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女の子のスカート捲ってもそこにパンツがあるとは限らない!!

「離せ、エンジェルダスト!!!」

「そういうわけには行きません、土方さん。」

失神からゆっくり意識を取り戻していく炎魔の前ではどうやら喧嘩になっているらしい。

後ろ頭を硬い壁に当てられ、そして見事な頭突きを額に頂戴した炎魔の視界はまだぼやけており、目の前の状況がよく分からずじまいだった。

唯一、見えるのは土方優と思われる人型の何かとその振り上げた両手の手首を縛っている光るナニカだ。そしてもがく彼女の両手の先にはでかいフライパンみたいな物があった。

「意識がない相手を打ちのめすのはあまりにも卑劣じゃありませんか?今まで正々堂々と武器を振ってこられた貴女にはふさわしくない。」おそらくこの白いナニカを操っている人は土方優を止めているのだろう。その声は波立ってない水面以上に落ち着いた声音だった。

「でもこいつは私の大切な物を奪ったんだぞ!!」それに引き換え優は泣きそうな声でその人に訴える。

「それは見ました、というか見えてしまいました。でもそれは事故の過程で奪われてしまった物です。彼だってそんなつもりは無かったはずです。」

「でも、でも~。」優はもう泣き出す寸前だった。

「なあ、おい。」炎魔の視界はまだぼやけていたが壁を頼りに立った。

そしてまた地面に倒れ、土下座をした。

「すまない、昨日に立て続け今日もお前の聖域を土足で踏み荒らしちまった。恐らく、どんなに誤っても償いきれねえ、だから俺を煮るなり、焼くなり、好きにしろ。」

例え、山篭りが長かろうと人の大切な物を奪い、平気でいられる程炎魔の神経は図太くなかった。特に世間に泣き顔をさらしそうになるほどの価値があると分かった以上なおさらだ。

「だそうです、どうします土方さん?」と落ち着いた声が響いた。

しばらくの間、沈黙が流れた。

そして「いっぱつだけ」と呟くとそのフライパンらしきものが炎魔の背中に叩きつけられた。

息がつまり、痛みと衝撃が全身に伝わった。こみ上げてくる吐き気を押さえ込み、炎魔は土下座を開放して地面に座り込んだ。

そしてようやく視界が元に戻り、周りが見えてきた。

目の前には土方優が立っていた。顔は真っ赤だったが真剣な表情を浮かべていた。そして炎魔はここでやっと彼女が持っているものが認識出来た。

それはドデカイハンマーだった。

コレが頭にクリーンヒット決まったら飛竜でさえ殺せそうな大きさだった。何故、彼女がそんな物を持っているのか、そして何故それを軽々と触れるのか白髪の少年はとっても知りたかった。

その後ろには一人の男が立っていた。彼も炎魔と同じように龍牙魔術学園の制服を着ている、要するに同じ学園仲間だ。洋風なイケメンであり、体格は炎魔よりスラっとしていたがどこか引き締まっており、弱くは見えなかった。金髪はゲルでビシッとストレートに決めてあるがクセが強いせいか所々ツンツンだ。ちなみに額と眉毛は前髪のよって完全に閉ざされていた。そして皮肉っぽく光る半眼は鷹のような鋭さを秘めていた。先ほど土方を止めていたエンジェルダストとか呼ばれていた人はこの少年だろう。

「中々律義なお人じゃないですか。」金髪の少年は炎魔に歩み近づいた。「この時勢で立派な謝罪に土下座をする男はそうそういませんよ。その律義に免じて今日は引き取ったらいかがでしょう?」

土方優は炎魔をチラっチラと見ながらどうするか考え込んだ。

まさにその時に突風が巻き起こった。

学園物語で突風が巻き起こる目的はただ一つ、すなわち女の子のスカートをめくる為に!!

そしてここの場合でも例外ではない。

土方優のスカートは捲れるだけ上がり、お召しの物がMARUMIE。

そしてそのお召しの物は男の夢を跡形もなく粉砕する物だ。

一言で言えばスパッツを履いていた。


今回はちょっと短めです。ちょうど区切りがよくてサブタイトルも考えやすかったので(でたらめだけど)ここまでにしました。

さて、金髪の少年は一体だれなのか?

次回、‘転校生って謎めいた存在だけど本当は大したことは無い!!‘

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