1章 マナリリアン 3話-機士団からの依頼
〈3-1 ピンチ〉
それから数週間が経った
ネルは学園での生活に何不自由感じなかったが
ある一つの事だけは避けていた
それは
風呂であった
自分が男である事を隠す為
風呂の時間はライル博士に呼ばれているからとか
色んな嘘の理由を付け
誰もいない時間に入って事なきを得ていたが
次なるピンチが訪れた
水泳の授業だった
まさかこの学園に
水泳の授業があるとは思わなかった、
もし俺が男である事実がバレたら
とんでもない目に遭わされるに違いない!
なんとかしなければ...
女生徒A
『今日の4時間目水泳だって、楽しみ〜』
女生徒B
『やだなぁ 私最近お腹の肉が気になるし』
ネルは全く生徒達の声を聞いていなかった
いや!
聞ける状況じゃないぐらい焦っていた
どうする、どうするっと悩む
女性だけの学園だから
更衣室は一つしか存在しない
よしんばソレを回避し水着に着替えても
ネルの体を見てバレないと言う根拠は無かった
ゆっくりと進む時間
3時間目が終了し4時間目が来ようとした時
ネルは閃く!!
自分では天才過ぎる発想だと自画自賛する
ネルは考えた作戦を実行する
ネルが閃いた天才的な発想とは・・・
ネル
『イッイタタァ、オナカガイタイヨー』
仮病である...
誰しもが学校や授業をサボる時に
真っ先に思い付くであろう技
ネルは
単純且つ馬鹿みたいな作戦を思いついたのだ
「どうしたの?大丈夫?」
「保健室連れっててあげるよ」
直ぐにクラスメイト達はネルを心配し始めた
心配したクラスメイトは
ネルを保健室に連れて行った
保健室には二つベッドがあり
片方はカーテンが閉まって使われていたので
使われてないもう片方のベッドに寝かされた
生徒達は
ネルの心配をしながら手を小さく振り部屋を出る
ネルは天井を見て思った
なんとかなったと
もう片方のベッドのカーテンが開き
青毛のツインテールの女性が現れた
ツインテの女性
『アンタも仮病?』
ネルは仮病じゃないですっとカタコトで言う
凄く無理がある言い方に女性は呆れた
女性はネルの顔を見て何かに気づいた表情をする
サラサ
『アンタ確か謎の魔装機乗りの・・・
確かネルって言ってたっけ?私はサラサ、
一応こう見えてもナイト級の機士なんだ』
サラサは自分の名前を
名乗り終わるとネルと握手をした
サラサが何故保健室に居るのかネルは尋ねる
サラサ
『騎士団は学園内で訓練とかしてるんだよね、
今日はちょっと眠くてサボっちゃった』
こんな機士がいて
ディナガード国は大丈夫なのかとネルは心配した
ナイト級と言ってたので
自分がナイト級に詳しく無かったのも有り、
ネルはナイト級って凄いの?っと聞いてみた
サラサ
『自分で言うのも変だけど、まぁ凄いかな
騎士団にはビショップ級の人は沢山居るけど
ナイト級は9人しか居ないんだよね。
因みにこの学園に
クイーン級の子も1人だけいるんだよ』
ネルは興味本意で会いたい‼︎と言うと
じゃっ合っちゃおうか、っとサラサは言い返す
ネルとサラサは授業と訓練をサボリ
クイーン級が居る場所に向かった
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〈3-2 クイーン級〉
ネルとサラサは
ディナガード国唯一のクイーン級が居ると言う
学園の寮に向かった
こんな場所にクイーン級が居るの?
そうネルは尋ねると
「いるよー」っと軽くサラサは答えた
寮の奥に行くと大きな扉が有り
ネルとサラサは部屋の扉の前に立った
サラサがノックを3回すると
部屋の中から女性の声が聞こえてきた
口調の悪い女性
『んだよ!勝手に入れよ』
猛々しい口調にネルは戸惑ったが
サラサは何事も無さそうに扉を開け入っていく
ネルも後を続いて入った
部屋に入ると
四つん這いになっている機士の女と
奇抜なファッションの
女性がソファーに座っていた
サラサは四つん這いの女性を見て話した
サラサ
『ネネカ、アンタ何してんのよ?』
ネネカ
『ふえーん///ビダールさんに
羊のマネをしろって言われてぇ〜』
サラサはネルに2人を紹介した
こっちの羊のマネをしてるのがネネカ
彼女も機士団の子で階級はナイト級
向こうの意地悪そうなのがビダール
ディナガード唯一のクイーン級なのだと
ビダールはサラサを見て言った
ビダール
『何だよサラサ、
お前も羊のマネをしてくれんのか?』
サラサ
『違うわよ、
それにネネカはアンタの家来じゃないのよ?
見張り役なんだからね!』
ビダール
『ウルセーな、
家来でも見張り役でもどっちでもいいだろ。
あと、コイツはペットだ ペット!!』
ビダールとサラサは言い争った
ネルは思った
機士の人もクイーン級の人も
変な人ばかりだと
サラサの説教じみた言葉に
ビダールは呆れながら言った
ビダール
『機士団様は硬いねぇ
ん?何だそこのガキは?お前の子か?』
サラサは「違うわよ」っと叫んだ
2人が口論している時に
部屋の扉が開き
機士団隊長のセリア隊長が入って来た
セリア
『ネネカ!いるか?
・・・何やってるんだお前は?
それに何故サラサとネルがココに居るんだ?
サラサは訓練の時間だろ』
サラサは「それは〜」っと
話しをはぶらかしながら言う
ネネカは「隊長〜」っと弱々しい感じで
子犬のように吠えていた
ビダールはセリアの顔を見て
イラ立ちながら喋った
ビダール
『何だよ隊長さん、まさかまた私を
機士団に引き込みに来たんじゃないだろうな』
セリア
『その件は今は関係ない、
丁度良い
ネルとサラサも司令の所に行くぞ、
ビダールはどうする?』
セリアがそう言うと
ビダールは大きなベッドに飛び込み言う
ビダール
『あたしは一生この学園で引きこもるね!!
私を働かせたいなら
私に勝ってから言いなよ隊長さん』
「そうか」と返事を返したセリアは
ネル達を司令がいる場所に連れて行く為
ビダールの部屋を出て行くのだった
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〈3-3 静かなる不穏〉
ネル達はデルク司令が待つ場所へと向かった
司令室に付くと
中にデルク司令とライル博士が持っていた
デルク
『サラサ、ネネカ、ネルもよく来てくれた。
他の機士達には伝えたが
ディナガード国の領地であるシュナイルの村が
何者かによって村が破壊された』
デルクの言葉を聞き
ネルとサラサはとても驚いていた
サラサは何が合ったのかデルク司令に聞く
デルク
『わからない...他の村人がシュナイル村に着くと
家屋は崩壊している場所が多く
人は人っ子1人存在しなかったらしい』
サラサは絶望した顔で
レインオラクルが攻めて来たのかと疑った
デルク
『まだ他国の襲撃なのか
魔物の仕業なのかも分からない。
君達には他の村に警告を伝えるのと同時に
何か情報を知っていないのか
聞き込みの調査をしてもらいたい』
ネルは
自分も参加した方が良いのかとデルクに問う
デルク
『そうだな・・・
ライル博士と一緒なら何かあった時も大丈夫か、
サラサはネルとライル博士を連れ
南東にある村に行ってくれ』
サラサは宜しくねっと挨拶して来た
ネルも元気良く挨拶を仕返す
デルクはネネカの顔を見て話す
デルク
『ネネカとセリア隊長はディルゴ火山の人達に
注意喚起と周辺の見回りに行ってくれ』
「隊長と一緒ですか〜」っと
ネネカは不満そうに言った
ディルゴ火山と言う聞き慣れないワードに
ネルはディルゴ火山に付いてライルに聞く
ライル博士曰く
ディルゴ火山には大量の魔石が存在し
それをディナガード国が
掘削作業をして集めている場所らしい
サラサはネルの顔を見て
「じゃっ行こっか」っと言った
ネル、サラサ、ライルの3人は
南東にある村に向かう事になった
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〈3-4 疲れ知らず〉
ネル達は南東に向かう為
ネルとサラサは魔装機に乗り移動をしていた
ライル
『だいぶ王都から離れて来たね、
2人とも大丈夫かい?』
ライルはサラサの魔装機
テイムライトの手の平に座り
通信機を使い2人に質問した
真っ先に反応が返って来たのは
サラサからだった
サラサ
『腕を上げっぱなしで疲れましたよ、
落とさない要に慎重に動いてるから
普段より余分なマナを使ってるから余計にね』
少し不満げなサラサに
ライルは済まないっと通信機越しに謝った
すると次はネルの声が返ってくる
ネル
『それにしてもカッコいいですねその魔装機
テイムライトでしたっけ?
腰に付いてる銃は何なんですか?』
ライル
『腰の銃はクラスターラピット、
魔力を弾に変換して
敵を射つ基本的な魔装機の武器だよ!
他にも武器は色々あるけどね』
ネル
『他にもバンカーに
何種類か魔装機がありましたけど
アレは何なんですか?』
ライル
『基本的にディナガードには
3種類の魔装機が有るんだ!
タレント
テイムライト
トライデントの3つだよ、
タレントは魔女やビショップ級が乗る機体で
コレが1番多く作られているベーシックな魔装機
次にテイムライト、
ナイト級クラスにしか動かせない機体で
ナイト級は9人しか
ディナガード国にはいないけど
コレは十数機ぐらいバンカーにあるね
最後にトライデント、
コレも
ナイト級クラスにしか動かせない機体だよ、
トライデントはディナガード国に
2機しかまだ作られてないけどね』
ネルとライルの会話を
通信機越しに聞いたサラサは
ゲンナリした顔でオタクの会話っと心の中で呟く
2人の会話を途中で遮り
サラサは疲れてないのかとネルに聞いてみた
ネルの魔装機にはライルが用意した
魔装機用のパーツや修理道具を
大きなバッグに詰め背中に背負わせていた
サラサの問いにネルは大丈夫ですよっと答える
サラサ
『どれだけのマナを
その小さな体に溜め込んでんのよアンタ』
サラサの愚痴を聞き
ライルは少し考え事をする様子を見せた
あっそうだ、っと言わんばかりの表情で
ライルはネルに話しかける
ライル
『ネル君、君の魔装機の事なんだけどね
このまま名前も無いのは不便だから
私達整備士達の間では
ノーネームって呼ばせて貰ってるよ』
ノーネームか....そうネルは考える
分かりました、
名前が決まるまでそれでいいですっと言うと
ライルはカッコイイ名前を考えてくれっと言った
名前なんてどうでもいいでしょ、
っとサラサは言うと
目的地の村が見えて来たのであった
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〈3-5 情報〉
村に付いたネル達は魔装機を降り
村人達に
他の村が襲われた事の注意喚起と
それについて何か知っていないのか
ネルとサラサは聞き込みをした
情報を二つ入手した、
村人達の情報によれば
3何組の魔装機乗りが
つい最近この村に来たと言う事、
もう一つは
夜に巨大な魔物の影を見たと言う女性がいた事
ネル達は情報をまとめ
コレからどうするかを考えた
サラサは巨大な魔物がいるなら
少し村の周辺を見て回った方がいいっと提案する
ネルもそれに賛成した
ライル
『巨大な魔物か、アースゴーレムか
ジャイアントオークでも居たのかも知れないね、
ローズストーン領には
巨大な魔物が沢山出ると聞く
ここはローズストーンには遠いけど
無い話しじゃ無いからね』
ライルはそう言うと
ネルのお腹がグーっと音が鳴った
サラサは少し笑い
何か食べ物が有る場所がないか
村を探してくるっと言い立ちあがると
ネル達の前に1人の女性が
「あの〜」っと声をかけて来た
その女性は
巨大な魔物を見たと言っていた人だった
ライルはどうしたんですか?っと女性に尋ねると
女性は喋り始めた
村の女性
『魔物を探して頂けるなら、
我が家で食事しませんか?
日も暮れて来ますので良ければ泊まってくたざい
部屋も人数分ありますので』
ネルは喜んでっと言うが
サラサとライルは
一般の方に迷惑を掛けてはいけないと言った
女性は言う
村の人は誰も信じてくれないんです、
貴方方の話しを聞き
もし村に何かあると思うと・・・そう言うと
女性は涙を浮かべ膝をついた
サラサとライルは頭を抱え
とりあえず女性宅にお邪魔する事にした
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〈3-6 貴族〉
ネル達は女性宅にお邪魔する事になり
そこそこ豪華な食事をご馳走になった
夜が更け
ネルとサラサは交代で村の周辺を見て回った
サラサが見回りから返ってくると・・・
サラサ
『ダメね、魔物の影すら見当たらないわ』
女性はサラサにどうぞと暖かい飲み物を手渡す、
サラサはありがとうございますっと
女性に御礼を言い椅子に座り飲み物を飲んだ
そうだったとした表情を浮かべた女性は
ネル達に話す
村の女性
『皆さん自己紹介して貰ったのに
私はまだしていませんでしたね』
その事はサラサも気になってはいた
さっき皆で食事をしていた時に
私達が自己紹介をしたのに彼女だけが
何故か名前を名乗らなかったのだった
サラサ
『大丈夫ですよ、名乗りたくない事情なんて
ディナガード国には良くある事ですから』
サラサは言うと
ネルもウンウンっと首を縦に振る
女性は2人を見て更に申し訳なくなり話しだす
村の女性
『いえ...私の言葉を
信じてくれた貴方方に申し訳なくて...
それに隠し事をしている人の話しなんて
信頼に値しないでしょ?』
女性は顔をあげネル達の顔を見た
マリアン
『私はマリアン・ミスリル・・・っと言います』
サラサとライルは飲み物を飲んでた手が止まる
ネルは明るい表情で
「宜しくねマリアンさん」っと握手をした
ライルはマリアンの顔を見て話す
ライル
『まさか、貴族の方だったんですね』
マリアンは申し訳無さそうに
はい、と返事をした
ネルはどうして貴族だと分かったのか尋ねる
するとライルが答えてくれた
ライル
『2つな名の家柄が付く人は高貴な人を指すんだよ
基本的に
貴族の女性は高いマナを所持しているんだ』
名字がそんな物なのかっとネルは考えた
確かに機士団の人達は
名字が付いた人が多かったなぁっと実感した
でもサラサには名字が無いぞ?
っと疑問に思ったが、無い人もいるんだ
ぐらいにしかその時は思わなかった
ネルはマリアンに質問した
どうして貴族の貴方がこんな村に?っと
サラサは焦りながら
失礼な事を言ったネルの口元を押さえ
「すいませんこの子ちょっと変で」
っとすぐさま謝罪した
マリアンは大丈夫ですよっと言うと
困り顔で話し始めた
マリアン
『私、実はローズストーンの出身で
向こうで上手く出来なくて逃げて来たんです』
ライルは
カバンから妙な機械を取り出しマリアンに向けた
すると少し驚いた表情で喋る
ライル
『驚きました マナ測定107、
ビショップ級クラスのマナをお持ちなんですね』
マリアン
『私なんて落ちこぼれです・・・、
知っていると思いますが
ローズストーンは機士としての先進国、
私レベルの魔女なんて沢山居ますし
ミスリル家ではかなりの落ちこぼれ
努力したって元々からマナの高い人達なんかに
追いつけるわけ無いんですよ・・・』
マリアンがそう言うと
ネルの口を押さえていたサラサの手が解ける
サラサは顔を曇らせ発言する
サラサ
『努力もしないで
強くなった魔女なんていないのよ』
サラサの声色が変だと感じたネルは
サラサの顔を見上げサラサの名を呼ぶと
サラサは席を勢いよく立ち上がり、
もう少しだけ見回りをしてくる
っと言い外に飛び出した
ライルはマリアンにすみませんっと謝る、
マリアンも悪い事をしたっと表情をしていた
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〈3-7 久々の〉
サラサが飛び出した後
ライルはネルの顔を見て話す
ライル
『サラサ君は貴族では無いのに
ナイト級まで登り詰めた努力家なんだ、
ナイト級で貴族じゃ無いのは
サラサくんだけだからね
すみませんマリアンさん、
彼女に悪気があった訳じゃ無いんです』
マリアンは
とんでもないっ私の方こそ知らずに無礼な発言を
っと言い両手を顔の前で少し振る
マリアンは何かを思い出し2人に言う
マリアン
『宜しければお風呂も使ってください、
さっき沸かしたばかりなので』
マリアンさんのお言葉に甘えて
ネル達はお風呂に入る事にした
ライルは最後に入るっと言ったので
ネルが先に入る事になった
久々にゆっくり風呂に入れる
っとネルは湯船に浸かりながら想いに吹けていた
よくよく考えれば
学園に来てからは自分が男性である事を隠し
他の生徒を避け夜時間に
こっそり入浴してお風呂に入っていた
最後にまったりお風呂に入ったのは
エンギルの家以来だった・・・
ネルは考えていた、
自分の世界の人達は今は何をしてるんだろうと
後輩の高橋は
自分が死んだ事を後悔しているんじゃ無いかとか
両親に迷惑かけてしまったなとか
最後に孫の顔を見せてあげれれば
っとネルはボーッと考えていた
数時間湯船で考えてると
風呂のドアが開き誰かが入って来た
サラサ
『いつまでお風呂に入ってんのよ、
お湯が冷めるともったいないから
一緒に入るわよ』
入って来たのは裸のサラサだった!
都合よく風呂場の湯気で
しっかりとはサラサの裸を確認出来なかったが
シルエットで見る限り肌のラインは豊満であった
入って来たサラサにネルは驚き
んなっ!!っと変な声を上げ
湯船から立ち上がってしまった
サラサ
『何でそんなに驚いてんのよ
女の子同士だから大丈夫で・・・』
サラサは喋りながら桶を取り
お湯をすくい自分の体にかけた
少し目をネルの方に向けると
自分には無い物を間近に見てしまい
喋っていた口は動かなくなっていた
2人の時間が少し止まった・・
ポチャンっと水の落ちる音と同時にサラサは
んぎゃああーっとデカイ悲鳴をあげる
騒ぎを聞きつけマリアンはドアを開けて話す
マリアン
『どうしたんですか!?』
風呂場を見ると
虫の死体の様に転がっているサラサと
可愛らしいイチモツをぶら下げた
ネルが立っていた
ネルは「イヤン」っと言い股間を両手で隠し
マリアンは「あらま」っと言い返した
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〈3-8 説教〉
その後
ネルは何故か正座をさせられていた
何故今まで男性である事を隠していたのか
事細かに説明していたのである
サラサ
『なら最初から言いなさいよ!!
あの隊長も隊長だわ!!
てか博士!っ知っていたなら止めてくださいよ』
怒りながらサラサはそう言うと
知っていてやってたのかと思ったっと
ライルは言う
知らんわ‼︎っと吠えるサラサ、
ライルをメガネをクイっと上げ
色を知る年かっとポツリと呟く
サラサは
テーブルに置いていあった木のコップを手に取り
まるでプロ野球選手さながらの豪速球で
ライルに投げつけた
コップは見事ライルの頭にヒットした
ネル
『は、博士〜』
ネルは悲鳴を上げ
サラサは鬼の形相をしていた
しばらくし
サラサは冷静を取り戻し
ネルとライルに話し出した
サラサ
『っで、明日はどこを捜索する?』
頭に綺麗なタンコブを乗せたライルが発言する
ライル
『もしかすると、
魔物は何処かに移動したのかも知れないね』
明日も探してダメだったら一度王都に戻ろうと
サラサはライルに言った
マリアンはネル達に夜も遅いので寝てください
部屋も人数分有りますのでっと言うと
ネル達は夜も遅いので寝る事にした
その夜
ネル達はフカフカのベッドでグッスリ寝ていると
ドカーン!!
っと外から大きな音が鳴り響いた
サラサとネルは飛び起き
直ぐに外に出て魔装機に乗り込み
音のした方角に向かった
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〈3-9 巨大な敵〉
村から少し離れた場所に
村人が使っている畑と物置小屋があった
畑は何者かに荒らされた痕跡があり
小屋は押し潰されたかのように半壊していた
ネル
『何があったんだ』
ネルは辺りを見渡しそう言った
サラサは荒らされた畑を丁寧に観察した、
畑には大きな足跡が残されていた
それを見たネルは「なんですかこの足跡は?」
っとサラサに聞く
サラサは足跡をマジマジと見ながら言った
サラサ
『この形と大きさ、・・もしかしてコレは』
奥の森から
木が倒れるような鈍い音が鳴る
ネルとサラサは音の鳴った方角に直ぐに向かった
森を少し進むと
そこには全長10mぐらいの大きな何かが・・・
サラサをソイツを見て 緊張した口調で喋る
サラサ
『間違いない、コイツは・・・魔竜!!』
魔竜はネルとサラサの魔装機を見て
大きな翼を広げ、尻尾を揺らした
サラサはマズイっと言い
テイムライトに搭載された銃
クラスターラピットを取り出し乱射した
魔竜は高く飛び上がり
口を開き 火の玉をサラサに向いて吐き出した
サラサは油断してしまい火球が直撃してしまう、
当たりどころが悪く
テイムライトは動かなくなってしまった
サラサ
『しまった、ネル‼︎逃げて‼︎』
サラサの声がネルのコックピットに響く
ネル
『凄いね
あんな大きな魔物がいるなんて、借りるよ』
ノーネームは
落ちていたクラスターラピットを広い
魔竜に銃口を向けた
サラサ
『バカ!!、その武器は
同じコードを持つ魔装機にしか使えないのよ
だから他の方式の魔装機じゃ撃てな……』
そうサラサが言い終わる前に
ノーネームは引き金を引いた
するとクラスターラピットから魔弾が発射され
魔竜の足に命中した
「嘘でしょ・・・」っとサラサは驚いた
魔竜は雄叫びあげ更に空高く浮上した
逃すかっと
ネルはもう一度クラスターラピットを構えるが
空高く飛んだ後、
魔竜は夜空に溶け込むかの様に
ゆっくりと姿を消した
消えた‼︎っと何が何だか分からずネルは驚いた
サラサはネルに伝えた
サラサ
『透明になる魔法ね
その魔法を使ったから消えた様に見えるって訳』
辺り一体に魔物の気配を感じなくなり
ノーネームは銃口を下げた
しばらくすると
ライルが駆けつけて来た
ネルとサラサはライルに魔竜の事を話す
テイムライトも故障して動けなくなったのも有り
ネル達は一旦村に帰る事になる
夜空の何処かにまだ魔竜がいる
村人達にこの出来事はすぐに広まった
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〈3-10 村人の不満〉
翌朝
ライルは魔竜との戦いで負傷した
テイムライトの修理をしていた
サラサ
『ごめんなさい、油断してしまって』
サラサはライルに謝る、
君が無事で良かったっと
ライルは修理をしながら答えた
直りそう?っとサラサが聞くと
これぐらいなら
すぐ直せるよっとライルは言葉を返す
周囲の声に耳を向けると
村人達の不安な声が聞こえてくる
「魔竜が出たんだって、
他の村を滅ぼしたのはアイツに違いねぇ」
「じゃあこの村も・・・」
「俺達も逃げた方がいいべか?」
「逃げるって何処にだよ」
「御袋は歳が歳だから
そんな遠くになんかいけねぇ」
村人達は不安に思っていた
それもそのはずである、
魔物には危険度と呼ぶ数値が5段階で数字化され
魔竜は危険度最大の5、
普通の人では太刀打ち出来る相手では無い
テイムライトを
修理し終えたライルはサラサに言う
ライル
『まさか魔竜とはね・・・』
サラサ
『撃滅戦後以来らしいわね、
私も実物を見たのは初めてよ』
ネルは撃滅戦に付いて尋ねるとライルは答えた
ライル
『40年前に魔王の残党である強い魔物を
三ヵ国は魔装機を使い協力して討伐したそうだ、
その中に
魔物を従えてた5体の魔物が居たらしいけど
沢山の犠牲を出して討伐に成功したんだって』
ネルはその時の生き残りの魔物なんだ
っと少し不安になる
不安そうなネルの肩を叩きサラサは言う
サラサ
『大丈夫よ、そんな40年前のロートルの魔物
今の技術の魔装機なら簡単に倒せるはずよ』
ネルは少し笑顔を見せた
しかしライルは険しい表情で言った、
透明な魔物をどうやって見つける?っと
幸い、透明化の魔法を使っている間
攻撃や派手な移動ができない事を知っていた
サラサは独り言のように呟く
サラサ
『魔物探知の呪文が使える人がいたら』
悩んでいるサラサ達の前に
昨日食事と寝床を提供してくれた
マリアンが現れた
マリアン
『あの、魔物探知の呪文なら私使えます』
サラサは驚き
ネルは手を貸して欲しいっとお願いすると
マリアンは
私に出来ることがあればっと言ってくれた
こうして
マリアンの力を借り、ネル達のリベンジが始まる
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〈3-11 リベンジ〉
その夜
昨日魔竜に遭遇した場所で
マリアンは魔物探知の呪文を唱えた
探知の呪文は少し時間が掛かるので
ネルとサラサは魔装機に乗り辺りを警戒していた
嵐の前の静けさの如く
マリアンの演唱だけが鳴り響く
演唱を終えマリアンは指を指す
あちらの方角に距離20っと言った
OKっとサラサは叫び
その方角にクラスターラピットを乱射すると
奇妙な雄叫びが辺りに響き渡り
透明化をしていた魔竜が姿を現した
「行くよ!」っとサラサはネルに言うと
テイムライトは銃を構え
ノーネームは剣を取り出し構えた
魔竜は翼を広げると
翼から小さな魔法陣がいくつか出現し
尖った岩を放った
サラサ
『岩系の魔法まで使うなんて!!』
魔竜は岩を何発も止める事なく放ち続けた
サラサはマリアンを庇い
テイムライトを盾にして防御した
「大丈夫ネル!?」
っと言いながらサラサはノーネームを見ると
ノーネームは
目にも止まらぬ速さで岩を回避していた
サラサ
『凄い』
サラサは霞むような声で言う、
ノーネームは回避をしながら魔竜に近づき
剣で攻撃くりだす
魔竜は先程以上の悲鳴を上げる
余りの痛みで翼を羽ばたかせ空を飛び
また逃げるつもりだった
ネル
『卑怯者降りて来い!!』
飛ばれては
遠距離武器の無いノーネームでは
どうする事もできなかった
その隙に
テイムライトはクラスターラピットを構えていた
サラサ
『サンキューネル、今度は逃がさない
クラスターモード起動!!イッケーー!!』
クラスターラピットの銃口は少し形を変え
銃口から無数の光の弾が飛び出し
魔竜の翼に命中し
魔竜は雄叫びを上げながら空から落ちる
そのチャンスを見逃す事なく
ネルは剣を力強く振り上げ
夜空に向けて突き上げた
剣は落ちて来た魔竜の腹を貫通し
血しぶきが舞う
夜空に赤い魔竜の血しぶきと
天高く剣をかざしたノーネームを見て
マリアンは言った
マリアン
『凄いです2人とも、カッコいいです!
・・・村を救って頂きありがとうございます』
マリアンはその場に泣き崩れた
サラサはマリアンに言葉を返した
サラサ
『村を救ったのはアナタもでしょ』
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〈3-12 次に〉
翌朝
ネル達は村人達から感謝され
村土産のよく分からない物まで頂いた、
ネルは
それをライルの持って来たバッグに詰め込んだ
魔竜を倒し目的を終え
ネルとライルは帰る支度をした
別の村で暴れていた者の正体は
魔竜だったのであろうとライルは考えていた
ライルは目を横に向けると
サラサとマリアンが別れの挨拶をしていた
仲が良さそうに話してた2人を見たネルは
ライルに言った
ネル
『仲直り出来て良かった』
ライル
『そうだね』
魔竜の死体は
後日ディナガードの兵士が処分に来るらしい
サラサは別れの挨拶を済ませて
ディナガード国に向け帰って行く
王都に近づいて来た時
ライルが無線機をバックから取り出し
回線が繋がるか試した
ライル
『おっ回線が繋がった、こちらライル博士です
3人とも無事任務終え帰国しています』
ライルは無線機で誰かとやり取りをしていると
ライルの表情が変わり
「分かりました」っと低いトーンで喋っていた
無線を切り
ネルとサラサの魔装機に回線に繋げ直して
ライルは言う
ライル
『2人とも聞いてくれ・・・』
ライルの声色からして
様子がおかしい事に2人は気づく
ライル
『北東の村周辺に魔竜が2体目撃されたらしい、
場所に違い僕達は
今から向かってくれとの司令部からの命令だ』
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