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第1部最終話 Our Future

最終話になります! ここまでお読み頂いた読者の皆様に感謝を込めて……


『闇の王』との決着から、しばらくの時が過ぎ、無事にフリスディカへと戻ってきていた私達。


 白の十字架によって絶大な被害を受けたフリスディカだったが、それでも、援軍に来てくれた『妖狐』や『大神』、それにギルドのハンター達のお陰で、フリスディカの街は再び平和を取り戻しつつあったのだ。


 もちろん、こうしてシャウン王国が、シャウン王国として存亡できているのは、零番隊の面々による働きが大きい。かつて、王の専属部隊として、その存在を人々に知られていなかった零番隊。


 だが、今回の出来事をきっかけに、その存在が明るみとなり、そして今、私達の組織『零番隊』は、フリスディカに住む人々なら皆が知っているような、そんな存在へとなっていた。突然、街を歩いている最中に話しかけられるような事が何度もあり、私自身まだ少し戸惑いはある。だけど、きっとそれは、私達が…… 皆がやってきた事が、市民達に認められたと言うことに他ならない。


 零番隊を裏切り、王の命を狙おうとしたアイルとノエルは、ミドウの手によってその企みを阻止された。もちろん王が無事だったのは、同じく零番隊の1人であるヨツハの力のおかげでもある。


 それに、ブレイヴもミズチも、帝国との衝突において、一騎当千の働きを見せたらしい。そのあまりに熾烈な戦いぶりに恐れをなした帝国軍は、退いていったとのことだ。後に聞いた話だが、帝国とアレナ聖教国は裏で繋がっていたらしく、白の十字架という大きな後ろ盾を失ってしまった今、もはや勢いは消え失せてしまっていたのだ。


そうそう…… アレナ聖教国と言えば……


 私達と一緒に戦ったフリーフェイス。白の十字架による後ろ盾を失い、すっかり没落したアレナ聖教会は、フリーフェイスの勢いには勝てなかったようだ。元々、貴族を優遇していたことで、民に不満がたまっていたと言う事もあり、あっという間にアレナ聖教会は、民からの求心力を失っていき、没落していったというわけだ。


 アレナ聖教国は今、ザイオンをはじめとするフリーフェイスの面々が、身分による差別を受けず、皆が幸福に暮らせる国をめざし、国直しを行っている最中であるらしい。多くの若者が彼らの方針に賛同し、アレナ聖教国は新体制に生まれ変わろうとしているというわけだ。


 そして……


 闇の王が憑依していたロードは、闇の王がいなくなったことで、正気へと戻った。だが、流石に零番隊の一員として、これ以上戦うことが出来ないと言うことで、彼は自ら、私達の元を去って行った。ミドウも何回も引き留めたようだが、それでもロードの決意は変わらなかったのだ。


 モンスター。かつて、彼らは人々にとって、安全を脅かす大いなる敵であった。だが、白の十字架による国崩しは、そんな人々の間にあった常識を覆すという、この世界にとっても大きな転機となったようだ。


 人々はモンスター達を受け入れ、そして結果として今、モンスター、それに人間が力を合わせ、フリスディカの復興にあたっている。妖狐の一族や大神の一族が、フリスディカの街を普通に歩くような、そんな私の目指していた世界が遂にやってきたのだ。


「諸君、忙しい中、集まってもらい感謝する!」


 王宮へと呼ばれた私達。零番隊集合の号令をかけたミドウが言葉を続ける。


「皆も知っての通り、かつて人間にとっての脅威だったモンスターは、今や人間と共存していくような、そんな関係へと変わった! だが、最近…… あの動乱をきっかけに、魔法の力で市民を襲うという不届き者が多く現れている! 通称『堕魔』と呼ばれているのは、皆も良く知っておろう」


 人々からモンスターの脅威は確かに去ったのだ。だが、一つ問題が解決すれば、また新しい問題が出てくる。『堕魔』と呼ばれる者達。モンスターが人間にとっての敵では無くなった今、新たに人間達の前に立ちはだかったのは、他ならぬ同じ人間であった。


「そこで王から我々に命令が下された! 王の直轄の部隊として…… 人々の安全を脅かす、『堕魔』を成敗する。我々『零番隊』に与えられた新たな使命だ!」


 せっかくモンスターと人間が共存できるような、私にとっての理想とも言える世界が出来かけているのだ。私だって、自らの欲に溺れ、安易に人々の安寧を脅かすような存在は許せない。


 そう、これからも私達の戦いは終わらないのだ。きっと、人間がいる限り、私達の戦いは終わらない。だけど、それでも着実に、私達は前へと進んでいる。


 だから……


 私は、モンスターの一族の一つ、妖狐の一族の長、『九尾』として、これからも戦い続けるのだ。いつか、本当に全てのモンスターと人間が協力し合って共存していけるような世の中が出来るまで。


今までお読み頂いた皆様へ


『わたし、九尾になりました!!』をここまで読んでくださり、ありがとうございます。


この作品は、私にとってもすごく思い入れのある作品で、何とかここまで書き切れたことまずは嬉しく思っております。ここまでかけたのも、ひとえに読者の皆様の応援のお陰です。本当にありがとうございます!


一応物語としては、これで区切りを迎えた形にはなりましたが、イーナ達の物語は、きっとこれからも続いていくでしょう。その時は、また新たなストーリーを紡いでいけたら…… 私もそう願っております。


そして、もし少しでも面白いと思って頂けたのであれば、下の評価欄より、星を残していって頂ければ、私も嬉しいです。気楽に評価の方残して頂ければありがたいですので、是非ともお気が向いた際にはよろしくお願いいたします!


最後に、重ねてにはなりますが、読者の皆様がいてくれたからこそ、こうして完結できました。本当にありがとうございました。


惟名 水月

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FOXTALE(Youtube書き下ろしMV)
わたし、九尾になりました!のテーマソング?なるものを作成しました!素敵なMVも描いて頂いたので、是非楽しんで頂ければと思います!

よろしくお願いいたします。 ツギクルバナー
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