プロローグ
夜の25時って、誰が決めたんだろう。
時計の針はとっくに0時を過ぎてるのに、私の中ではまだ今日が終わってない。部屋の電気を消して、布団に潜って、スマホの画面だけがぼんやり光ってる。誰にも見られない時間。誰にも聞かれない声。
田舎って、静かすぎて逆にうるさい。虫の音も、風の音も、遠くの川の流れも、全部が耳に入ってくる。だから私は、ラジオを聴く。深夜1時、インターネットラジオ。エクスネクの歌が流れる時間。
名前も顔も知らない誰かの歌なのに、どうしてこんなに心に刺さるんだろう。失恋の歌も、恋の歌も、全部が私のことみたいで。まるで、私の知らない私を代わりに歌ってくれてるみたい。
学校では、笑ってる。勉強もできるし、運動もできるし、友達もいる。でも、誰にも言えないことってある。誰にも見せられない気持ちってある。そんなとき、エクスネクの声が、私を見つけてくれる。
この声の人に、いつか会ってみたい。
でも、会ったらきっと、何も言えなくなる。
だから、今はこのままでいい。
声だけの世界で、つながっていたい。
25時のラジオ。
今日も、私だけの時間が始まる。
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