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「王都アレタルト」

日本の田舎よりも澄んだ風、遠くにはエメラルドグリーンの海。

年中眠くなる様な暖かさを持つ「王都アレタルト」

そこには転移者が一人居た。



俺の名前はボブ…冗談っぽく聞こえるか?。

所謂異世界転移者って奴で、

転移前の名前は忘れた、というより消えてんだと思う。

役所に保管してあるような情報以外は大体覚えてるけど、不思議と転移直前の記憶だけは曖昧だ。

な~んか変な空間だった気がするけどな。


今は転移先の城でトイレ清掃員をしている。

「…水を出す魔法とか使えたら、どんな感覚なんだろ。」

「おぉーいボブ、念願の昼食タイムだ!戻ってこぉーい」

「…あ」

このでかい声の主は卵大好きスキンマッチョの

「ドット・マクレ」、役職は清掃班長だ。

「ハァーイ!今向かいまぁ~す!」



今日もメインに肉が鎮座している、

思わず口角が上がる。

城内の食事は清掃員用でさえ質が高めで味も濃い、

この安定した食事こそきっと転移者特典という奴だ。

けど、こんな料理はここが指折りの安全地帯だからこそ出せる物らしい。

地図を見るとちゃんとファンタジーしてるし、新聞には毎日魔物が起こした事件について載ってる。

ギルドがあって魔法が使える世界であっても、

安全な所で労働をするのが一番なのは変わらない。

─退屈だ。

「…お前さ、早く食事に手ぇつけたら?、昼食は30分だって教わったろ。」

左の金髪男は「タンコ・ランコ」、窓掃除係の同期だ。

「すまん、ちょっと考え事をしてた」

「考え事っつ~より何か浸ってなかったか?」

「まぁお前が来てからまだ二週間だもんなぁ、

あ、れ、か、ら、な?」

お調子者のこいつは人の恥ずかしい話を度々ぶり返してくる。

アレとは転移した瞬間、気づけば裸で城前に寝そべっていた時の話。

ちなみに第一発見者はこいつだ。

「その話すんの、せめて今月中だけにしてくれよ」

「OK、今月中に一生分話すわ」

正直沢山話しかけてくれるのはめちゃくちゃ嬉しい。

何故なら今この食卓には10人程座っているが、

仲が良いのはタンコとマクレ班長位だから。

「いただきます!」

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