7章 異世界転移 51話-海の上の海賊
〈51-1 海の化け物〉
▶︎ディナガード国 城
ネル
『海の怪物ですか...』
俺はデルクに呼ばれ
最近合った出来事を聞かされた
海の近くの町で漁をしていた人達が
海の中からとても大きい化け物を見たと
報告があるらしい
その他にも
船や魚を捕えるための近隣の置き網などが
何者かによって破壊されていたらしい
漁師の人達は
海に住む魔物の仕業に違いないと言った
魔物は全てグランバルファルスの力で
世界から居なくなっている
魔物が生きているハズは無いのだ
デルクとナラは俺にそう言うと
調査に向かって欲しいと頼んできた
デルク
『どうせ暇だろ、偶には機士の仕事をやって見ろ』
それはいいのだが
俺はタダでは引き受けたく無かった
エレノアの良き夫になる為 金が必要なんだ‼︎
ネル
『いくら貰えるんですか?』
俺が金に傲慢そうなイヤらしい顔でデルクに聞くと
ヤレヤレとした顔でデルクはネルに言った
「仕事が終わればそれなりの額は用意する」っと
それを聞いて俺は安心した
ナラ
『私は他の仕事で忙しいので
代わりに一緒に行く方を外で待たせています』
ネル
『へぇ〜、誰だろ』
俺は城の外に出ると その人はいた
俺はこの人と一緒に行くのかと思い
少し荷が重くなった
ナイン
『遅かったなネル』
まさかナインと一緒に仕事をする事になるとは
まぁこの人は悪い人じゃ無いし 実力も有る人だ
何かアレば助けになってくれるだろう
ナイン
『私からナラ隊長に言って
お前に同行する事になったんだ』
ネル
『え?どうして?』
ナイン
『海の化け物、魔装獣の可能性もある』
なるほどね、そう言う事か
確かに魔装獣の線も捨てきれない
もし相手が魔装獣なら
一筋縄ではいかないかも知れないな
俺とナインが魔装機を取りにバンカーに向かうと
ライル博士と試作品NIS-0773のナナミが
バンカーで待っていた
ライル博士は俺とナインを待っていたのか
俺達の顔を見て言った
ライル
『おっ来たね』
ネル
『ライル博士とナナミさん、
どうしたんですかこんな所で?』
ライルは俺達が被害に遭った港町に
行く事を知っていたらしく
ナナミも一緒に同行させて欲しいと頼んできた
別に構わないが どうしてだ?
ライル
『もし噂の魔装獣ならデータが欲しいからね
試作品NIS-0773にデータ収集を頼もうと思って』
ナナミ
『私は海って言う広い湖を見てみたいんです』
ネル
『別に良いけど、ナナミさんを乗せるスペースが...』
俺のマナリリアンもナインのディアスカスも
そんなにコックピットが広くない
ナナミを乗せて戦うのは厳しい
そう思っていたら
ライルは目を光らせながら言った
「そうだろうと思って、マナリリアンの
コックピットスペースを広げて置いたよ
コレで2人までなら乗れるよ」
おぉ!!それなら安心だ
そんな事が出来るなら とっととやって欲しかった
こうして
俺とナインとナナミの3人で
被害に遭った港町に行くのである
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-2 港町の被害〉
▶︎ディナガード領 港町
港町に到着し 俺達は早速
被害に遭った人達から聞き込み調査をおこなった
村人A
『一昨日船が壊されてよ
コレじゃあ漁にも行けやしねぇ』
村人B
『さっきも被害聞きに来た兄ちゃんが居たな
アンタらは機士かなんかなのかい?』
村人C
『見たんだよ!!海の底に赤く光目玉を!!
間違いねぇ!!
アレは海に住む伝説の化け物だ!!』
村人D
『昨日釣ったイカ焼き食うかい?』
ダメだ、何にもわかんねぇ
誰もその化け物の姿を
ハッキリとは見ていないようだ
コレじゃあ
相手が魔装獣なのか別の何かなのかも分からんぞ
俺が頭を悩ましていると
ナインはさっき町の人から貰った
イカ焼きを口に頬張り食べていた
その様子を ナナミは羨ましそうに見ていた
ナイン
『ん?ナナミも食べたいのか?』
ナナミ
『いえ、私はアンドロイドなので
味覚もありませんし
食事を食べても意味がありません...
どんな味なんだろうと、そう思って...
味が分かる人間様が羨ましく思います』
そうか、ナナミは味が分からないから...
俺はナインに
どんな味か教えてあげれば?っと言うと
ナナミはワクワクとさせながら
ナインがなんて言うのかを待っていた
ナイン
『イカって味だ!!』
自信満々にそう言ったナインを見て
俺とナナミは固まった
そんなので味が伝わるハズ無いだろ
この人、時々変な人だよな?
俺の事を女だと勘違いするし
人の話聞かない時もあったし
・・・・・って!!
こんな事してる場合じゃ無い!!
機士としての依頼を終わらさなければ
貰える金も貰えなくなるぞ!!
俺は言った
まともに事件を解決する努力をしろとナインに
ナインは
「私は力か魔装機で解決出来る事しか解決できない
謎解きはお前らに任せる」っと言った
使えねぇぇええ
こんなんがレインオラクル国の機士団長なのかよ‼︎
レインオラクル国の今後が心配になるわ‼︎
ナナミ
『とにかく、事件現場を見に行きませんか?
何か分かるかも知れませんし』
それだ!! こんなヘッポコ団長より
よっぽど役に立つ奴だよ
俺はそう思いながら ナインを見た
ナイン
『なんだ?お前もイカ焼きが食いたいのか?』
ネル
『いりません』
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-3 海の上の船〉
置き網がある砂浜に行くと
1人の青年が 筏を用意して海に出ようとしていた
俺はその人を呼び止め
今は海に出たら危ないですよっと注意した
青年
『そうなんですか...貴方達は?』
俺達はディナガード国から来た機士だと名乗った
それを聞いて、青年は少し動揺した様子で
そうだったんですか っと言った
自己紹介を俺達がすると
彼も自分の名を名乗った
パンプット
『僕はパンプット、向こうの村に住んでるんです』
ナイン
『筏を用意して何処に行こうとしていた?
海が危険だと村の人達から聞かなかったのか?』
パンプットは悩みながら
置き網の様子を見にっと言った
俺達も置き網の様子を見たい事を言うと
パンプットは一緒に行きますか?っと言ってくれた
ナイン
『それは丁度いいな』
ネル
『じゃあ一緒に行きましょう』
パンプット
『え!?』
ナイン
『ん?どうした?』
パンプット
『いや、なんでも無いです』
俺達はパンプットの筏に乗り 海に出た
魔装機では海に入れない
マナリリアンなら空を飛べるが
マナ解放の魔法を使うと魔力を大きく消費し
またオリーブさんに怒られる
海を近くで見て ナナミは凄いですっと喜んでいた
しばらく筏を進めると大きな船が見えてきた
「アレは何だ?」っとナインは言うと
パンプットは何も言わず焦った様子だった
パンプット
『ひっ引き返しましょうか?』
ナイン
『あの船を調べる
どうしてこんな所で停泊しているのか気になる』
ナインの言葉を聞き
パンプットは筏を船に近づける
停泊していた船に俺達は乗り込むと
船の甲板には誰も居なかった
流されてココまで来たのかな?
っと俺が考えていると
「気をつけろ、誰かいるぞ」っとナインは言った
え?っと俺が首を傾けていると
何処からか 海賊が持っていそうな
パイレーツソードを持った男達が現れた
急に出てきた男達に
俺とナナミは怯えていた
ネル
『なっなんだお前ら!!』
海賊A
『それはコッチの台詞だ、
人様の家に無断で侵入しやがって
どうなるか分かってんだろうな?』
海賊B
『ガキはともかく、女が2人も居るぜ?グヘヘ』
海賊C
『海賊の恐ろしさ、お前達に教えてやるよ』
俺達が乗り込んだ船は 海賊の船だったようだ
俺は怯え ナナミも凄く怯えていた
クソ、こんな事なら
マナリリアンでココまで来るんだった
絶対絶命のピンチに 俺は死を覚悟した
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-4 海賊と機士〉
俺は怯えながら ナインの後ろに隠れた
ナインはこう見えても魔女だ
魔法で何とかしてくれるハズだ
俺はナインに言った
魔法で返り討ちにしてやれっと
ナイン
『私は魔法が使えない魔女だ
魔法での戦いは期待するな』
あっ、終わった
確かナインはビショップ級の機士
俺はいつもナイト級のナラやサラサ
クイーン級のココと一緒だった
あの人達は魔法が使えるから
魔物に出会しても何とかしてくれたが
魔法が使えないナインじゃどうしようもない
本当に死を覚悟していたら
ナインは何処からか折り畳みの剣を取り出し構えた
海賊A
『そんなちっこい剣でどうすんだ?』
海賊B
『痛い目見る前に、俺達と気持ちよくなろうぜ?』
海賊A
『久々の女だ、たっぷり可愛がってやるよ』
ナイン
『そうか、なら楽しめ 私の剣技を!!』
ナインは大勢の海賊達と戦い始めた
無茶だ!!
この数相手に魔法を使えない魔女じゃ!!
そう思っていたが ナインは敵の攻撃を避け
的確に海賊達を倒していった
アレ? この人強いのでは?
気がつくと海賊達はナインに怖気づき
ドンドン下がって行った
俺とナナミは
「良いぞナイン」「ナインさん頑張って」
っと応援した
海賊達は「何だコイツ!!ツエェ」っと怯える
やめろ!!っと海の上に響き渡る声が聞こえ
海賊達は剣を下げた
なんだ? っと俺は船の上を見ると
長い海賊帽をかぶった男と
可愛らしい女の子が一緒に現れた
海賊A
『オーブ船長!!』
オーブ
『その格好、お前機士だな?
機士の人が俺らに何のようなんだ?』
ナインは海賊のボスらしき人物に説明した
町での被害 海に沈む巨大な影の事を
その話を聞き オーブは不気味に笑い始めた
何がそんなに可笑しいんだ?
俺はオーブを問い詰める
オーブ
『作戦は成功しているようだな』
ネル
『は?』
オーブ
『俺達は海賊、海の魔物の肉を喰らい生きていた
だけどな、
何処かの誰かが魔物を全て消しやがった』
その話を聞いて 海賊達は泣き始めた
魔物の肉は海賊達の大事な食料で
それを食べられなくなったのが不満だったようだ
俺は言った
魚や貝類とか食べれば良いだろ?っと
だが
そんな物食いもんの足しにもなりゃしねぇー と
海賊達は怒り始めた
そんな事で
コイツらが町の人達に被害を出したのか?
まるで八つ当たりじゃないか
何がしたいんだよコイツら、俺はそう思っていた
ナイン
『悪事を続けるなら私がお前達を懲らしめる』
ネル
『そうだ!!やってやれナイン!!』
コッチには最強の剣術使いのナインが居るんだ
何にも怖くないぜ!! そう思っていたら
海賊のボスはまた不気味に笑い始めた
どうした? 負けそうになって壊れたか?
オーブ
『確かに嬢ちゃんは強い、だが
何かを忘れて無いか?』
ナイン
『どう言う意味だ?』
オーブは隣にいた少女の頭を撫で
この子が誰なのかを説明し始めた
オーブ
『内の娘はビショップ級の魔女でな
マリンって名前だ』
ナイン
『魔女だろうと私は負けはしない』
オーブ
『どうかな?』
オーブがそう言うと マリンは海に飛び込んだ
オイオイ、何をする気なんだ? 逃げたのか?
マリンって奴が何をする気か分からないが
それでもナインがいれば何とかなる
っと 数秒前は思っていた
船が大きく揺れ始め
何だ!?っと俺達は慌て始めた
ナイン
『まさか!!魔装獣か!?』
ネル
『こんな時に...』
オーブ
『違うな、よく見ろ』
海が水しぶきを上げ そいつは現れた
海の中から船に飛び上がってきたのは魔装機だった
オーブ
『コレが俺達が見つけた古代の秘宝
水陸両用魔装機、ヴァーグランスだ!!』
ネル
『水陸両用魔装機だって!?』
長槍を持ったヴァーグランスが
目を赤く光らせ俺達を見ていた
町の人達が見た化け物って コイツの事だったのか
魔装機が現れて ナインは剣を下げ言った
ナイン
『お手上げだな、魔装機には勝てない』
オイオイ!? 諦めるのかよ!?
魔装機の登場で 形勢は逆転した
俺達はまた ピンチになっていた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-5 惚れる女には注意しろ〉
海賊達の水陸両用魔装機ヴァーグランスの登場で
俺達は絶対絶命のピンチに立たされていた
海賊のボス オーブ船長は
何もできない俺達の無様な姿を見て高笑いを始めた
オーブ
『グハハハ!!魔装機相手では手出しできまい
・・・ん?』
高笑いをしていたオーブは
ナナミの後ろに隠れているパンプットを見て
高笑いをやめた
どうしてパンプットを見て止まったんだ?
俺とナインは パンプットの顔を見た
パンプットは汗を流しながら
怯えるようにオーブ船長を見ていた
この人が海賊のボスに何かしたのか?
オーブ
『パンプット!!ノコノコ戻って来やがったのか!!
お前は俺達の船から追放したハズだろ!!』
パンプット
『ご、ごめんなさいオーブ船長』
オーブ
『もう俺はお前の船長じゃねぇ!!
気安くその名で呼ぶな!!』
海賊達はアララとした顔で
「良く戻って来れたなパンプットの奴」
「今度こそ殺されるな」っと騒ぎ始めた
パンプットが何をやらかしたのか
俺は海賊達に聞いてみた
海賊達は気のいい奴だったのか
俺の質問に簡単に答えてくれた
海賊A
『船長の娘、マリンちゃんに告白したんだよアイツ』
海賊B
『マリンちゃんに手を出そう物なら
男の大事な物が切り落とされても文句は言えねぇ』
海賊C
『俺なんて手が少し触れただけで
二日間宙吊りにさせられてたんだぞ?』
それは酷い 俺は海賊達に同情した
だからなのか
マリンと言う可愛い女の子が居るのに
ナインとナナミを見て欲情してたのか
オーブ船長は銃の用な物を取り出し
パンプットに向けた
オーブ
『コイツは古代の宝で 弾丸を飛ばす武器だ
コイツに撃たれたらタダじゃすまねぇ』
パンプット
『ヒィィィ、ごめんなさいオーブ船長』
マリン
『パンプット...』
パンプット
『マリン、僕は...』
オーブ
『気安くマリンと話すんじゃねぇ!!』
オーブは銃の引き鉄を引いた
「危ない!!」そう言って、
ナナミはパンプットを庇った
オーブとパンプットはナナミの行動を見て驚いた
弾丸を受け ナナミは海に落ちていった
ネル
『テメェ!!何すんだ!!』
オーブ
『まさか嬢ちゃんが庇うなんて!!
ゴム弾を撃ったから 死にはしないハズだが...』
パンプットを庇って海に落ちたナナミを
パンプットは助けに海に飛び込んだ
ナインは力強く海賊達に言った
「彼らを引き上げるのに手を貸せ」っと
その言葉に
海賊達は「ハイ‼︎」っと怖気付いた返事をして
パンプットとナナミを海から引き上げた
パンプットはナナミを抱きかかえ
ナインと海賊達に引き上げられた
ネル
『大丈夫2人とも?』
パンプット
『僕は大丈夫だけど、この子が変なんだ』
ゴム弾だったから体に傷は無かったが
ナナミは目を閉じ ビリビリと漏電していた
海賊達は なんだ?なんだ?
っと不思議そうにナナミを見て
オーブ船長もどう言う事だ!!そう驚いていた
俺は ナナミがロボットである事を
海賊達に説明する事にした
アンドロイドのナナミが海に落ちて
壊れてしまったのかな?
ライル博士にどう説明したら良いんだ?
俺は帰った後
ライルに怒られるのではと少し不安になっていた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-6 海賊達の条件〉
▶︎海賊船
ナナミをベッドのある部屋に運び寝かせ付け
俺とナインはオーブ船長の部屋に招かれていた
オーブ
『悪かったなお前ら、連れに迷惑かけちまって』
その事なら良いのだが
嫌良くないが そんな事よりだ
町の人達に迷惑をかけるのはやめて欲しい
俺はその事をオーブ船長に伝えた
オーブ船長は頑固なのか
「それは...」っと言葉を言い淀んでいた
ナイン
『やり始めた手前、素直に謝れなくなったのか?』
オーブ
『・・・・そうだ』
そうだじゃねぇーよ!!子供か!!
ならどうすれば町の人達に謝ってくれるんだよ
そう思っていたら オーブ船長は俺達に言ってきた
オーブ
『俺の娘と魔装機勝負しろ
お前達が勝てば素直に言う事を聞いてやる』
ナイン
『条件付きって事だな』
オーブ
『そうだ、俺達が勝ったら
お前達も俺達の仲間として海の海賊になって貰う』
は?そんなの無理に決まってるだろ
俺は反発した、だが
オーブ
『良いのか?悪い話じゃねぇと思うが
それに、船の上にはヴァーグランスが有る
お前達に勝ち目は無いと思うが』
グヌヌ、それもそうだ
海賊達の言う事を聞くしか無いのか
「わかった、俺が相手になるよ」っと俺が言うと
オーブ船長はニヤリと笑い
「なら陸までは仲良くしようぜ、
海賊仲間になるかも知れねぇんだからよ」
そう言って来た
誰が仲間になんかなるかよ
俺は勝手にそう言ったが
ナインは良かったのか?っと思い
ナインの顔を見ると
「任せた」そう一言だけ言ってきた
陸まで行くのに少し時間がかかるらしく
俺はナナミの様子を見に行く事にした
ナナミが寝かしつけられてる部屋に入ると
海賊達がナナミの看病をしてくれていた
海賊
『お!ネルさん、ナナミさんだけど
ちっとも起きやしねぇ 壊れちまったのかな?』
ネル
『どうだろう?俺にも分かんない
そう言えばパンプットは?』
海賊
『外で何か考え事をしていたよ
アイツは船を追い出された身だからよ』
そうか 船長の娘を好きになったけど
船長に認められないと
好きな人にも近づけないもんな
それはツライだろうな
海賊
『まさかナナミさんがロボットだったとはな
一目惚れしたのによ』
ネル
『ナインとかはどうなの?』
海賊
『あの人はオッカネェよ
まるでオーブ船長見てえだ』
そう言って 海賊は俺の顔を見てきた
ん?何だ?変な視線を感じる まさか!!
俺は自分が男である事を説明した
海賊
『俺、男でも可愛けりゃ良いと思うんだ』
海の上で溜まった性欲が
何を仕出かすか予測出来ない
俺は身の危険を感じその場から逃げ出した
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-7 海賊の恋〉
俺はパンプットを探して船の甲板に出てみた
パンプットは広い海を見ながらボンヤリとしていた
俺はパンプットに「大丈夫?」と言葉をかけた
パンプット
『ネル君、まさか
また戻ってくるとは思わなかったよ』
ネル
『俺達が会った時 筏を用意してたよね?
マリンに会いに船に戻ろうとしてたんじゃない?』
俺の推理にパンプットは
図星を突かれたとした表情をしていた
「まさかバレてたなんてね」っと頭をかいていた
好きな人が居るのに
どうしようもないその気持ち分かるぞ青年!!
俺はウンウンっと目を閉じ頷いた
船に戻ってパンプットは
何をするつもりだったのか俺に教えてくれた
パンプットはマリンともう1度会い
2人で海賊船から逃げるつもりだったらしい
マリンもパンプットの事が好きだったらしく
逃げ出す事を伝えれば
必ず一緒に来てくれてたとパンプットは言った
2人で駆け落ちか
なんてロマンチックなんだ
でも、あの船長の事だ
地獄の底まで追いかけて来るんじゃ無いか?
俺達が海を眺めていたら
船長の娘、マリンが俺の側にやって来た
マリン
『貴方が私と戦うの?』
ネル
『そうだよ、俺はネル、正々堂々戦おう』
マリンは俺の顔を少し見て
隣にいるパンプットの顔を見た
2人が目を合わせると
2人は顔を赤らめそっぽを向いた
おやおや、初々しいじゃないの
若い2人の恋を、俺は何とかしてやりたい
そう思っていた
「陸地が見えて来たぞー」っと誰かの声が響く
俺はマリンとの戦いに向け
パンプットの恋のキューピットとして
やる気に満ち溢れていた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-8 海賊の魔装機〉
▶︎海辺の砂浜
陸地に俺達は降りた
俺はマナリリアンに乗り
マリンはヴァーグランスに乗り込む
2機の魔装機が砂浜で向かい合い
戦える準備は整っていた
オーブ
『相手が降参するか身動きが取れなくなったら負け
ルールはそんなもんでいいな?』
ネル
『OK』
敵の魔装機は古代の魔装機なんだろ?
昔の魔装機にマナリリアンが負ける訳無いだろ
楽そうな戦いに、俺は安心しきっていると
ナインは俺に「注意して戦え」っと言ってきた
安心しろって、俺を誰だと思ってんだ
生身の戦いなら弱いけど
魔装機戦ならほぼ無敗の男だぞ
オーブ船長は 俺達が負けたら
仲間になる約束をもう一度確認してきた
オーブ
『約束は守れよ?』
ネル
『その事なんだが、俺が勝ったら
パンプットとマリンの交際を認めてやってくれ』
突然の発言に
オーブ船長と海賊達は「は!?」
っとした表情で驚いていた
パンプットもマリンも驚いていただろう
そんな事認められなかったのか
オーブ船長は猛反発してきた
オーブ
『認める訳無いだろ!!』
ネル
『なんでも言う事聞くって言ってたよな?
それにマリンも
パンプットの事が好き見たいだぜ?』
オーブ
『そうなのかマリン!?』
マリン
『うぅぅ』
嘘だろ、
っとした表情でオーブ船長はガッカリしていた
海賊達はオーブ船長のご機嫌を取ろうと
「大丈夫ですよ船長」
「マリンちゃんが勝てばいいだけですし」
そう言っていた
パンプット
『マリン...』
マリン
『パンプット...』
2人の様子を見て オーブは
「手を抜いて負けたら許さねーぞ!!」
っとマリンに言った
俺が勝てば マリンも幸せになる
ワザと負けるのでは?っとオーブ船長は考え
マリンにそう言ったのだろう
「手は抜かない」っとマリンはハッキリと言った
そう来なくちゃな!!俺も手は抜かない!!
って言っても
魔法やマナ解放は控えろってオリーブに言われてる
魔法を使わず勝ってやるぜ
オーブ
『それでは始めるぞ、
真剣勝負の一騎打ち、始めダァー!!』
オーブ船長の掛け声と同時に
マナリリアンはクリスタルソードを構え
ヴァーグランスは槍を構えた
さて、どうやって攻めて来る?
俺は様子を伺っていると
ヴァーグランスは海に向かって走りだした
え?逃げるのか? そう思った
ヴァーグランスは海に飛び込み
俺とマナリリアンは砂浜に残された
ナイン
『気を付けろネル!!』
ネル
『気を付けろって言っても
相手は逃げて行ったし...ん?』
海の中から 鎖付きの碇が俺に目掛けて飛んで来た
とっさに避けは出来たが
なんだったんだ、そう俺は驚いていた
オーブ
『チェーンアンカーを避けるとは
中々やるじゃねぇーか坊主』
その後も 海の中から鎖付きの碇が
俺のマナリリアンに目掛け何回も飛んでくる
避ける事に必死になっていた俺は
海の中の敵にどうする事も出来なかった
ネル
『相手が海の中にいるなら
魔装機じゃ手出しできない』
オーブ
『グハハハ、見たか!!
マリンとヴァーグランスの恐ろしさが!!』
陸と海で戦えるヴァーグランス
マナリリアンは陸でしか戦えない
魔法を使えば何とかなるかも知れないが
マナを大きく消費して動かなくなっても困る
なんとか魔法を使わず
この状況をひっくり返さなければ!!
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-9 陸と海の戦い〉
避け続けるマナリリアン
海の中から攻撃を続けるヴァーグランス
ヴァーグランスのチェーンアンカーに
俺とマナリリアンは苦しめられていた
ネル
『どうする?このままじゃ防戦一方だ』
オーブ
『グハハハ、無駄だ無駄だ!!
ヴァーグランスに勝てる魔装機など存在しない』
海賊達は
「マリンちゃん頑張れー」
「そんな奴やっつけろ!!」
「ウオー、俺のネルも頑張れー!!」
マリンの応援をしていた
1部変な奴も居たが
俺の戦い方を見て
ナインはむしゃくしゃしていたのか
「頭と武器を使え」っと怒ってきた
お前に言われなくたって分かってんだよ!!
・・・ん?武器を?
その手が合ったか!!
マナリリアンの動きを止め
チェーンアンカーが来るのを待った
動きを止めたマナリリアンを見て
海賊達は俺が諦めたと思っていた
オーブ
『諦めたか、勝負ありだな』
ネル
『勝負は終わってないし、諦めても無い!!』
チェーンアンカーが
海から飛び出して来たのを俺は目で捉え
鎖の部分を掴み 相手の攻撃を封じた
オーブ
『なに!!』
チェーンアンカーを引き戻そうと
ヴァーグランスは海の中から引っ張るが
俺も チェーンアンカーを引っ張り
ヴァーグランスを海から引き上げようとした
ジリジリとマナリリアンは
鎖を引っ張り、ヴァーグランスを引き上げる
どうやら
力はマナリリアンの方が上のようだな
ヴァーグランスは武器を引き戻すのをやめ
水面に飛び上がり 槍を投げて来た
掛かったな!!
俺は槍の攻撃を避け
空中に飛んでいるヴァーグランス目掛け
ヴァーグランスが使っていた
チェーンアンカーを投げつけた
海の中にいたら攻撃はできないが
海から出れば攻撃は通る
ヴァーグランスにチェーンアンカーが絡み付き
海に落ちていった、勝負アリだな
俺はマナリリアンの動きを止め
マリンが地上に上がって来るのを待った
だが、ヴァーグランスは
一向に地上に上がって来なかった
空に雲がかかり 風も強くなってきた
ナイン
『まさか!!まだ戦えるのか!?』
ネル
『おかしい?、どうして戻って来ないんだ?』
やがて雨が押し付ける用に降り始め
嵐のような天候に一瞬でなっていた
海賊達やオーブ船長もザワつき始めた
パンプットは言った
「まさかさっきの攻撃で、
制御を失ったんじゃ!?」
その事が分かり 海賊達も俺も慌て始めた
海の流れは激しくなり このままじゃアイツ
魔装機ゴト海に流されるぞ!!
俺は魔装機から降り 海に飛び込もうとしたら
海賊が俺を止めた
海賊
『やめろ!!この海域は潮の流れが速い!!
お前見たいなガキじゃ死んじまうぞ!!』
ネル
『なら誰か助けに行けよ!!海の戦士なんだろ!!』
海賊達は怖気付いていた
無理も無い
巨大な魔装機が流されるレベルの海の荒れようだ
こんな海に飛び込み奴なんて...
そんな時だった
パンプットは何も言わず 海に飛び込んだ
海賊達は驚いた
「パンプットの奴!!死ぬつもりかよ!!」
風や雨は更に強まり
俺達はパンプットが戻って来るのを待っていた
だが 海賊達の何人かは
もう戻って来ないと思っていた
10分が過ぎ 20分が経過した
俺もナインも諦めかけた
パンプットもマリンも もう・・・
雨が止み 風も静まり
暗い雲が何処かに行き 太陽が海を照らすと
海賊達は騒ぎ始め オーブ船長は大号泣した
海の中から
マリンを抱きかかえた
パンプットが俺達の前に現れた
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
〈51-10 メモリー〉
マリンとパンプットは無事に戻って来た
パンプットの言った通り
ヴァーグランスの制御が効かず流されていたらしい
海賊達はパンプットを持ち上げ
胴上げしながら喜んだ
マリンも命に別状が無く
オーブ船長はマリンを抱きしめ喜んでいた
海賊A
『やったなパンプット!!
お前は俺達のヒーローだ!!』
海賊B
『それでこそ海の戦士だパンプット!!』
マリンはオーブ船長から離れ
パンプットの側に近づいた
胴上げしていた海賊達は空気を読んだのか
パンプットを下ろし その場から皆離れた
マリン
『ありがとうパンプット』
パンプット
『マリンが無事で良かった』
オーブ船長は歯を噛み締めながら
パンプットとマリンを見ていた
俺は船長に言った
「俺が勝ったのだから 約束は守ってくれよ?」
オーブ船長は「グヌヌ」っと俺に言う
パンプットが命をかけてマリンを助けたんだ
父親のオーブ船長だって分かっていたのか
2人の邪魔をせず見守っていた
が
2人がキスをしそうになると
オーブ船長は大声を出し暴れ始めた
海賊達はオーブ船長を抑えた
オーブ
『離せお前ら!!
キスまで許した訳じゃ無いぞ俺わ!!』
海賊
『まあまあ、今日ぐらいは良いじゃ無いですか』
ネル
『そうだそうだ、娘離れをしないと
立派な父親にはなれないぞ』
パンプットとマリンのキスは
海賊や俺達の記憶に焼きついた
この事を、俺達は一生忘れないだろう
とても幸せな2人を見て 皆はうっとりとしていた
▶︎海賊船
ナナミ
『ん...ここは?』
船に戻ってナナミの様子を見に行くと
ナナミが目を覚まし
俺達は良かったと一安心した
コレでライルに怒られなくて済みそうだ
俺は海賊達と喜びの舞を踊っていると
「様子が変だ」っとナインは俺に言った
へ? どう言う事?
ナナミ
『私は誰ですか?
貴方達はどうしてここに居るのですか?
私は・・・私は・・・』
どうやら
俺はまだライルに怒られる可能性がある見たいだ
ナナミは記憶を無くしていた
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