始まりの章 転生
田中は真っ暗な世界で目を覚まし
ここが何処だか分からず
周りをキョロキョロとした
周りを見渡すと
椅子に座った女性の姿が見えた。
何故だかそこにだけ
照明ライトの様な光が当たっていた。
女性は白いドレスに 頭の上には
見た事あるような黄色い輪っかが・・・
女性はこっちに気がつくと口を開いた。
女性
『やっと目が覚めましたね田中さん』
何故だか分からないが 女性は俺の名前を呼んだ
こんな綺麗な女性に
知り合いなんか居たかと?田中は困り顔になった
田中
『あの〜失礼ですけど、どちら様ですか?』
女性は深くため息を吐いた
またかって感じの呆れた顔をしている
女性
『また1から説明しないといけないのね。
やだやだ、
だからこんな仕事受けるんじゃなかった
説明だけで
私の労働時間どんだけ持ってかれんのよ』
女性は怒り口調でグチグチ言い始めた
最初の第一印象とはまったく別人みたいだった。
田中は「あの〜」っと
余所余所しい感じで女性に問いかけた
女神
『わかったわかった、説明は色々省いて言うわね!
私は女神、貴方は死んでしまったの、
でも貴方は良いオコナイをしたから
神様が別の次元でもう一度人生をやり直せる
チャンスをくれたのよ。
良く言う異世界転生って奴ね』
女神が喋り終えると
田中はポカーンっと口を開けていた
数秒後には
死んだと言われアタフタする田中。
アタフタしてた田中は重大な事を思い出し
冷静になって女神に声を張り上げて言った
田中
『こ、子供は!!
俺が助けた子はどうなったんです?』
女神は無表情な顔で言った
女神
『助かったわよ、貴方のおかげでね』
田中は安心したのか
胸を撫で下ろし 自分の手を見て小声で言った
「良かった」と
女神は田中を見て少し笑顔になった
女神
『でっどうするの?
異世界転生しないって選択肢もあるけど』
田中
『異世界転生かぁ、
俺あんまそう言うの興味ないんだよなぁ』
田中はそう言うと
何かを閃いた用な顔をして女神に話しかけた
田中
『ロボット!!、
人が乗れるロボットがある世界に行きたい』
田中は嬉しそうに言った
女神は呆れた顔で 何処からともなく
物凄い分厚い本を出した
女神
『ロボットがある世界ね、
ちょっと待ってね今調べるから』
いつのまにかメガネを掛けていた女神は
本をペラペラとめくり始めた
田中
『なんか、一昔前のハローワーク見たいっすね』
女神
『うるさい‼︎大体ロボットのある世界って何よ
ほとんどが魔法がある世界とか
カッコイイドラゴンが居る世界とか
言うのよ大体が‼︎
ロボットってアンタねぇ
マニアックなのよ、それに・・・あ』
ブツブツ言っていた女神の手が
とあるページで止まった
少し間があり、
ニマリとした女神は田中に近づき
コホンと咳をして
真面目な表情で田中に言った
女神
『コホン、田中さん 貴方の善行を讃え
異世界への片道キップを差し上げます
準備は宜しいですね?って言っても
もう後戻りは出来ないんですけどね』
女神は杖を取り言った
女神
『貴方の新たな人生の旅立ちに
祝福があらんことを、開け次元の扉』
まばゆい光に田中は包まれ
意識が遠のいていった