1/53
奪還戦線
────三千年。それは重い歴史の流れ。
遺伝子科学の異常な発展、高度機械文明の飛躍的躍進。自我を持った機械の生誕。機械による支配と管理。それに対抗するための人体実験。神の領域に踏み込んでしまった者の末路。それでもなお、歴史は足を止めることなく歩み続ける。止まることなどできないし、許されない。過去には二度と戻れないのだから。
そんな歴史の片隅で、一体誰が気付けるというのか?自分が被験体だということに。
今、第三の地球を舞台に、人類の存亡と機械の反乱、人間ではなくなってしまった彼らの存在意義、失われたかけている地球を取り戻すための、果てしなく長い戦いが静かに幕を開けた。
───これは戦いである。自らのアイデンティティーと不透明な未来をかけた、とある少年達の戦記である。




