エピローグ
それからの話を少しだけしよう。
車田と赤城先輩と合流した私たちは、イルミネーションで照らされた定禅寺通りを軽く歩き回り、そのままラジオの公開収録を見に行った。車田がラジオ内のゲームの景品として筋トレグッツを当てた時、彼女が何か言いたそうな顔をしていたが、詳しくは聞けなかった。
そのまま、軽くお酒を飲んで健全だと言える時間内に私たちは解散した。
翌十二月二十六日、日曜日。
彼女と映画を見る約束をした日である。
私の部屋で、などと誘えるはずもなく部室のプロジェクターを使って二人で映画を見た。何度も見た映画だったが、彼女が隣にいると言うだけで、全く違うもののような気がした。
二本の映画を見た後、私たちは近くの居酒屋に行った。国分町のような不埒ものの巣窟ではなく、大学の近くの映画研究会でいつも使う安居酒屋だ。映画のこと九割、プライベートな話一割の配分で私たちは話し続け、残念なことにこの日も健全だと言える時間に私たちは解散した。
デートと呼んでいいか悩んでしまうような。幼稚なものだったかもしれない。しかし、私は胸を張って言える。
十二月二十六日は私にとって最高の一日である。