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2話 歩き方

 さて、どうやってここから動こうか。

 身体がジェル状なせいで人みたいに力が入りにくいし、何よりもイメージが掴めない。

 スライムなめてたわ。すまねえ、何処にいるかもわからない我が同胞よ。

 お前達も苦労してたんだな。


 スライムといえば、RPGなんかでは物語の序盤に出てきて主人公の練習台にされて呆気なく倒されてその命を散らす、悲しい運命の最弱モンスターだ。

 俺はそんな悲しいスライムさんになってしまった訳だ。


 ゲームにしろ異世界にしろ、死んでしまったら終わりなことには変わりない。

 だから俺は、レベリングしてレベルを上げて、その先にあるかもしれない進化を目指す。


 それにしても、進化するにしてもどんなのがあるんだろうか。

 でかくなったりするのだろうか。

 それとも三段に積み重なるのだろうか。

 はたまた硬くなるのだろうか。

 まずは普通のスライムになるんだろうな。


 色々考えてたら腹が減ってきたな。

 スライムでも空腹とかあるんだな。

 初めて知ったぞ。

 スライムとか、ゲームによってはアメーバみたいな見た目してるから全然想像がつかないんだよな。


 てか、スライムって何を食べるんだろうか?

 肉よりも、無機物を食べてそうだ。

 口とか無さそうだし、体内に取り込んで溶かすんだろうか。


 ……そういや、特性に『溶解:Lv.--』ってのがあったな。

 あれで溶かして食べるんだろうか。

 発動とかはどうするんだ?

 スキルとかだと名前を言えばいいんだろうが、特性ってどうするんだろうか。


 まずは体内に物を取り込むことからだな。

 近くに手頃な小石はあるんだが……どうしようか。

 触手を伸ばすイメージでやればいいんだろうか。


 えいっ。


 おお、伸びた。

 こうすればいいのか。

 なんか、あれだ。

 獲物に向かう微生物みたいだ。


 あと、なんか音が鳴るのかと思ってたけど違うんだな。

 音なんてならなかった。

 触手から取り込まれたら徐々に俺の中心に移動していって、あとは普通に溶けていった。

「『溶解』発動!」とか言うのかと思ってた俺が馬鹿みたいだ。


 ……さて。

 腹も満たされたところで、歩くための方法を模索するとしよう。


 まずはイメージが重要なのではないか、と思う。

 では、何をイメージするべきか。

 アメーバ? さっぱりわからん。

 なら、カタツムリならどうか。


 カタツムリの歩き方なら聞いたことがある。

 確かカタツムリは、腹足という骨の無い筋肉だけで出来ている器官を持っているためにどんな形の足場でも安定して動けるはずだ。

 腹足からはビンガム流体という接着性と流動性を併せ持った特殊な粘液を分泌しているからガムテープの上でも普通に動けるそうだ。


 肝心の歩き方だが、カタツムリは後ろから前に波立たせて動く、進行波という方法で前に進むそうだ。

 ならば、スライムのこの身体でも同じことをやればいいのではないだろうか?


 ただ、カタツムリの身体は、丸いスライムと違って長いのだ。

 同じことやって動けるかは不安だが……、やってみるしかない。


 いざ、実践!

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