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魔装機マナリリアン  作者: ロア
    魔王復活編 1章
8/120

1章 マナリリアン 5話-王都での生活

〈5-1 大事な仲間〉


 どれくらい眠ってたのだろうか

 私の甘い考えで仲間を危険な目に

 私は私は・・・


 レイナはゆっくりと目を開けた



 見たことのある白い天井


 そう、病院の天井だ


 私、今病院に居るんだ


 レインオラクルの奴らに負けて


 ノノカまで・・・



 レイナは目を見開き、ベッドから起き上がる

 最後に見た血で顔が真っ赤になった

 ノノカの顔が浮かぶ


 ノノカはノノカはっと回りを見渡す



 隣りのベッドを見ると、

 涙目のノノカがコチラを見て言った



ノノカ

『おはようございますレイナさん』



 レイナも涙を浮かべた

 良かった、良かった

 レイナは心の中で何度も言い聞かせた



ノノカ

『なんでレイナさんも泣くんですか

 わたしまでつらく、レイナサァーン』



 ノノカは更に泣きじゃくりながら言った


 部屋の扉が開くと

 果物を沢山持ったマルが入って来た



マル

『イヤー、整備班の人達から沢山貰っちゃってさぁー

 ってどうしたん2人とも?』



 泣いていた2人を見て マルは動揺した


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-2 王〉


 ネル サラサ ライルの3人は

 王に呼ばれ、城に来ていた


 王の間に呼ばれた3人は

 そこに行くとデルク、ナラ、そして

 王冠を被ったネルの知らない人物が居た



バエル

『デルクから話しは聞いてある

 サラサくん、ライル博士、手間をかけさせたな

 ネルと言ってたな、自己紹介が遅れて申し訳ない

 私はディナガード国の王、

 バエル・デュスタークだ』



 ネルは人生で初めて王に出会った事に

 何とも言えない感じになっていた



デルク

『魔竜撃退及び

 レインオラクルの魔装機と推測される3人から、

 レイナ機士ノノカ機士の命を救った、

 改めてご苦労だった ライル博士、

 先の戦いで負傷した

 ノーネームの調査はどうでしたか?』



 デルクは3人に改めて感謝した後

 ライルに質問をした



ライル

『かなり損傷が酷かったんですが、

 魔石は傷一つ無く無事でした

 ですが魔装機自体を修理するには我が国の技術では

 かなり時間を費やすかと思われます

 タレントやテイムライトなら半日有れば直せますが

 ノーネームはかなり特殊でして それと

 魔石を外し他の魔装機に取り付けれるか試みました

 しかし謎の力で取り外す事すらできませんでした』



 そうかっと返事を返すデルク


 ネルは思ってしまう

 しばらくは魔装機に乗れないのかっと


 王はネルをマジマジと見た

 すると全員に言った



バエル

『すまんが、私とネルくん……

 ナラ機士の3人だけにしてくれないか?』



 デルクは王の顔を見て

 眉間に少しシワを寄せた


 わかりましたっと言った後その3人以外は部屋を出る


 王とネルとナラだけになると

 ナラが王に言う



ナラ

『王様、まさかエレノア姫の・・・』


バエル

『そうだ、遅かれ早かれ バレる日はくる

 それにネルくんもマナを持たぬと聞く、

 もしかすると』



 ネルは王の言葉に少し疑問を持つ


 ネルは尋ねた



ネル

『どう言う意味です?』



 王は立ち上がり言った



バエル

『少し昔話しをさせてはくれぬか』


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-3 昔話し〉


バエル

『少し昔話しをさせてはくれぬか』



 王は立ち上がり淡々と話しを始めた






 大昔、魔王が生きていた時代の事


 魔王を倒すため3人の魔女が現れる


 後に3人は三大魔女と呼ばれた


 魔女達は力を合わせ魔王に挑んだ


 3人は魔王を倒し三つの国を作った


 3人の名は


 勇気の魔女赤のディナ


 知恵の魔女青のレイン


 力の魔女黄のローズ


 レインは頭が良く、

 この世界に初めてマナを使って動かす機械を作った

 魔装機を作ったのもレインだった


 ローズは高いマナを持ち高威力の魔法を使い

 多くの魔物を倒したと言う


 そしてディナ、

 ディナは他2人とは違い何も個性が無かった

 だが彼女には特別な魔道具があった

 彼女はそれを使い

 他2人に負けないぐらい強い力を持っていた





 王はネルの顔を見て

 言いにくそうな口調で喋る



バエル

『エレノアとはもう会っておるのだろ?

 エレノアはお主と同じ悪魔の子なのだ』



 王の言葉を聞き

 ネルは驚いた



ネル

『悪魔の子って確か

 魔物に近づくと闇の魔力を吸って

 魔物になるんでしたよね?

 俺が言うのは変ですが、

 エレノア姫さんは

 俺と一緒にホーンウルフに襲われました

 だけど彼女はなんともありませんでしたよ?』



 王は話す



バエル

『普通であればそうなのだ、だが私は娘の体の一部に

 ある魔道具を入れる手術を医者達に頼んだのだ

 いや、

 アレは私の非道な実験だったのかも知れない』



 涙目を流す王にナラはそっとハンカチを手渡した



バエル

『産まれてすぐ悪魔の子は殺されるのが法

 だが私は可愛い娘を殺す事など出来なかった、

 勿論我妻のカトリアもそれは望んではいなかった

 私は王家の秘宝である7つの伝説の魔道具である

 賢者の石に目を付けた

 賢者の石は闇の魔力を掻き消す秘められた石、

 その石を娘の体内に移植すればあるいわっと

 そして、

 私は医者達に頼み赤子だったのエレノアの体に

 賢者の石を移植手術を実行した

 手術自体は成功だった・・・が、

 赤子の体を切り裂いた事で

 出血が酷く、数時間後に死亡した』



 ネルとナラは王の話しを何も言わず聞く



バエル

『私は愚かだった、そう悔やんでいた時

 妻のカトリアはもう一つの伝説の魔道具を使った

 フェアリーの涙、

 自分の命と引き換えに死者を蘇らす

 一度だけ使える伝説の魔道具

 カトリアは

 どうやって王家の秘宝からくすねたか知らんが

 それを使った

 ・・・エレノアは蘇り息をし始めた、

 だが妻のカトリアは・・・

 賢者の石が適応したか確認はしなかったが

 産まれて今に生きるまで、

 魔物化の症状は見られなかった』



 王は涙を拭い

 ハンカチを机の上に置いた



バエル

『ネルよ、

 もし君の魔装機に使われている魔石が

 賢者の石と同じであれば、君に託したい』



 どう言う事ですか?っとネルは王に問う



バエル

『賢者の石は二つ存在する』



 ネルは驚く


 だが王とナラは余り良い顔をしていなかった



ネル

『それを俺にくれるのですか?』


バエル

『そうだ、それが有れば

 君だけの新たな魔装機が作れるかもしれん、

 しれんのだがしかしな』



 王は言いにくそうに言う



バエル

『もう一つの賢者の石は

 息子のパウエルが持っているのだ』


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-4 王子〉


 ネルはナラに案内され

 王様の息子パウエルの場所に向かった


 ナラは扉を2回ノックし

「ナラ・シェッツバルグです入りますパウエル様」

 っと言って扉を開けた


 豪華な部屋に

 四角い細長い機械をいじっている少年がいた



パウエル

『なんだナラ、今忙しいんだ

 要件なら後にしてくれ』



 ネルは

 何処となく見覚えのある機械を見て聞いてみた



ネル

『何してるの?』


パウエル

『ふん、知らないのか?

 レインオラクルで流行っているゲームって機械だ』



 この世界にもゲームがあるんだ

 っと心の中で思ったネル


 ナラは言う



ナラ

『王様からの伝言です

 賢者の石をここに居るネル殿に渡して欲しいと』


パウエル

『賢者の石?あぁ、あの綺麗な石か』



 パウエルはゲームを置き

 別の何かを取り出した



パウエル

『このレインオラクルで流行っている ラジコン?

 って機械で僕と勝負して勝ったら譲ってやるよ』



 しかしっとナラは言うと

 ネルは自信満々にラジコンのコントローラーを取る



ネル

『その勝負受けてやるよ』


ナラ

『ネル殿⁉︎』


パウエル

『ガキのくせに物分かりが早いな、よし行くぞ』



 数分後



パウエル

『嘘だ、有り得ない  三回連続僕が負けるなんて』



 パウエルは地面に膝をついた


 ネルは圧勝した

 それもそのはず

 ネルは子供から大人になるまで

 常にオモチャを買い遊んでいたのだ



パウエル

『クソー負けは負けだ

 石ならそっちの箱に入っている、勝手に持ってけ』



 ネルは指を刺された大きな箱を開ける


 中には色んな機械やオモチャが

 ギッシリ詰め込まれていた

 ネルはパウエルに首だけを向け言った



ネル

『えっと?何処ですか?』


パウエル

『その中の何処かだ、そこに無ければ

 向こうの何処かだ、勝手に探せ』


ネル

『えええええええ』





 その後

 ナラも一緒にネルと賢者の石を探し

 10時間後に見つかったらしい


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-5 男〉


ライル

『そうなんだ、それは大変だったね』



 ネルはライル博士の場所に

 賢者の石を持っていった


 ネルは勝手に冷蔵庫からジュースを取り

 飲みながら言う



ネル

『それでどうなんですか博士?』


ライル

『うーん、この石がノーネームの魔石に近いなら

 君の乗れる魔装機が作れるかも知れないね。』



 博士は色々調べるので

 時間を潰して来たらっとネルに言う



ネル

『でもな〜、学園と研究所以外知ってる場所無いし』



 すると

 部屋の外からお困りですね?っと聞こえて来た


 ドアが開くと

 そこにはエレノア姫とナラが居た


 ネルは驚いた様子で何故2人が居るのか聞く



エレノア

『ナラに聞いたんですよ、色々魔装機を使って

 活躍しているらしいじゃ無いですか

 ズルい‼︎私にも魔装機の活躍話をして下さいよ』


ナラ

『すいませんネル殿、

 エレノア様がどうしても会いたいとわがままを』



 ネルは苦笑いでその場を流した



エレノア

『ネルさん、先ほどの話しは聞かせて貰いました

 このエレノアが城下街を案内して差し上げます』



 エレノアは えっへんっとした感じを出しながら

 ネルに城下街を案内する事にした



▶︎ディナガード国の街中


ネル

『学園の外や研究所以外の場所は初めて見るなぁ』



 ネルは田舎者の様に辺りをキョロキョロ見渡した

 美味しそうな匂い、活気のある人達、元気な子供

 城下街は平和そのものだった



エレノア

『あそこがこの街1番賑わってる酒場

 向こうが服屋さん

 あっちが図書館それからそれから』



 エレノアは口を閉じる事なく喋り続けた

 ネルはエレノアの様子を見て

 ナラに小声で言う



ネル

『大丈夫なんですか?、姫が街をウロウロしてて?』


ナラ

『エレノア様はほぼ毎日城下街に行ってますよ

 私が遠征に行く時も

 ワガママを言ってついて来ます』


ネル

『王様は許してるの?』


ナラ

『バエル王は私を信頼して下さってます

 だから無茶を言って

 エレノア様はついて来ているのです』



 ネルは大変だなぁっと他人事の様に思った



エレノア

『ちょっと、ネルさん聞いてますか?』


ネル

『聞いてます聞いてます』



 エレノアはネルが何処に行きたいのか尋ねる


 別に行きたい場所など無かったネルは

 少し考え何かを思いつく



ネル

『そうだ、服が欲しい

 なんか俺の着る服が悪いのか

 何なのか分かんないけど

 よく女の子に間違われるんだよな

 だから男らしい服が欲しいかな』



 エレノアは服ですか、と言うと

 何かを閃いた様子を見せ


 ネルをオススメの服屋に案内した





 数分後



ネル

『何コレ?』


エレノア

『男らしい服ですよ』



 ネルは白地の服に 真ん中に

 コレでもかというぐらいデカデカとした字で

 男と描かれた服を着ていた


 ナラはネルをマジマジと見ながら

 いつもの表情で感想を言う



ナラ

『お似合いですネル殿』


ネル

『本気でいってます?』




 ネルは寮に帰ると

 その服をそっと引き出しに封印した


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-6 打ち上げ〉


 ネルは エレノアとナラに別れを告げ

 自分の部屋に帰った



ネル

『なんか疲れた』



 そのままベッドで寝ようとした時

 扉が開きサラサが入ってきた



サラサ

『いたいた、ネル 打ち上げ行くよ』


ネル

『へ?』



 ネルはサラサに言われるがまま

 街の方に連れて行かれ


 さっきエレノアから聞いていた

 酒場に案内された




 そのまま中に入ると

 奥の席に1人の女性がこちらに気づき

 話しかけて来た



機士の女性

『おそーい、もう注文先に済ませたからね』



 サラサはごめんごめんと言い

 同じテーブルにネルと一緒に座った



ネル

『えっと、どちら様ですか?』



 ネルは見たことの無い女性に聞いた

 するとサラサが答えた



サラサ

『紹介して無かったね、彼女はユリ・ヴォルティナ

 一応私の先輩でビショップ級の機士』


ユリ

『一応とはなんだ一応とは〜』



 ユリはサラサを軽く突きながら言った

 2人はとても仲が良さそうだ



ユリ

『ネルだっけ?よろしくね

 私はサラサの二つ上でナラと同期なんだ』



 ナラさんの同期なのかぁ

 ネルは水を飲みながらそう思った


 しばらくすると

 大量の料理がテーブルに運ばれて来た


 その多さにネルは戸惑いながら言った



ネル

『こんなに食べれないよ』



 ネルの言葉を聞き

 サラサがやれやれっとした表情で言う



サラサ

『違う違う、コレはユリの一食分

 私達はまだ注文すらしてないでしょ』



 へ?っとネルは驚いたが

 ユリは山の量の料理を凄いスピードで食べ始めた


 体より大きい料理を

 どこに入れているのか気になったが

 見ていると食欲が湧かなくなった


 ネルはデザートだけを頼み 食べた



ユリ

『それより凄いよねサラサは

 魔竜も倒して、

 レインオラクルの魔装機を3機も撃退したんでしょ

 最初は同じビショップ級だと思ってたけど、

 気づいたらナイト級になってるし、

 私どんどん置いてかれちゃうな』


サラサ

『魔竜もレインオラクルの連中も

 私だけじゃなくて、

 この子のおかげでもあるんだから』


ユリ

『え?ネルも?小さいのに凄いんだね、

 私なんてもうおばさんじゃん』


サラサ

『アンタまだ22でしょ?』


ユリ

『もう23だよ〜、若さ分けて』


サラサ

『いや十分若いでしょ』



 俺なんて本当は27なんだけどな

 っとネルは心の中で突っ込んだ



サラサ

『それよりネル、

 アンタこのまま学園に居て大丈夫なの?

 男ってバレたら大変だよ?私が隊長に言おっか?』



 ユリはすごくビックリしながら言った



ユリ

『えぇ⁉︎ネルって男の子なの⁉︎』



 サラサは言ったら不味かったかなっと思い

 口を押さえた


 ネルは何故こうなったのかユリにも説明した




ユリ

『なるほどね、でも大丈夫 私口は硬いから』


サラサ

『私も知らなくて、本当に大変だったんだから

 お風呂に入ろうと思ったら

 変なの見せられたし・・・』



 あっとサラサは思い

 また口を押さえた


 サラサの言葉を聴き逃さなかったユリは

 サラサにどう言う事なのか追求した



ユリ

『え?え?どう言う事?一緒にお風呂に入ったの?

 ねーもっと詳しく教えて』


サラサ

『もーーうるさーい』



 興奮したユリを見ながら

 サラサは嫌がりながら叫んだ


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-7 甘い時間〉


 とある

 ランチタイムの時間帯

 ネルは

 ハーブティーとアイスを酒場のカウンターで

 まったりと食べていた



ネル

『なんて優雅な時間なんだ

 マスター、このアイス最高です』


マスター

『それは良かった、ローズストーンで流行っている

 新しいデザートだと聞いて、

 レシピを極秘に入手した会がありました』



 この人は酒場のマスター

 名前は知らない、

 皆んなそう呼んでいるから俺もそう呼んでいる


 何故俺がココにいるかだって?

 それは





 5時間前

 学園 隊長室



セリア

『こないだはお疲れ様ネル

 わざわざ

 私の作業部屋まで来てもらって申し訳ない』



 隊長は小さな小袋を手渡した



ネル

『なんですかコレ?』


セリア

『機士でも無い君に苦労を掛けたからね

 少ないけど報酬だよ』



 ネルは袋を覗くと金貨が数十枚入っていた

 どうやら

 コレがこの世界の通貨なのだろうか?



セリア

『当分学園は休んでくれ、疲れも溜まっているだろう

 今日はその金で美味しい物でも食べてくれたまえ。

 あっそうだ、

 街の酒場にアイスと言う

 美味しい食べ物があるそうだぞ、

 私も食べたいのだが雑務に追われていてね

 私の分も食べて来てくれ』




 そして今

 ネルはハーブティーをゆっくりと味わい

 マスターに当たり障りのない会話をした



ネル

『マスターは長いのここ?』


マスター

『僕ですか?そうだね、

 店を出してから30年以上は経つね』


ネル

『30年ですか』


マスター

『僕は料理の都であるローズストーンに

 凄く興味があってね

 どうしてもその料理が食べたいと思って、

 ローズストーンに内通している人から

 料理の情報を聞き研究したんだよ』



 ネルはローズストーンがどう言う国か

 分からなかったのでマスターに聞いてみる事にした


 マスターが言うには

 ローズストーンは女性だけの国で

 男性は城の街にすら入れないらしい


 料理は三ヵ国で1番美味しく

 貴族も多いらしい


 ローズストーンは三ヵ国の中で機士が1番多く

 ナイト級の機士は500人以上

 クイーン級も複数人いる 優秀揃いらしい



ネル

『凄いんですね、ローズストーンって』


マスター

『そうだね、

 マナの力だけで言ったら三ヵ国最強だからね』



 ネルはマスターと

 数時間話し、店を出た




 行くあてもなく

 ネルはフラフラと道を歩いていると

 裏路地の方角から男の子供達の声がした



太ったいじめっ子

『男の癖に

 魔装機に乗りたいなんて気持ち悪いんだよ』


痩せたいじめっ子

『そうだそうだ』



 2人の男の子達に

 罵倒されている傷だらけの男の子がいた


 ネルは直ぐに止めに入った



ネル

『コラー、喧嘩は辞めなさーい』


太ったいじめっ子

『なんだあのガキ?』


痩せたいじめっ子

『あの服機士学園の生徒じゃ!?逃げようぜ』



 いじめっ子の2人は

 ネルが駆け付けてくると

 すぐに走って何処かに行ってしまった


 ネルは倒れていた

 傷だらけの男の子に手を差し伸べた



ネル

『大丈夫?』



 男の子はムスッとした表情で何も言わなかった

 ネルは

 服についていた泥を手で叩いてあげながら言った



ネル

『何があったの?教えてよ』


いじめられてた男の子

『・・・馬鹿にされたんだ

 魔装機に乗ってみたいって言ったから』


ネル

『なんで?魔装機カッコいいのに?』


いじめられてた男の子

『そうなんだ、魔装機はカッコよくて強くて』


ネル

『だよねだよね、ロボットは男のロマンだよね』



 男の子は心を許したのか

 ネルに魔装機の話しを沢山した


 男の子は嬉しかった

 男の自分の

 魔装機の話しを聞いてくれた人が初めてだったから



 ネルと少年は

 時間を忘れ魔装機の話しを沢山した

 数時間が経ち

 ネルは学園の門限が近い事を思い出した


 学園の生徒は

 教師に納得のいく理由が無い限り

 夜時間になる前に帰らなければ

 罰として課題を出される罰があった


 ちなみに

 機士の人は門限は無い


 ネルは慌てて

 少年に別れを告げて、学園に帰る事にした


 少年はネルの後ろ姿を見て

 大声で叫んだ



ダナ

『俺はダナ、また話したい』


ネル

『ネルだよ、また話そう』



 少年はネルに手を振って別れを言った


 少年は恋をした


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-8 変な人〉


 とある日の教室



クラスメイトA

『私最近太ってきちゃってさぁ』


クラスメイトB

『え〜全然じゃん

 また胸がデカくなったんじゃない? オリャ』


クラスメイトA

『ちょっ‼︎揉まないでよ、私真剣に悩んでんの‼︎』


クラスメイトB

『うーん、なら学園のプールで放課後泳いで来たら?

 ちょっとは痩せるかもよ』


クラスメイトA

『プールかぁ〜、あっ⁉︎ならネルも一緒に泳ごうよ』



 ネルは誤魔化す為

 用事があるので帰ると言い急足で教室を出た


 自分の性別を隠す生活を続けていたネルは

 疲労と過労とよく分からない疲れを感じていた

 なんで俺が

 こんなシンドイ思いをしなきゃならんのか

 ネルはそう感じていた


 ツライ、マスターのアイスでも食べよ

 ネルはまたアイスを食べに酒場に向かった



 酒場の近くを歩いていると

 後ろから最近聞いた事のある声の人物が

 喋り掛けてきた



ユリ

『おっ?ネルじゃん、久しぶり

 私覚えてる?、サラサと一緒に居たユリだよ』


ネル

『あ〜あの時の』


ユリ

『どうしたの?なんかしんどそうだったけど?』



 ネルは

 何故しんどそうにしていたのか

 ユリに説明をした



ユリ

『なるほどねぇ、ネルも大変なんだ

 疲れをとる為に甘ーいアイスを食べに来た訳だ

 わかる、わかるよー少年

 お姉さんもここのアイスにハマっちゃって

 毎日食べに来てるんだ』



 そう言いながら

 ユリはネルと一緒に

 酒場に入って行った


 カウンターが空いてたので

 カウンターに行こうとした時

 ユリは何かに気づき

 カウンターに座っていた

 フードを被った 怪しい人物に近づいて行った


 怪しい人物はこちらに気づき

 顔を向けて ネルとユリを見てきた


 グラサンを掛け

 取ってつけたかの様な付け髭をした

 見るからに怪しい顔だった


 怪しい人物は

 直ぐに顔を逸らし

 机に置かれていたアイスを食べ始める



 ユリは怪しい人物の前に立ち

 話しかける



ユリ

『セリア隊長ですよね? 何してるんですか』



 怪しい人物は

 こちらに顔を向けず

 返事をした



セリア

『・・・私は隊長では無い』


ユリ

『いやどう見ても隊長でしょ、

 仕事はどうしたんですか?

 まさか逃げて 噂のアイスを食べに来たんじゃ』


セリア

『仕事は終わった・・・それに私は隊長では無い』



 2人は呆れた顔をして

 セリアを見つめた


 ユリは そうだっと言うと

 ネルに言った


 この際だから隊長に伝えたら

 隊長のせいで迷惑してるって、私も言うからさ


 ネルは自分が男である事

 学園での出来事を決意を決め 隊長に話した


 話しを聞き終わると

 隊長は口を開いた



セリア

『私は最初から君が男である事を知ってたぞ?

 皆んなは知らなかったのか?』



 えぇぇぇ、と2人は声を出した



ネル

『じゃあなんで

 生徒達に説明してくれなかったんですか?』


セリア

『皆知っているもんだと』



 ユリは軽くため息を吐いて言う



ユリ

『隊長は直ぐ皆んなに迷惑を掛けますからね

 仕事もサボって逃げ出す時もあるし

 今日の所は、

 隊長のおごりって事で良いですよね?』


セリア

『うむぅ、よく分からないが君達に御馳走しようかな

 ・・それと私は隊長では無い!!』



 ユリはニシシと笑うと マスターを呼んだ



ユリ

『すいませーん、アイス50子ください』


セリア

『え?』



 その日

 セリアは財布のお金を全て使わされたらしい


 その後

 ネルが男である事を

 セリアは学園にいる全員に説明した


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-9 知らなくて良かった事〉


 ネルは遂に男である事が

 学園の全員に知り渡ったが


 魔装機の操縦技術を買われ

 学園から追い出される事なく


 いつもの様に授業を受けていた


 その放課後



アイ

『ネルって本当に男の子なんだよね?

 可愛すぎて本当か分かんないなぁ』



 彼女の名前はアイ

 同じクラスの元気で明るい子



キャシー

『アイ、そう言って

 ネルくんを弄りたいだけでしょ』



 彼女の名前はキャシー

 アイの友達の子



アイ

『だって弟見たいで可愛いんだもん

 ハヤトさんもそう思うでしょ?』


ハヤト

『うーん、あんま分かんないな』



 彼女はハヤト クールでイケメン

 っと一部の女子から人気を得ている

 階級を持っており

 ビショップ級で

 前にネルと模擬戦をする事になったが

 無効試合になり 戦う事は無かった


 アイは悪気のないように ネルに言う



アイ

『お風呂とかどうしてるの?

 なんだったら

 今日私と一緒に入る?背中流してあげよっか』


キャシー

『アイ、オゲレツー』


アイ

『なんで?学園の人は皆んな家族じゃん

 家族とお風呂入るのなんて普通じゃない?』



 アイとキャシーが

 わちゃわちゃ話している間の隙に

 ネルは教室から逃げ出した


 おかしい

 男性である事を隠していた時より

 大変な事になってないか?

 そうネルは感じていると


 後ろから

 何者かに大きな袋を被せられ

 そのまま連行された



ネル

『ここは?』



 気がつくと

 ネルは真っ暗な部屋にいた


 少ししたら

 薄暗い照明がつき、

 怪しいローブを被った連中が現れた



ネル

『な、なんだ?』


怪しい人物

『フフフフフ、初めましてネルくん

 こんな形での挨拶を謝罪しよう』



 ローブの連中は一斉にローブを脱いだ


 招待は知らない生徒だった

 ネルは頭を傾け言う



ネル

『誰?』


怪しい人物

『フフフフフ、自己紹介させて貰う、我ら‼︎』



 生徒達は

 ペンライト、うちわ、サイリウムを取り出した



オシコ

『我ら‼︎、機士団ファンクラブ‼︎

 私がファンクラブ隊長の

 オシコ・アインシュテルだ』


ネル

『・・・・・』



 ネルは黙った



オシコ

『君は機士団の人達と色々面識があるそうじゃないか

 うらやまけしからん、私は君を許せないのだ』


ファンクラブの生徒A

『隊長私もです』


ファンクラブの生徒B

『うおーーん ナラさんにあいたーーい』



 オシコは

 ポケットからセリアの写真を取り出した



オシコ

『ネルくん!

 君はセリア隊長の素晴らしさがわかるかい?

 セリア隊長わ機士団1、可憐で美しく素敵、

 そしてたまに見せるお茶目さが』


ファンクラブの生徒A

『ちょっと待ってください隊長

 1番は譲れません、

 1番はサラサ様だと私は思います』


ファンクラブの生徒B

『ナラさーーーーん』



 ファンクラブの連中は不毛な争いを始めた


 その好きにネルはその場から逃げた

 余りにも酷いものを見たと思ったネルは

 何も見なかった事にした



 ここに居たら不味いと思ったネルは

 城下街の方に行き ブラブラ歩いた



ネル

『ハァァ、なんか今日は疲れた』



 後ろから

 この間 一緒に魔装機の話しで盛り上がった

 少年のダナが

 ぶつかって来てネルに焦りながら言った



ダナ

『ネル、大変なんだ、俺達の遊び場が大変なんだ』


ネル

『ちょっと待って、どういう事?』


ダナ

『とにかく来て』



 ネルはダナに手を引っ張られ

 駄菓子屋の様な店に連れてこられた


 すると店の前に

 この間ダナをいじめていた2人が

 倒れているのが目に入った


 ネルは2人にどうしたの?っと言葉をかけた


 しかし返事が返ってこない

 まるでしかばねのようだ

 ダナは指を刺して言った

 アイツに皆んなやられたと言った


 店の中から

 子供達より一回り大きい 太った子供が出て来た



伝説のカードバトラー

『ふん、雑魚どもが

 俺様に挑むからこうなるんだ』



 ネルは言った

 なんでこんな事をするんだ



伝説のカードバトラー

『なんだお前は?俺様と勝負する気か?』



 ネルはよく分からないが

 勝負してやるっと意気込む


 ダナは2人の言葉を聞き 間に入って喋る



ダナ

『合意と見て宜しいですね?』


ネル

『どうしたのダナ?』



 ネル達はそのまま店に入り

 小さい机の前に立った


 机の上には

 カードの入ったお菓子が置かれていた

 ネルは太った子供に尋ねた



ネル

『何これ?』


伝説のカードバトラー

『知らねぇのかおめぇ

 コレは機士団ブロマイド第三弾

 機士団のメンバーのカードが入ったお菓子さ』



 ダナはネルにルールを説明した


 ルールは簡単

 お互いお菓子を1つ選び

 強いカードを引いた者の勝ち


 ネルはなんだかやる気を無くしていた



フトオ

『俺はフトオ、

 今からお前らに神の引きを見せてやるよ』



 フトオはお菓子を取り

 中を開けてカードを取り出した


 フトオは不気味な笑いを見せ

 カードを見せて来た



フトオ

『引いたぜ、ナイト級の機士 スーパーレアカードの

 レベッカ・アスフォルテを!!!!』



 ダナは驚きながら言った



ダナ

『9人しかいないナイト級のカードを!!

 ダメだもう勝てない』


フトオ

『ドゥワハハハハ、コレがフトオ様の実力よ

 可愛いよレベッカタン、れろれろれろ』



 フトオはカードをベロベロ舐め始めた


 気持ち悪いとネルは感じながら

 適当にお菓子を選び カードを取り出した


 カードを確認すると

 そこには見知った人物がいた



フトオ

『どうしたんだ?

 まさか弱すぎるカードを引いて

 絶望しちまったのか?』



 ネルは無言でカードを机の上に置いた


 それを見たダナとフトオは驚く



フトオ

『まさか⁉︎ウルトラレアカードの

 セリア隊長を引いたのか!!』


ネル

『凄い、凄いよネル』


フトオ

『嘘だ有り得ない、こんな事が、うおおお』



 フトオは店の外に吹き飛ぶと

 店の前でしかばねの如く動かなくなった


 なんだコレっと思ったネル


 その後

 オシコが店に入って来てネルを見つけて言った



オシコ

『おや、ネルくん

 君も機士団プロマイドを買いに来たのかい?

 やっぱり君も男の子なんだねー』



 ネルは否定して カードをぶん投げた



 ダナは絶望した

 ネルが男だった真実をしり


 ダナは初めての失恋を味わった


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


〈5-10 新たなネルの魔装機〉


 ネルはライルに呼ばれ

 研究所に来ていた


 そこには

 何故かナラとエレノアも一緒に居た


 何故エレノアも居るのか尋ねたが

 直ぐにわかりますっと羽生らかされた


 ライルはネルに奇妙な顔を見せ言った



ライル

『遂に完成したよ、ネルくんの新たな魔装機が』


ネル

『本当ですか博士!?』



 ネルは喜んだ


 博士は被せていた布を取り

 魔装機を

 3人にお披露目した


 そこには

 訓練用の魔装機があった


 エレノアはそれを見て言った



エレノア

『訓練用の魔装機ですね、何が違うんです?』



 博士はメガネをクイクイさせ

 自身気に話しだす



ライル

『コレはマナが0の人間の身が動かせる魔装機

 名付けてネル専用訓練用魔装機だよ!!』


ネル

『そのままじゃん』

エレノア

『そのままですわね』

ナラ

『そのままですね』



 3人は息ピッタリにツッコミをした


 ライルは何事も無かったかのように話を続ける



ライル

『あの石は確かにノーネームの魔石と

 同じ性質を持っていてね、

 でも大きさが大きさだったんで

 普通の魔装機に搭載しても

 動かす出力が無い事がわかった

 だから訓練用の小型の魔装機なら

 あの石でも動かせるのではないかと考えた僕は

 コレを完成させた

 ネルくん、早速乗ってみて動かしてくれないか?』



 ライルの言う通りに

 ネルは訓練用魔装機に乗り込み

 操縦レバーを握った


 すると魔装機は起動し

 ライル達は喜び言った、成功だ!! と


 エレノアはナラに言う



エレノア

『マナがゼロで動かせるのなら

 私でも動かす事が出来ますわね。』


ナラ

『エレノア様、流石に魔装機を動かすのは

 お父様も私も許しません』



 ライルは実験の成功に喜んでいたが

 魔装機は指一つ動かさずその場で立ちすくんでいた

 ライルはネルに言う



ライル

『大丈夫だよネルくん、

 手足を自由に動かしてくれないか?』


ネル

『えっと・・・どうやって動かすんです?』



 ライル達は唖然とした

 それもそのはず

 ネルはノーネームを動かす事はできるが

 他の魔装機の操縦する方法を知らなかった


 ネルは

 魔装機の基礎をナラに学び

 訓練をする事になった


                    next▶︎6

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