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研究所長の考察・乳房

作者: 土成次朗

 さて、今日は乳房について考えてみようと思う。

学園を題材にした作品において、乳房の大きな少女を登場させる必要性は果たしてあるのだろうか。


 肯定である。

大きな乳房が映える瞬間とは、そのたわわな肉の塊が激しく揺れ動くその時だ。

 もちろん、ただ揺れるだけではいけない。

普段は全く主張のない少女が、無理矢理揺らすシーンにこそ真価があると言えよう。

乳房が窮屈になるであろう体操服を義務的に着せられ、強制的に上下左右の揺れを惜しみなく周囲の眼前に晒す「非日常」こそが、我々の胸を高鳴らせる。

即ち、体育の授業でのランニングシーンだ。

これを自然に取り入れられる環境を用意出来るのは、学園モノを置いて他にはない。


 私は考察が一区切りついた所で、ススとコーヒーを啜る。

清潔な研究室に、漂うコーヒーの香り。

悪くない。今日は随分と頭の中が晴れやかだ。

続けて、私は自分の中で自問自答を始める。

バトルシーンが多い作品において、乳房の大きな少女を登場させる必要性は果たしてあるのだろうか。


 肯定である。

ただここで私は、最近よく見るビキニアーマーと呼ばれる露出の高い防具ではなく、堅い鎧に身を包んだ女性を是非推奨したい。

何故か。

乳房とは、少々窮屈な思いをさせてでも大事に守るべき宝物だからである。


 普段から宝物をちらつかせて歩くなど、非常識の極みではないだろうか。

宝物は、多少不便な思いをしてでも堅牢な金庫に大事に仕舞い込むものである。

そしてその美しい宝物は、稀に周囲に姿を現す事でこそ、その真価を発揮すると言えよう。

戦いに敗れたボロボロの姿もいいだろう。

ひと時の安息で鎧を脱いだ、リラックスした姿もいい。

だがその一瞬でこそ、バトルモノで乳房の大きな女性は一際輝きを見せるのではないだろうか。


 ふう。今日は実に考えがすんなりまとまる。

私は考察結果に満足し、チェアにもたれかかった。

きれいに整頓された机にはチリ一つない。

手首の疲れを軽減する為に購入したおっぱいマウスパッドが、きらりと輝く。

再び私は、思考の海に身を沈めていく。

次は……そうだ。

SF作品において、乳房の大きな少女を登場させる必要性は果たしてあるのだろうか。


 肯定。肯定である。

言うまでもない。必要以外の何者でもないのだ。

巨大ロボットが登場する作品においては、逆に乳房の大きな少女が登場しない必要性がないと言えよう。

何故なら上記の作品には、必ずと言っていいほど必要になる、あるアイテムがあるからだ。

即ち、パイロットスーツ。

これである。


 パイロットスーツとは、SF作品の醍醐味である巨大な乗り物に搭乗する際に必ず着用が義務付けられるものだ。

乳房の大きな少女が否応なしにその乳房を主張する着衣を強制され、そして堅い防壁にその身を包まれる。

パーフェクト。

素晴らしい。

素晴らしい!

非の打ち所がないではないか!


「所長。会議のお時間です」

突然の呼びかけに、思考の海から私は連れ戻された。

研究室の入口から、秘書が呼んでいる。

今日もブラウスのボタンは閉じきらなかったようだ。

苛立たしげな腕組みの上には、重そうな乳房がこれでもかと乗っていた。


うむ。


残念だが、今日はここまでのようだ。

私は考察結果を走り書きで書きとめ、腰を上げた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] excellent! ジークおっぱい! [一言] レビューに惹かれて来てみれば素晴らしい世界が広がっていました まさに我神意を得たり
[良い点] はっきり断言しましょう。  土成次朗先生。  正義は我らにこそあり!  おっぱいは世界を救うのです。  なんちて。 [一言]  いやあ楽しませていただきましたあ♪  感謝!
[一言] やっぱり必要ですよね! 次話で学校の体育の授業の話を書こうと思っていた私にはどストライクな内容でしたw いやもう、もちろん登場させますよ! むしろ登場させなければならないと決意を新たにできま…
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