七話「やっぱり」
す~っかり魔法に関する未練が消えた。
危険なんて迎えに行くもんじゃない。
別にこの生活だって良い物だし。
仲間達と清掃活動に勤しんで、
金貯まったらアレタルト外に旅行して、
…いつか結婚とかしちゃったりして?。
結局そういうのが…一番だよな!
「お~いおい、ま~た何かに浸ってんのかよぉ。」
今日はタンコと城下町に来ていた。
「タンコ、何買いに行くんだっけ?」
「木彫りの馬。」
男の趣向は異世界でも変わらんな。
「そういやタンコってさ、清掃班より上目指してたりするの?」
「おう、目指すは近衛兵だ!俺は一族の柱になってやるのが夢だからな。」
夢か…
「俺の夢は、アレタルトに家構えてスローライフかなぁ」
「ハハッ後何年かかるだろうな!」
…露店に着いた。
「う~ん…おっ!ラッキー。」
「思ったより高いの買うんだな」
「そりゃあ一番カッケーのが欲しいでしょ。」
タンコが会計をしている間に、俺は果物の露店へ向かった。
タンコが会計をしている間に、俺は果物の露店へ向かった…
向かっ…
向か…
向…
「うぐぁぁぁぁぁッ!、アァァェァ!」
突如体に異変が生じる。
目の前には女のヒトが痛て。
胸には、い死が…
さ息ん、見た…
━魔晶が
「あぁ!ぁぁぁ!ぁぁ~!」
─胸痛、頭痛、吐き気、高熱、悪寒。
これが…瘴気に満たされる感覚!
チカチカとする視界に…俺は既視感を覚えていた。