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第32話 稲荷家パワー

高校1年生、15歳の天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

「ん、オネーさん!

葵オネーさん!」


「っ!」


ヒュッ、と音を立ててのどが鳴る。

歪んでいた視界が、不協和音がなっていた耳が、正常運転を開始する。


そこは、教科書で見た、戦国時代を思わせるような部屋だった。


和風。その一言に尽きる。


しかしあちこちに豪華絢爛な装飾が施されている。

足元は畳。壁には獅子の絵。


室内には美しく煌びやかな日本刀が何本かかざられている。


(異界なので、正式には日本刀ではないのかもしれないが。)


目の前の桜を見やれば、


「桜……

さ、桜……?!」


「2回も呼ばなくてもわかるってばぁ」


「ち、ちがくて、う、腕…」


「自分のこともよーく見てね、葵オネーさん。

とーだいもとぐらし?ってやつだぞー!」


桜の腕の出血を指させば、そんな人間界独自の言葉で反論される。


自分を、見つめれば、


「う、うわぁ…」


あちこち裂傷が刻まれていた。


特に右足が酷い。


買ったばかりのお気に入りのジーンズが無惨に刻まれ、その下の皮膚も無惨な状態になっていた。


いやはや、ふつうに生きていればこんな切り傷だらけ、無惨だらけになることはないだろう。


怖いのは、全く痛みが無いことだ。


「ね、桜のこと言えないでしょー?」


「う、うん。え、と、ここ、どこ……?」


自分と、桜の傷から目をそらして周りを見渡す。


「近くの部屋の中。

外はまだ城の中だけど半分壊れてるー

雅もあの女の人に取られちゃった」


「そ…っか」


「桜だけじゃ多分、あの女の人、止められない気がする。……ごめんね」


しゅんとした様子で謝る桜に葵は頭を振った。


「そんなことないよ?!

むしろ私が力不足で…」


「渚兄なら、多分一瞬で、やっつけられるよ…?

多分、湊兄も、3分くらいで…」


「桜の家族って凄いよね……」


神一家のパワー力に苦笑しつつ、戦況は好転しない。


葵は周りを見渡し、


「……、桜。

まだ、私についてきてくれる?

危なくて、もっと怪我しちゃうかもだけど…

一緒に、戦ってくれる?」


「もちろんだよー?」


真っ直ぐな瞳でこちらを見つめる。


桜のこういうところが凄いと思う。


「私に少し改善策……っていうか、こうしたほうが勝気が上がるんじゃないかなぁっていう方法があるんだけど……」


「ほんと?!どんな方法?!」


期待に満ちた瞳を輝かせ身を乗り出す桜は、まだ子供だ。


葵の生きた世界ではこんな幼い子をともに戦場に立たせるなど虐待よりも残虐な行為だ。


しかし、ここは異界。

桜は、神様。

決して弱くはない。

ともに、戦うのだ。


「えっとね……方法っていうほどじゃなくて、凄く単純な思い……なんだけど…」


その瞬間、


ドガァン!!


凄まじい、音がした。


慌てて桜を抱きしめ、葵は小さくなる。


バチバチバチバチッ!!


電流が流れたような音が走る。


それと同時に、凄まじい音と振動が襖越しに伝わった。


「なになになになに?!」


襖がガタガタと音を立てる。


「葵オネーさん!

外出た方が良いんじゃない?!」


「あ、危なくない?!」


「中にいたほーが危ない気がする!!

多分、この部屋、崩れちゃう!!」


「わ、分かった!

桜、権能、準備!!」


この襖の先がどうなっているかなんて考えるのも恐ろしい。


それでも、雅を助ける覚悟を決めた身だから。


葵は目を瞑り、桜を片腕でしっかりと抱き、傍にあった日本刀をひっつかむ。


そして、勢いよく襖を開けた。





[今までの登場人物紹介]


・渚冬 稲荷家の長男(神様)

・湊  稲荷家の次男(神様)

・桜  稲荷家の末っ子(神様)

・葵  一ノ瀬家の次女(人間)

・瑠依 一ノ瀬家の長女(人間)

・雅  葵と共に攫われた桜を奪還する際、囚われの             

    身となってしまう。

彌珠端(やずは)  雅の師匠……?

・志乃  卯年の時雨夜執行人

・怜央  寅年の時雨夜執行人

・藍瀬  怜央の精神と肉体を乗っ取っている妖魔

・叶夢  玲瓏にいる罪人。

     葵と志乃の異界への扉探しに杖という条件        

     付きで協力。

      

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