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#26 封印地へ


「おはよーございます!」

 台所でお茶を淹れている親方の大きな背中に向かって声をかけた。

「朝からうるせーなー……茶がしぶくなっちまうだろ!」

「いや、なんかびっくりしちゃって飛び起きたんですよ! 家と違う天井だったから! そういえば昨日親方の家に泊まったんだった! って思い出して! でもよくよく考えたら、その前まではほとんど野宿してたのに、そんときはなーんも思わなかったなって。なんでだろう? 天井見なきゃダメなのかな? ね? どう思います?」

「知るか!」

 言いながら、親方は棚から一つコップを取り出した。ポットからお茶を注ぐと、「ほれ」と目の前に突き出してきた。

「あ、私の分? わーい! ありがとうございます! 親方が飲むやつ美味しいんだよなー。高いんでしょきっと? これが財力! 財力の塊!」

「つべこべ言うなら飲まなくていいぞー」

 手を引っ込められかけたので、慌ててとりなす。

「飲む飲む! 飲みます! 静かに飲むから!」

 台所とひとつながりのダイニング。テーブルにつき、お茶をすする。胃の中心から放射状に温かさが広がっていくのがわかる。「ぷへー……」

「体調はどうだー?」

 親方は一口お茶を飲んだ後、台所に戻る。大きな背中が揺れている。

「ばっちりです!」見ていないと思うけど、指で作ったオッケーマークを背中に送った。

「他の二人は?」

「どうだろ? 私が起きた時にはぐっすりすやすや寝てました。起こさないようにそろそろ出てきたんだから!」

「さっきの『おはようございます!』で全部台無しだと思うけどなー」

 じゅうっという何かを焼く油の臭いがただよう。

「ありゃ、もう八時か! 親方お店は?」時計を見た。

「今日は定休日だろーよ。カレンダー見ろ」

「あ、ほんとだ。よかったよかった!」

「何がよかったんだよ」

 カンという音がした。親方がフライパンに蓋をかぶせたらしい。

「だってほら! 時間気にせず親方と喋れるじゃないですか! よく考えたらあんまりそういう機会なかったんじゃないかって! 私たちって仕事の話しかしてないんじゃないかな?」

「お前なぁ……」

 親方がにやけながらこちらに振り向いた。

「逆だよ逆! お前の話はほとんど雑談だろーが! しかも長い! 仕事の話のほうがすくねぇよ! ったくちゃんと仕事しろ! ……って違うな。もう俺の丁稚じゃないもんなー。まあ好きにやれや」親方はフライパンに視線を戻した。

「ひどっ! なんていうか、ひどっ! そんなに私雑談してましたか? おっかしいなぁー真面目にやってたんだけどなぁ……。あれかな? ほら、お客さんが色々面白い話してくれるじゃないですか。孫が高等に入って、私のちょっと良い噂を聞いたよとか、なはは。どんなんだったかは教えてくれなかったんですけど。それとか、魔列車の運転手さんがお腹壊して、途中で停めたとか、山でバスクの人たちと会って一発芸教えてもらったとか、そんなやつ! それを親方にも伝えてたから、それじゃないかな? 私自身はそこまで変な話してないと思うんだけどなぁ……穴あけしろって言われたら『はいっ! 喜んで!』、仕入れ品倉庫に運んどけって言われたら『はいっ! 遅滞なく!』って感じで、ぱんぱんぱーんって。でも、遅滞なくってどういう意味かあんまりわかってないんですよ。親方が遅滞なくやれよってよく言うから見よう見まね、じゃない、聞きよう言い真似? で使ってただけなんですよね。親方に何か聞くときも『親方、聖水の効果は何日間でしょうか?』とか、そーだなぁ……『ユニコーンの角はいくらでしょうか?』とか! ぱんぱんぱーんて感じでやってたでしょ? あ、ところでね。こないだ面白いことがあったんですよ。三人で歩いてたら、『ぷっ』って音がしたんです! わかります? 周り誰もいないんですよ? ね! なはは。これってもうそういうことじゃないですか! で、私はまずメイにこっそり聞いてみたの『ねえ、オナラした?』って! そしたらメイがすんごい顔して私を睨んできて! 『黙って! 私も聞こえたのよ!』て言うんです! ね! なはは。これってつまり……ぷふふ。リカさんが……」

「うるせえー! それが長いってんだよ! どんだけしゃべるつもりだお前! しかも、大した意味もねぇ内容ばっかりよー! 聞き流してる間にキレイに焼けちまったじゃねえか!」

 親方がパンとベーコンエッグがのった皿を突き出してきた。いつの間にかフライパンからおろしたらしい。

「うわー! ほんとキレイ! 親方やるなぁ! うちのお母さんより上手だ!」

「味は知らんぞー」

 親方は椅子に腰を下ろし、手を合わせた。ナイフとフォークを使って、自分の皿から魔法のように食べ物を切り分けて口に運んでいる。

 ユイも真似をしたが、あまり上手くいかず、結局パンの上にのせてかぶりつくことにした。

「別にいつまでいてくれても構わねえんだけどよ、これからどうするつもりなんだお前?」

 あらかた食べ終わったとき、お茶を飲みながら親方が言った。

「私は正直、現状がどうなってるのかよくわかってなくて。なんか色々なことが重なっててすごくまずいってことぐらいしか理解してないんです。でも、私のやることは一つ。カズキさんを助けにいきます! それだけ! そのために訓練してる! でもうまくいかない! まずいなぁ……時間ないのに……でもやるしかない! 他のことは後からどうにでもなるかなって。ならなくってもまあ、リカさんとメイと親方がいるから……まあそれでいいや!」

「そうか……お前らしいな。教授を助けるってのがどういうことか、俺にはわからねーけどよ。まあ、一つ頑張ってくれや! お得意さんだからな!」

「はいっ! よろこんで! ところで、さっきの話の続きなんですけど……リカさんがね。オナラをしたのかどうかってやつ……ぷっ……ぷふふ」


「おはようございます」

 リカとメイが現れた。

「あっ……じゃあ、この話はまた今度にします……なはは」

「よく眠れましたかい?」

 親方が立ち上がり、台所に向かいながら声をかけた。

「ええ。本当にお世話になりました」リカとメイがぺこりと礼をする。

 ユイは二人が座れるよう、奥の椅子に座りなおした。リカが隣に座りながら小声でささやく。

「私……してませんからね」

「あ……聞こえてました? なはは。じゃああの音はなんだったんだろう? ねえメイ」

「わ、私にふらないでよ!」

 慌てるメイの前に、さきほど自分に出してくれたのと同じ朝食セットが置かれた。

「ほいよ。大したもんねーけど、とりあえず食べておきなよ。リカさまも」

 親方は二人分のナイフとフォークをちゃらっとテーブルに置いた。

「ありがとうございます! 実は……そうなんです。まだまだお腹すいてて。えへへ」

 自分の髪をなでまわしながら、リカは素早く食器に手を伸ばした。

 二人がもぐもぐと食べている。親方は頬杖をついて黙って眺めている。ちょっと落ち着かない様子。きっと、味が気になるんだ。リカが「んー! 美味しい!」と両手でオッケーマークを作る。メイも遠慮気味にお辞儀をしている。親方の頬が緩む。緩み切らないように我慢しているのが親方らしい。「そりゃよかった」きっと、本当はめちゃくちゃ嬉しいのだ。こういう風景の中に自分がいることが、なんだか幸せだなと感じた。

 味が変じゃないと確信できて余裕ができたのか、親方はぼつぼつと喋り始めた。

「今日の新聞にも出てましたよ。リカさまのこと」

「ぬあんてくあかれてますたか?」

 口元を押さえながらもごもごとリカが喋る。

「当局によると、リカさま一行がザッシュ郊外に潜伏している可能性が高いと。情報求むと。そんな感じです」

「なぜ……最初からずっとですけど……私たちの位置がばれているんでしょう? テレポしてもすぐに追手がくるなんて変ですよね……」メイがちらりとリカを向く。

「さあ……誰かに見られているのか……それとも……うーん……なんかそこに関しては……ちょっと私もよくわからないんですよね……九月一日……その新聞の言う私がクーデターを起こした日ですか。あのときも……私のいない絶妙のタイミングだったしなぁ……何かあるとしか思えないんですけど……魔法じゃない。これは間違いない。現在地を読まれる魔法をかけられているなら認知できますし……あれはそんな広範囲では不可能です」

「大地系魔法のジオですね」メイが答える。聞いたことはある。

「さすが首席」

 リカが親指を立てる。

「でもね。不思議なところがあって、『今は』完全に位置を特定できてないってところなんですよ。これまではかなりピンポイントでばれてましたよね。なんでここが? っていうところで追手の警察やら役人に出会っちゃってました。でも、今は違う……ザッシュ郊外って……ここは完全にザッシュの街中ですよ? 郊外ってことは……最後にテレポしたあの洞窟のことを言ってますよね? それ以降は私たちの位置を捕捉できてないってことです。ってことはあのとき何かあったんですよ。私たちは気付かないうちに相手の術中から逃れる何かをしたんです」

 ぴんときた。「はいっ!」手を挙げる。

「どうぞ、ユイさん」

「お風呂とお洗濯です! 逃げ始めてからそこで初めてやりました! だからこれです! いや、どっちかです! あれ? もしかして両方必要? まあ、わかんないけど、両方すれば間違いないってことですね! でも、気持ちよかった! あーやってしばらく入らないと気持ちよさが違うなあって大発見! あんまりお風呂好きじゃないんだけど、見直しました!」

「お、お風呂と洗濯? 確かにそうだけど……それでどうやって位置バレを防いだっていうの? 論理的に考えてよ……」メイが頭を手で押さえた。

「それはわかんない! ほら、あれかな? なんていうか、こう、気持ちが良くなってさ。精神状態が良くなったから、魔力が充実して、呪い的なもんをなんもかんも吹き飛ばしちゃったとか? メイも言ってたじゃん。洞窟の中でさ、メイが穴ぽこに水貯めて、私が沸かして。できたよーって言って。そしたらメイが洗濯用に作った水貯めた穴ぽこに脱いだ服を入れていって、すっぽんぽんになってさ。最初手で色々隠しておずおずしてたのに、お風呂出終わるころには、上がってばあって入り口の方に向いて大の字に仁王立ちして、『なんかこれ案外気持ちいいかも』って」

「ちょ、ちょっと! そ、それ言わないでよ!」

「大丈夫大丈夫! 親方しか聞いてないから! ね!」

 親方を見ると、あからさまに視線を外して「俺は……何も聞いちゃいねー」と言った。

「でも……案外、そういうところに……何かあるのかもしれませんね」

 リカが真剣な顔をしている。

「俺は、職業柄……シェルドンの技術についても勉強してるんすよ。面白いもんで、『技術』と『魔法』ていうのは似てる部分もたくさんあるんです。違う部分もたくさんありますけどねー。技術の良いところを取り入れて、良い魔具を作りたくってね」

 メイが親方を見やる。

「それはつまり……私たちの位置が知られているのは……こちらのジオに似たシェルドンの技術がある……ということですか?」

「おう。さすが首席だな。誰かさんと違って話がはえー」

 親方が右の眉を持ち上げた。

「だとすると……長官派……つまり次期王派、あ、いやもう第一王子が現王になっちゃったのかな? ……はぁあ」

 リカの首ががっくりとうなだれる。

「長官派が……いや、第一王子本人かもしれませんが……シェルドンと通じて……リカさまの排斥を狙ったということでしょうか?」

 メイが受けて続ける。黒目がちな目が、唇が乾いている。

「そうかもしれない……うん。割と可能性は大きい。しかし、そうだとするとかなり大きな問題ですね。単純に、ユキト長官あたりが非公式にシェルドンの技術を取り入れてるだけであって欲しいですけどね……そこまではわかんないです」

 そろそろ目が回ってきた。限界。

「はいっ! 説明してください! 毎度ながら私だけ何もわかってません!」

「あー……」

 メイが困り眉になり、親方を見た後にリカに向く。リカが両手を頭の上でくっつけて大きな丸を作った。「ユイさんが信頼するケイトさんなら、私も信頼して秘密だろうがなんだろうが聞かれてもいいことにしようじゃありませんか!」

 リカが親方にウインクをする。親方はあからさまに目を見開き、泳がせた。「それに、どーせね。私はもう魔法府の人間じゃないんですよ。お尋ねもんなんですから! えへへ」

「だ、大丈夫ですかリカさま……やけくそになってませんか……?」メイが心配そうに尋ねた。

「前に言ったでしょう? 私はね。この国だとか自分の名誉だとか地位だとかよりも、師匠を助けたいんですよ! 時間がない! 私たちがどうにかしないと、あと一週間ぐらいで師匠はリスクシールをやってしまう! 今は信頼できる仲間が多い方がいいんです! それを言うなら、私はメイさんのほうが心配です。あなたは実力もあるし聡明です。私のせいでキャリアを閉ざすことがあってはいけない……抜けるなら今です。私に無理やり拉致されたと言えばどうにでもなるでしょう。あちらサイドが潰したいのは私と王でしょうから」

「質問質問! あちらサイドとかこちらサイドとか、ちょっとまず全部説明してからにしましょうよお! こんがらがっちゃう!」

 頭が割れそうだ。色々話を聞いたような気もするが、あまり興味が持てずはっきりとは覚えていなかった。

「そうですね。メイさんお願いします」リカが笑う。

「はい」メイと目が合う。親方にも目を配っている。

「前さ、南ドネザル駅で話したこと覚えてる? 魔法府にきてからも一回説明したから覚えてて欲しいけど、この国には現王派と次期王派があるってこと。まずここから。現王はこの国を統べる要素が第一王子には欠けてると思ってて、聡明な第二王子に継がせたい。でも次期王候補筆頭である第一王子は自分が継いで好き勝手に国を動かしたい。この戦いね。そこにいろんな人が絡んでるわけ。リカさまは現王とはロードコードさまの兄弟弟子ってこともあるし、現王の理屈のほうが筋が通ってると思ってるから、現王の味方でずっとやってきた。一方、ユキト長官や参事官」

「白髭と小太り!」ビジュアルが鮮明に蘇る。

「どうでもいいことで話の腰を折るな!」

 メイに怒られたので下唇を突き出した。

「彼らは第一王子に媚びを売ってきて今の地位を確立したと言っても過言ではないの。だから大した実力もない……とは言ってもAクラスだけどね。魔法府の長官としてはってことね。次期王派はずっと狙ってたのよ。リカさまを追い出すタイミングを」

「それがあの日、えーと……九月一日だったってこと? っていうかなんでメイはそんなに知ってんの?! なんで私だけ知らないの? 一緒にずっといたのにい!」

 頬を膨らませた。ずるい。

「あんたがぐーすか寝てる間にリカさまと色々今後のこととか話してたのよ! あんた起きてる間は、あのお菓子が美味しいとか、どうでもいい話しかしないし、シールの訓練しなきゃだったし……それにさ、こんなこと知っててもユイには関係ないと思ったんだよ。その関係ない話、一応つづけるけど……長官たちは魔力ではリカさまには勝てない。だから、勝てる味方を連れてきたみたいなの。九月一日……リカさまがいない間に王を脅迫して退位させて、慌てて飛び込んできたリカさまも返り討ちにして……そんな味方をね。それで私たちは逃亡の旅に入ってるわけ。魔法府でリカさまに勝てるやつがいるなんて想像もつかないんだけどね……」

 メイがちらりとリカを見る。

「そう、それがね。一番の謎です。私もあれが誰だか本当にわかんないんですよ。ざ・悪役! みたいにフード被ってましたし。とにかくあんなすごい使い手……見たことないんです。……強いのは間違いないし……しかもなんかちょっと魔力の臭いが……変……ロードコードさまに……うん。よく似たような……でして、調子狂ってやられちゃった……頑張ればもう少し戦えたと思うんですが、それこそロードコードさまのことがあるので、今ここで命をかけてやりあうワケにはいかなかったんです。だから逃げた。そしたらこーなっちゃった」

 リカは肩をすくめてうつむいた。意を決したように両手を鳴らし、顔を上げる。

「ま。しかしですね。とにかく我々がやらなければならないのは、今も一人でシールを頑張ってるロードコードさまを助けることです。結果的に次期王派に対する対抗策にもなりますしね。ロードコードさまさえ自由になれば、こちらの戦力はべらぼうにあがりますから」

「なんでさ。あの時だったのかな?」

 ちょっと納得がいかない。

「どういうこと?」

「だってさ。リカさまが宮中にいないタイミングなんて結構あると思うんだ。私の泥棒事件の時もそうだし」

「うん……それはそうなんだよね……私も若干ひっかかってる。論理的じゃない。一応……その謎のフードの魔法使いを味方にできたのが九月一日前だったのかなっては……思ってはいるけど」

「あーそういうこと。うーんでも……そうなのかな? だってさ。カズキさんが今動けないってことを白髭さんたちは知らないんでしょ? リカさんをやっつけたって師匠のカズキさんがいるんだから、手は出しにくいと思うんだけど。リカさん言うように戦力がめちゃくちゃあがるんだから。私は。うん。私ならだけど。ほら、誰かと喧嘩したってさ。お母さんが一緒だったらできないよ。その子のお母さんに怒られちゃうから。なはは」

 笑って周りを見ると、メイとリカが口をぽかんと開けていた。

「ばれてる……のか! このタイミング! ユイさん! そうだ! そういうことだ! うわー頭沸いてたー! こんな簡単なことに気が付かなかったなんて! 師匠が動けないってことを知ったんだ! 九月一日のちょっと前に! で、私が王宮をしばらく開けたから、王を拉致するなら今がチャンスって!」

 リカがメイを見る。

「リカさま……封印地の場所は……?!」

「以前言ったとおり……長官は……深い話は……場所とかは……知らないはずですが……ちょっと……フードの魔法使いも含め……嫌な予感が……します!」

 爪を噛むリカ「なぜバレたんでしょう……位置を知られていたこともあるし……あーダメだダメだ! 今はそれどころじゃない! 行きましょう! 封印地に! ユイさんのシールは……全然完璧じゃないけど……彼らが情報を百パーセント知っているんだとしたら、ロードコードさまを先に狙う気がします! 今、師匠はシールに魔力を注いでる状態……戦えるコンディションじゃない! 守るためにも!」

「うん! 行きましょう! 白髭さんたちの話はわかんないからどうでもいい! とにかくカズキさんを助けるんだ! 大丈夫! 本番には強い! 私! 多分! いや、どっちでもいいや、もうやるしかない!」拳を握りしめてメイを見た。メイの大きな目がきらりと光り、軽くうなずいた。

「封印地に行くなら、テレポを使える私たちが有利です! 普通に陸路を使えばかなり時間がかかるはず! もしかして一日から行軍してるんだったらいい勝負かもしれないけど……うーん間に合え! 手を!」

 リカの声にメイと自分の手が重なる。最後に親方を見た。「ユイ、教授のことは頼んだぜ!」親方の大きな親指が心強い。

「ケイトさん、ありがとうございました! また……生きてここに戻ってこれますように! テレポ!」



続く。

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