』



▶︎ディナガード国


 外の見回りを終えたレイナは

 ライル博士の元に魔装獣の報告をした、

 魔装獣の姿は見られず

 ディナガードは平和だと言う事を


 何かの資料を見ていたライルは

 レイナの顔を見る事無く、

 ありがとうと返事を返し

 その資料に釘付けになっていた


 忙しそうなライル博士を見て

 レイナは何か分かったのですかと尋ねた



ライル

『魔装獣に付いて調べててね、

 少し築けた事があるんだ』


レイナ

『え!?』



 ライルは自分の持っていた資料を

 近くのモニターに映し出し言った


 レインオラクル国で最初に現れた蛇型の魔装獣


 二度目はローズストーン国で現れた鳥型魔装獣


 三度目もローズストーン国で現れた岩型魔装獣


 この三体の魔装獣と

 古代の資料に残された四聖と呼ばれる神の化身。

 それを照らし合わせ

 ライル博士は1つの仮説を立てた



レイナ

『4体の獣ですか...』



 ライルは自信に満ちた表情で言う、

 四聖には

 青龍、白虎、朱雀、玄武の四体が存在する。

 レインオラクル国で現れた蛇型魔装獣が青龍

 ローズストーン国で現れた

 鳥型と岩型の魔装獣が朱雀と玄武、

 その姿をモチーフに作られた

 機械なのではないかと...



ライル

『だとすると後1体、魔装獣が現れる可能性はある』


レイナ

『白虎の魔装獣....でも誰がそんな物を!?』



 そこだけが分からないとライルは言った、

 何のために作られたのか

 何を目的として動いているのか

 本当にこの世界で作られたテクノロジーなのかと


 魔装獣は倒されると

 1つ1つのパーツがバラバラになり

 光と共に消えて無くなってしまう、

 この世界の技術では

 そんな物を作るのは不可能だと言った



レイナ

『・・・・異世界人の魔装機』


ライル

『かも知れないね、ネル君やアケミ君が

 この世界に来た時と同じように

 異世界から来た者が魔装獣を作っているのかも』



 ライルは資料を机に置き

 あくまで僕の仮説だけどねと笑った


 レイナは

 最後に現れるかも知れない魔装獣

 白虎の魔装獣の事を

 デルク司令達に報告すると言い

 ライル博士の研修室を出て行こうとしたら

 ライルがレイナを引き止め言った



ライル

『そう言えば、セリアさんにはもう会ったかい?』


レイナ

『セリア元隊長にですか?』


ライル

『そう、1度会ってから

 デルク司令の元に行ったらいいよ』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-2 お茶目〉


 ライル博士に言われ

 セリア元隊長の元に向かおうとしていたレイナ


 ライルが言うには

 研究所にセリアは来ているらしく

 その場所で何かをしているそうだ


 セリア・フォンバース

 元ディナガード国機士団隊長で

 機士の皆から慕われていた尊敬に値する人物、

 漆黒の魔装機アランのガンドリアに敗れ

 両足を失い機士としての任意を果たせなくなり

 機士を辞め

 信頼する副隊長のナラに機士団隊長を任せ

 今は平凡な日常を送っている


 そんなセリア元隊長が何故研究所に?

 そうレイナは考えながら

 セリア元隊長が居る部屋に入った


 失礼しますと頭を下げ部屋に入ると

 足に毛布を掛けたセリアが

 自分の足を痛そうにして苦しんでいた



レイナ

『大丈夫ですかセリア隊長!!』


セリア

『あっ足が痛い、少し見てくれないか』



 レイナは直ぐにセリア元隊長の足を見ようと

 足に掛けられた毛布に近づくと、

 毛布から銀色の何かが伸びて来て

 レイナは凄くビックリとさせられた


 レイナは驚きながら

「何ですかコレ!?」っとセリア元隊長に言う



セリア

『フフフ、凄いだろ

 ライル博士に義足と呼ぶ道具を作ってくれてね、

 マナを使い自由に動かせる

 言わば私の第二の足なんだ』



 レイナは凄いと思いセリアの義足を触った



レイナ

『って、さっきのはコレを見せて驚かせる為に

 ワザとやったんですね?』


セリア

『どうだ?ビックリしただろう?』



 とても嬉しそうな

 セリア元隊長を見てレイナは思い出した、

 この人はこんな事をする幼稚な一面も有る

 まんまと騙された自分が恥ずかしくなった



セリア

『ナラも驚かしてやりたいから

 一緒に協力してくれないか?』


レイナ

『ナラ隊長凄く怒ると思いますよ、

 それに今は

 機士の数も足りなくて大変な時期ですから

 そんな事をやったらナラ隊長が可哀想です』



 そうか....そう元気の無い返事をして

 セリアは義足をツンツンと触った


 あっ!!そうだ!!

 っとした表情でセリアは言った、

 サラサとレベッカになら

 こんな事しても許されるのではと提案した


 レイナは何も聞かなかった事にして

 セリア元隊長をその場に残し

 デルク司令の元に向かった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-3 理解不能〉


▶︎ディナガード国 学園


 学園の生徒達は機士のサラサに集められ

 訓練用魔装機での実施訓練の授業をしていた


 サラサは生徒達を1人1人を訓練用魔装機に乗せ

 実戦ではどのように行動すれば良いのか

 どのように立ち回れば良いのかと教えていた


 学園の生徒だったハルタンは

 ワクワクとさせながらハヤトに言った



ハルタン

『久しぶりの魔装機戦だ!!

 楽しみだなハヤト!!』


ハヤト

『落ち着いてくださいハルタンさん、

 騒いでいるとサラサさんに怒られますよ』



 ハルタンとハヤトの側に

 生徒のヴァルゴがやって来て2人に言った



ヴァルゴ

『ハルタン・ベルナンデス、ハヤトの二名は

 レインオラクル国との戦闘経験も有る、

 実戦での戦い方に詳しい』


ハルタン

『そうだぞ!!凄いだろ!!』



 自分の胸を張るハルタンに

 少し恥ずかしそうなハヤト


 ヴァルゴは2人に聞いた

 戦いは好きなのかと?


 どうしてそんな質問を?そう考えるハヤトと

 質問の意味が分からず

 頭をポカンとさせるハルタン


 ハルタンは少し考えヴァルゴに言った

「戦いは嫌いだ、

 でも大好きな人を守る為なら私は戦う」



ヴァルゴ

『それが君達の強さか...』


ハヤト

『ヴァルゴさんはどうなんですか?』


ヴァルゴ

『そう命じられれば戦う、

 殺せと言われれば殺し 死ねと言われれば死ぬ』



 自分の価値観と違い過ぎるヴァルゴに

 ハヤトは困惑して何も言えなかった


 しかしハルタンは違った、

 そんなメチャクチャな事を言うヴァルゴに

 そんな考えでは駄目だと

 自分の価値観を押し付けた



ハルタン

『駄目だ!!それじゃあヴァルゴが可哀想だ!!』


ヴァルゴ

『可哀想?...何故?』


ハルタン

『誰かを殺すって事はとても悲しい事で

 死ぬってのはもっと悲しい事なんだ!!

 だからそんな考え可哀想だ!!』



 言っている意味が理解出来ず

 ヴァルゴは頭を傾げ悩まされた


 そんなヴァルゴにハヤトも言った、

「奪ったり殺したりするだけが戦いじゃありません

 皆が幸せになる為に戦う事もあるんですよ」



ヴァルゴ

『・・・・・理解不能だ』



 講師をしていたサラサは

 騒がしくしているハルタン達を叱った

「そこ!授業中なの忘れないでよ!」


 ごめんなさいとハヤトは頭を下げ

 ハルタンとヴァルゴに静かにするように言った



サラサ

『それじゃあ次はハルタンとヴァルゴが

 魔装機に乗って戦って見て』


ハルタン

『よっしゃあ!!私の出番だ!!』



 ハルタンとヴァルゴは立ち上がり

 訓練用魔装機に乗る、ハヤトはヴァルゴに言った

「頑張ってくださいね」と


 ハルタンはヴァルゴに教えた

 戦闘経験は自分の方が上だけど手加減はしない

 だからお前も頑張れと



ハルタン

『行くぞヴァルゴ!!』


ヴァルゴ

『・・・・・』



 結果は分かっていた....

 ヴァルゴの乗った訓練用魔装機は一瞬で負け

 ハルタンが勝利した


 ヴァルゴが訓練用魔装機から降りると

 ハヤトは駆け寄り心配した



ハヤト

『大丈夫ですか?、ハルタンさん

 少し乱暴な所もありますから』


ヴァルゴ

『大丈夫....』



 そう言って、ヴァルゴは何処かに行ってしまった


 ヴァルゴを怒らせてしまったとハヤトは思い

 ハルタンに近づき言った、

 後で一緒に謝りに行こうと



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-4 好きな事も楽しい事も〉


▶︎学園の食堂


 食堂の四隅で1人食事をするヴァルゴ、

 ヴァルゴは具の無いスープを飲み

 周りの騒がしい声に耳を傾けず

 1人の時間を過ごしていた


 そこに暗い表情のハルタンと

 申し訳なさそうな表情のハヤトがやって来た


 ハヤトはハルタンの背中を押し

 何かの合図を送っていた



ハルタン

『ごめんなヴァルゴ、

 今日の実施訓練で好き勝手して....』



 コレ!!っとハルタンは

 トレーに乗せられていたお皿から

 自分が大好きなお肉の切れ端を

 ヴァルゴに渡そうとした


 自分の大好物を渡して

 ヴァルゴの御機嫌を取ろうとハルタンはしたのだ


 それに気付き

 ヴァルゴはスープを飲みながら言った

「怒っては無い、その肉はお前が食べろ」


 でもハルタンは困り顔でヴァルゴに言う



ハルタン

『ヴァルゴ、

 具の無いスープばかり飲むから心配なんだ....』



 ハルタンがまた

 失礼な事を言ったとハヤトは思い

 ハルタンを叱った


 ごめんとまたハルタンは謝り

 ヴァルゴに許してくれと頭を下げた



ヴァルゴ

『怒ってなど無い』


ハヤト

『お隣座っても良いですか?』


ヴァルゴ

『構わない』



 ハルタンとハヤトは笑顔になり

 ヴァルゴの隣に座った


 ハルタンとハヤトは

 ヴァルゴと仲良くなろうと色んな事を聞いてみた

 何処から来たのか

 どうして機士になろうとしてるのか

 好きな事や嫌いな事とか


 ヴァルゴは淡々と話した

 出身地はディナガード国から遠く離れた辺境の地

 機士になる理由は魔装機に乗れるから

 家族も居なく 好きな事も何も無い

 そう淡々と....


 それを聞いたハルタンは言った

 私も機士になる理由は特に無いし

 元々はレインオラクルの人間だった、

 血の繋がった家族の

 ブリ姉さんとアモ姉は戦争で亡くなった

 今は1人だけど友達の

 レイナやノノカやハヤトやネル

 それに大好きなデルクや皆んなが居る

 今はそれで幸せなのだと



ヴァルゴ

『レイナ、ノノカ、マルは

 ディナガード国の機士の3人....』


ハルタン

『マルは酷い奴だぞ!、

 私のお菓子を奪う奴だからな!!』


ヴァルゴ

『そうか』



 真に受けないでください、

 そうハヤトはヴァルゴに言った


 ハルタンとハヤトはヴァルゴと色んな事を話し

 彼女とも仲良くなれたと感じていた、

 ハルタンは何も考えず

 ヴァルゴの事を友達だと感じていたが

 ハヤトは少し違った


 ヴァルゴの話には心に刺さらない

 言葉では言い表せない矛盾を感じている、

 彼女が何者なのか未だに分からない

 その事だけが気がかりだった


 ハルタンはヴァルゴに言った

 好きな事や楽しい事が無いと言ったヴァルゴに



ハルタン

『楽しい事も友達が居れば直ぐに分かる!!』


ヴァルゴ

『分かる?』


ハルタン

『そうだ!!だって私達はもう友達だ!!』


ヴァルゴ

『友達....』


ハヤト

『そうですよ』



 ヴァルゴは嬉しそうな2人に顔を見て

 何故彼女達はこんなに嬉しそうなのか

 ヴァルゴには理解出来なかった


 楽しい時間は過ぎ 授業の時間になり

 3人はそれぞれの教室に戻った


 ヴァルゴは教室に戻る前に

 機士のフタナと合い

 廊下ですれ違いザマに言った



ヴァルゴ

『そちらは順調か?』


フタナ

『えぇ....私に干渉しないんじゃ無かったの?』


ヴァルゴ

『お前はディナガード国の人間だ、

 私達を裏切る可能性がある』


フタナ

『フタマが居るなら裏切らないわ!』


ヴァルゴ

『・・・・・、明日の任務 失敗(シクジ)るなよ』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-5 失われない物〉


▶︎ディナガード城


 レイナは魔装獣の偵察での報告と

 ライルが発見した

 四聖との繋がりがあるかも知れない可能性を

 デルク司令に話した


 デルクは話を受け止め

 今日の任を終えるようにレイナに言う


 レイナは敬礼をして、

 一つ疑問がある事をデルクに話した


 重い病気で寝たきりになっていた

 ディナガード国の王、バエル王に付いてだ


 今は体調が戻ったと聞くが

 バエル王は未だ人前に姿を現して居なかった



デルク

『バエル王は寝室で何処か上の空なんだ、

 凄く身体に無理をしているのかも知れない』


レイナ

『そうですか...』



 報告を終えたレイナはディナガード城を去り

 ナラ隊長にも報告しようと

 学園にある隊長室に向かった


 その道中、

 レイナはナラ隊長とセリア元隊長を見つけた


 セリア元隊長はレイナにやったように

 足が痛い振りをして

 ナラに義足を見せて驚かせていた



セリア

『どうだナラ?、ビックリしたか?』



 本当に心配していたナラは

 セリア元隊長に揶揄われたと分かると

 無表情の怖い目付きでセリアの顔を黙って見た


 恐ろしく怖い表情に

 セリアは「ナラ?」っと、少し怯えながら

 ナラの名前を呼んだ


 一部始終を見てしまったレイナは

 セリア元隊長に言った

「だから言ったでしょ、ナラ隊長怒りますって」


 両手をバタバタ動かしながら

 軽いジョークだ、冗談だと

 セリアは弁明するようにナラに言う



ナラ

『・・・仕事中ですので私はコレで失礼します。

 レイナさん、偵察の報告を聞かせてください」



 レイナは敬礼して

 ナラと一緒に隊長室に入って行った


 1人残されたセリアは頭を下げ落ち込んでいた



レイナ

『以上が報告になります』


ナラ

『ありがとうございます。

 今日の仕事は以上でしたね、

 ゆっくり休んでください』



 レイナは敬礼をして隊長室から出る


 そうだと思ったレイナは

 偶には

 ハルタンやハヤト達に会いに行こうと考えた


 生徒の2人とは会う時間が無く

 久しく顔すら見ていない、

 ちゃんと学園の生徒らしく勉強をしているのか

 確認しに行こうとレイナは学園の中を歩き

 ハルタン達を探してみる事にした



 機士団隊長のナラは

 レイナや他の機士の報告書をまとめ

 隊長室から部屋の外に出ると


 義足を支えこなせず

 這いつくばったセリア元隊長が廊下に倒れていた


 ナラは凄くビックリした声で

 セリアの名を呼び駆け寄った



ナラ

『セリア隊長何してるのですか!?』



 セリアは恥ずかしそうに説明した、

 義足をまだ上手く扱う事ができず歩けない

 良ければ手を貸してくれないか?

 そうセリアは言うと

 無言でセリアを抱き上げ

 自分の肩にセリアの手を乗せ立たせた



セリア

『済まないナラ』


ナラ

『全く、セリア隊長にはいつも困らされます』



 セリアは少し苦笑いをして

 もう一度ナラに謝った


 外で遊ぶ生徒達を見てセリアはナラに言った

「もう一度歩けるようになったら

 私とディナガード国を見て回らないか?」


 言葉の意味を理解したナラは

 分かりましたと嬉しそうに返事をした



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-6 お菓子パーティー〉


 廊下を歩いていると

 レイナはハルタンとハヤト

 それと転校生のヴァルゴと出会った


 ハルタンは久しぶりにレイナの顔を見て

 喜びながらレイナに抱き付いた



ハルタン

『レイナ、レイナー♫』


レイナ

『暑苦しいわね、いきなりなんなのよ』



 そう言うレイナだったが

 ハルタンが元気そうで内心は嬉しかった


 ハヤトもレイナに挨拶をして

 どうして生徒達が通る渡り廊下に

 機士のレイナが居るのかと尋ねた



レイナ

『貴方達の顔を見にね、そっちの子は?』


ヴァルゴ

『ヴァルゴと言います、

 先月この学園に転校して来ました』


レイナ

『よろしくねヴァルゴ、私は機士のレイナ』



 レイナはヴァルゴの手を握り握手をした、

 ヴァルゴはレイナの手や顔をじっくりと見て

 何かを探るような顔でレイナを見ていた


 ハルタンは久しぶりにレイナに会ったので

 何処かに遊びに行かないかと誘った


 明日も機士の仕事なので

 遊びに行く時間は無いのだとハルタンに言うと、

 ハルタンは凄く駄々を捏ねて

 嫌だ嫌だと暴れ始めた


 赤ちゃん見たいな行動にレイナは困り果て

 分かったわよ、今日の夜私の部屋で

 お菓子パーティーでもしてあげるからと

 ハルタンに言った


 さっきまで暴れ回っていたハルタンだったが

 それを聞きピタリと大人しくなり

 本当か!?っと満面の笑みでレイナの顔を見た



ハルタン

『ハヤトやヴァルゴも連れて行っていいか!!』


レイナ

『分かったわよ、

 私もノノカとマルを誘っておくわ』


ハルタン

『ウゲ!、アイツも来るのか...』



 マルが来る事にハルタンは凄く嫌な顔をした、

 喧嘩をしたらパーティーは直ぐに辞めるからと

 レイナはハルタンに言うと

 シブシブ ハルタンは分かったと返事をした



ハヤト

『ごめんなさい、私とヴァルゴさんまで』


レイナ

『良いって、パーティーは多い方が楽しいでしょ?』




▶︎ディナガード国 レイナとノノカの部屋


 その夜

 ハルタン達はレイナの部屋に行くと

 先に来ていたマルは

 ハルタンの顔を見て嫌そうな顔をした


 ハルタンも嫌そうな顔をしながら

 3人はレイナの部屋に入った



ノノカ

『いらっしゃい、お菓子は沢山買いましたので

 好きなだけ食べてくださいね』


マル

『こんな奴が居たら

 私達の食べるお菓子が無くなっちゃうよ』


ハルタン

『お前が人の事を言うのは

 間違ってると私は思うけどな』



 歪み合う2人を見て

「喧嘩したら2人だけ追い出すから」

 そうレイナは2人に言った


 お菓子が食べられないのは嫌だと感じ

 ハルタンとマルは仕方なく大人しくする事にした


 ノノカは買って来た沢山のお菓子を広げ

 レイナは

 レベッカから頂いたハーブティーを

 人数分のカップに注いだ


 美味しそうなお菓子と良い香りのハーブティーに

 ハルタンとマルはヨダレを垂らしてしまった


 6人で

 レイナとノノカが使う部屋に押し寄せたので

 少し狭く感じるとノノカは言った



ノノカ

『6人だと狭く感じますね』


マル

『こんな奴ら呼ばなければ

 私達だけで楽しくお菓子食べれたのに...』


ハルタン

『あぁ!!お前今

 言ったらいけない事を言ったな!!』


マル

『何が?ただ当たり前の事を言っただけですよ〜』


ハルタン

『グヌヌ、やっぱりお前は嫌いだぁぁ』



 レイナはまた2人を睨むと

 ハルタンとマルはそれ以上言い争う事無く

 ソッポを向いてお菓子を食べ始めた


 楽しい時間はゆっくりと過ぎ

 話題は恋バナについて話していた


 学園には男性は愚か、職員の男の人すら居ない

 ハヤトはその事を言うと

 レイナとノノカはそうだったと

 思い出した顔をしていた



ノノカ

『では好みのタイプとかはどうなんですか?』


ヴァルゴ

『考えた事もない』


ハヤト

『私もです..』



 感情を感じさせない喋り方で答えるヴァルゴと

 凄く恥ずかしそうに答えるハヤト


 ハルタンはと言うと

「私はデルク一筋だからな!」そう

 自信満々に答えていた


 3人はどんな人が好みなのかハヤトは聞くと

 レイナは普通の人と答え

 マルは

 お金持ちでお菓子を沢山買ってくれる人と答え

 ノノカは...



ノノカ

『私は...そーですね、

 清潔感があって家庭的で子育てにも積極的で

 私が悩んでたら悩みを聞いてくれて

 旦那さんが悩んでたら悩みを聞いてあげて

 週に1度は外にピクニックに行ったり

 記念日の日にはサプライズしてくれたり

 部屋の掃除を......』



 ペラペラと自分の欲を長く話すノノカに

 皆は黙ってしまった


 話題を変えようと

 レイナはハルタンに聞く、

 最近デルク司令とはどうなのかと?



ハルタン

『仕事が忙しく会ってもくれないんだ...

 私達結婚してるのに変だよな?』


マル

『デルク司令は

 こんな子供に興味無かったんじゃ無い?

 籍を入れたのも

 ローズストーン国の人達と戦う為の口実でしょ?

 用が済んだからポイされたんじゃ....』



 それ以上喋らせまいと

 レイナはマルの口を手で塞いだ


 モゴモゴとマルは何かをレイナに言っていたが

 手で塞がれているので

 何を言ってるのか分からなかった



ハルタン

『やっぱり形として愛を感じたい!!』


ノノカ

『どうするのですか?』


ハルタン

『子供だ!!子供を作るんだ!!

 でも子供の作り方なんて私知らないし....

 皆んなは知ってるのか?』



 5人は黙った


 さっきまで楽しかった空気は一変して

 どうしようかとレイナ達は悩んだ


 ハルタンはもう17歳だ

 真実を教えても問題無いかも知れない、

 だけどそんな事恥ずかしくて言えっこ無い

 そう感じてしまっていた


 そんな空気の中

 冷静な口調でヴァルゴはハルタンに言った



ヴァルゴ

『男性から出るスペルマを

 女性にファーティライゼーションさせれば

 子供は作れるぞ』


ハヤト

『ヴァルゴさん!?』


ハルタン

『う〜ん、やっぱり良く分かんないや』



 ハルタンはパクパクとお菓子を食べ

 幸せそうな表情になった


 花より団子な彼女を見て

 レイナ達はため息を吐いた


 話題は変わり

 異世界人のネルの話になった、

 レイナは以前

 ネルと訓練用魔装機で戦った事がある


 マナが無いネルは普通の訓練用魔装機と違い

 ライル博士が作った特別な訓練用魔装機を使い

 レイナと戦ったのだった



ノノカ

『そう言えばそうでしたね』


レイナ

『懐かしいわね、もう昔のように感じるわ』



 ネルの情報が知れるとヴァルゴは思い

 その話を色々な角度から聞いた


 どの用な試合だったのか

 どっちが勝ったのか

 その魔装機は何処にあるのかと


 一通りの情報を聞き出したヴァルゴは

 後は静かに時を過ぎるのを待った



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-Q レベッカ・アスフォルテ〉


▶︎ディナガード領 港の街


 機士のレベッカとフタナは

 古代の魔装機

 水陸両用魔装機ヴァーグランスを探し

 港の漁師と海賊達と協力して

 その魔装機を探していた


 ヴァーグランスはネルのマナリリアンに敗れた後

 深い海の底に沈み消えてしまった


 もう何処か遠くに流されたのかも知れない、

 長い月日を使いヴァーグランスを探していたが

 今日も見つかる事は無かった


 海賊のパンプットはレベッカ達に報告する

 今日も成果ゼロです ごめんなさいと



レベッカ

『ありがとうございますわ、

 今日はコレで引き上げましょう

 お疲れ様ですわ』



 仕事を終えたフタナは

 レベッカに買い食いしようと

 街の中にあるイカ焼きを二つ買い

 灯台の近くにある海が見渡せるベンチに座り

 大きなイカ焼きをモグモグと食べた


 レベッカは初めて食べるイカ焼きに

 目を輝かせながら美味しいと言った



レベッカ

『なんですのコレ!?とても美味しいですわ!!』


フタナ

『レベッカは大袈裟だな〜、

 リアクションに困らないから良いけどさ』



 波の揺れる音と

 海の上を風が通る音に2人は癒されながら

 イカ焼きを食べた


 美味しそうにイカ焼きを頬張るレベッカに

 フタナは聞いた

 どうしてレベッカは機士になったのだと



レベッカ

『ワハフヒデフカ?』


フタナ

『もう、口の中に物入れながら喋らないでよ』



 口の中のイカ焼きを飲み込み

 レベッカは言った、理由は無い

 私がマナの高い魔女だったから機士に選ばれた

 それだけだったと



レベッカ

『・・・・・ですが、私は機士になど

 成りたいと思っていませんでしたわ』


フタナ

『え?』



 レベッカは静かな海を見ながら

 自分の昔話をフタナにした



▶︎レベッカの過去


 私はアスフォルテ家の長女として産まれました


 家族はお母様とお父様を入れて5人

 兄は2人いましたが女性は私1人だけでした


 ようやく産まれた女性の私に

 お母様もお父様も大喜びでした、

 アスフォルテ家の女性は強いマナを持つ

 この子は機士になる素質がある

 だからディナガード国の機士になるのだと...


 沢山のお勉強や習い事を

 幼い頃から私は覚えさせられました、

 遊ぶ時間も

 誰かと楽しく喋る時間すらも与えて貰えず

 ただ機士になる為のプロセスを積み重ねました


 そうして月日は流れ

 15歳に成った私はディナガード国の

 機士になる為の学園に行きました


 家を離れ 寮での生活

 知らない人達との共同生活や

 知らない人からの期待の眼差しが...



ミリアルド

『見て見ろセリア、

 あの子がアスフォルテ家の令嬢だ』


セリア

『入学初日でナイト級のマナを持ち

 魔装機の操縦も1番上手な生徒だな..』


ミリアルド

『詳しいね?

 君も彼女に目を付けているのかい?』


セリア

『・・・彼女は強い・・だけど...

 信念を感じさせる何かが

 彼女からは感じられない、

 同学年で最強になってしまった彼女は

 何処か孤独な一面を私は感じている、

 ライバルと呼べる者が彼女には必要だ』


ミリアルド

『なるほどね』



 機士団の隊長さんと副隊長さんの

 セリア・フォンバース隊長と

 ミリアルド・シュナイド副隊長が私の顔を見て

 何か話し合っています....


 無理もありませんわ

 新入生で高いマナを持っていたのは私だけ

 クラスの人達からも一目置かれ

 皆から慕われています


 私が機士になるのは確実

 だから私に付いて来て

 少しでも私と

 仲良くしようとする人達しかいません

 自分の地位を高める為に....


 私は利用されている

 家族からもクラスメイトからも

 機士の人達からも....


 魔装機戦のテストが近かったので

 私は魔装機訓練所に行くと

 同じ学年の生徒が訓練用の魔装機に乗り

 練習をしていた人が居ました



レベッカ

『今日は無理そうですわね、

 また明日にでも来ましょう』



 次の日も そのまた次の日も

 その生徒はその場所で練習を続けていました


 あの生徒は誰なのかと

 私は同じクラスの人に聞いてみると



同じクラスの生徒

『あー、あの子?ポーンの子でしょ貴族でも無い』


レベッカ

『ポーン?』



 その方は教えてくれました、

 ポーンとはマナが低く

 ビショップ級にも満たない

 階級無しの魔女の事だと


 その時は知りませんでした

 その言葉が悪い意味の言葉だったなんて



同じクラスの生徒

『マナも低いのに良く頑張るわよね

 レベッカ様の足元にも及ばないのに』


レベッカ

『なんてお名前なのですか?』


同じクラスの生徒

『サラサよサラサ、ポーンのサラサ』


レベッカ

『サラサさん...』



 その次の日

 私がサラサさんをポーンとお呼びした事で

 サラサさんは怒ってしまいました


 騒ぎを聞き駆けつけて来たセリア隊長は

 私とサラサさんで決闘をする様に言いました


 ナイト級の私がポーンのサラサさんと?

 レベルが違い過ぎると思い

 私は試合を断ろうと思いましたが

 サラサさんは辞めようとしませんでした


 少し実力差を見せれば彼女も分かってくれる

 そう信じ

 私はその決闘を承諾しました



 ・・・・試合は終わり

 私の思っている結果とは違う結果が残りました



 驚きました、初めて私は負けたのですから

 ナイト級の私が負けて

 ポーンのサラサさんが勝った


 諦めないサラサさんを見て

 私の心の底にある感情が熱くなりました、

 悔しい 勝ちたい

 この人に勝ちたいと


 私が負けた事に

 セリア隊長は嬉しそうな表情をしていました



レベッカ

『私が負けて嬉しいのですかセリア隊長...』


セリア

『いや違うよ、君がコレから

 強くなると分かったから嬉しいんだよ』



 言葉の意味は直ぐに分からされました


 私が少し強くなる頃には

 サラサさんはもっと強くなっていました


 私が幼少期からやって来た努力は無駄だったのか

 そう感じてしまいましたが、それは違うのです

 サラサさんは私より

 もっと努力して強く成ったのですから


 いつしか私は

 サラサさんを生涯のライバルだと感じました


 そう感じさせられたのは

 あの日からでした


 魔装機での演習で

 屋外授業を行なっていた時

 森の奥からラッドスライムが現れました


 ラッドスライムは

 魔装機と同じぐらいのサイズの液体の魔物、

 生徒は皆さん怯え

 私は乗っていたタレントの銃、

 ラピットを取り出し

 その魔物に向け乱発しました


 ですがラッドスライムには効果が無く

 手も足も出せ無くなりました


 そんな時でした

 サラサさんは私に言いました



サラサ

『アイツに物理は通用しない!!』


レベッカ

『ではどうするのですか!?』


サラサ

『こうすんのよ!!』



 サラサさんの乗ったタレントは

 地面にラピットを連射し始めました


 何をしているのか私には分かりませんでしたが

 サラサさんは続けていました


 銃口が熱く成ったラピットを

 近くの燃えやすそうな木に近づけ燃やし

 その木を引っこ抜き

 ラッドスライムにぶつけました


 するとラッドスライムは蒸発してなくなり

 サラサさんは1人で大型の魔物を倒したのです


 その時感じさせられました

 サラサさんには魔物の知識もある

 授業で習う事以外にも目を向け行動した

 私とは違う....この人はもっと強くなる


 だから勝ちたい、そう思いました


 機士になる目標が無かった私に

 サラサさんは目標を与えてくれました、

 目標が無ければ

 私は機士を辞めていたかも知れまんせんでした



▶︎ディナガード領 港の街


 レベッカの話を聞き

 そっか...と小さく返事をしたフタナ


 レベッカはイカ焼きを食べ終わり言った

 今日の仕事も終わったのですから

 早くディナガード国まで帰りますわよと


 フタナはレベッカの後ろ姿を見て

 何かを思い悩んでいた


 本当にコレで良いのか

 コレから自分がしようとしている事は

 サラサやレベッカを深く傷付けてしまう



 ・・・・・だけど

 もう彼女の生き方はあの日から決まっていた、

 生きる意味の本当の意味を



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-7 マナリリアンの設計図〉


▶︎ディナガード国


 ライルは研究資料をまとめ

 何処かに出掛けようと馬車の手配をしていた


 それに気が付いたナラと

 偶然居合わせたエレノアは

 ライルが何処に行こうとしているのか聞いた



エレノア

『お出掛けですかライルさん?』


ライル

『少しね、ビット博士が使っていた

 魔装機倉庫に行こうと思うんだ』



 魔装機倉庫?そうナラは考えた


 ライルが行きたかった場所は

 ネルがマナリリアンと初めて出会った

 ビットが使っていた魔装機倉庫


 その場所にはマナリリアンの設計図や

 マナリリアンに付いて

 何か情報が有るかも知れない



ライル

『今更だと思うだろうけど、マナリリアンに付いて

 有益な情報が手に入るかも知れないからね。

 前まではレインオラクルの騒ぎで

 それどころじゃ無かったし』



 エレノアはナラの顔を見て

 私も行きたいですと目を輝かさせながら言った


 ちょうど今日は

 全機士がディナガード国に居る

 隊長の自分が国から離れても大丈夫だろうと考え

 エレノアに言った



ナラ

『分かりました、デルク司令に報告してから

 お出掛けするとしましょう』


エレノア

『ありがとうナラ』



 数分後


 ナラはトライデントに乗り

 エレノアとライルは馬車に乗り

 ディナガード国の正門前にやって来た


 隊長のナラをお見送りするサラサに

 ナラは言った、

 しばらく国を離れます

 後の事はサラサさん達に任せますと



サラサ

『分かりました、

 エレノア姫もライル博士も気をつけて』



 サラサとディナガード国にしばしの別れを告げ

 3人はビットの居た魔装機倉庫に向かった


 村の住民

 ネルをホーンウルフから守ったエンギルは

 ディナガード国から来た

 馬車と魔装機を見て凄く驚き

 更に中から顔の見知った

 エレノア姫と機士のナラが現れ更に驚いた



エンギル

『あん時の嬢ちゃん達!?』


エレノア

『お久しぶりですエンギルさん』



 エンギルはエレノアとナラに言った、

 あの時助けた坊主のネルが

 まさか英雄と呼ばれるまで大物になるなんて

 思いもしなかったと、

 そんなネルは今日は居ないのかと尋ねると

「ネル殿は今はローズストーン国に行っています」

 そうナラはエンギルに教えた


 少し寂しく感じたエンギルだったが

 あの坊主が元気そうで何よりだと感じた


 ライルはエンギルさんに聞いた

 ビット博士が使っていた

 魔装機倉庫が何処にあるのかと



エンギル

『あぁ、あの場所ならまだ残ってるよ

 俺が案内するから着いてきなよ』



 ライル達はエンギルに案内され

 ビット博士が使っていた魔装機倉庫にやって来た


 その場所は誰にも荒らされておらず

 エレノアとナラが前に来た時のままだった


 魔装機のパーツや部品

 機械をイジるための道具ばかりで

 それらしい資料は何処にも見当たらなかった



エレノア

『見つかりませんね、マナリリアンさんの設計図』


ナラ

『そうですね』



 ナラは机の引き出しを見てみると

 若い頃のビットと

 研究者仲間だろうか?

 同じ白服の女性と男性がビットと写っていた


 写真の裏には

「逃げ出した私を許して欲しいイオン.ヌーア」

 そう書かれていた


 ナラはその写真を机にしまい

 他の引き出しのノートを手に取り

 パラパラとページをめくってみた


 コレまでの実験記録や

 レインオラクル国の

 悲惨な現状などが書かれていた



ナラ

『コレは関係ありませんね』


ライル

『コレだ!!』



 ライルは大声を上げ

 ナラとエレノアはその声に反応して

 ライルの側に近づいた


 ライルはその資料に注意深く目を通し

 エレノアは何が書かれているのか気になり

 ライル博士に尋ねた



エレノア

『何か分かりましたか?』


ライル

『謎の魔石を使った実験記録に

 その石の性質や

 魔装機の設計図まで書かれているよ』



 流石ビット博士だ

 魔装機作りの細かい部分まで凄くこだわりが感じ

 繊細な作業や職人技を感じさせる発想で

 マナリリアンを作り上げたのだと分からされた


 ただ気になる部分も存在した

 謎の魔石に付いては詳細が分からず

 その石の力は魔装機を超える

 スーパーパワーが存在する可能性があるとしか

 書かれていなかった


 それに...



ライル

『ここの文字は

 ビット博士の文字では無く別の誰かの文字だね』


エレノア

『不思議ですね....アレ?

 でも私、この文字見覚えがあります?』


ナラ

『私もです、何故でしょうか?』



 ライルはその文字が誰の文字が気が付き

 エレノアとナラに言った


 この文字はネル君の字だと..



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-8 赤の魔女〉


 黒いフードに身を隠した女性は

 大きなディナガード国を見て

「ここがディナガード国...」っと呟いた


 温かい風が顔を横切り

 顔を隠していたフードが風に煽られ

 女性は顔を覆っていたフードを下げた



ディナ

『外の空気は気持ちいいわね』



 赤の魔女ディナ

 大昔に魔王を倒した三大魔女と呼ばれる

 伝説の魔女


 勇気の魔女赤のディナ

 知恵の魔女青のレイン

 力の魔女黄のローズ

 伝説の魔女達は

 魔王を倒した称号でそう呼ばれる事もあった

 そんな魔王を倒した者達は

 各々の国に自分の名を取り 国の名前を付けた

 ディナガード国

 レインオラクル国

 ローズストーン国


 そんな伝説の魔女ディナが

 自分の名を付けられた国

 ディナガード国にやって来ていた。


 ディナは何者かに

 未来のこの時代に転送させられ

 今はその何者かに手を貸し協力者となっている



▶︎数時間前


 ディナを転送させた者は

 赤の魔女ディナに命令した


 ディナガード国に行き

 ある物を取って来て欲しいと


 何を取ってくるのかディナは聞くと

 謎の人物はディナに紙を見せた



ディナ

『・・・コレを盗めって事かしら?』


謎の人物

『そうだ、この国には我々の協力者が居る

 君の手助けもしてくれるだろう』



 ディナは紙を読み捨て

 分かったわと返事をした



▶︎ディナガード国


 裏門の小さな扉から

 ディナはディナガード国に侵入した


 近くには警備をしていたであろう兵隊が

 酒を飲みグッスリと眠っていた



ディナ

『すんなり入れたわね、

 コレも協力者の手助けなのかしら?』



 ディナはそのまま裏口を抜け

 ディナガード国の城下街に入る


 人や子供達が賑わうその場所には

 昔の時代とは違う平和な暮らしが存在した


 魔王や魔族に苦しめられ

 いつ死ぬか分からず怯え暮らす人々、

 食料や水さえまともに飲めない暮らし

 最悪な悪夢の景色を見て来たディナだからこそ

 こんな景色が観れるとは思ってもいなかった


 ディナは心の中で思った、

 レイン...ローズ...、私達が守った世界は

 こんなにも素晴らしく美しい物になったと


 だけど....


 ディナは街を歩いていると

 姉妹の女の子が

 両手にソフトクリームを持ち奥から走って来た


 妹の子は段差でつまずき転げそうになった


 姉は危ないと声を出すと

 ディナはその子の時間の流れを止め

 地面に顔が付く寸前の状態で

 妹の女の子を宙に浮かせていた


 姉が駆け寄ると

 ディナは妹の子に手を貸し助けていた



妹の女の子

『ありがとうお姉さん』


ディナ

『気を付けなきゃ駄目よ?』


姉の女の子

『妹を助けて頂きありがとうございます

 コレお礼です』



 姉は妹の手を取り

 その場を去って行った


 お礼にと渡されたのは

 その子が持っていたソフトクリームだった、

 ソフトクリームは

 ローズストーン国で流行っている食べ物で

 最近になってディナガード国でも

 食べれるようになった物だった


 観た事も無い奇妙な食べ物に

 ディナは恐る恐る舐めてみると....



ディナ

『美味しいわね』



 甘くて蕩けそうな食べ物にディナは驚いた、

 未来の世界には

 こんな美味しい食べ物が存在するのだと


 レインとローズにも

 食べさせてあげたいと感じていると

 自分が何をしないといけないのか思い出し

「こんな事してる場合じゃ無かったわね」

 そう独り言を言っていた



▶︎学園の魔装機倉庫


 不審な人物が

 魔装機倉庫に入って行くのを

 生徒のカゲコが発見して

 その事を機士の人達に報告した


 学園に侵入して

 盗み出す物の前に立っていたディナ


 ディナが盗もうとした物は

 ネルが使っていた訓練用魔装機

 ネル専用訓練用魔装機だった


 普通の魔装機は8m

 訓練用魔装機は5m

 少し小さい魔装機を見て

「可愛らしい魔装機ね」っとディナは口から溢した


 ネル専用訓練用魔装機のコックピットを開き

 中に乗り込み動かしてみると

 マナを送っていないのに魔装機は動き始めた



ディナ

『コレが情報にあった特別な力ね』



 魔装機を動かして数秒後


「止まりなさい!!」そう言って

 3機の魔装機がディナの乗る訓練用魔装機を

 取り囲んでいた



レイナ

『不審者め、その魔装機から降りなさい!!』


ノノカ

『ネルさんの

 訓練用魔装機をどうするつもりですか!?』


マル

『売ろうとでも考えてんじゃ無い?』



 ディナの前に現れたのは

 ディナガード国の機士レイナ達の乗る

 ロードナイトだった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-9 過去の英雄〉


▶︎学園の魔装機倉庫


 取り囲まれていた

 ディナが乗るネル専用訓練用魔装機


 レイナ達はロードナイトの

 マシンガンラピットを構え

 不審者の乗る

 ネル専用訓練用魔装機に銃口を向けていた



ディナ

『あらあら、もう見つかったのね』



 透明化の魔法を使い

 バレずにこの場所まで来ようと思えば来れた、

 ディナはあえて使わなかった


 こうなるのではと

 少しスリルを味わいたかったのだった


 レイナは直ぐにその魔装機から降りなさいと

 不審者の人物に忠告をした


 しかし

 ディナは魔装機から降りる事は無かった



マル

『どうする、撃っちゃう?』


レイナ

『民間人だったらどうするのよ、

 それに相手は訓練用魔装機よ?

 実戦用に作られたこっちの方が

 パワーもスピードも違うんだから』


ノノカ

『そうですね』



 ディナは3人の話しを聞き

 自分の国、

 ディナガード国の機士がどれほどなのかと

 試してみたくなった


 魔装機倉庫の外は

 訓練用の広いスペースがある


 ディナはそこまで魔装機を動かし3人に言った



レイナ

『ちょっと!!止まりなさい!!』


ディナ

『うふふ、面白い人達ね。

 貴方達が機士として相応しいのか

 確かめてあげるわ』


レイナ

『は?何言って..』


マル

『舐められてるね』


ノノカ

『少しムカつきます』



 マルとノノカは

 ロードナイトを動かし

 ディナの乗る訓練用魔装機と勝負しようと

 前に出た


 そんな2人にレイナは怒る

 相手は訓練用の魔装機

 実戦機じゃ相手を殺しかね無いと



マル

『大丈夫大丈夫、私もノノカも

 昔より魔装機の操縦技術は上がってるからさ』


ノノカ

『マルさん、

 武器は足以外狙っちゃ駄目ですからね』


マル

『へ〜い』



 全くコイツらと困り果てるレイナ、

 取り敢えずレイナは

 機士のサラサ達に魔装機の通信機を使い

 不審者とマル達が戦っている事を

 報告する事にした


 

ディナ

『いつでも良いわよ』


マル

『それじゃあコッチから』



 マルのロードナイトは

 不審者の訓練用魔装機を捕まえようと動いたが

 不審者は魔装機の操縦技術が上手く

 手足を動かすかの様な素早い身のこなしで

 マルのロードナイトを翻弄した


 それを見ていたノノカは

 足元にマシンガンラピットを低出力で撃つが

 訓練用魔装機はその攻撃をも可憐に避け

 ノノカの使ったマシンガンラピットを奪った



ノノカ

『え!?』


マル

『でも銃にはコードが掛けられて

 決められた魔装機にしか扱えない』


ディナ

『ふ〜ん、なるほどね』



 ディナは魔法を使い

 マシンガンラピットのコードを書き換え

 マルの乗るロードナイトにマナの弾丸を放った


マル

『嘘...』


ノノカ

『コードを書き換えた!?

 そんな事をどうやって!!』



 ディナはそのまま

 ノノカのロードナイトも撃ち

 2機のロードナイトは動力炉を撃ち抜かれ

 動けなくなった


 その光景を見ていたレイナは言葉を出せず

 ただただ見ている事しか出来なかった


 ロードナイトの動力炉は厚い外壁に守られ

 同じ場所に何発もマナの弾丸を撃たなければ

 届きもしないハズだった


 そんな神技

 どんな人物や神であろうと不可能だと思っていた


 だが

 その技を目の前でやって見せた人物がいた


 訓練用の弱い魔装機で

 2機の実戦機の魔装機を倒し

 武器のコードを書き換えた


 コイツは普通じゃない

 本気で戦わなければ負ける



レイナ

『ノノカ!!マル!!聞こえる!?、

 通信システムも壊されたのか...』


ディナ

『後は貴方だけね、

 そこに倒れてるお仲間には手を出さないから

 安心して掛かって来なさい』



 舐められている、

 それにアレ程の余裕をどこから...


 多分相手は

 ネル専用訓練用魔装機を盗もうと

 その魔装機に乗り込んだ


 だがどうしてその魔装機を盗もうとしたのか、

 魔装機ならば他にもいくつもある

 訓練用では無く

 本物の魔装機では無い理由はなんなのか


 訓練用と実戦の魔装機では

 パワーバランスも何もかも全てが違う、

 なのに相手は

 ノノカとマルを倒せた....



レイナ

『貴方の目的は...』


ディナ

『勝ったら教えてあげるわ』


レイナ

『随分と余裕なのね...』


ディナ

『そうかしら?』



 レイナは、相手が持った

 コードを書き換えた

 マシンガンラピットに警戒していた


 それを察知したディナは

「コレが怖いの?なら返すわ」

 そう言ってマシンガンラピットを投げ捨てた


 警戒を解こうとそうしたが

 レイナはそれでも警戒を続け

 前に出ようとはしなかった



ディナ

『貴方随分と慎重なのね、

 分かったわ..私から行ってあげるわ』



 不審者の乗る訓練用魔装機が攻めて来た


 レイナは足元に

 マシンガンラピットを撃つ素振りを見せても

 相手は避けようともしなかった


 仕方なく足元に射撃すると

 訓練用魔装機は飛び上がった


 直ぐに空中にいる相手に

 マシンガンラピットを放つが

 どうやったのかは分からないが

 相手は空中で動作を変え

 マシンガンラピットを避けた


 着地後の隙に攻撃しようとしたが

 相手の訓練用魔装機は

 着地の反動を感じさせない動きで

 レイナのロードナイトに近づき

 持っていたマシンガンラピットを奪った



レイナ

『そんな!?、同じ動きに引っ掛かるなんて!!』



 マシンガンラピットを撃たれ

 レイナのロードナイトも動けなくなった


 レイナは怯えた、

 自分の動きを全て読まれ

 何をしても通用しなかった相手に


 心を見透かされている

 そう感じていた



ディナ

『こんな物なのね....

 少しガッカリかしら....、あら?』



 レイナの策は続いていた、

 それは時間を稼ぎ

 報告していたサラサ達を待つ事だった


 ディナの乗る訓練用魔装機の前に

 サラサとレベッカの乗るルクスナイトが到着した



サラサ

『動くんじゃないわよ』


レベッカ

『サラサさん気を付けて、

 ただの訓練用魔装機と思って油断してたら

 私達もヤラレますわよ!!』


ディナ

『あら、まんまと今の子の策にハマったって訳ね』



 その時ディナは気付かされた、

 今の子の策

 時間を稼ぎ応援を待っていた事に



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-10 逃走の経路〉


 サラサとレベッカが乗るルクスナイトが現れ

 ディナは少しヤバイかな?と考えていた


 ディナは魔力探知の魔法が使えたので

 2人の魔力を測定していた


 さっきまで戦っていた機士の

 レイナ達はビショップ級の魔女達だった、

 でも

 今目の前にいるのはナイト級の魔女が2人、

 訓練用の性能の低いこの魔装機では

 2人を倒す事が無理に近いと分かった



サラサ

『そっちが動かないならこっちから!!』


レベッカ

『カバーしますわ!!』



 サラサのルクスナイトが

 不審者の乗る訓練用魔装機に突撃して

 レベッカのルクスナイトは

 後方からの援護にまわった


 2人のナイト級の攻撃を

 ディナは軽々しく回避しながら

 何処から逃げようかと考えていた


 2人がかり

 しかも相手は性能の低い訓練用魔装機なのに

 全ての攻撃が通らず

 サラサとレベッカはこんな事が有るのかと驚いた



サラサ

『なんなのコイツ!?』


レベッカ

『コチラの動きを読まれてますの!?』



 2人の動きを手に取るように

 ディナは攻撃を回避し続けた


 天井に

 訓練用魔装機が通れるぐらいの穴を見つけ

 訓練用魔装機に取り付けられていた盾を

 空中に投げ

 ディナは訓練用魔装機をジャンプさせた


 その盾を足場にして更に飛び上がり

 ディナは訓練所から逃げ出した



サラサ

『嘘でしょ!?』


レベッカ

『フタマさん!!敵はそっちに逃げましたわ!!』



 レベッカは外で待機する

 フタマのルクスナイトに報告した


 報告を受けたフタマは

 外に逃げた不審者を追うが

 不審者の乗る訓練用魔装機は街の方角に逃げ、

 体格差を活かし

 軽い訓練用魔装機を屋根伝いに逃げ

 フタナのルクスナイトの追尾を逃れた



フタナ

『駄目、見失った』


レベッカ

『そうですか....』


サラサ

『クソ!!なんだったのよアイツは!!』



 突如現れた謎の不審者

 ネルの乗る訓練用魔装機を奪い

 ディナガード国の機士達を圧倒したその人物に

 サラサ達は

 この先に起きる嫌な前触れなのではと感じていた


 相手の目的も分からない

 何故 ネルの訓練用魔装機なのか

 何故 私達を殺せる実力があるのに

    誰1人手をかけなかったのか




 ディナガード国を離れ

 奪った訓練用魔装機をあの者達の元に届けようと

 ディナは街道の道を進んでいた


 すると 道の奥から

 ディナガード国の魔装機と

 ディナガード国の旗を掲げる馬車が

 ディナの乗る訓練用魔装機に近づいてきた



ナラ

『アレは?』



 ナラ達は、道の前に現れた

 ネル専用訓練用魔装機を見つけ

 どうしてあの魔装機がこんな場所に

 それに、誰が動かしているのだと考えていた



エレノア

『ネルさんが帰ってきたのでしょうか?』


ライル

『いや...そんなハズは...』



 道を塞ぐナラ達を見て

 ディナは、まだディナガード国の機士が

 残ってたのかと少し疲れを見せた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈68-11 2つの魂〉


 ビット博士の魔装機倉庫から

 マナリリアンの設計図を手に入れ

 ディナガード国に帰還する道中


 ナラ達は

 ディナの乗るネル専用訓練用魔装機と出会う


 ナラは訓練用魔装機に言った、

 何故その魔装機がこの場所にあるのか

 誰が乗っているのか


 しかし返答は返ってこず

 何者かが乗る訓練用魔装機は逃げようと

 ジリジリと動き始めた



ライル

『アイツ、逃げる気だ!!』


ナラ

『そうはさせません』



 ライルはナラに言った

 あの魔装機は僕の作った魔装機なんだ!!

 だから盗まれたら凄く悲しいのだと


 分かっていますと返事をして

 ナラはトライデントを動かし

 訓練用魔装機を取り押さえようとした



ディナ

『動きがいいわね、

 さっきまでの機士よりかは強いわ』


ナラ

『訓練用魔装機なのにコレほどの動きを!?』



 取り押さえようとトライデントを動かすが

 相手の操縦技術の腕に翻弄され

 武器無しでの捕獲に限界を感じたナラ


 トライデントはスナイパーラピットを構え

 ネルの訓練用魔装機を壊そうと動いた


 自分の作った魔装機が壊されると

 ライルは凄くビックリし

 エレノアは馬車を飛び出しナラに言った



エレノア

『駄目ですナラ!!

 アレはネルさんの思い出の魔装機なんです!!』


ナラ

『姫様!?、馬車の中にお戻りください!!』



 飛び出してきたディナガード国の王女

 エレノア姫を見て ディナは驚いた


 エレノア姫の体から

 エレノア姫とは違う別の魂を感じた


 エレノアの体の中には

 母のカトリア・デュスタークの魂を吸収した

 賢者の石が埋め込まれていた、

 そのため

 エレノアの魂とは別に

 カトリアの魂もディナは感じとったのだ



ディナ

『あの子....』



 相手の動きが鈍ったチャンスを見つけ

 ナラはスナイパーラピットの引き鉄を引き

 マナの弾丸を発射させた


 ディナは弾丸を避け

 落ちていた石を拾いエレノア姫目掛け投げ付けた


 危ない!!と

 ナラはトライデントを動かし

 エレノア姫を守ったが

 石はエレノア姫に当たらず

 近くの木に命中した



ナラ

『ワザと外した?』



 エレノア姫を守るのに気を取られ

 ナラは不審者の訓練用魔装機を取り逃した


 僕の作った魔装機が盗まれ

 ライルは凄く落ち込み

 自分のせいで不審者を取り逃したと

 エレノアは落ち込みながらナラに謝った



エレノア

『ごめんなさいナラ...私の勝手な行動で...』


ナラ

『エレノア様がご無事で何よりです、

 ・・・それにしても

 あの訓練用魔装機に乗った者は

 誰だったのでしょうか?』




▶︎???


 ネル専用訓練用魔装機を持ち帰ったディナは

 謎の人物に報告しようと 周囲を歩き始めた


 しかし

 謎の人物は何処にもいなく

 代わりに見知らぬ者が目の前に立っていた



ディナ

『あら?貴方は誰かしら?』



 白い服を着た人物は頭を深く下げ言った



アリエス

『お帰りなさいませディナ様、

 私は十二宮のリーダー アリエスと言います』


ディナ

『十二宮...あの人が言ってた子達ね?』



 十二宮の事は

 ディナをこの世界に転送させた

 謎の人物から聞かされていた


 何故その子が

 こんな場所に居るのか

 ディナはアリエスに質問をした



アリエス

『貴方は真に私達の仲間になりました。

 十二宮を改め、ニューワールドのリーダーに

 なって貰えますか?』


ディナ

『なるほどね、その為にわざわざ....』



 伝説の魔女ディナを

 ニューワールドと呼ぶ組織の

 リーダーになって欲しいと誘ったアリエス


 十二宮とは何者なのか

 ニューワールドとはなんなのか


 ディナは何一つ分からなかったが

 彼女の目的は変わらなかった


 この世界の変革

 新しい時代の幕を開けようとしていた


                   next▶︎69

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