第2話 日常と可能性
まさかの2週連続投稿
~スライムの“彼”の脳内~
どうやら何かまずいことを言ったようだ。記憶はないが、もしかしたらどこかからさらわれてきたとか...
...(考えている)
...(考えている)
...ないな
俺を見たとき驚いてたし...
だとすると...スライムってしゃべらないものなのか?
~わt...第三者視点~
「話すことができるスライムは初めて見ますね。もう三千年は生きているのですが。」
「えっ、はなせるの?なんて名前?」
「えっと...名前はないんだけど。」
記憶ないもんね。
「わたしがかんがえてあげる!えっと、先に自己紹介しなきゃ。」
少女は来ていた服ーーー着物に似たそれを整えると、自信満々に言い放つ。
「わたしは伝説の魔王の血を引く“全属性適性持ち”にして“固有技能持ち”、そしてこの城の主...」
口角を上げ不敵に笑いーーー
「“魔王”リルムツヴァイ=アルバ=オルタニア!」
どや顔がまぶしい。そして完璧に決まっていた。とても満足気である。
「次は私が。私はお嬢と同じく“固有技能持ち”で竜人族」
そこで恭しく礼をして静かに言う
「“龍王”ファヴナ=ジークリント」
「俺も言ったほうがいいかな。名も無きスライムです」
「ここで話すのもなんですから、朝食をとりながら話しましょうか。」
_____________________________________
「へぇ、ここって二人しかいないのか。俺を入れて三人?か。」
「そうです。城の周りに配下にする魔物がいないもので。」
「平和でいい、ならそんなこと言わないよな。何、勇者でも攻めてきたりするの?」
「こちらから手を出さなければ基本攻めてきませんが、ほかの魔王がいるので。」
「魔王って複数いるのか」
「ええ、ここ三百年くらいで力をつけている魔王が四人いるので、とくに彼らを警戒しないといけませんし。」
「大変だな。」
「彼らは新人狩りをしているので、早く手を打たないと。」
「そうなのか。ところでリルム...ツヴァイ...えっと...」
「リルって呼んで!」
「わかった。リルはいま何歳なんだ?」
「14歳!」
「そんなに生き残っていられたなら大丈夫じゃないか?」
「魔王は生まれてから15年の間、ほかの魔王に絶対存在が認知されないんです。なぜかはわかりませんが...」
「なるほどね。だからそろそろやばいと。」
「逆に15年がたつと自動的に認知されます。ほかの魔王を倒したいときは本人に通達する必要があるので、不意討ちの心配はありませんが...」
「真正面から来られても勝てないもんな。」
「あと半年あるかないかくらいなので急がないと。」
「ごちそうさま~!」
「私は少しやることがあるので...お嬢、彼にいろいろ教えてあげてください。」
「らっじゃぁ!」
ジークがこのスライムに可能性を感じていたことを二人は知らない
次回もいつかの日曜午後5時です。