第一話
二九三九四四日目
目が覚める。鏡を見る。僕はとてもハンサムな男だ。こんな幸運は滅多にない。
意気揚々と外へ出る。古風な街が広がっている。可愛らしい女の子がいたので、話しかけてみる。
自己紹介をすると、彼女は女の子だった。彼女も僕の顔はかっこいいと思うらしい。
だから、僕は彼女と子作りをした。
ベッドの上で、僕達は「さようなら」と言い合って眠りについた。
二九三九四五日目
目が覚める。鏡を見る。僕はいかつい大男だった。
外へ出れば清々しい。広々とした畑がどこまでも続いていた。逞しい男達が沢山いる。
一人が言った。
「今日は皆で農作業かしら」
僕達は日暮れまで汗水流して働いた。
作業中だった。僕らのうちの一人が突然倒れた。皆と比べても背の高くて屈強そうな男だった。目が覚める所を見なかった。
時々あることだった。
二九三九四六日目
目が覚める。近くに鏡はなかった。声を出して見ると、高かった。服の中に手を入れたら女の子のようだった。
自分の姿が気になって、外へ出る。近くに池があった。水面を覗き込む。綺麗な顔があった。一昨日出会った子と同じくらいには可愛かった。
池の周りに黄色い小さな花が沢山咲いている。
僕は楽しい気持ちになって散策した。
男の子に出会った。
自己紹介をする。彼は男の子だった。僕も男の子だと言ったら、少し残念そうだった。