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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 8章
78/120

8章 波乱の戦い 66話-力と技量・才能を超えし者達

〈66-1 情けない男〉


▶︎ディナガード国 城


 エレノアは

 窓の外を眺めながらナラに質問した、

 ローズストーン国の魔装機大会に出場している

 ネルは無事勝てているのだろうかと


 ナラは言葉を返す

 ディナガード国の代表として

 ネル殿は大会に参加しています

 不様な敗北はしないと思うと言った


 この世界を救ったネルの事だ

 どの機士の人よりも強いと 2人は分かっていた


 2人は顔を見合わせ フフフと笑った



エレノア

『お父様の体調は大丈夫なのですか?』


ナラ

『少し元気になられた様子で

 ベッドの上でスヤスヤとお休みになっていますよ』



 エレノアは安心した


 ディナガード国の王、バエル王は

 ネル達がドルズとプルネンを倒した後

 重い病気で長い間苦しんでいた


 だが今は 少し元気になり

 食事と睡眠を

 普段と変わらず行えるようになっていた


 エレノアとナラは

 2人でディナガード国の空を眺めた



▶︎ローズストーン国 コロシアム


 俺は負けた、

 正確に言えば、マナの使い過ぎで

 マナリリアンが動かなくなった


 山賊達や幾度もの戦闘でマナリリアンの中にある

 変換機バッテリーの魔力を

 全て使い果たしてしまったんだ、

 こんな事なら

 レインオラクル国に行って

 変換機バッテリーに

 魔力を充電しておくべきだった!!


 俺は控え室に行きアランに謝っていた、

 正々堂々戦おうと思ったのに

 こんな事になってしまって....


 アランは何も言わず

 無言のまま明後日の方向を見ていた



リオン

『ネルさんも謝ってますし

 アランさんも

 拗ねてないで許してあげたらどうですか?』


アラン

『拗ねてなんて無い!!、どうでも良いだけだ』



 完全に怒ってるな

 マジでごめん、でも

 仕方ないだろ、変換機バッテリーの

 魔力が切れるとは思って無かったし...


 控え室にやって来たロニーは

 リオンとアランに言った

 昼の休憩を挟み 準決勝戦を始めると



ロニー

『2人とも分かったね?、

 ネル君も、今回は残念だったけど

 大会を最後まで楽しんでくれたら嬉しいよ』


ネル

『あぁ、ハイ...そんな事より

 マナリリアンはどうしたんですか?』


ロニー

『レインオラクル国まで他の機士に運ばせているよ

 充電しないと動かないのだろ?』


ネル

『助かる、ありがとうロニーさん』



 俺は控え室から出て

 アケミ達の元に行こうとした


 そうだと俺は思い出し

 リオンとアランの2人に言った

「絶対負けるなよ!!」っと


 2人は俺の応援に 勿論と答えてくれた



ネル

『あ!!!!』



 俺の大声に

 ロニー達は何だとビックリしていた



ロニー

『どうしたんだいネル君!?』


ネル

『大会に負けたって事は、優勝賞金の

 金貨10万枚は手に入らないって事だよな!?』



 俺は絶望して床に手を付けた


 こんな情けない俺の姿を見て

 リオンもアランもロニーも少し引いてた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-2 ジャンクな食べ物〉


▶︎ローズストーン国 コロシアム


 マナリリアンの魔力切れで

 俺はアランとの試合に不戦敗で負けてしまった、


 俺は試合に負け

 次の試合を客席から見守ろうと

 アケミ達と合流すると

 最初に言ったアケミの台詞は

「マナリリアンどしたのよ?」 だった。

 疑問に思うのも当然だ

 ナナミも心配そうに俺の顔を見ていた


 俺はアケミとナナミに教えた

 マナリリアンの中にある

 変換機バッテリーの魔力が無くなり

 動かなくなってしまったのだと、

 充電すればまた動くようになる

 今はローズストーン国の機士がマナリリアンを

 レインオラクル国まで運んでくれてる


 その事を2人に教えると

「馬鹿じゃ無いの

 こまめに観とかないからそうなんのよ」

 そうアケミは俺に怒ってきた


 仕方ないだろ、まさかこのタイミングで

 動かなくなるとは思っても無かったし


 ミムジィはアケミの服を引っ張り

「アランは?」っと言った



ネル

『アランとリオンなら準決勝の準備で

 ロニー達と話し合いをしてるよ』



 ミムジィは下を向き 少し寂しそうにしていた



ナナミ

『アランさんとリオンさんの応援を

 また一緒にしましょうね?』


ミムジィ

『うん!!』



 本当だったら俺とマナリリアンで

 大会を優勝するつもりだったんだけど

 くそ〜、俺の金貨10万枚


 アケミはお腹が空いたと言ったので

 コロシアムを出て

 何処かに食べに行くことにした



▶︎ローズストーン国 バーガーショップ


 アメリカンなハンバーガーを

 食べられる店に来た俺達、

 アケミは、

 こんな店も異世界にはあるんだと驚いていた


 ローズストーン国はマジで何でもあるからな

 地球で食べられる食べ物は

 ほとんど食べられるんじゃないか?


 俺達は席を探していると

 聞き覚えのある声で

「ネルさんじゃないッスか!!」っと

 近くから聞こえてきた


 声の主は、ローズストーン国の整備士の

 リース・バンナルカだった


 リースが俺達を呼ぶので、

 俺達はリースと同じ席で食事をする事にした



リース

『聞いたッスよマナリリアンの事、

 残念でだったッスね』


ネル

『リースさんは1人で食事ですか?』


リース

『そうッス、ここのチョコパフェハンバーガーが

 美味しいんッスよ!!』



 なんだその気持ち悪い名前は

 本当に食い物か?


 俺はアケミとナナミ

 それとミムジィの事をリースに教えていると

 またゾロゾロと見知った顔の人達がやって来た



エース

『お前達は....』


クラブ

『リースも居たのですか!』


ダイヤ

『あっ!、情けない負け方した男だ』


ネル

『誰が情けない負け方だ!!』



 やって来たのは

 ロイヤルフラッシュの

 エース、クラブ、ダイヤ、ハートの4人だった、

 コイツらもこの店に食べに来たのか


 ハートは小さな女の子のミムジィを見つけると

 大喜びして可愛いと叫んでいた


 大柄なハートを見て

 ミムジィは凄く怯え 机の下に隠れてしまった



ハート

『あ!!ごめんね、

 美味しい飴ちゃんあげるから 許してー』



 ハートは何処からともなく飴を取り出し

 ミムジィに渡した、

 ミムジィはとても喜び

 直ぐにハートと仲良くなった


 この人は子供の世話とか上手なのかな?


 リースは言った

 せっかくなので皆さんで食事を食べましょうと



エース

『しかし...』


クラブ

『良いじゃ無いですかエースさん』


ハート

『そうそう、皆んなで食べた方が楽しいよ』



 大きなテーブル席に俺達9人は座った、

 8人までしか座れるスペースが無いのだが

 小柄な俺とミムジィで

 大人1人分と同じぐらいだったので

 8人用のテーブル席でも座れる事ができた


 俺達はメニューを見て注文すると

 リースが先に注文していた

 チョコパフェハンバーガーなるゲテモノが届いた



ネル

『ゲッ、不味そう』


ハート

『う〜ん...アンハッピーになりそうかも』


クラブ

『リースは相変わらずゲテモノ好きですよね』


リース

『え?そうなんスかね?』



 誰が見ても不味そうだと思うだろ

 見てるだけで気分が悪くなって来た


 リースはクラブに言った、

 第3試合のサンティエルジョーカー

 見事だったと、

 自分の作った新型機が負けたのが

 余程ショックだったのだろう

 彼女は少し落ち込んでいたが

 それでも、クラブの事を心の底から賞賛していた



クラブ

『リースの新型量産機も見事でしたよ、

 あのコスパの良さでアレほどの性能を出すのは

 自分では無理でした』


リース

『えへへ、嬉しいッス』



 俺達のテーブルに

 注文したバーガーが届けられ

 皆で食事をしながら

 俺は魔装機に詳しそうなリースとクラブに

 あの謎の魔装機に付いて聞いてみた


 マナブのベシュトレーベン、

 キサラギのジャンヌダルクを一瞬の内に破壊した

 まるで時間を止めて攻撃したかのような、

 不思議な出来事に関して2人に質問すると

 魔装機に詳しそうなリースとクラブでも

 あの魔装機が何者なのか分からなかった



ネル

『ジャンヌダルクの時間を止める魔法

 アレスリージョンだっけ?

 アレをマナブの魔装機も使えるって事か?』


リース

『違うと思うッス、

 使ったのでは無く、使えたのかもッス』



 は?どう言う意味だよ?

 2つとも同じ意味だよな?



クラブ

『多分、ベシュトレーベンって魔装機は

 魔装機の力を奪う事が出来るのでは?』


リース

『そうだと考えてるッス』



 力を奪う、全く理解できない

 そんな事が可能なら

 最強の魔装機なんじゃ無いのか?



ダイヤ

『次のリオンって奴とマナブの試合で

 答えが分かるんじゃ無いのか?』


エース

『そうだな』



 リオンのドラグーンと

 マナブのベシュトレーベンの試合か...

 とんでもなく強そうな相手だぞリオン



ハート

『でも、そんな強い魔装機を持ってる人が

 機士にも所属して居なく現れて

 危険なんじゃ無いかな?』



 話しを聞いていたアケミは言った

 マナブって子の魔装機は

 恐ろしい感じは全く無かった

 あの子の事は分から無いけど

 魔装機自体は危険な感じはしなかったと


 どうしてそんな事が分かるのか

 リースはアケミに聞いてきたので

 俺が答えた



ネル

『アケミは魔装機の声が聞こえるんだってさ』


リース

『え!?、そんな凄い力を持ってるんスか!!』



 アケミは少し恥ずかしそうにした


 俺も最初は嘘だと思ったが

 アケミは嘘は付かない

 多分、本当の事なのだろう


 俺達は食事を終え コロシアムに戻った

 準決勝、リオンとマナブの試合を見に



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-3 準決勝 第1試合:私の復讐〉


▶︎控え室


 1人で頭を悩ませて居たマナブ


 マナブには目的が合った

 1つは

 優勝して 田舎の村の為に賞金を持ち帰る事、

 もう1つは・・・・・復讐


 お爺ちゃんを悲しませ苦しめた

 ローズストーン国の機士達に復讐をする事だった



マナブ

『私が復讐なんてしたら、

 大会に優勝しても、お金を村に持ち帰れなくなる

 ・・・・・でも・・』



 それでも、マナブは我慢できなかった

 大好きなお爺ちゃんが

 この国の為に頑張って来た努力を

 全て否定され、あんな酷い事になったのは


 マナブは昨日の夜 ローズストーン国の機士

 タナミア・クルセニアとの出会いを思い出していた


 マナブはタナミアに打ち明けていた、

 自分が何者かで、何を成そうとしているのかを


 だが彼女は 私に言った

 その言葉が頭から離れず 苦悩していた


 ローズストーン国の機士が

 次の試合が始まります

 準備をしてくださいとマナブに言った、

 マナブは椅子から立ち上がり

 ベシュトレーベンの元に向かった



▶︎コロシアム 客席


 ネルはアケミ達と一緒に

 客席に座り試合を楽しむ事にした


 第1試合で見せた

 リオンとハートの激闘

 第2試合 マナブの試合、

 あの最強の機士キサラギに勝利した謎の少女


 リオンとマナブの試合に

 コロシアム内の観客達も盛り上がっていた



ネル

『凄い熱気だな』


ミムジィ

『あ!!、リオンのドラグーンだ!!』



 リオンのドラグーンと

 マナブのベシュトレーベンが

 コロシアムの真ん中にやって来た


 キサラギもネルも、ロイヤルフラッシュの皆も

 マナブのベシュトレーベンの動きを

 1つ1つ細かく見ていた



ロニー

『2人とも準備は良いかい?』


リオン

『はい』


マナブ

『・・・・・』



 返事をしなかったマナブに

 ロニーは言葉を掛けたが、

 マナブは平気そうじゃ無い声で返事をした



ロニー

『マナブ君?』


マナブ

『大丈夫です』



 ロニーは少し不思議そうに首を傾け

 客席の皆に言った


 準決勝戦 第1試合

 リオンのドラグーン

     対

 マナブのベシュトレーベン

              試合開始!!


 試合開始の宣言を聞き

 観客達は大きく盛り上がった、

 ネルや他の機士達も二人の試合を見守る


 ドラグーンは武器を取り

 戦闘態勢に入るが!ベシュトレーベンは

 その場で動かず、立ちすくんでいた


 リオンは不思議そうに

 あの〜、とか 大丈夫ですか?っと声を掛けた、

 観客達もどうしたのだろうかと

 皆不思議そうな顔をしていた


 しばらくすると

 ベシュトレーベンから皆に聞こえるよう

 声が聞こえてきた



マナブ

『私はレインオラクル国の辺境の地で産まれた。

 父は早くに死に、母はマナの高い人間だったので

 レインオラクルの人間に

 良いように使われ戦場で死んだ』



 マナブが1人で語り出し

 何事だと観客達はマナブの話しを聞いた

「何かしら?」

「あの子、レインオラクルの人間だったの?」

「金払って見に来たんだ、ちゃんと戦えぇ!!」



マナブ

『私の肉親はお爺ちゃんだけしか居なかった。

 お爺ちゃんは才のある魔装機学者で

 ローズストーン国で魔装機を作っていた』



 その言葉を聞き

 ロニーは、「まさか」っと

 何かに気付いた表情をした


 他の客達もネルも不思議に思った

 昔のローズストーン国は男子禁制で、

 余程の許可が無いと国に入る事すら出来ない。

 そんな男子禁制のローズストーン国で

 男性の働き手が居たとは思えなかった



マナブ

『だけど、そんなお爺ちゃんを

 ローズストーン国の機士の人達はぞんざいに扱い

 魔装機を作るだけ作らせ

 お爺ちゃんを捨てた身勝手な人達だった』


リオン

『貴方は....』


マナブ

『私は全て否定したこの国も!この国の機士も!!

 私のやり方でお爺ちゃんの仇を討つ!!

 コレは私の復讐だ!!』



 マナブの乗ったベシュトレーベンは刀を抜き

 凄まじいスピードで

 リオンのドラグーンに攻撃した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-4 準決勝 第1試合:完全な魔装機〉


▶︎コロシアム 客席


 ネルは近くに座っていた

 リースにどう言う事だと質問した



リース

『もしかすると....』


ネル

『もしかするとなんだよ?』


リース

『自分が子供だった頃ッス、

 小さかった私は余り知らなかったスけど

 私の産まれた時と同じぐらいの時

 天才の魔装機学者がこの国に居たと聞いたッス、

 昔は魔装機の開発を

 基本男の人がやっていたんスッ

 女性は魔装機に乗り

 男性が魔装機を作ると言う構図だったんスよ』



 そうだったのか、

 マナの高い女性にしか魔装機は動かせ無いから

 男性は魔装機を作っていたと


 女性が魔装機を作るのは

 最近になっての事だったのか?

 確かに

 ディナガード国でもレインオラクル国でも

 魔装機を作ってる人間は男の人ばかりだったな



ネル

『マナブの叔父がローズストーン国で

 魔装機を作ってたとすると、可哀想だと俺は思う

 作るだけ作らされて捨てられた訳だろ?』


リース

『男性はマナが低いッスから

 戦争や戦いに巻き込まれると身を守れないッスから、

 確かに酷い事を、昔の

 ローズストーン国はやっていたと思いますッス』



 でもだとすると っとリースは言い

 何かを深刻そうに考えていた


 なんだよ?っとネルはリースに聞く



リース

『マナブさんのお爺さんがその人物だとすると、

 あの魔装機、

 とんでもなくヤバイかも知れないッスね』


ネル

『なんでだ?』


リース

『ドラグーンや女帝機を作ったのは、

 その人物だからッスよ』



 なんだと!?

 ドラグーンと女帝機も どれも強力な魔装機だ!!

 そんな凄い魔装機を作った人物の魔装機に

 マナブは乗って戦ってるって事か!?


 コレは一筋縄にはいかない相手になったぞリオン、

 俺がリオンの心配をしていると

 隣にいたアケミが苦しみ始めた


 大丈夫か?っと俺とリースは心配した

 勿論 ナナミも心配した様子だった



アケミ

『感じるの....あの魔装機から強い負の念が...』


リース

『どう言う事ですか?』



 俺はリースに説明した

 多分アケミの特殊な能力

 魔装機の声を聞く事ができる力でそう感じたのだと


 俺も全部は信じてる訳では無いが

 アケミが嘘を吐く人物だとは思ってはいない


 リースは驚いた表情で

「コレがあの...!!」っと言っていた



アケミ

『嫌な予感がする...もしかすると...

 リオンって子が危険かも知れない...』



 俺はその言葉を聞き

 席を立ち上がりロニーの元に走った


 ミムジィも少し怯え

 ナナミに抱きついていた



ナナミ

『大丈夫ですよ、

 リオンさんはネルさん達が守ってくれますから』


ミムジィ

『・・・うん』



▶︎コロシアム リオン視点


 マナブさんのベシュトレーベンは剣を抜き

 僕の乗るドラグーンに蓮撃を繰り出してきた


 とても早く隙のない動きだ..

 1回戦の時に戦ったハートさんも強かったけど、

 この人とこの魔装機はそれ以上だ!!

 このまま攻撃を防いでいても負ける

 でも...



リオン

『ドラグーンの出力が上がらない...どうして...』



 思うようにドラグーンを動かせない

 こんな事は初めてだ、何がなんだか分からないけど

 この不利な状況で

 僕はマナブさんと戦わなければならない


 それに

 マナブさんのローズストーン国に対する

 怒りの訳を聞き出さないと

 僕は負けても納得ができない!!



リオン

『教えてください、

 どうしてマナブさんはローズストーン国や

 機士の人達を恨んでいるのですか!?』


マナブ

『ならその魔装機から降りろ!!

 それはお爺ちゃんの魔装機だ!!』



 ベシュトレーベンの剣が

 ドラグーンに向け攻撃をする動作を見て

 僕は距離を取り攻撃を回避した


 僕は言い続けた

 どうしてマナブさんは

 ローズストーン国に怒っているのか

 ドラグーンがマナブさんのお爺さんの魔装機とは

 どう言う意味なのかを



マナブ

『知らないなら教えてやる、

 その魔装機や女帝機と呼ばれる魔装機は

 私のお爺ちゃんが作り上げた

 ゼロ番シリーズと言う五つの魔装機だった』



 マナブさんは

 コロシアムの会場に居る皆が聞こえるよう言った


 隊長達の乗る女帝機と呼ばれる魔装機や

 僕が乗っているドラグーンは

 マナブさんのお爺さんが作り上げた

 ゼロ番シリーズと呼ばれる魔装機だったと


 ゼロ番魔装機は

 現代のマナ量の高い魔女でも扱うにいたる

 クイーン級が乗るのに特化させた魔装機らしい、

 ゼロと言うのは

 扱う者がマナ量の高い者に限られる

 限定された魔装機であるため

 ゼロと名付けられたらしい



マナブ

『私のお爺ちゃんは

 名のある有名な魔装機学者だった。

 レインオラクル出身だったけど

 ローズストーン国民の為にも

 魔装機の技術を提供しようとこの国にやって来た』



 マナブさんのお爺さんの名は

 フォブラルさんと言う名前らしい、

 その方はとても有名な魔装機学者で

 魔装機技術が低かったローズストーン国に

 とても貢献してくれた人物だったそうだ



マナブ

『そんなお爺ちゃんを

 ローズストーン国は監禁し!!

 お爺ちゃんの作った

 ゼロ番シリーズを我が物にした!!、

 この国のやって来た事は

 許されるような事じゃない!!

 私は絶対に許さない!!』


リオン

『そっ....そんな事が....』


マナブ

『お爺ちゃんが最後に作った

 ゼロ番シリーズを超えるイチ番シリーズと呼ばれる

 このベシュトレーベンで

 私は貴方達ローズストーン国民に裁きを下す!!』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-5 準決勝 第1試合:人とエルフ〉


 リオンとマナブの試合を観ていたロニーとキサラギ


 マナブの言った言葉を聞き

 ロニーはキサラギに言った



ロニー

『まさか、フィブラル博士のお孫さんだったとはね』



 ロニーは会場の空気を見ると

 観客達は不安な顔をしていた


 マナブのベシュトレーベンが暴走して

 自分達に何かあるのではと思うローズストーン国民

 そんなマナブの祖父に人知れず

 ローズストーン国が悪事を働いていたと聞かされ

 ローズストーン国民を悪く見る者達


 世界は1つに繋がったと思いきや

 またバラバラになる、

 そんな予感をロニーは感じてしまった


 試合を観に来た観光客の

 ディナガードとレインオラクルの人々は言う

「まさかローズストーン国が

 そんな非道な事をしていたとは」

「この国も

 レインオラクル国とやってる事は同じだったんだ」

「強い魔装機を作らせ

 力で物事を押し潰そうとしてたのかも...」


 そんな言葉を聞かされたローズストーン国民は怒る

「お前達レインオラクル国のやって来た事は

 今なお許され無い事でしょうが!!」

「ディナガード国の人達はこの国が

 魔物の脅威に脅かされてる時も助けに来なかった」


 ローズストーン国の人達と

 他国の人達の不毛な言い争いが始まり

 会場は混乱の渦に落ちる



アケミ

『なんでこんな人間同士で...』


ミムジィ

『怖いよ..』


ナナミ

『大丈夫ですよミムジィさん、私が護りますから』



 ドラグーンの中から

 コロシアムの客席を見ていたリオンは

 身体を震えさせ

 目を開け会場の皆に聞こえる大きな声で言った

「やめてください!!」っと


 力強く悲しそうな口調に皆は固まった



リオン

『やめてくださいよ...僕やネルさん、

 色んな機士の方々が

 ドルズ大臣の魔の手から守って繋がったこの世界が

 また壊れてしまいます....

 暗黒の時代..

 人族が魔装機の力を使い魔王を倒しました

 ですが魔装機の力に恐れた

 他種族は人族に戦争を起こした、

 その結果人族以外の他種族は滅び

 生き残った少数の人族以外の種族は

 頑張って今を生きています、

 エルフ族の僕や魔族のアランさんがそうです!!

 僕達は種族の壁を超えてレインオラクル国を操る

 ドルズ大臣を倒したんですよ...、

 国が違うからとか種族が違うからとか

 そんな事で争う必要なんて無いんです!!』


ネル

『リオン...』


アラン

『・・・・・』



 リオンの言葉に

 客席に居た人々は言葉を失い 自分の席に座った


 リオンは対戦相手のベシュトレーベンを見て

 マナブに言った



リオン

『マナブさん..貴方の怒りや悲しみは分かります、

 お爺さんの事は

 僕達ローズストーン国の機士に償わせてください』



 ペラペラと自分の言いたい事だけを聞かされ

 マナブは怒りを抑えられずにいた


 人間同士の争いなんかには興味は無かった、

 ただ

 大好きだったお爺ちゃんの事を

 そんな償いの言葉だけで片付けられる訳なかった



マナブ

『お前達に何が分かる!!』



 ベシュトレーベンの刀が

 リオンのドラグーンを攻撃する



マナブ

『この国に良いように使われ、

 使い終わると捨てられ、

 そんなお爺ちゃんの事がお前達に何が分かる!!』


リオン

『許されない事だと分かっています、

 ですが罪を償わせてください!!

 マナブさんが納得するまで僕が..』


マナブ

『お前は何も分かっていないぃぃ』



 ベシュトレーベンの刀を回避して

 ドラグーンはソードビットを使う


 遠隔操作のソードビットが

 何故か思うように扱えなかったが

 リオンは自分のマナを最大限使い

 無理矢理にソードビットを操った



マナブ

『そんな物!!』


リオン

『僕は戦い続けます!!力では無く言葉の力で!!

 ネルさんやシャロさんが

 僕にそうしてくれた用に!!』



 ドラグーンのソードビットは

 ベシュトレーベンに向け飛んで行ったと思いきや

 攻撃する寸前で停止し

 ドラグーンに向け帰ってきた



リオン

『え!?』


リース

『攻撃が止まったんスか?、いや違うッス!!』


アラン

『避けろリオン!!』



 ドラグーンのソードビットは

 ドラグーンに向け攻撃を開始した


 ソードビットの剣先から

 無数の魔弾が放たれ

 ドラグーンは魔弾を回避できず全て直撃した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-6 準決勝 第1試合:誓い〉


 ロニーやキサラギの元に

 辿り着いたネルは2人に言った

 リオンが殺されるかも知れない

 会場の警備は大丈夫なんだろうな!?っと


 その言葉を聞かされたロニーはネルに言う



ロニー

『アズサのガーネット隊が控えている、

 もしもの時はアズサ達が出て行くよ』


キサラギ

『あの子が暴れるようなら

 私達ローズストーン国の機士でなんとかするわ』



 平然とそう言う2人に

 ネルは焦りながら「でも」と言葉を返す


 キサラギは言った

 あの子の目的は

 私達ローズストーン国の機士に向けての復讐

 貴方には関係無いと



キサラギ

『もしもの時は私の血で償うわ』


ロニー

『その時は私も付き合うよキサラギ..』


ネル

『お前ら...』



 会場の声が響き渡る


 倒れたドラグーンの前に

 マナブのベシュトレーベンがゆっくりと近づく、

 刀を右手に持ちゆっくりと


 ドラグーンは動かない

 ソードビットの魔弾を受け

 機能が停止してしまったのかも知れない



マナブ

『最後に教えてあげる、

 ベシュトレーベンは他人のマナを操り

 武器や力を奪う事が出来る魔装機、

 だから貴方の魔装機は

 武器や魔装機の力が上手く操れなかった』


リース

『そう言う事だったんスか...』



 ベシュトレーベンの刀は

 ドラグーンのコックピットを突き刺そうと構える


 それを見たネルは どうしてリオンが

 ドラグーンを動かさないのか分からず大声を出した

 リオンのマナなら

 無理矢理ドラグーンを操る事ができるはずなのに



ネル

『逃げろリオン!!』


キサラギ

『まさか!!あの子死ぬつもりじゃ!?』



 そのまさかだった

 リオンは自分の死でマナブを止めようとしていた


 自分が死ねばこの人は止まってくれるハズ

 そうすればこの人の復讐も終わるハズだと


 ロニーは控えさせていた

 アズサのガーネット隊に指示を出す



リオン

『約束してくださいマナブさん、

 僕の死で

 ローズストーン国が行ってきたお爺さんの件で

 他の機士の方々に怒りを向けないでください』


マナブ

『お前の死如きでなんか!!』



 ベシュトレーベンの刀は真っ直ぐと

 ドラグーンのコックピット、

 リオンが居るその場所に向け振り下ろされた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-7 準決勝 第1試合:似ているから〉


▶︎ローズストーン 街道


 国から離れ街道の警備をしていた

 タナミアとリニアの部隊


 国では魔装機大会で盛り上がっている最中、

 部隊の機士は外の警備で

 ローズストーン国から離れていた


 タナミアは昨日の出来事を話した、

 昨日リニアと別れた後

 マナブと言う女性と会い話した事を



▶︎昨日の出来事


 マナブは

 優しくしてくれたタナミアに全てを明かした、

 自分が魔装機大会に参加した理由は2つある


 1つは

 大会に優勝し賞金を田舎の村に持ち帰ると言う事

 しかし2つ目は

 ローズストーン国の機士への復讐

 ローズストーン国の機士を全て抹殺する事だった


 それを聞かされたタナミアは少し驚いたが

 彼女を捕まえようとも

 誰かにこの事を直ぐに言いに行こうともしなかった

 何故なら



マナブ

『どうしたんだろ私、

 どうしてこんな見ず知らずの機士なんかに』



 マナブは涙を流していた

 決意を決めこの場所にやって来たのに

 何故自分の目的を

 ローズストーン国の機士に話したのかも分からず


 タナミアは優しく言葉を掛ける



タナミア

『大丈夫...君は大丈夫だよ』


マナブ

『どうして!?』


タナミア

『君は私に似ているから』



▶︎ローズストーン 街道


 タナミアの話を聞かされたリニアは驚き

 この事を

 直ぐに隊長達に知らせなければと思っていた


 だがタナミアは言った その必要は無いのだと



リニア

『何故だ!!、

 隊長達が危険かも知れないのだぞ!?』



 取り乱すリニアとは反対に

 タナミアは落ち着いた様子で言った



タナミア

『大丈夫、彼女は誰も死なせない...

 私と同じ目をしていたから』



 あの日

 ビダールやモネやユナハを失い

 全てを失ったあの時の自分


 そしてダンやリニア達と会ったあの時


 そんなタナミアだから分かっていた

 大切な人を失い

 その行先がどこに向かいどうなるのかを


 あの時の自分を見ていたからこそ



▶︎コロシアム


 会場の客達は悲鳴を上げていた、

 魔装機大会で死人が出た

 リオンのドラグーンが

 マナブのベシュトレーベンに殺されたと


 しかしそうでは無かった


 ベシュトレーベンの刀は

 ドラグーンのコックピットに

 当たる直前で止まっていた


 マナブは涙を流していた

 昨日会ったばかりの

 見ず知らずの機士の言葉を思い出し



タナミア

『君は私に似ているから』


マナブ

『そんな事で分からないだろ!!』


タナミア

『君の顔やその目、その涙を見れば分かるさ

 君の心は強くどうすべきかを』


マナブ

『私は決めたんだ!!だから....』


タナミア

『生きて欲しい』


マナブ

『え!?』


タナミア

『生きてこの世界を見て欲しい

 私も友や大切な仲間を失い..死のうとも思った、

 だけど私は今を選ばさせて貰った

 だから君にも今を選んで欲しいんだ』



 昨日の事で

 昨日も、今もマナブは泣かされていた


 コロシアムに駆けつけて来たガーネット隊の魔装機

 マナブのベシュトレーベンは

 ガーネット隊の魔装機に囲まれていた



アズサ

『どう言う状況よコレ?』



 客席で観ていたアケミも

 マナブのベシュトレーベンから

 放たれていた嫌な気配を感じなくなっていた



アケミ

『消えた?』



 ドラグーンのコックピットが開き

 リオンが現れた


 リオンはマナブに言った



リオン

『僕の負けですね』


マナブ

『お前は....』



 この世界には

 大切な家族や友 仲間を失った者が沢山存在する


 だけど皆 今を選び 選ばされ生きている、

 マナブはベシュトレーベンを降り

 泣きながらリオンに抱き付いた


 ごめん、ごめんなさいと謝り



リオン

『僕こそごめんなさい、

 マナブさんにツライ役目を負わそうとしてしまい』



 こうして準決勝第1試合は幕を閉じた


 勝者はマナブのベシュトレーベン

 彼女は勝利よりも

 大切な何かをこの試合で得た



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-8 辞退〉


 コロシアムの控室に戻って来たマナブとリオンは

 機士の皆に迷惑をかけた事で謝っていた


 マナブの真実を聞いたロニーは

 こちらこそ済まないと頭を下げた



ロニー

『フィブラル博士の事はローズストーン国の

 機士達で償わせてもらえないかい?』


マナブ

『もういいです、復讐なんて私が間違ってました

 この大会も辞退させてください、

 それで私は結構ですから』


ロニー

『しかし....』



 マナブの言葉を聞いていた

 リオンやネルは言葉を返せず黙っていた


 彼女がそうしたいならそうさせるべきだ

 そう思ってたからこそ


 しかしアイツは違った、

 その場に現れたアランはマナブに言った

「逃げるのかお前は?」


 そんな挑発的なアランの態度を見て

 ネルとリオンはアランに怒る



ネル

『アランお前』


リオン

『アランさん..』


アラン

『事実だろ、この女は復讐を果たせず

 羞恥心で苦しくなったから逃げようと思ってる

 そうだろ?』


マナブ

『私は....』



 ネルはアランをとっ捕まえマナブに謝った

「コイツ変な奴だから気にしないでよ」

 しかしマナブは



アラン

『お前の魔装機は何故そこにある』


マナブ

『!!??』


アラン

『お前の叔父が作った魔装機は

 何のためにそこにある!!

 誰かにその強さを見てもらう為じゃ無いのか!!

 その魔装機やその魔装機を作った作り手が

 そこに居たと言う証明の為だろ!!』


ネル

『お前ちょっと黙れ!!』



 マナブは目を閉じ言った

「確かにそうかも知れません」


 誰かに優しくされ

 こんな自分でも

 受け入れてくれるローズストーン国の人達


 自分勝手に行動して

 自分勝手に辞退をしようとして、

 ベシュトレーベンはお爺ちゃんが生きた証

 その証明が出来るのは自分しかいない


 マナブはロニーに言った

 このまま続けさせて貰っても構いませんか?



ロニー

『あぁ』


アラン

『決勝戦で待ってろ、

 俺とガンドリアが相手になってやるよ』


ジョーカー

『もう私に勝ったつもりなのは

 良くないんじゃないかな』



 話を聞いていたジョーカーはその場にやって来た


 次の試合

 準決勝第二試合はジョーカーとアランの試合


 ジョーカーはアランに言った

 マナブと戦う前にまずは私との勝負だと



ネル

『お前、あの魔装機に乗って大丈夫なのか?』


ジョーカー

『どうやら前の戦いで耐性が付いたみたいでね、

 だから次の試合の私は前以上に強力だ』


アラン

『面白い』



▶︎試合前の魔装機倉庫 ネル視点


 俺はアランに言った

 相手は強敵そうだ 油断すんなよっと


 アランはそんな事分かりきっていたのか

 無駄なアドバイスをするなと怒られた


 何だよ無駄なアドバイスって!!

 俺は真剣に話してるのによ!!、

 まぁまぁとリオンは俺のことを思い慰めてくれた


 試合前にアランはリオンに言った

 どうしてマナブとの試合本気を出さなかった

 お前ならあの状況でもまだ戦えたハズだと


 確かに俺も気になる

 まさかマナブに悪いと思って手加減したのか?



リオン

『確かにまだもう少しだけ粘れましたけど

 アレ以上は危険だと思い諦めたんです、

 それに 僕とドラグーンじゃ

 あのベシュトレーベンには

 絶対に勝てませんでしたよ』



 確かに

 ベシュトレーベンは他人のマナを操る

 とんでもチートな魔装機だ、

 成功方で挑んでも

 遅かれ速かれ負けていたのかも知れないな


 リオンはそれにと言い俺とアランの顔を見た


 アランは納得出来てない表情で少しイライラとして

 俺はどう言う事か分からず頭を?にさせていた



リオン

『とにかく頑張ってくださいアランさん、

 僕もネルさんと一緒に客席から応援しています』


アラン

『・・・あぁ』



 ちょっと待って欲しいと

 大会前の準備をしていたアランの前に

 整備士のリースが現れた


 こんな時に何だろうか?

 余程重要な用事がありそうな感じだけど



リース

『アランさんのガンドリアに

 レインオラクル国の機士さん達から

 荷物が届いていますッス』


ネル

『こんな時に?』


リース

『どうやら武器見たいッス、

 オリーブ博士からアランさんにって言伝ッス』



 整備班達が運んできた武器を見て俺達は驚かされた



ネル

『コレは!?』


アラン

『フン、面白そうだ』



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-9 準決勝 第2試合:火花〉


▶︎試合前のジョーカー


 ジョーカーは自分の魔装機

 サンティエルジョーカーに乗り込み

 今朝クラブに言われた言葉を思い出していた


 マナを活性化させる高出力モードに

 耐性が付いたジョーカーだったが

 長時間の使用はそれでも危険だと

 クラブはジョーカーに言っていた

「前までは数秒使うだけで体に負担を掛けていました

 余り長く高出力モードを使用しないでください、

 長くても5分...いや、2分に押さえてください」



ジョーカー

『2分か.....それではあの子には勝てない、

 クラブ...済まない、約束を守れそうにない』



 サンティエルジョーカーの前に案内スタッフが現れ

 準備ができましたら

 会場の中央にお進みくださいと言った



▶︎コロシアム会場


 会場の中央に

 ジョーカーのサンティエルジョーカーと

 アランのガンドリアが現れた


 ネルとリオンは

 アケミ達の居る客席に戻ると

 ナナミに抱っこされていたミムジィは

 泣きながらリオンに抱き付いた


 リオンは前の試合で

 マナブに殺されそうになっていた

 その事でミムジィはとても心配していたのだろう



リオン

『ごめんなさいミムジィさん、

 とても心配を掛けてしまって』


ミムジィ

『うぅう、うぅう』


リオン

『一緒にアランさんの応援をしましょう』



 ウンと返事をして

 ミムジィはリオンと一緒に席に座った


 ネルも席に座ると

 アケミは軽く「おかえり」っと小声で言った、

 何だよその態度はとネルは思ったが

 いつもの事かとそれ以上は何も考えなかった


 それよりも

 アケミとナナミは別の事で驚かされていた

 それは他の客達もそうだった

「おい見ろよあの武器!!」

「デケェ、なんだありゃ?」

「剣・・・・だよね?」


 ジョーカーの応援をしていた

 ロイヤルフラッシュの皆もそれには驚かされた、

 ガンドリアの武器はライキリと呼ばれる刀の剣を

 使っていたと認識していたが

 会場に現れたガンドリアの剣は

 とても大きな剣のような形をした物を持っていた



ハート

『ええーー!!何アレーー!?』


ダイヤ

『大剣にしては歪な形をした武器だな?』


エース

『剣と言うより、別の何かに見える』


クラブ

『エースさんの言う通り

 アレは普通の武器とは違う感じがしますね』



 会場が騒ぎ声で響く中

 ロニーはジョーカーとアランに聞いた、

 準備は良いかと


 2人は同時に返事をすると

 ロニーは大声で言う


 準決勝戦 第2試合

 ジョーカーのサンティエルジョーカー

        対

 アランのガンドリア

           試合開始!!


 試合開始の宣言の後に

 アランは早速、新武器を使ってみる事にした



アラン

『早速確かめさせてもらおうか、

 この回転ブレードの性能を!!』



 ガンドリアは

 回転ブレードと呼ばれる大きな剣に魔力を込めると

 回転ブレードの剣先はグルグルと回転を始め

 まるでチェーンソーのように回り始めた



ジョーカー

『その武器はそう使う物だったのか、

 とても強力そうな武器だな』



 サンティエルジョーカーも

 アローライトの大鎌を構え

 ガンドリアの回転ブレードと鍔迫り合った


 回転するブレードと

 アローライトの大鎌が弾け合い

 強い火花がバチバチと2機の魔装機を包み

 準決勝第二試合が始まった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-10 準決勝 第2試合:燃ゆる氷〉


 回転するブレードと

 アローライトの大鎌が弾け合い

 強い火花がバチバチと2機の魔装機を包む


 回転ブレードの勢いに

 サンティエルジョーカーは圧倒され

 ジョーカーは一旦ガンドリアから距離を取り

 事態を立て直す事にした



ジョーカー

『凄まじい威力の剣だな、

 真正面からやり合えばコチラがやられてしまうな』



 アランは回転ブレードに魔力を更に込めると

 回転は更に強まり火柱が上がり始めた



アラン

『なるほど、こう言う使い方も出来るのか』



 ガンドリアは回転ブレードを

 サンティエルジョーカーに向け

 回転の威力を更に上げると

 炎の渦がサンティエルジョーカーに飛び出した


 ジョーカーは直ぐに反応して炎の渦を回避した



ネル

『なんだありゃ!?炎を纏ってやがるぞ!!』


アケミ

『凄い、あのガンドリアって魔装機

 常に冷静に操縦者の動きに応えてる』



 ガンドリアは背中に付けられた

 ブースターパックからミサイル弾を放ち

 腰の辺りに付けられたミサイル口から

 水平ミサイルまで発射する


 12発のミサイル弾に

 2発の高威力な水平ミサイルを

 サンティエルジョーカーは

 ブラステッドライフルを取り出し

 撃ち落とそうとしていた



ネル

『無理だ、間に合わない』



 そうネルは思っていたが

 サンティエルジョーカーは高出力モードを使い

 ミサイルを全て撃ち落とした、

 一瞬だけ高出力モードを使い

 体の負担を最小限に抑えて


 高出力モード中は

 通常の3倍以上の動きになり

 人の目で追える限界の動きになる、

 ネルやリオン、観客達も

 サンティエルジョーカーの底知れぬ強さに

 少し恐怖を感じてしまうぐらいには..


 ガンドリアの攻撃に全て対応するジョーカーを見た

 ロイヤルフラッシュの皆は

 流石ジョーカーだと感心していた



アラン

『やるな』


ジョーカー

『簡単にはやられないよ』



 アランは回転ブレードの出力を上げ

 サンティエルジョーカーに突撃した


 勝負を決めに行くつもりだ

 観客達はそう思った


 ガンドリアの回転ブレードの攻撃に

 サンティエルジョーカーは

 高出力モードを使い応戦した、

 回転ブレードが

 コチラを切り裂こうとした一瞬のタイミングを使い

 ジョーカーは高出力モードを使い

 回避なり大鎌で防ぐなり攻撃に対応していた



ハート

『凄いよ隊長!!あんな一瞬だけ

 高出力モードを起動して応戦するなんて!!』


ダイヤ

『神技すぎるだろ...』



 アランが乗るガンドリアの動きを全て理解し

 全ての攻撃に対応するジョーカー、

 1秒前よりドンドンと強くなる彼女に

 アランはますます喜び

 ネルやリオンと本気で戦ったあの時の事を思い出す



アラン

『コレだ!!コレが魔装機での戦いだ!!

 ジョーカーと言ったな、まさかお前が

 このガンドリアと

 互角に戦うとは思いもしなかったぞ!!』



 ガンドリアはコロシアムの端に移動し

 回転ブレードを地面に突き刺した


 何をするつもりなのか皆分からずにいると

 サンティエルジョーカーの足元から

 特大の炎の柱が天に向け燃え上がった


 コロシアムの天井は

 ドーム型の大きな吹き抜けがある、

 その吹き抜けから 天にも昇る炎の柱が

 コロシアムの外に居る者達からも見え

 試合を見ていない者達は

 なんだなんだと驚かされていた



ネル

『凄いなガンドリア、

 俺が戦った時以上に強くなってやがる』


リオン

『ネルさんが思ってるより

 アランさんは強くなっていますよ、

 僕とアランさんで

 魔装機での戦闘訓練をいつもやってましたし』



 俺の知らない間に

 2人は俺より強くなろうとそんな事をしていたのか

 クソー許せねぇ、俺だってもっと2人と戦いたい

 抜け駆けしようとコッソリ特訓をしていた2人には

 後で文句を言ってやるとネルは思っていた


 炎の柱は長く強く燃え続けた

 流石のサンティエルジョーカーも

 この攻撃でヤラレタだろうと

 ネル達は思っていた、

 それどころか

 ジョーカーが無事なのかと心配をし始めた


 そう思っていると

 赤く燃え上がる炎が一瞬で青く変色し

 ユラユラとしていた炎が氷で固まった



ネル

『何だ!?』



 天まで昇る炎の柱は

 氷の柱に姿を変え砕けてしまった、

 氷の小さな結晶が

 ユラユラと地上に降り注いだ


 アランは正面を見ると

 赤黒いオーラを纏う

 高出力モードを起動した

 サンティエルジョーカーが立っていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-11 準決勝 第2試合:心臓の針〉


 高出力モードを稼働し

 赤黒いオーラを放つサンティエルジョーカー


 アランは

 真っ直ぐとサンティエルジョーカーを見つめ

 数秒後、回転ブレードを振るい

 炎の斬撃をサンティエルジョーカーに放った


 炎の斬撃が波のように飛んでくると

 サンティエルジョーカーは手を広げ

 氷の魔法を使い炎を掻き消した



ネル

『魔装機で魔法を使った!?』


リオン

『魔装機での魔法は、女帝機や

 一部の特殊な魔装機しか使えないのに!!』



 機士の皆やネル達はその事に驚かされた、

 魔装機に乗りながらの魔法は

 ネルのマナリリアン

 リオンのドラグーンの他に

 女帝機と呼ばれる

 ローズストーン国のクイーン級の魔女達が乗る

 魔装機だけが使える物だと思っていた


 ロイヤルフラッシュの

 クラブ以外の皆も驚かされていた、

 クラブは仲間の皆に言った

「高出力モード中は

 ジョーカーさんの得意魔法である

 氷の魔法が扱えるようになります」と



ダイヤ

『そんな事は先に教えろ!!』


ハート

『そうだよ!!ハートビックリしちゃった』



 それより見ろと

 エースはコロシアムで戦うジョーカーに指を向けた


 ガンドリアは炎の斬撃波を

 サンティエルジョーカーにいくつも放つが、

 ジョーカーはその攻撃を全て

 氷の魔法を使い掻き消した


 驚くロイヤルフラッシュの仲間達

 もしかするともしかするかもと皆は思い始めると

 落ち着いた口調でエースは言った

「この試合ジョーカーが勝つぞ」と


 聞き間違いかと思い

 クラブは「え?」っと返事を返した



ダイヤ

『そうかも知れねぇが、相手はあのガンドリアだ

 まだ勝負が決まった訳じゃ無いだろ?』


クラブ

『そうですよね』


エース

『・・・・いや、ジョーカーは勝てる

 あのガンドリアを倒すぞ』



 また同じ言葉を口にするエース、

 どうして彼女がここまで自信があるのか分からず

 皆は少し戸惑っていた


 エースはガンドリアを見て言う、

 アランは今

 サンティエルジョーカーの

 底は枯れぬ強さに動揺している、

 奴が同じ攻撃を続けるのが何よりの証拠だ


 エースの言う通り、アランは動揺したのか

 無言で炎の斬撃波を放ち続けていた、

 無論、その攻撃は

 全てサンティエルジョーカーに防がれていたが



エース

『魔装機での戦いは動揺を見せた者が敗北する、

 だからこの勝負ジョーカーが勝つぞ』



 皆はまさかと驚き

 ジョーカーが勝てると喜び始めた


 ただ1人

 喜んでいない者が居た


 それはクラブだった、

 クラブはジョーカーの乗る

 サンティエルジョーカーを見て思っていた


 サンティエルジョーカーの高出力モードは

 もうアレから2分以上も起動させていた、

 コレでは

 ジョーカーの体の方が耐えれるのか分からない、

 クラブは1人で

 ジョーカーの事を心配していた



 無言で斬撃波を放っていたアランのガンドリア、

 するとサンティエルジョーカーは

 防御を辞め、アローライトの大鎌を使い

 ガンドリアに攻撃を仕掛けてきた


 ガンドリアは回転ブレードを使い攻撃を防ぐが

 ジョーカーはアローライトの大鎌に氷を纏わせ

 強度を増し攻撃をしていた


 攻撃を回転ブレードで防ぐと

 アローライトの大鎌から氷が回転ブレードに侵蝕し

 回転ブレードの回転が止まってしまった



アラン

『チッ...!!』



 アランはマズイと思い

 ガンドリアを動かし

 サンティエルジョーカーから離れようとした、

 しかし

 ジョーカーはその隙を見逃す事は無かった

 高出力モード中は通常の3倍の動きが可能

 ブラステッドライフルを構え

 アランのガンドリアに向け高火力の魔光線を放つ


 魔光線を回避できず

 アランは凍らされた回転ブレードで攻撃を防ぐと

 回転ブレードはガラスの様に粉々に砕け散った



アラン

『何だと!?』



 ジョーカーは高出力モードを解除し

 少し息を整えた、

 耐性ができたこの体でも

 長時間の使用は流石のジョーカーでも

 疲れを感じてしまっていた



ジョーカー

『ふぅ...少し脳が揺れるな』



 高出力モードを長時間使用した事により

 ジョーカーの脳はグラグラと揺れ

 心臓の心拍数は

 何かで突かれたかの様に上がっていた


 ジョーカーは息を整え

 ブラステッドライフルをチャージし始めた。

 さっきより威力を上げた魔光線で勝負を決めようと


 回転ブレードを破壊されたガンドリアは

 何もせずコロシアムの中央で棒立ちになっていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈66-12 準決勝 第2試合:オーラが揺らぐ〉


 コロシアムの中央で

 棒立ちのガンドリアを見て

 観客達はアランが諦めたのではと考えていた

「どうしたんだアイツ?諦めたのか?」

「こっちは金払って見にきてんだ!!

 諦めずに戦えよ!!」

「無理も無いよね...あの魔装機普通じゃ無いもの...」


 試合を見ていたミムジィは

 アランに負けて欲しくないと

 目を瞑り涙を流していた


 それを見たナナミは

 ミムジィの事を心配していた



ナナミ

『あわわ!!、泣かないでください

 ネルさん達も何か言ってあげてください!!」



 無言でアランのガンドリアを見る

 ネルとリオンとアケミにナナミは言った


 何も言わず

 不安そうな顔も見せない3人に

 ナナミは不思議そうにした


 アランさんとは

 そこまで仲の深まりが無いアケミさんはともかく

 どうしてネルさんやリオンさんまで

 何も言わずいるのかと



アケミ

『・・・あの子、まだ諦めた訳じゃ無いよ、

 それよりも...さっきより強さを増している』


リオン

『そうです、

 アランさんの実力はこんな物ではありません』


ネル

『来るぜ、ガンドリアの本気が』



 ブラステッドライフルのチャージを続ける

 サンティエルジョーカー、

 コロシアムの中央で

 何もせず立ちすくむガンドリアの中で

 アランは目を瞑り笑っていた



アラン

『ククク、フハハハハ!!

 行くぞガンドリア!!魔力解放だ!!』



 ガンドリアが魔力解放を使うと

 凄まじい魔力のオーラが場の空気を変え

 蒼色のオーラがガンドリアから溢れ出る


 ガンドリアから溢れる覇気に

 ジョーカーは息を整えた、

 ココからが本気の戦い

 ガンドリアの魔力解放時の強さは

 クラブから聞かされている、

 この状態のガンドリアに勝利してこそ

 私達ロイヤルフラッシュは真の機士に慣れるのだと


 ジョーカーは真っ直ぐとガンドリアを見て

 サンティエルジョーカーの高出力モードを起動する


 蒼色の魔力オーラを放つガンドリアと

 赤黒い電流のオーラを放つサンティエルジョーカー

 2機の魔装機に観客達は恐怖を感じた


 数分間にも思える一瞬の沈黙の後

 2機の魔装機は互いに衝突する、

 凄まじい攻防に

 2機を包むオーラだけが残像のように霞み見えた



ダイヤ

『何が起きてるのか分からない!!』


エース

『サンティエルジョーカーのスピードに

 ガンドリアが付いていってるのか!?』


クラブ

『・・・ジョーカーさん...』



 ジョーカーは目の前に映る

 ガンドリアをアローライトの大鎌で攻撃する、

 横に動くガンドリアを切り裂き

 後ろに逃げるガンドリアを切り裂き

 前に攻めて来るガンドリアを切り裂いたが

 全ては幻影、

 サンティエルジョーカーの速さを超える

 ガンドリアの幻影だけが目の前に無数に現れていた


 目に映るガンドリアは幻影...

 しかし、この幻影に本体は存在する

 油断して攻撃を止めると

 その場で私は負けると確信した


 30秒...40秒...

 高出力モードを起動している時間だけが進んでいく

 このままでは自分の体の方が限界を迎えてしまう


 ジョーカーは精神統一して目を閉じ

 数秒間の音だけに耳を研ぎ澄ませた、

 ガンドリアが10時の方角から動く音が聞こえ

 目を開け「そこだ!!」っと

 アローライトの大鎌を振るった!!


 目の前に見えていたガンドリア達の幻影が

 全て重なり1つのガンドリアになる、

 この攻撃が通れば勝てる

 そうジョーカーは思ったが...


 ガンドリアは

 アローライトの大鎌を素手で受け止めた



ジョーカー

『何だと!?』


アラン

『魔力解放を使うガンドリアと

 ここまでやりあった事褒めてやるよ』



 ガンドリアは左手を

 サンティエルジョーカーに向け手の平を開けると

 ガンドリアは強い衝撃波を発生させ

 サンティエルジョーカーを吹き飛ばした


 魔力の覇気を込められた衝撃波に

 サンティエルジョーカーの動力炉は破損し

 立ち上がれなくなっていた


 その後、ロニーが現れ

 準決勝第2試合の勝者の名前を言った、

 アランの名を...


                   next▶︎67

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